2019年ホープフルS 全頭評価。その3。

<パンサラッサ>・心肺機能は低い、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はまあまあ。

”新馬戦”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー馬群の中から中目を回して、直線スムースだが伸びず。”阪神未勝利戦”ではスローバランスを2番手先行、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り2着。”京都未勝利戦”では不良馬場でハイペースバランスを2番手先行、4コーナーで先頭に立ち大差で圧勝、道悪適性を見せた。”エリカ賞”ではスローバランスを2番手先行、4コーナーで先頭に並ぶも直線では垂れてしまい凡走。

「ホープフルSへ向けて」好材料:道悪適正。悪材料:クラス負けの危険。

京都の未勝利戦で大差で圧勝した馬で、この時は不良馬場だった。最初の2F目以外は一度も11秒台のラップを踏まなかったうえに、その後は12秒台後半のラップを連発する消耗戦でL1は14.2もかかっている。 この馬はロードカナロア産駒で母の父はモンジュー、その父がSadler’s Wellsなので母系はパワー型のヨーロッパ血統、父系もキングカメハメハ系なのでパワーに特化したタイプだと思う。心肺機能の低さは再三見せていて11秒台のラップを連発してしまうと息切れしてしまうタイプ、 現状ではレベル云々言える話ではないがサトノクラウンやクリンチャーのようなタイプです。エリカ賞を見てもトップスピードの質と良馬場での持続力に関しては全くあてにならない。 

好材料はほとんどなく重馬場や不良馬場になった時には道悪適性の高さが活きると思う。悪材料はクラス負けの危険で良馬場ではトップスピードの質と持続力では勝負にならない、。

<ブラックホール>・心肺機能はまあまあ、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低い、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線すぐ前に居たオーソリティにトップスピードの質で見劣ったが持続力で追い詰め2着。”未勝利戦”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースに抜け出し1着。”札幌2歳S”では稍重でハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー大外を回して直線外からスムースにバテ差して1着、心肺機能の高さを見せた。 

「ホープフルSへ向けて」好材料:なし。悪材料:休み明け、クラス負けの危険。

新馬戦ではスローバランスを中断やや後ろから進めて、すぐ前にいたオーソリティが作ったコースを追走したが直線入り口で引き離されている、瞬発力とトップスピードの質で見劣っている。 札幌2歳Sでは稍重でハイペースバランスになり自身も中段から平均バランスくらいで進めている。これを3、4コーナー大外を回して直線でしっかりと伸びた、この時の2着がサトノゴールドでこちらも同じゴールドシップの産駒だったので、ゴールドシップの産駒に走りやすい馬場と展開だった可能性が高い。ゴールドシップの産駒らしく心肺機能と持続力の高さが生きるようなレースでは圧倒的な力を発揮するタイプなのだろう。

好材料は無し、悪材料は休み明けであること、この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くないと思う。札幌2歳Sを勝ち切っているが走破時計も遅く、新馬戦ではオーソリティに負けているのでクラス負けの危険はあると思う。

<ブルーミングスカイ>・心肺機能は不明、パワーは不明、 瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はまあまあ、持続力は高い。

”新馬戦”では稍重でスローバランスを後方から、L4で外から中段に上がり4コーナー外から捲り気味に直線に入りスムースだったがマイラブソディにトップスピードの質で見劣り3着。”小倉未勝利戦”ではスローバランスを2、3番手先行、直線はスムーズに抜け出し圧勝、持続力の高さを見せた。”紫菊賞”ではスローバランスをスタートで出遅れたが内からリカバリーして中段から、3、4コーナー最内をまわして直線も内からスムーズに伸びたがトップスピードの質で見劣り2着まで。 ”黄菊賞” ではスローバランスを中段のやや前から、3、4コーナー馬群の中から進めて直線入り口で2度の進路変更がありトップスピードに乗せきれなかった感じで4着まで。

「ホープフルSへ向けて」好材料:距離適正。悪材料:クラス負けの危険、騎手弱化。

トーセンブレスの全弟でよく似た特徴を持っていますね、それがキレッキレのトップスピードの質がなく、持続力が高い点です。ディープインパクト産駒なのでキレッキレのトップスピードの質を持っていると勘違いされがちですが、トーセンブレスもトップスピードの質はそこまで高くありませんでした、なので差し切れずに取りこぼすレースが非常に多い馬でしたね。この馬もトップスピードの質で見劣ったのが新馬戦で 、先に仕掛けましたが外からマイラブソディにあっさりと交わされています。持続力の高さを見せたのが小倉の未勝利戦でスローバランスでしたが圧勝しています。もう一点トーセンブレスとよく似た部分がスタートの悪さで、紫菊賞でスタートで大きく遅れてしまいました、少頭数だったことで内からリカバリーして中段が取れましたが、多頭数では不安が大きくなります。

好材料は距離適性で1800mと2000mのレースで好走しています、 紫菊賞ではロールオブサンダー相手に2着と稍重の中で持続力の高さを見せているので、スタートさえうまく決めて先行できれば持続力を生かして好走する可能性は十分あります。悪材料はクラス負けの危険で新馬戦ではマイラブソディにあっさりと負け、 紫菊賞でもロールオブサンダーに迫ることができませんでした。勝ち身に遅いのはお姉ちゃんによく似ています。今回は田辺騎手へ乗り替わり、川田騎手からなので当然プラス材料ではありません。 

<ラインベック>・心肺機能は低そう、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを稍重でやや離れた追走集団の先頭から、直線スムースに抜け出し1着、持続力の高さを見せた。”中京2歳S”では重馬場でややスローバランスを中段から、4コーナー外を回して直線外からスムースに抜け出して1着、L1が12.5まで落しているので持続力はまぁまぁ。”東スポ杯2歳S”ではスローバランスを中段のやや前から、終始最内を回したが直線はトップスピードの質で見劣り3着まで。

「ホープフルSへ向けて」好材料:休み明け2走目。悪材料:クラス負けの危険、騎手弱化。

新馬戦では稍重でかなりのスローバランスだった、これをやや離れた2番手から折り合って直線はスムースに抜け出し1着、持続力は高いものを見せたがキレッキレのトップスピードの質を持っているかは不明。中京2歳Sも道悪で重馬場だったが新馬戦よりは流れていて1.1秒のスローバランス、これを中段で折り合って4コーナー外から押し切った、L1が12.5まで落していて前半からある程度流れてしまった時は持続力が落ちる感じ。東スポ杯2歳Sでは良馬場でスローバランス、この時はハッキリとトップスピードの質で見劣った、1着コントレイルだけでなく2着アルジャンナにも後ろから差されてしまった。この時は休み明けだったがこの馬はノーザンF生産馬なので休み明けは問題ないはず、にもかかわら9馬身差の3着は印象が悪い。

好材料は休み明け2走目で上積みが期待できる点、ノーザンF生産馬なので休み明けでも走るはずだが一叩きされての上積みは期待できる。悪材料はクラス負けの危険で、前走東スポ杯2歳Sでコントレイルに9馬身離されてしまった。騎手は岩田騎手に乗り替わり、ビュイック騎手からなので当然騎手弱化。まだ試していない展開としてはハイペースの逃げ・先行と後方で足を溜めての末脚勝負があるが、このレースはスローからの上がり勝負になりやすいし、岩田騎手がハイペースで逃げる可能性は低い。足を溜めての追い込みも出遅れた場合は可能性があるが、普通にスタートを決めてしまえば出たなりでレースを進めそう。