2019年秋華賞 全頭評価 その1。カレンブーケドールは輸送。

<エスポワール>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・掛かりやすいので内枠か道悪が良い。

”未勝利戦”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー最内を回して直線馬群を捌いて伸びクビ差1着、3F戦で持続力とゴール前馬体を合わせてからの差しで勝負根性を見せた。”500万条件”ではスローバランスを中段からやや掛かり気味、4コーナー外を回して直線ジリジリバテ差しで2着まで。”2019年6月1勝クラス”では稍重でスローバランスを出遅れ中段の後方から、3,4コーナー外を回して直線外からL2で10.6くらいを出して差し切り、トップスピードの質は下り坂なのでまぁまぁ、持続力は見せた。”2019年シンガポールTC”では重馬場でスローバランスを2番手ポケットで折り合って直線スムースに中目から抜け出し圧勝、重馬場適性を見せた。

「秋華賞へ向けて」好材料:雨予報、距離適正、休み明け。悪材料:クラス負けの危険。

オルフェーヴル産駒で掛かりやすい面がある、それが出てしまったのが500万条件2着の時で外枠だったこともあり掛かって末脚が鈍ってしまった。心肺機能は未勝利戦で平均バランスを馬群を捌いてから、合わせ馬になって競り落とす勝負根性も見せた、タイム的には大したことはなかったので心肺機能が高いとは言えないと思う、この時は内目の枠から終始最内を通したことで折り合えた。道悪で良さを見せたのが1勝クラスと2勝クラスで、道悪になり折り合えたこともあり後半しっかりと走れている。1勝クラスではL2で10.6くらいのトップスピードの質を見せていて、コース形態を考えれば高いとまでは言えないが、まぁまぁの物を見せている。良かったのが2勝クラスで古馬相手に圧勝してきた、重馬場でスローバランスだが中盤で緩まない流れを3番手で追いかけないことで、一定ペースにしながら直線ではレベル違いの脚を見せた。この馬はオルフェーヴル産駒で当然ステゴ系、オルフェーヴルが道悪を得意としていたし、母系も母父がシンボリクリスエスで重馬場のジャパンC3着があるし、母母はグレースアドマイヤで重の府中牝馬Sをメジロドーベルと同タイム2着がある、血統的に道悪は得意の可能性が高い。1勝クラスで休み明けを勝っているように休み明けでも走るタイプ、ノーザンF生産なので全く不安はない。むしろステゴ系なので疲労の方が心配かな。

好材料は道悪適性で週末は雨予報、前走も前々走も道悪で好走しているのでこれは好材料。距離適正も2000mは勝っているし、新馬戦で京都は3着の実績がある。休み明けは1勝クラスをプラス18㎏で勝っているので問題ないはず、ノーザンF生産馬なのでしがらきでしっかり仕上げてくるはず。悪材料は初GⅠどころか初めての重賞でクラス負けの危険があること、前走で古馬の牡馬相手に圧勝しているし、精神的な面で言えばステゴ系なので格上げ戦でも気後れすることはないと思う。出来れば内枠で道悪になって欲しいね。

<カレンブーケドール>・心肺機能特化型でパワーは少ない。・瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では中段から長くいい脚を使って良く伸びたが、前に居たダノンキングリーを捉えきれず2着。”東京未勝利戦”では中段の馬群の中で進め、直線で前が壁になり再三進路変更してL1だけ伸びて3着。”中山未勝利戦”では先行勢の直後で進め直線で抜け出して辛勝、坂では苦しくなった。”クイーンC”ではL2まで待ってしまい瞬発力が足りずに4着。”スイトピーS”ではスローバランスを中段から、3コーナーで前に取り付き直線はL2まで待ってから追い出し僅差の1着、瞬発力の無さを見せてしまった。”オークス”では平均バランスを先行、4F戦を押し切るところをL1のバテ差しでラブズオンリーユーに差される。”紫苑S”ではスローバランスを2番手先行、L2標識で先頭に並んだが坂で失速して3着、この時が休み明け。

「秋華賞へ向けて」好材料:休み明け2走目、平坦コース。悪材料:初輸送。

新馬戦で同タイムのアタマ差で負けたのがダノンキングリーで、この時は先に抜け出したダノンを追い詰めた、直線入り口から追い出していたがなかなかエンジンが掛からない感じで、トップスピードに乗せるのに時間がかかる感じだった。その後は勝ってもL2からの追い出しで辛勝まで、瞬発力は低いがトップスピードの質はまぁまぁで持続力は非常にに高い。瞬発力の低さを見せたのがスイトピーSで、待ってしまうと脚を余してしまう、この時は勝ったが僅差だったからね。これと反対にオークスでは先行して4F戦になり2着に好走、この時は平均バランスを先行していて心肺機能の高さも見せている。パワーがやや足りない印象で中山コースでは苦戦している、未勝利戦でも首差の接戦だったし、紫苑Sでも坂で捉えられているので、坂上ゴールのコースは良くないかもしれない。社台F生産馬なので外厩はノーザンFよりも落ちる、休み明けは良くなくてクイーンSで4着、紫苑Sで3着とピリッとしない。

好材料は休み明け2走目で社台F生産馬なので休み明けよりも上積みが見込める、オークスも2か月半の間隔空けのスイトピーSから中2週だったし、この点は期待できると思う。パワー不足の懸念があるので平坦京都は好相性のはずだし、距離も全く不安はない。悪材料は初輸送になる点で、特にデリケートな牝馬なので大きな不安。津村騎手はどちらかといえば不安だが、先行してしまえば目くじらを立てて嫌う程ではないかな。血統的には道悪が良いとは思えないが・・・。

<クロノジェネシス>・バゴ産駒でかなり掛かる、外枠は危険。

・強烈な瞬発力がありトップスピードの質は高く持続力はまぁまぁ。

・心肺機能も高いがハイペースバランスでは割引。

・パワーも有り坂でも加速できる。

”アイビーS”では内枠から中段の前で何とか折り合って直線、コースを取り切るのにやや手間取るが坂から一気に加速して圧勝。”阪神JF”ではスタートで出遅れ最後方から折り合いに専念、4コーナーでダノンファンタジーの外を回された分2着に。”クイーンC”ではスローバランスを外枠から掛かりながら中段から、直線はビーチサンバが来てからL2で追い出し圧勝。”桜花賞”ではスローバランスをインコースの中段から、序盤掛かっていたが中盤で折り合う、直線は前が壁になり外に出してから瞬発力とバテ差しで3着。”オークス”では平均バランスを先行、4F戦になり脚が溜まらず3着まで。

「秋華賞へ向けて」好材料:休み明けでフレッシュ。悪材料:1F長い可能性。

馬のポテンシャルだけならグランアレグリアを凌ぐ可能性がある、強烈な瞬発力、高いトップスピード、まぁまぁの持続力と非の打ち所がないっように見えて、実は大きな弱点を抱えている、それが気性でとにかく掛かる。アイビーSなんかは内枠で折り合ってから強烈な瞬発力で圧勝している、クイーンCでは外枠で行きたがったがマイルで何とか勝ち切った、この時も掛かっていて上り33.1だがやや物足りない。桜花賞では内枠で直線前が壁になり絶望的な状況だったが、前が開いてからの強烈な瞬発力で3着まで持ってきた、もちろん褒められた騎乗ではなくスムースなら2着はあったはず。オークスも内枠を引けて折り合えたことで3着、ただL2の坂が苦手なカレンブーケドールにやっとこさ並んだだけで、L1では突き放されてしまったので恐らく距離が長かったんだと思う。本質的にはマイルから1800mまでじゃないかな~。ノーザンF生産馬なので休み明けは問題ないと思う、2か月の間隔を空けたクィーンCを圧勝している。

好材料は休み明けでフレッシュな点、特に疲れやすい特性を見せているわけではないが、間隔空けても好走する実績もあるし、ストレスを抱えて掛かってしまう可能性は低くなると思う。悪材料は1F長い可能性で、オークスなんかは能力だけで3着に来た感じだったし、終始最内を回せたのも良かった。一夏越して距離適正がはっきりしてくると不安だし、クロフネの血が主張するようだと1F長い可能性はあると思う、それでもギリギリ持ってしまう可能性はあるので切ることはできませんね。重馬場になってもバゴ産駒なので不安はないと思うが、重馬場適性よりも重馬場になった時に距離適性がモロに出てしまう可能性の方が怖いですね。