2019年秋華賞 全頭評価 その3。不安の少ないダノンファンタジー。

<シゲルピンクダイヤ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高いバテ差し型。

”未勝利戦”ではややスローバランスを中段から、直線は馬群に包まれるもバテ差しで1着。”チューリップ賞”ではスローバランスを後方から、直線では進路変更をしながらバテ差して2着。””桜花賞”ではスローバランスを後方から、直線は空いたインコースを上手く突いて2着、トップスピードの質は見せた。”オークス”では平均バランスを中段から、L3で一杯になり凡走、距離の問題。”ローズS”ではスローバランスを3,4番手先行、L1標識付近で先頭のビーチサンバに並びかけたが、そこから垂れて4着、1F長い。

「秋華賞へ向けて」好材料:休み明け2走目。悪材料:距離適正。

現状ではスローバランスからの追い込みを得意としていて、新馬戦でハイペースバランスを3着だったように、前半速くなると良くない。桜花賞でもスローバランスからロンスパになってのバテ差し、上り32.7とかなり鋭い差し足を使ってクロノジェネシスを撃破したが、直線のコース取りがドハマりした部分も考慮した方が良い。この馬はダイワメジャー産駒で距離は短い方が良いはず、特に牝馬は早熟傾向があって距離適正が早目に出る感じがしています。一夏越したローズSで先行したが距離が長かったこともあり4着まで、ただ先行してもスローバランスなら勝負できるところは見せたので、レースの幅は広がった感じ。

好材料は休み明け2走目で、非ノーザンF生産馬なので叩かれた上積みはあるはず。悪材料は距離適正で、オークスでは凡走、ローズSでも残り1Fで明確に垂れてしまったので、2000mは長いはず。

<シャドウディーヴァ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・前向き過ぎるところがあって、馬群の外だと掛かる。

”11月未勝利戦”ではスローバランスを中段から、直線は詰ったが馬群を割って伸びる、ドスローからのトップスピード戦になり瞬発力とトップスピードの高さを見せた。”フリージア賞”ではスローバランスを馬群の外で進めて掛かり気味、直線もバランスを崩しながらで伸びきれず3着、中盤迄掛かっていた。”フラワーC”ではスローバランスを中段の後ろから、最内を進めて折り合えたが直線は4着まで。”フローラS”ではスローバランスを中段の最内から、直線は詰ってL1でバテ差しハナ差2着、ここでもやや掛かり気味、詰まってから馬群を割る闘志は見せた。”オークス”では平均バランスを中段の最内から、直線はジリジリまで、疲労の影響かも。”ローズS”ではスローバランスを中段の前から、直線全く反応なく凡走、初輸送の影響だと思う。

「秋華賞へ向けて」好材料:休み明け2走目、栗東滞在。悪材料:乗り替わり。

馬群割る闘志や瞬発力の高さなど、ハーツクライ産駒らしからぬ馬でヌーヴォレコルトに近い感じかな。フローラSでは内枠から中段の最内を進めたが、それでもやや掛かり気味だったので気持ちが前向き過ぎる感じ。直線詰まってしまい普通のハーツ産駒ならここでレースは終わるはず、ところがここから馬群を割って一気に伸びた、もちろんL1は11.5とバテ差しの形だが自身は11.2くらいは出ているはずで、持続力を発揮している。オークスでは平均バランスを中段やや前からレースをして、まずまずの結果だったので、心肺機能はまずまずのものを持っていると思う。フローラSからもトップスピードの質が高いとまでは言えないと思う、瞬発力はまぁまぁの物を持っているが、スムースに持続力を生かした方が良いと思う。

好材料は休み明け2走目での上積み期待、ノーザンF生産馬なので休み明けでも期待できるが、次がGⅠというローテーならメイチで仕上げてはいないはず。今回は栗東滞在なのも大きなプラスで、前走で輸送を経験しても短期間で2度の輸送は精神的にも肉体的にも負担になるはず。輸送の不安が無いのは期待できる。悪材料は松山騎手への乗り替わり、岩田騎手からなので大きなマイナスではないがテン乗りというのは気になるし、差・追込になると松山騎手も不安が出てくる。上手く乗って欲しいが。

<シングフォーユー>・心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”未勝利戦”ではスローバランスを逃げて圧勝、同日のスプリングSで1:47.8が出る馬場なのであまり評価はできない。”スイトピーS”ではスローバランスを中段から、直線スムースに伸びて1着カレンブーケドールにクビ差の2着、カレンは2か月半の休み明けなのでまぁまぁの評価、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。”織姫賞”では稍重でハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー外を回して直線スムースだったがL1で一杯、逃げ・先行の2頭が2,3着に残っているので心肺機能の低さを見せた。”2019年新潟1勝クラス”ではほぼ平均バランスを中段のやや前から、4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着、持続力の高さを見せた。

「秋華賞へ向けて」好材料:2か月の間隔空け。悪材料:クラス負けの危険、初輸送。

織姫賞でハイペースバランスを先行して凡走してしまい、心肺機能の低さを見せた、この時は逃げ・先行の2頭が2,3着に残っているので、2カ月強の間隔空けはあれど印象は良くない。もともとジャスタウェイ産駒で未勝利戦では2か月の間隔空けで勝っているので言い訳にはならないと思う。スイトピーSが意外に良くてまぁまぁのトップスピードを見せた、カレンブーケドールにクビ差とは言えカレンは休み明けだったので高評価ではできないが、持続力の高さも見せたし展開次第ではOPでいい勝負が出来そう。

好材料は2か月の間隔空けで未勝利戦を勝った時も間隔を空けていた、ジャスタウェイ産駒なのでハーツクライ系になる、当然使い詰めは良くないのでフレッシュな状態で挑めるのはプラスの評価。悪材料は古馬混合とは言え1勝クラスを勝ち上がってきた馬なのでクラス負けのリスクは大きい。関西圏への輸送が初めてなのでも大きな不安材料。

<ダノンファンタジー >・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”ファンタジーS”外回りではスローバランスを中段から、直線大外から差し切り圧勝、トップスピードの質を見せた。阪神JFでは平均バランスを後方から、L3最速の流れを外から差し切り、トップスピードの質と持続力を見せた。”チューリップ賞”ではスローバランスを最内先行、直線は内に詰まってL1だけでバテ差し、L3、L2で流れたことで差せた。”桜花賞”ではスローバランスを中段のやや前で外からになり掛かってしまう、L3でグランアレグリアの反応にやや遅れながら付いて行き、直線はL1で失速4着。”オークス”では平均バランスを中段の前から、4F戦になり5着まで、距離かも。”ローズS”ではスローバランスを中段から、L2で外に出してから伸びて差し切り。

「秋華賞へ向けて」好材料:休み明け2走目。悪材料:道悪適性。

桜花賞では掛かってしまい勝負所で反応が悪く、直線でもL1で一杯になってしまったので、折り合いが重要でしょうね。阪神JFでも後方からやや掛かっていたが、この時は前にグレイシアが居たこと、平均バランスで流れたことで我慢できていた。チューリップ賞ではスタート抜群で最内を先行、ここでもやや掛かり気味でコントロールに苦労はしていたので、折り合いがカギになるのは間違いない。阪神JFでビーチサンバ相手にトップスピードと持続力で圧倒しているし、クロノジェネシスとは互角にやれている、もちろんビーチはいつもの福永騎手で追い出しが遅かったが。トップスピードの質はまぁまぁで、阪神JFで長くいい脚を使ってきたので持続力は非常に高い。

好材料は休み明け2走目で上積みが見込める点ですね、ノーザンF生産馬なので休み明けでも問題ないのは前走で見せましたが、あれで100%の仕上げではないなら期待十分。気性面に関しては川田君の継続騎乗で、前走は抜群のスタートから操縦性の良さも見せたので、外枠を引かなければ不安はないと思います。悪材料という程ではないですが、実績的にも血統的にも道悪適性が未知数な点ですね。