2021年大阪杯 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<キセキ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は化け物レベル。

・休み明けはやや良くなく、使い減りしない。

”2018年毎日王冠”ではスローバランスを先行、L3最速戦を粘るも3着、この時が休み明け。”2018年天皇賞秋”ではスローバランスを逃げてL3最速戦で3着。”2018年ジャパンC”ではスローバランスを逃げてL3最速戦、中緩みを作らない厳しいペースにして2着、1着はアーモンドアイ、3着以下は圧倒している、この時が休み明け3走目。”2018年有馬記念”では平均バランスを逃げて5着、休み明け4走目になり出脚が悪く逃げ体勢を築くのに手間取っていた。”2019年大阪杯”ではスローバランスを2番手先行、直線で大きく外に寄れた分ロスになり2着まで、この時が休み明け。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを逃げて2着、1着のリスグラシューにマークされてL1で明確に垂れてしまった、この時が3カ月の休み明け。”2019年有馬記念”では離れた追走集団の後方から、3,4コーナー外目を回して5着まで、この時は海外帰りで2か月半の間隔空け。”2020年阪神大賞典”では超々ロンスパ戦を大きく出遅れ、直線息切れして凡走。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを中段の前から、1周目スタンド前で先頭にたち3,4コーナー最内を回して直線スムースだったがL1で一杯凡走。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線ジリジリ伸びて2着。”2020年京都大賞典”では稍重で平均バランスを後方から、向正面から押し上げて3,4コーナー捲り追い込みに行って2着まで。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに5着まで。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離して逃げて8着。”2020年有馬記念”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。

「大阪杯へ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:蓄積疲労。

2019年宝塚記念が3カ月弱の休み明けで2着、2019年大阪杯も休み明けで2着、2018年毎日王冠も3カ月の休み明けで3着とイマイチピリッとしない。2019年大阪杯で直線で大きく外に寄れたのが休み明けの影響なのか、それ以外の影響なのかははっきりしないが、2018年天皇賞(秋)や2018年ジャパンCでは見られなかったことなので、休み明けの可能性が高いと思う。この馬はノーザンF生産馬ではないので、外厩はどうしても弱い。なので、休み明けは良くないと思う。2019年大阪杯で体調万全なら負けないはずのアルアインに負けてしまったのは休み明けの影響でしょうね、次の2019年宝塚記念ではキセキも休み明けでしたが、アルアインも休み明けで今度はアルアインに先着しています。

この馬のいい面は持続力の異常さでこれはアーモンドアイを凌ぐほど、トップスピードも低くはないので、2018年天皇賞(秋)でアルアインを圧倒したのはこのため。2018年ジャパンCでもアーモンドアイには完敗したが、スワ―ヴリチャード以下はには完勝して持続力の高さを見せつけたし、トップスピードも十分の高さを見せた。高速馬場適正も見せているし、先行してしまえば持続力を発揮して安定した成績を残す。川田君もこの馬の特徴を完全に掴んでいるので、川田騎手で逃げ・先行なら不安はない馬ですね。2019年有馬記念では離れた追走集団の後方からで自身平均バランスくらい、出遅れてしまい中段の後ろまでリカバリーしたのはムーア騎手らしいポジション取り、3コーナーで外目を回して早目に仕掛けた分苦しくなった、この時が海外帰りの2か月半の間隔開けで本調子ではなかった可能性が高い。

2020年阪神大賞典でもスタートで大きく出遅れ、そこから1周目スタンド前で先頭付近まで上がって行き一気にペースアップさせた、これで後半の2000mを自身1:58.9で走っているので、化け物じみた持続力の高さは見せた、問題は出遅れ癖がどんどん悪化していることで今後に向けて大きな不安を残した。2020年天皇賞(春)ではスタート出たが、1周目スタンド前で掛かってしまい先頭に立ち、直線はスムースだったがL1で一杯になった。年齢的にも6歳でキンカメ系であることを考えると、蓄積疲労の可能性が高く今後に不安を残した。2020年宝塚記念では稍重表記だが重馬場並みの重さで、中段の後ろから捲り追い込みを決めて2着、ハイペースバランスで消耗戦になりトップスピードの質と瞬発力が問われなかった。この感じからキンカメ系の蓄積疲労はトップスピードの質と瞬発力に現れるようで、エプソムCを勝ったダイワキャグニーも道悪でのものだった。

2020年京都大賞典では稍重で平均バランスを後方から、向正面から捲り追い込みに行って2着まで持ってきた。稍重でトップスピードの質が問われないかったし、後半の持続力は十分に見せた。2020年天皇賞(秋)ではスタート決めて中段の前から、スローバランスの4F戦になってしまいトップスピードの質で見劣り5着だった、超高速馬場になってしまったので、前半が遅くなってしまうとトップスピードの質で見劣る、ただしスタートが改善したのは大きな収穫で次走重い馬場になったらチャンスはある。2020年ジャパンCでは離して逃げて8着、かなりのハイペースバランスだがL1標識までは先頭だったので、悪くはないが折り合いがついていないので、今後のペースコントロールには不安が残る。

2020年有馬記念ではスタート出遅れて後方から、3コーナー手前からジリジリ上がてコーナーで外を回した。3馬身程前に居たクロノジェネシスと同じような上がり方だったが、直線入り口で一杯になって凡走したので、秋4戦目の疲労の影響かもしれない。2021年金鯱賞ではスタートで寄られて後方から、重馬場だったがややスローバランスで中緩みがなく捲れず、直線スムースだったが5着までしか伸びていない。

好材料はコース適性で、2019年の大阪杯2着だし、200m長い宝塚記念でも2年連続2着と、このコースとの相性は良い。今回は休み明け2走目なので、非ノーザンF生産馬のこの馬には好材料。悪材料は蓄積疲労で、良馬場になるとトップスピードの質で見劣ってしまう、それが昨年の天皇賞(秋)だった。昨年から好走するのは道悪ばかりなので、良馬場では苦しいはず。前走は重馬場だったが休み明けだったので度外視してもいいが、スタートも速くないし捲りを打てる展開にもなりそうもないので、雨待ちかな~。

適性:梅

<ギベオン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力の高い先行粘り込みタイプ。

・良馬場で2000mまで、渋れば1800までだったが、良馬場でもペースが上がると2000mでも長い。

”2018年NHKマイルC”では平均バランスのハイペースを中段の前から直線L2で抜け出したところをトップスピードの差でケイアイノーテックに差される。”2018年セントライト記念”では大きく離れた追走集団の3番手で実質スローバランス、L3から仕掛けてしまいL1で息切れ大敗。”2018年中日新聞杯”では離れた追走集団の中段から実質スローバランスをL2手前から仕掛けて、一旦ショウナンバッハに前に出られるも差し返して辛勝、トップスピードの質では見劣ったが、2Fの持続力で勝ち切った感じ。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを先行したが稍重の影響かL1で失速、休み明けだったがL1まで踏ん張っていたので休み明けも走るが・・・。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを先行集団の5番手から、L1の坂で苦しくなって5着、斤量が57.5㎏でハイペースを追走してしまい力尽きた。”2019年鳴尾記念”ではスローバランスを躓き後方から、直線外に出すもトップスピードが足りずに4着まで。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを中段から、直線内からスムースだったがトップスピードの質で見劣り7着まで、この時が休み明け。”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段から、4コーナー馬群の中から進め直線も前が壁になり押し出せずに凡走。”2020年中山金杯”では中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が57.5㎏。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線詰まって4着まで。”2020年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回し直線スムースだったがL1で一杯。”2020年中日新聞杯”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年白富士S”ではスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線狭くなって流れ込むだけ。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを逃げ切り。

「大阪杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

2019年ダービー卿CTは57.5㎏で前半800m45.1というハイペースバランスを、先行集団に取り付いていた。L2までは踏ん張っていたがさすがにバテて、後方からも差されているが、差してきたプリモシーンは54㎏、ダイアトニックは55㎏、同じ位置に居て3着のマイスタイルは55㎏、前に居て勝ち切ったのが55㎏のフィアーノロマノだから、斤量を考えれば大健闘かもしれない。NHKマイルCを見ても分かるようにトップスピードの質は高くないし瞬発力も低い、しかし持続力は高いので平均バランスを先行すれば垂れない。

2019年金鯱賞ではスローバランスを先行してL1で失速、これは休み明けと稍重馬場で1F長かったのかも。2018年中日新聞杯でも平均バランスを中段からバテ差す格好で伸びた、ショウナンバッハにあわやの所まで詰め寄られてしまったのは、おそらく休み明けの影響でしょうね。2019年毎日王冠でもトップスピードの質で見劣り7着だったが、この時も休み明け。2019年チャレンジCではデットーリ騎手が中段から進めてしまい、終始馬群の中から直線に入って前が壁になり凡走、トップスピードの質と瞬発力の無さを露呈してしまった。

弱点のトップスピードと瞬発力を誤魔化せるのが阪神コースで、阪神は1-1-0-1、これはL3、L2が下り坂で動き出しの瞬発力をごまかせるからでしょうね。2020年中山金杯ではややスローバランスを中段やや前から、スムースにレースをしたが直線伸びずに凡走した、この時は57.5㎏を背負っていた。L1で一杯になっていたので2000mは1F長い可能性が高い。2020年金鯱賞ではスローバランスを3,4番手から最内を回したが、直線入り口で福永騎手お得意のどん詰まりで4着まで、瞬発力とトップスピードの低さを見せた。この馬は社台F生産馬なので休み明けが良くない、セントライト記念、2019年金鯱賞、2019年毎日王冠と良くなかった。

2020年新潟大賞典では中段の後ろから、終始スムースだったが伸びずに凡走した、トップスピードの質が低いにもかかわらず出たなりで中段の後ろだったので、騎手が岩田望騎手なので調教師の指示だった可能性がある。57.5㎏で斤量も重かったし2か月の間隔空けも良くなかったが、L1で一杯になっているので距離も2000mは長くなってきたかもしれない。2020年エプソムCでは不良馬場で1F長くなってしまいL1で一杯になった。2020年中日新聞杯では中段やや後ろから、直線スムースだったが伸びなかったのはトップスピードの質が低いから、岩田望騎手は3度目の騎乗で前走と同じような負け方。2021年白富士Sでは先行したが、直線で狭くなってしまい追い出しが遅れて5着まで、この時は59㎏も影響したはずだが、スムースでなかったことが致命傷になった。2021年金鯱賞では重馬場でややスローバランスを逃げ切り、トップスピードの質が問われない展開に持ち込んだことで良さが出た。

好材料は距離適性で前走2000mを逃げ切り、2000mは3勝しているので距離適正は良い。悪材料はクラス負けの危険で、前走GⅡを勝ったが重馬場で逃げの手に出てのもの、古馬になってからは初めて3着以内に入ったので、このクラスで勝負になるかは大きな不安。

適性:梅

<グランアレグリア>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは程々、瞬発力は高くはない。

・トップスピードの質は高く持続力はとても高い。

・休み明けでも走る。

”新馬戦”ではスローバランスを先行して圧勝、この時の2着がダノンファンタジー。”サウジアラビアRC”ではスローバランスを大きく出遅れるがリカバリーして2番手で先行、直線はL2で抜け出し圧勝、直線では明確に甘くなっているので、リカバリーの為に前半から足を使うと終いが甘くなるのかも。”朝日杯FS”ではスローバランスを先行して、直線アドマイヤマーズに寄られて怯むも踏ん張り3着、坂で苦しくなってクリノガウディ―に差されているので、パワーが足りないかも、この時は初輸送。 ”桜花賞”ではスローバランスを中段の前から、L3の下りで一気に仕掛けて勝負を決めてしまった、レコード決着だがかなりのスローバランスで前半楽をしている。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段の前から、直線では前が壁になり外の出そうとダノンチェイサーにぶつかり、4着入線も5着に降着、ルメール騎手も制裁、前半のハイペースで一杯になっていた可能性は高く、今後のペースが不安になる。”2019年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー最内を回して直線はスムースに裁いてL2で10秒台を叩き出し圧勝。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年安田記念”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線L1まで進路が空かなかったが、空いてから差し切り。

「大阪杯へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:初距離。

どうしてもサウジアラビアRCの終いの甘さが気になる部分、出遅れてリカバリーしたことでレース自体はスローバランスも自身では平均くらいにはなっているはず、目視だが1秒程度の出遅れで補正すると自身の800m通過は47.3になり、平均バランスになっている感じだった、これで上がり34.0は立派と言えば立派だが・・・。NHKマイルCもハイペースバランスを自身平均くらい、これで直線狭くなって降着になる程だったが、L2からは前が開いていてL1まではまぁまぁの粘りを見せたがL1から明確に落としてしまった。なのでマイルに限っては心肺期のがまぁまぁの評価。

朝日杯FSでは内枠から先行して、直線でアドマイヤマーズにプレッシャーを掛けられて怯んでしまった、この時は初輸送もあったし2歳のこの時期に牡馬との対戦でもあったので可哀想な面はあったが。強かったのが桜花賞で、スローバランスを中段の前から進め、L3の下りで捲り追い込みに行って圧勝してしまった、L3で10.8を出したトップスピードの質とL1も11.5で纏めた持続力はかなり高い。2019年阪神Cでは平均バランスを中段やや前の最内から、直線でスムースに捌いて圧勝した、L2で10秒台を叩き出して他を圧倒している。1400mでも前半やや掛かり気味だったがすぐに折り合っているし、スピードで圧倒してきたので短距離適正の高さを見せた。

2020年高松宮記念ではスタートイマイチで中段の後ろから、直線スムースに伸びて2着までだったのは前半のポジションが後ろ過ぎた。平均バランスでかなり遅かったし、スタートイマイチの後リカバリーしなかったのは騎手の差が出てしまった感じ。それでもL2から10秒台を連発して1頭だけ次元の違う足で差し込んできた、重馬場、初距離をあっさり克服したことも高評価。ディープ産駒は1200mで苦しんでいるが、通常1200mではハイペースバランスで心肺機能と持続力が問われる、ところがこのレースは逃げたモズスーパーフレアでも平均バランス、これを中段の後ろからなので、前半はかなり足を溜める形になった。いわゆる溜めてトップスピードの質で差し切るというディープ産駒の得意パターンに持ち込めた。

2020年安田記念では中段から進め中緩みで取り付き、勢いを殺さずに加速してトップスピードの質と持続力を生かして快勝した、外からスムースだったし展開もばっちり。2020年スプリンターズSでは後方から追い込み1着、ハイペースバランスだったが自身は後方からでスローバランス、これで脚が溜まって後半トップスピードの質で圧倒してきた。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスを中段のやや前から、L3から全体が加速しているので待たされずに自身も加速している、L1まで詰まったように見えるが前が空いていないだけでスムースだった。L1で前が空いてからは他馬と違う持続力を見せた差し切り、トップスピードの質とそれを持続する能力の高さを見せた。

好材料はなし、悪材料は初距離で、2000mどころか1800mも未経験。お母さんのタピッツフライがマイラーだったので、ギリギリ持つ可能性があるがやってみないとなんとも。この馬の場合は距離よりも、道中揉まれないことと、直線入り口からスムースであることが好走条件なので、あまり距離を心配しなくても良いと思う。藤沢厩舎の馬だしノーザンF生産、ルメール騎手のお手馬であることを考えれば、距離はこなせるという判断は尊重したい。もちろん休み明けも問題ないし、阪神内回りは1400mだが阪神Cで圧勝している。

適性:松