2019年プロキオンS 回顧。乾いてしまった。

走破時計 1:21.2  前半600m 33.3  上り3F 36.9

馬場状態は稍重表記でしたが、良馬場に近いやや重になっていました。9Rの大府特別2勝クラスで稍重の中1:09.7のレースレコードが出たので、重馬場に近いのかと思いきや1時間強の間に急激に乾いたようです。力の要る馬場に変化していたのはレースの上りが36.9も掛かっていますし、サンライズノヴァが外から4着まで上がってきたことでも分かりますね。前半も速かったので完全に消耗戦になってしまいました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は昨年のプロキオンSのものです。

青のグラフを見れば今年がいかに消耗戦になっているかが分かりますね、昨年はL2でマテラスカイが出し抜きに行っていますが、今年は3F目以降一貫して落として行っていますから、出し抜く余力はなかったですね。こういうペースなのでマイル以上での好走歴がある馬で上位は占められています。アディラートもゴドルフィンマイル3着がある馬ですからね。サクセスエナジーが垂れてしまったのも、息が持たなかったからでしょうね、不利もありましたが、手ごたえは良くなかったと思います。

マテラスカイがすんなり逃げ体勢でしたが、サクセスエナジーが内から突いてきましたね、松山騎手なのでどうゆうペース判断・馬場読みをしたのか分かりませんが、かなり速かったと思います。3番手にヴェンジェンス、ウィンムート、アルクトスが外目から、アディラート、ワンダーサジェス、ミッキーワイルド、外枠発走になったオールドベイリーがこの位置。ここで3馬身ほど馬群が空いてダノングッド、プロトコル、キングズガード、ドンフォルティス、サンライズノヴァ、アードラーという並びでした。

前半3F33.3は昨年の33.5よりも速いので、さすがにこのペースでは苦しいですね。松山騎手はペース判断の上手い騎手なんですが、このペースでマテラスカイを突いていくということは、馬場読みに関しては正確ではないということかもしれませんね。中段が無く前段と後段に分かれたようなレースで、3着以内の馬は前段に居ました。

直線入り口です、マテラスカイがまだ頑張っています、アルクトスとミッキーワイルドが空いた内に入れて直線に入ってきます、このペースですからコーナーで最短距離を回せたのは大きいですね。このL3地点で馬群が凝縮しないということは、後段勢も追走一杯のペースで走っているのでしょう、L3で緩めて欲しくないヴェンジェンスにはいい流れになりましたね。

直線L1標識付近です、ここでマテラスカイが苦しくなって、ミッキーワイルドとアルクトスが抜け出してきます、アルクトスはマテラスカイを交わすために外に出しますが、ここでミッキーワイルドとの間に居たサクセスエナジーが挟まれて、大きく後退してしまいます。恐らく騎手は制裁を受けるはずです。外に居たヴェンジェンスは最後まで踏ん張って3着を死守しました、この馬もマイル以上で好走歴がありますが1400ベストなんでしょうね。

4着に突っ込んできたのがサンライズノヴァで、前半は後段から足を溜めるいつものスタイル、馬群がばらけていたのでスムースに外に出して伸びてきました。馬体重がマイナス6㎏の534㎏でした、全頭評価で<当日530㎏台前半まで絞れていないと不安は増す。>と書いた通り良い馬体重になりました、4着なのでここから良くなりそうですね。

キングズガードもこの展開ならバテ差してくると思ったんですが、直線中目を突いて伸びませんでした。8歳になって心肺機能が落ちてきたのかもしれませんね。昨年のカペラSが1200ですが、前半33.4で行って9着に凡走、コパノキッキングに反応で明確に遅れていたので、心肺機能が下がったと判断していいのかな、距離は長い方がいいかもしれませんね。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はアルクトス、3コーナーの手前で最内に入れたのが大きいですね、このペースですからロスなく最短距離を回せたのはかなり優位に働いたはず、マイルでも実績がある馬ですし、消耗戦になって台頭してきました。美浦所属馬なので最終追い切りがポリトラックなのが気になって評価は下げましたが、この馬に関しては関係なかったですね。L1でサクセスエナジーに迷惑をかけたのはいただけませんが、このペースで走れたことで1200でも目途は立ったのではないでしょうか、このレースの1200m通過が1:08.2ですから。

2着はミッキーワイルド、格上げ戦でいきなりこのハイペースですから心配しましたが、しっかりと走れましたね。これでクラスの目途は立ったし賞金も加算できたので、休養に入るのかな。前走みたいにL2で出し抜く余力はありませんでしたが、心肺機能と持続力は重賞でも通用することを証明しました。3コーナー手前で内目に入れたコース取も良かったし、ここで他馬に迷惑を掛けないように、後ろをしっかり確認していたので良い騎乗だったと思います。

3着はヴェンジェンス、消耗戦になってL3が緩まなかったことで、瞬発力を問われなかったのが良かったですね。予想の段階では内に詰まる危険を考えましたが、前半が猛ペースの消耗戦で上手く外目に出せたし、直線もトップスピードの質よりも、心肺機能と持続力を問われたので、展開の助けもありました。ここで心肺機能の高さを見せてきたのは、今後につながるはずで、前でレースが出来るようになったことで重賞でも安定しそうですね。

4着にサンライズノヴァ、この馬が4着まで来ているというのが、馬場が重い証拠でですね。馬体重が534㎏まで絞れたので調子は良かったはず、これからさらに調子を上げて行くと思います。

5着にマテラスカイ、この馬場になってしまい前半突かれて33.3では苦しくなりますね、根岸Sとの違いは輸送の違いだと思います。関東では実力を発揮できないタイプなのでしょう。

馬券の方は9Rのレースレコードを見て、本命軸をマテラスカイに替えてしまい自滅しました。

コメント

  1. アラシヤマ より:

    こんにちわ!いつも楽しく読ませて貰ってます。そして以前は外厩制度についての見解もありがとうございました。
    実は今回も聞きたい事があります。
    ジョッキーに関する事なのですが、ミヤヤさんの中でこのジョッキーはこんな特徴がある、こんな癖があるなどを聞いてみたいです!
    ジョッキーの人数が凄く多いので全員とは、言いませんが笑
    ミヤヤさんの中でこのジョッキーの、この特徴は覚えておいた方が良いと思う特徴を教えてもらえませんか?
    1人でも2人でもいいので。
    例えば福永騎手と北村友騎手の溜め好き、などは凄く特徴を捉えていると思います。
    大変な長文で申し訳ありませんし、お忙しく疲れているとは思いますが、いつでも構いませんので宜しくお願いします!

    • みやや より:

      アラシヤマさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
      騎手についてはいずれやろうと思っていました、アラシヤマさんにご提案頂いたので、夏休みの宿題にします。
      8月中には仕上げますので、いましばらくお時間ください。

      北村騎手と福永騎手は似てますよね。名前もユウイチで一緒ですし。

  2. アラシヤマ より:

    ありがとうございます!これからも楽しみにしてますね!