2021年ジャパンC 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ユーバーレーベン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では不良馬場でスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して中段まで上がり、直線スムースに抜け出し差し切り。”札幌2歳S”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに粘って2着。”アルテミスS”ではスローバランスを中段から徐々にポジションを下げて後方、3,4コーナー内目を回して直線やや待たされたが届かず。”阪神JF”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”フラワーC”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”フローラS”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず3着まで。”オークス”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”秋華賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ジャパンCへ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>札幌2歳Sでハイペースバランスを後方から進めた、自身はスローバランスだがL4から大捲りに行って僅差2着と、心肺機能がまぁまぁであることは見せた。

<パワーについて>新馬戦、アルテミスSとL2の坂自体は克服しているので、パワーは十分にある。特に新馬戦は不良馬場だったので、その中で坂区間のラップが11.3というのは好印象。フラワーCでは4F戦でL1バテ差して来たのでパワーは高いものを見せた。

<瞬発力について>フローラSではL2で差を詰められなかったので、瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>新馬戦は不良馬場だし、アルテミスSは後方からになって届かず、トップスピードの質はまぁまぁまで。阪神JFでは後方からショート捲りで3着まで、まぁまぁのトップスピードの質を見せた。フローラSではL2までは差を詰めていないので、トップスピードの質はまぁまぁまで。

<持続力について>高い持続力を見せたのが札幌2歳Sで、L4から大捲りに行って僅差2着、この時の1着がソダシなので高評価で良いと思う。ゴールドシップ産駒らしさが出た感じで、後半の持続力が最大の武器になりそう。阪神JFでも後方からショート捲りを打って3着まで来たので、持続力は高い。フラワーCでは4F戦でL1バテ差して来たので持続力は高い。オークスでは中緩みのない平均バランスで、トップスピードの質が問われなかったことで持続力が活きた。

<その他について>アルテミスSの直線で首を右に向けていたのが気掛かり、右回りの方がスムースな可能性がある。持続力の項でも書いたが、この馬はゴールドシップ産駒でお父さんによく似ている。スタートが不安定部分までそっくりで、そのため自分でレースを作れないのは弱点ですね。ハイペースバランスになれば縦長になりまくっても距離ロスが最小限、これが札幌2歳Sだった。ただ前に持続力と心肺機能の秀でた馬が居ると差し切れないことも見せてしまった。阪神JFではややスローバランスをショート捲りで3着、この日は直線だけ含水率が上がった馬場で、パワーと持続力を見せた。秋華賞では消耗戦を後方からで、適性的には合っていたが全く伸びず、この時は休み明けだった。

好材料はコース適性で、今年のオークスを勝っているので、距離も含めて好相性。今回は休み明け2走目で上積みが見込めることも好材料で、この馬は非ノーザンF生産馬なので一叩きされて一変もああるかも。悪材料はクラス負けの危険で、今回は古馬牡馬混合のGⅠなので、通用するかどうかは未知数。加えてこの馬はキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、バテ差しの展開にならないと届かない可能性もある。

適性:竹

<ロードマイウェイ>・心肺機能は低く、パワーはも高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年国分寺特別”ではスローバランスを3番手で中段の前から、直線中目からスムースに伸びて1着、まぁまぁのトップスピードの質と高い持続力を見せた。”2019年八ヶ岳特別”では平均バランスを逃げて圧勝、3F戦に持ち込んで折り合いもしっかり。”2019年長岡S”ではスローバランスを3番手先行、直線中目からスムースに伸びて圧勝、ただトップスピードの質はまぁまぁのレベル。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、自身ややハイペースバランスくらい、追い出しがやや遅くサトノアーサーに迫られたが押し切って1着。”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線外からスムースに伸びて1着、トップスピードの質と持続力の高さを見せた。”2020年金鯱賞”ではスローバランスをスタート出遅れて後方から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が休み明け。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年大阪城S”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2021年福島民報杯”では不良馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線早々に一杯になり凡走。”2021年メイS”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年関越S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年京都大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ジャパンCへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

若駒Sで大きく負けてしまいクラシック路線には乗れなかったが、2019年の春を休んだことで成長した感じ。国分寺特別から3連勝でOP入りしたその足でOPもあっさりと勝ってしまった、この時の2着がサトノアーサーなので重賞でも目途を立てたと見て良いと思う。

スタートが安定したことで先行出来るようになり、しっかり勝ち切れるようになった。国分寺特別で3番手先行から圧勝、八ヶ岳特別では逃げて圧勝と折り合いもしっかりと付いたので、展開の幅が広がったのは1着以上の収穫だったと思う。ただ2019年長岡Sを勝ったが直線のトップスピードの質ではまぁまぁの部類であることを見せたので、トップスピードの質を問われる展開では凡走の危険は常にはらんでいる。走っている時の体の使い方、特に前脚が非常に柔らかいので距離延長はむしろ歓迎だと思う。2019年チャレンジCではスローバランスを中段の後ろから進めて、3,4コーナー外を回しての捲り追い込みに行き1着、トップスピードの質と持続力の高さを見せたし、直線スムースだったことが好走要因。2020年金鯱賞ではスタート出遅れて後方から、超スローバランスになり伸びずに凡走、この時が休み明け。2020年大阪杯ではスタート自体は出たが2歩目でバランスを崩してしまい後方から、これで勝負権が無くなり凡走した。ゲート内でもソワソワしていたのでスタート不安は解消されていない。

2020年ポートアイランドSでは6カ月ぶりで凡走、直線全く伸びなかったので休み明けは良くない。2020年キャピタルSではややハイペースバランスを後方からバテ差し2着、中緩みの無い展開だったが自身は中段の後ろからでスローバランスだったはず、スパッと切れる瞬発力は見せていないが、L1まで減速率の低い持続力の高さを見せた。2020年京都金杯(中京)ではスタートで躓いたし、向う正面でスマートオーディンに内に切れ込まれて大きくブレーキするなど、チグハグな競馬だった。加えてプラス10kgと過去最高馬体重だったことも影響したはず。

2021年東京新聞杯ではスムースだったが凡走、この時は調教で舌を出していて体調の問題かも。2021年大阪城Sではスタート良かったがなぜか下げてしまい中段のやや後ろから、スローバランスにもかかわらず下げてしまった騎手のペース認識の悪さに足を引っ張られた。L1までジリジリ着たので持続力は見せたが、キレッキレのトップスピードの質は持っていない。2021年福島民報杯では不良馬場でハイペースバラン、出ムチを入れて先行したが直線入り口で一杯になった。不良馬場の影響もあったとは思うが、心肺機能が低下している可能性が高い。2021年メイSでは中段の後ろから、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走した。2021年関越Sでは中段の後ろから、スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。

2021年京都大賞典では超消耗戦を後方からバテ差し5着まで持ってきた、2020年キャピタルSは距離は違うがバテ差しで2着なので、トップスピードの質が下がっているはずで、展開が嵌った感じの5着だった。2021年アルゼンチン共和国杯ではスローバランスで、L3、L2で11.1に対応できずに凡走した。

この馬はケイアイファーム生産馬で休み明けが良くない、2020年金鯱賞、2020年ポートアイランドSが休み明けで凡走している。杉山厩舎所属で、仕上げの不安は付き纏う、そもそも休み明けで仕上げ切れないことは外厩の責任も大きいが、1流厩舎なら早目に入厩させて仕上げるはずだし、京都金杯でプラス10kgだったことも仕上げ不安を感じさせる。大阪杯でもスタートでバランスを崩したし、スムースなレースが出来ないと脆い。2021年京都大賞典では8Fの超ロンスパ消耗戦、これでバテ差し5着まで来たので、現状では速い上がりを使えなくなっている。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、府中で良馬場ならトップスピードの質が問われるはずで、今のこの馬では対応できないことは前走見せている。もちろん消耗戦になってL1で12秒台後半まで入ればチャンスはあるので、展開次第の部分はある。GⅡ以上で好走歴がないので、嵌っても苦しいと思うが。

適性:梅

<ワグネリアン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”弥生賞”ではスローバランスを中段から、L2でダノンプレミアムのスパートに反応できず2着。”ダービー”ではスローバランスを先行して、長くいい脚を使って1着、金子オーナーに助言されたか?。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、3F戦を持続力で1着、この時休み明け。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段の最内から、3,4コーナーロスなく回って直線も内が空いて流れ込み3着、持続力を見せた。”2019年札幌記念”では平均バランスを離れた追走集団の前から、直線スムースだったが伸びず4着、両前脚を落鉄していた影響。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段やや後ろから、直線外からスムースだったが届かず5着、後ろからユーキャンスマイルに差されているのでトップスピードの質で見劣ったが、7枠からで終始外を回された分はロスが大きかった。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを中段やや前から、直線入り口でウィンテンダネスが下がった煽りを受けて、外に出してから追い出して3着まで。”2020年大阪杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びず。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。”2021年京都記念”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回したが4コーナーで一杯になり凡走。”2021年富士S”ではややスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで。

「ジャパンCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:近走の不振。

東スポ杯2歳Sでハイペースバランスを離れた追走集団のやや後ろから、先頭から2秒ほど離れた位置だったので自身は平均バランスくらい、これを後半の800m46.1で纏めていて全体では1800mを1:46.6と2歳の重賞としては内容のあるレースだった。当日は超高速馬場というわけではなく、同日の10RユートピアS古馬1600条件で、レッドアヴァンセがマイルで1:34.7だったので、この辺りとの比較でも好評価で、心肺機能、持続力の高さを見せたレースだった。瞬発力の低さは弥生賞でダノンプレミアムの加速に反応できなかったし、ダービーは勝ったが先行したので、持続力の高さは見せたが、トップスピードの質は高くはないと思う。神戸新聞杯でもエタリオウのトップスピードには見劣ったからね。瞬発力以外は高いレベルで揃っているし、ダービーからは前目のポジションを取れるようになった為、成績が安定してきた。使い詰めは良くないタイプのようで休み休みのレースだが、ノーザンF生産馬なので外厩をフル活用して仕上げられることで休み明けの不安はない。

2019年休み明けの大阪杯で3着に好走、この時は終始最内を回すロスない競馬で、直線も明らかに内優位だった、それでも持続力とパワーは見せたし、休み明けでも走ることは実証した。2019年札幌記念は両前脚の落鉄の影響で4着、僅差だったし落鉄のアクシデントを考えれば好走と言ってと思う。ダービーからスタートが安定してきたことで、前目のポジションを取れるようになった、これで成績が安定しているし、トップスピードの質よりも持続力を生かせる展開になったことも大きいと思う。2019年天皇賞(秋)では外枠に入ってしまい終始中段やや後ろの外からになり、直線もトップスピードの質で見劣り5着までだった、ロスが大きかったがトップスピードの質では勝負できないことがはっきりした。2019年ジャパンCでは重馬場を中段やや前から、スタート直後にウィンテンダネスを前に入れてしまい、直線入り口でウィンテンダネスが下がってきたあおりを受けて、外に出す大きなロスから追い出しが遅れて3着までだった、重馬場でも走れる適性を見せたが、トップスピードの質では勝負できないことを改めて見せた。

2020年大阪杯では中段の最内から進めるも、直線で伸びずに凡走。結果論だが前で決まっているレースなので、序盤で1着ラッキーライラックに、ポジションを譲るように下げたことが大きな敗因だと思う。2020年宝塚記念では2番手先行、ハイペースバランスになり直線で失速した。この時は自身もハイペースバランス、2019年ジャパンCでは自身平均くらいだったので、宝塚記念では心肺機能が要因で直線失速した可能性が高いと思う。トップスピードの質では勝負しない方が良いので、道悪で中段辺りから進めた時の激走待ち。2021年京都記念では中段の後ろからで届かず凡走、スタートで前に付けないと今のトップスピードの質では苦しい。2021年大阪杯では重馬場で中段の前から、4コーナーで一杯になったのでかなり力が落ちている。喉鳴りの手術後2走目だったがこの結果は印象が悪い。2021年富士Sではマイルに矛先を変えてきた、中段のやや後ろからだったが直線トップスピードの質で見劣っている。

好材料はコース適性で、ダービーで1着だし2019年のジャパンCで3着なので好相性。もちろん距離も問題ない。悪材料は近走の不振で、ダービー馬だからこそトップスピードの質が高いと誤解されている感じ、2021年大阪杯や2020年宝塚記念は道悪なので仕方ないが、差しに回ると届かないことを見せている。それが顕著に出たのが2019年の天皇賞(秋)でしょうね、加えて2021年京都記念でも差しが届かなかった。展開待ちになってしまうし、消耗戦になっても前に行く可能性もあるので、難しいレースになりそう。

適性:梅

<ウインドジャマー>・心肺機能はやや高く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順
2勝クラス 2着 ハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線コースがなく2着まで。心肺機能と持続力は見せた。
青梅特別 1着 重馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。心肺機能と持続力を見せた。
神無月S 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。まぁまぁのトップスピードの質を見せた。
総評
2勝クラスを勝ち上がったレースはハイペースバランスで、中段のやや前から進めていたので自身もややハイに入っていたはず、なので心肺機能はやや高いものを見せたし、持続力も見せた。ただ直線なかなかコースを抉じ開けられずに、闘志の無さと瞬発力の低さを見せた。青梅特別では重馬場でハイペースバランスを2番手先行で押し切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。神無月Sではスローからの3F戦を先行押し切り、トップスピードの質はまぁまのものだが、持続力の高さは見せた。芝部分ではスピードが乗らない感じで、ダートに入ってから前に行く感じなので、芝適性は良くないかもしれない。

「ジャパンCへ向けて」好材料:なし。 悪材料:芝適性、クラス負けの危険。

好材料はなし、悪材料は芝適性で、この馬は芝で勝ち上がれずにダートでOP入りしている。芝でも2,3着はあるが全て未勝利戦なので評価できない。クラス負けの危険は大いにあって、ダートで勝ち上がっていきなりGⅠでは苦しいはず。

適性:梅