2021年安田記念 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<カデナ>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”京都2歳S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線も外からスムースに伸びて1着、直線入り口でヴァナヘイムの瞬発力には見劣ったが、まぁまぁのトップスピードの質と持続力で勝り圧勝。”弥生賞”ではスローバランスを中段から、4コーナー外を回して差し切り、持続力とパワーは見せた。”皐月賞”では平均バランスを後方から、向正面で内から中段まで上がり4コーナー出口で外に出したが伸びずに凡走、すぐ前に居たペルシアンナイトは内を突いて2着なので、外目に出したロスは良くなかった。”ダービー”ではスローバランスを後方から、直線外からスムースだったが凡走、すぐ前に居たアドミラブルにトップスピードの質と持続力で明確に見劣ったのは距離の可能性もある。”2018年アンドロメダS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外を回して上がり最速だが届かず凡走。”2019年大阪城S”ではほぼ平均バランスを4番手の最内先行、直線狭くなってL1で失速凡走、瞬発力の無さでコースを確保できなかった。”2019年福島民報杯”ではハイペースバランスを後方から、L3で捲って直線伸びたが3着、1着レッドローゼス、2着クレッシェンドラブは2㎏軽かった。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを後方から、稍重の消耗戦をジリジリ伸びて3着まで、1着スズカデヴィアスは59㎏でこちらは56㎏だったので高評価は出来ない。”2019年小倉記念”ではスローバランスを後方から、直線入り口で一瞬待たされてからバテ差しで2着まで。”2019年新潟記念”では平均バランスを後方から、直線大外から伸びて3着、前半から流れたことでバテ差し気味になったことで届いた。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年中山金杯”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年小倉大賞典”では平均バランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに外に出し差し切り。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー最内を回して直線入り口でやや詰まったが内から伸びて4着。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。”2020年新潟記念”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースだったが6着まで。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年中山金杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年小倉大賞典”ではややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが6着まで。”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで。

「安田記念へ向けて」好材料:なし。 悪材料:コース適性、距離適性、クラス負けの危険。

ディープ産駒らしい部分としては心肺機能の高さ、まぁまぁのトップスピードの質、高い持続力といったあたり。京都2歳Sではまぁまぁのトップスピードと高い持続力で差し切ったし、弥生賞でも持続力を生かしてきた。皐月賞では4コーナーから直線でのコース選択のミスだと思うし、ダービーは距離が敗因だと思う。その後は凡走の山を繰り返すが、福島民報杯で久々の連絡み、この時は良馬場でハイペースバランスを後方からのバテ差し、自身平均バランスくらいまでには入っているので心肺機能が生きた。心肺機能の高さは大阪城Sでも平均バランスを4番手先行、着順は14着で凡走したように見えるが、L1標識付近で狭くなり諦めているので、スムースならもっとやれた手応えは有った。巴賞でも稍重でハイペースバランスを後方から、バテ差し3着だったが1着が59㎏のスズカデヴィアスなので高評価までは出来ない。小倉記念でメールドグラース相手に互角のレースが出来たのは収穫で、直線入り口で一瞬待たされてからのバテ差し、L5から11秒台に入るロンスパ戦で持続力の高さを見せたレースだった。

後方からの追い込みに徹するようになって好走しているので、どこで脚を使うのかが難しいタイプなんだと思う。ただキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、トップクラス相手では届かないことが多い。元々心肺機能はまぁまぁの物を見せていたので、これを生かして持続力でバテ差しすることで良さが出たんだと思う。2019年の天皇層(秋)では完全にトップスピードの質で見劣ったし、道中も追走で離されてしまったので相当ユッタリ入らないと、後半の良さが出ないんだと思う。

2020年中山金杯ではややスローバランスをいつも通り後方から、前が止まらない流れで凡走、これが後方からの馬の怖いところで嵌れば鮮やかに差し切るが、展開が向かないと平気で凡走する。この馬は展開に関係なく追い込めるほどのトップスピードの質はないので、展開依存は今後も続くはず。2020年小倉大賞典が平均バランスで嵌ったレース、いつも通り後方からだったが、馬群が凝縮していて先頭からはさほど離されていない、これで4コーナーからスムースに外に誘導したことで差し切れた。ローカルGⅢでヴェロックスは居たが相手は弱いので、高評価できるレース内容ではない。2020年大阪杯では直線入り口でやや詰まったが、内から伸びて4着までだった。後方から全く勝負に行っていないので、高評価は出来ないが、このレベルで4着まで持ってきたので、展開次第では重賞で十分勝負できる力は見せた。

2020年宝塚記念では後方から伸びずに凡走、大阪杯と違って多頭数で先頭から距離があったし、稍重表記だが重馬場並みの重さで馬場も合わなかった。2020年新潟記念ではいつも通り後方から、直線外に出してスムースだったが6着まで、この時は58㎏だったので0.3差は高評価で良いと思う。2020年毎日王冠ではいつもよりもやや前で中段のやや前から、スムースな競馬が出来ていたが稍重で伸びを欠いた感じ。2020年天皇賞(秋)では後方から全く届かず凡走、この日は超高速馬場になっていて、前に居たアーモンドアイが上がり33.1ではどうしようもない。直線入り口ですぐ隣に居たフィエールマンに大きく見劣ったので、超高速馬場ではトップピードの質が足りない。2021年中山金杯ではスタートでぶつけられてしまい後方から、この時は58㎏だったしスローバランスで後ろからでは勝負にならなかった。2021年小倉大賞典でも後方から、この時も58㎏で伸びを欠いたので、斤量負けの可能性が高い。2021年大阪杯では重馬場ではいつも通り後方から、重馬場が合わない感じで伸びがイマイチだった。

好材料はなし、悪材料はコース適性で、府中では百日草特別で2着があるが他は凡走、天皇賞(秋)3回とダービーは仕方ないが、2018年東京新聞杯14着は印象が悪い。距離適性も悪くマイルで新馬戦で2着以外は、東京新聞杯とマイラーズCが共に凡走している。クラス負けの危険もあってローカル重賞でしか好走歴がないので、GⅠでは苦しいはず。

適性:梅

<カラテ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

”2020年八丈島特別”では不良馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2020年柏崎特別”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年神奈川新聞杯”では平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年2勝クラス”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2021年若潮S”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて1着。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線L1まで前が壁だったが、空いてから伸びて差し切り。

「安田記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>2020年八丈島特別では不良馬場でハイペースバランス、自身は中段からだったがこれでもハイペースバランスに入っていて、上がり最速で差し切りは心肺機能が悪くないことを見せた。2021年東京新聞杯では中段の前から差し切り、このレースは中緩みの無い一本調子のペースで、L1まで前が壁だったが流れていたために差し切った。

<パワーについて>2020年中山2勝クラスではL1の坂で差し切り、トゥザグローリー産駒らしいパワーを見せた。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>2020年神奈川新聞杯では平均バランスを後方から、自身はスローバランスで心肺機能は問われていないが、直線全く伸びていないのはトップスピードの質が低いからだと思う。

<持続力について>2020年若潮Sでは中緩みの無い平均バランスを、中段やや前から押し切り圧勝している、ただL1は12.4まで落としているので持続力はやや高い。

<その他について>非ノーザンF生産馬で外厩は期待できない上に、1流厩舎ではないので休み明けは良くない。2020年柏崎特別では休み明けで凡走。トゥザグローリー産駒らしく中山適性が高い。2021年東京新聞杯では1400mのような中緩みの無いペースを差し切り、消耗戦になっていないので前に居た分だけ楽だったはずで、恵まれた感が強い。

好材料はコース適性で、今年の東京新聞杯で1着だったのでコース適性は良い。条件戦からマイルで連勝しているので距離適性も良いはず。悪材料はクラス負けの危険で、東京新聞杯の勝ち方が印象良くない、このレースは1400mのような中緩みのない展開だったが、実は消耗戦になっていない。中緩みがないのに消耗戦になっていないということは、道中の流れが緩かったはずで、前に居た分だけ心肺機能が問われなかったし、L2で11.6に減速してからL1で11.5を出しているので、持続力で押し切った感じだった。後方に居たカテドラルにはトップスピードの質ではっきり見劣っているので、展開を考えてもカテドラル以上の評価はできない。

適性:竹

<ギベオン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力の高い先行粘り込みタイプ。

・良馬場で2000mまで、渋れば1800までだったが、良馬場でもペースが上がると2000mでも長い。

”2018年NHKマイルC”では平均バランスのハイペースを中段の前から直線L2で抜け出したところをトップスピードの差でケイアイノーテックに差される。”2018年セントライト記念”では大きく離れた追走集団の3番手で実質スローバランス、L3から仕掛けてしまいL1で息切れ大敗。”2018年中日新聞杯”では離れた追走集団の中段から実質スローバランスをL2手前から仕掛けて、一旦ショウナンバッハに前に出られるも差し返して辛勝、トップスピードの質では見劣ったが、2Fの持続力で勝ち切った感じ。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを先行したが稍重の影響かL1で失速、休み明けだったがL1まで踏ん張っていたので休み明けも走るが・・・。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを先行集団の5番手から、L1の坂で苦しくなって5着、斤量が57.5㎏でハイペースを追走してしまい力尽きた。”2019年鳴尾記念”ではスローバランスを躓き後方から、直線外に出すもトップスピードが足りずに4着まで。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを中段から、直線内からスムースだったがトップスピードの質で見劣り7着まで、この時が休み明け。”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段から、4コーナー馬群の中から進め直線も前が壁になり押し出せずに凡走。”2020年中山金杯”では中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が57.5㎏。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線詰まって4着まで。”2020年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回し直線スムースだったがL1で一杯。”2020年中日新聞杯”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年白富士S”ではスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線狭くなって流れ込むだけ。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを逃げ切り。”2021年マイラーズC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で失速して7着。

「安田記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

2019年ダービー卿CTは57.5㎏で前半800m45.1というハイペースバランスを、先行集団に取り付いていた。L2までは踏ん張っていたがさすがにバテて、後方からも差されているが、差してきたプリモシーンは54㎏、ダイアトニックは55㎏、同じ位置に居て3着のマイスタイルは55㎏、前に居て勝ち切ったのが55㎏のフィアーノロマノだから、斤量を考えれば大健闘かもしれない。NHKマイルCを見ても分かるようにトップスピードの質は高くないし瞬発力も低い、しかし持続力は高いので平均バランスを先行すれば垂れない。

2019年金鯱賞ではスローバランスを先行してL1で失速、これは休み明けと稍重馬場で1F長かったのかも。2018年中日新聞杯でも平均バランスを中段からバテ差す格好で伸びた、ショウナンバッハにあわやの所まで詰め寄られてしまったのは、おそらく休み明けの影響でしょうね。2019年毎日王冠でもトップスピードの質で見劣り7着だったが、この時も休み明け。2019年チャレンジCではデットーリ騎手が中段から進めてしまい、終始馬群の中から直線に入って前が壁になり凡走、トップスピードの質と瞬発力の無さを露呈してしまった。

弱点のトップスピードと瞬発力を誤魔化せるのが阪神コースで、阪神は1-1-0-1、これはL3、L2が下り坂で動き出しの瞬発力をごまかせるからでしょうね。2020年中山金杯ではややスローバランスを中段やや前から、スムースにレースをしたが直線伸びずに凡走した、この時は57.5㎏を背負っていた。L1で一杯になっていたので2000mは1F長い可能性が高い。2020年金鯱賞ではスローバランスを3,4番手から最内を回したが、直線入り口で福永騎手お得意のどん詰まりで4着まで、瞬発力とトップスピードの低さを見せた。この馬は社台F生産馬なので休み明けが良くない、セントライト記念、2019年金鯱賞、2019年毎日王冠と良くなかった。

2020年新潟大賞典では中段の後ろから、終始スムースだったが伸びずに凡走した、トップスピードの質が低いにもかかわらず出たなりで中段の後ろだったので、騎手が岩田望騎手なので調教師の指示だった可能性がある。57.5㎏で斤量も重かったし2か月の間隔空けも良くなかったが、L1で一杯になっているので距離も2000mは長くなってきたかもしれない。2020年エプソムCでは不良馬場で1F長くなってしまいL1で一杯になった。2020年中日新聞杯では中段やや後ろから、直線スムースだったが伸びなかったのはトップスピードの質が低いから、岩田望騎手は3度目の騎乗で前走と同じような負け方。2021年白富士Sでは先行したが、直線で狭くなってしまい追い出しが遅れて5着まで、この時は59㎏も影響したはずだが、スムースでなかったことが致命傷になった。2021年金鯱賞では重馬場でややスローバランスを逃げ切り、トップスピードの質が問われない展開に持ち込んだことで良さが出た。2021年マイラーズCではL1で失速してしまった、トップスピードの質では勝負にならなかったが、内へ行ったことで馬場の影響もあったかもしれない。

好材料はコース適性で、2018年になるがNHKマイルCでタイム差無し2着があるので、コース適性は高いはず。距離適性も2019年ダービー卿CTが57.5㎏で0.3差5着だし、今年のマイラーズCでは57㎏で0.4差7着、この時はL2で先頭に並びかけたがL1で減速率が大きくなったので、他馬に比べて1㎏重かったことが影響したはず。悪材料はクラス負けの危険で、金鯱賞でGⅡを勝っているが、この時は重馬場で恵まれた感じだった。今までは距離適性的にやや長い距離を使われていたので、大きな不安はないがGⅠで通用するかは未知数ですね。

適性:竹+