2021年ヴィクトリアM 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<マルターズディオサ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを逃げて2着、この時の1着がウーマンズハートで圧勝されている。”未勝利戦”では平均バランスを後方から、終始最内を回して直線内からスムースに伸びて1着、持続力の高さを見せた。”サフラン賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線差し切り1着、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力の高さも見せた。”2019年阪神JF”ではハイペースバランスを4番手先行、3,4コーナーやや外目を回して直線スムースだったが2着まで、心肺機能と持続力は見せた。”チューリップ賞”ではややスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに押し切って1着。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが凡走。”オークス”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。”紫苑S”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを逃げて凡走。”2020年阪神C”では平均バランスを中段中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:1か月半の間隔。

新馬戦では逃げて2着だったが1着ウーマンズハートには圧倒されてしまっている、この時点でトップスピードの質には疑問もあったが、未勝利戦で後方から追い込んで勝ち切った、終始最内を回して直線もインコースがポッカリと空いたので恵まれた感もあるが、持続力の高さは見せている。サフラン賞では捲り追い込みに行って差し切った、トップスピードの質もまぁまぁの物を見せたので、溜めた方が良いんだと思う。この辺りはキズナの特性が出ている感じ。

2019年阪神JFではハイペースバランスを4番手先行、3,4コーナーでやや外目を回したこともあり直線スムースだったが伸びずに2着、溜めた時の爆発的な末脚は出せなかった。チューリップ賞ではスタート五分、そこからペースが上がらなかったために徐々に上がって行って2,3番手で先行、3,4コーナーは上位3頭の中で一番外を回して押し切った、スタートが速くないので毎回先行できるかは疑問が付く、その上で持続力の高さを見せたし休み明けでも意外にしっかりしていた。桜花賞では重馬場で中段の前から進め、3,4コーナーで早目に前を捕まえに動き直線凡走。まず前半のポジションが前過ぎる、

阪神JFで先行してレシステンシアにボロ負けしているにもかかわらず、またしても前を取るペース認識の悪さ、4コーナーで速くも仕掛けてしまうレースセンスの悪さで凡走も止む無し。オークスでは4コーナーで早目に仕掛けて凡走、距離適性が出てしまった感じ。紫苑Sでは休み明けでも快勝してきた、この馬は非ノーザンF生産馬だが、チューリップ賞でも休み明けを勝ち切っている。隠れノーザンではないが仕上がりが早いのでしょうね。その紫苑Sではスローバランス2番手先行から押し切り、スタート良かったのでポジションは自在に取れたし、スローバランスの稍重で上りも速くならなかった。後ろの組の上りも鈍った感じだったし、上手くレースを運べたという感じですね。この感じならば今後も大敗しそうもないので、ペース認識さえ正確に出来れば大きいところでも安定すると思います。秋華賞では稍重でハイペースバランにして凡走、ホウオウピースフルに絡まれたが、速過ぎて心肺機能が持たなかった。連続好走しないので反動が出やすいのかもしれない。

2020年阪神Cでは中段の前から、スムースだったが3,4コーナーで勝ち馬ダノンファンタジーが最内を回しているので、距離ロスはあった。この分だけ届かず2着だったので、高評価で良いと思う。2021年高松宮記念では外枠で終始外目を回していた、これで8着だったがサウンドキアラと同タイムなので、悪くはないと思う。桜花賞で重馬場を凡走したが休み明け2走目の反動だったはずで、2021年高松宮記念を見れば道悪適性は低くない。

好材料は距離適性で、実はこの馬マイルでは3-2-0-1で、凡走の1回は中1か月の桜花賞。ポジション取りの自由度もある馬なので、出して行けば中段より前は取れると思うし、阪神Cでインディチャンプに先着したことでクラス負けの危険もない。悪材料は中1か月半の間隔で、この馬はなぜか間隔を空けた方が好走する、前走の高松宮記念では3カ月の間隔だったが、初めての1200mで重馬場という条件だったので度外視して良いと思う。中1か月半は間隔が短い気がするが・・・。

適性:竹

<ランブリングアレー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はやや低い。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
2020年小倉記念 6着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着。4コーナーから早目にショート捲りに行って一旦先頭に立ったが、L1で失速している、この時は2カ月弱の間隔でマイナス8㎏だった。
2020年カシオペアS 1着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。
2020年ターコイズS 7着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年愛知杯 2着 ハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し2着。
2021年中山牝馬S 1着 不良馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
総評
新馬戦ではスローバランスを中段から、直線ではエンジンの掛かりが遅く、なかなかトップスピードにまで上がらずに辛勝。白菊賞では平均バランスを中段やや後ろから、L2まで溜めてしまい外から差される。トップスピードの質はまぁまぁ、瞬発力が低く溜めると良くない。心肺機能は高く持続力もありそう。2020年小倉記念ではマイナス8㎏が良くなかったのか、ショート捲りに行って一旦先頭に立ったがL1で失速した。2020年カシオペアSでは平均バランスを中段の前からで心肺機能を見せたし、4F戦で持続力の高さも見せた。2020年ターコイズSでは4コーナーですぐ横に居たスマイルカナに見劣り、スピード不足の感があった。2021年愛知杯では3,4コーナーで中緩みからL2最速戦を2着、同じ位置で直線に入ったマジックキャッスルと首差だったので、持続力で若干見劣った。2021年中山牝馬Sでは中段からのバテ差しが届き差し切り、母系のロベルトとサドラーズウェルズが入っていたので、パワーと持続力が活きた。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、ディープインパクト産駒なので初GⅠはこなせると思うが、この馬は母系にサドラーズウェルズが入っているので、トップスピードの質が高くない、府中のマイル戦ではトップスピードの質を持続する能力が求められるので、スピード負けしそう。

適性:梅

<リアアメリア>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質は高く、持続力はやや高い。

”新馬戦”ではスローバランスをスタートで遅れて後方から、終始掛かりっぱなしで3,4コーナー外を回したが、直線は持ったまま圧勝。”アルテミスS”ではスローバランスを中段から、終始掛かりっぱなしで直線外から差し切って1着、やや反応が悪く瞬発力は低そう。”2019年阪神JF”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが凡走。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが凡走。”オークス”ではややスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて4着。”ローズS”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の先頭から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年中山牝馬S”では不良馬場でハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年阪神牝馬S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

新馬戦ではスタートで出遅れ後方から掛かりっぱなしのレースだったが、直線では持ったまま圧勝してしまった。持続力の高さは十分見せているが瞬発力やトップスピードの質は見せていない。アルテミスSではスタート五分に出たが後方に控えている、ここでも掛かりっぱなしで気性難を見せている。それでも直線では33.0の上がりを見せているので、ここでトップスピードの質を見せてきた。L2で10.8くらい、L1では11.0くらいは出ているはずで持続力の高さも見せている。ただL3でややモタモタした感じを出しているので、瞬発力は高くないのかもしれない。

2019年阪神JFではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外を回して4コーナーですぐ前に居たクラヴァシュドールにも付いて行けずに、直線でも全く伸びずに凡走、展開どうこうよりも気持ちの問題の可能性が高い。桜花賞では中段のやや後ろから、直線スムースだったが凡走しているように、現状では人気先行の嫌いが高い。オークスでは中段のやや後ろからで、直線スムースだったがジリジリしか伸びなかった、スパッと切れる感じではなくL1でバテ差す感じの4着で、デアリングタクトには後ろから並ぶ間もなく交わされている。

ローズSでこの馬の本領を発揮できた、スタート決めて2番手先行で折り合った、この折り合いがネックになって3歳春まで苦労したが、一夏超えてハッキリ進境を見せてきた。L2は11.3で一気に出し抜いているので瞬発力もまぁまぁの物を見せた。とにかく先行して折り合えたことが大きく、今後に期待が持てる1勝だった。秋華賞では心肺機能の低さを見せた感じで、ハイペースバランスを中段の前からで直線入り口では一杯になってしまった。2020年エリザベス女王杯では4コーナーで待ってしまい、外から勢いを付けてきた組に飲み込まれるようになり凡走。右回りで手前を替えていないこともあるので、左回りで見直し。

2021年中山牝馬Sでは不良馬場でハイペースバランスを中段やや前からで、自身もハイペースバランスに入っていた。これでL3で手応えが怪しくなったので、心肺機能が高くない可能性と、道悪が決定的似合わないこともありそう。2021年阪神牝馬Sではスタートのタイミングが合わず後方から、直線全く伸びなかったので右回りの影響かもしれない。

いつ走るのか非常に難しい馬で、ラップ推移を見てみると、好走時はスローバランスからの3F戦になっている。この馬は母系がコテコテの米国血統で母の父の父がUnbridled’s Song、母の母の父の父がGone Westなので、スピード維持能力が高いんだと思う。逆に凡走したレースではハイペースバランスの消耗戦で、阪神JF、桜花賞、秋華賞と2021年中山牝馬Sだった。2020年エリザベス女王杯では離れた追走集団の前からで、自身はギリギリスローバランスくらい、これでL2最速戦で外から一気に来られているので、瞬発力の低さを見せてしまった感じ。なのでスローからのL2最速戦は良くないんだと思う。

好材料はコース適性で、アルテミスSを快勝しているので好相性。オークスでも0.3差4着、中京のローズSを圧勝しているので左回りが好相性なのかも。悪材料はクラス負けの危険で、秋華賞以降好走していない。この馬はスローバランスからの3F戦で好走しているので、ヴィクトリアMでは展開が合わない可能性がある。

適性:梅

<レシステンシア>・心肺機能は高く、パワーは不明、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はやや低い、持続力は高い。

”新馬戦”ではややハイペースバランスを3番手で先行、3,4コーナー中目を回して直線は外目から伸びて1着。”ファンタジーS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線はスムースに伸びて1着、心肺機能、持続力の高さを見せた。”2019年阪神JF”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、レコードタイムで5馬身差、心肺機能と持続力の高さを見せた。”チューリップ賞”ではややスローバランスを逃げて3着、トップスピードの質で見劣り。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、直線粘ったが2着まで。”2020年NHKマイルC”では平均バランスを逃げて2着。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを逃げて凡走。”2021年阪急杯”では平均バランスを逃げ切り。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて2着。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:前走の反動。

新馬戦では豊騎手が探りながらという感じだったが、それでもややハイペースバランスを先行してしっかり勝ち切った、直線ではズブイ感じも出ていたがやや重であることを考えればタイムも悪くない。ファンタジーSが良い内容で、逃げ争い気味に先行して2,3番手から、直線では1馬身差で勝ち切っているので心肺機能と持続力の高さを見せた。この時は逃げ争いを嫌ったヤマカツマーメイドが、中段の前まで下げたにもかかわらずゴール前では流れ込むだけだったので、終始先頭近くにいたこの馬の持続力の高さが目立った。2019年阪神JFではハイペースバランスを逃げて圧勝、レコードタイムで5馬身差を付けて心肺機能と持続力の高さを見せつけた。チューリップ賞ではなぜかややスローバランスにしてしまい3着、着差は僅差だったがこの馬以外は休み明けの非ノーザンF生産馬だったことからも、かなり印象が悪い。本番の桜花賞へ向けて試したのか、騎手がペース認識を出来ないのか不明だが後者の場合は今後も不安が残る。桜花賞では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、デアリングタクトには差されたが、しっかりと2着を確保して心肺機能と持続力、パワーの高さを見せた。NHKマイルCでは平均バランスを逃げて2着、馬場を考えるとルメール騎手が大事に乗り過ぎた感じで、ラウダシオンに差されたのはトップスピードの質の差。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスにしてしまい当然のように凡走、騎手のペース認識の悪さが出た。2021年阪急杯では平均バランスを逃げて圧勝、2F目で10秒台のラップを踏んだ時は好走する。2021年高松宮記念では重馬場で中段の前からだったが、2F目が10.7だったので好走、2着だったが外枠だったし重馬場だったので高評価で良いと思う。

好材料はコース適性でNHKマイルCで2着に好走しているし、距離適性も阪神JF1着、桜花賞2着と好相性。豊騎手へ乗り替りだが、桜花賞で2着しているので好材料でしょう。悪材料は前走の反動で、高松宮記念が重馬場で2着に好走、桜花賞が重馬場で2着の後でNHKマイルCが2着と、好走しているのだが1番人気だったことを考えると物足りない。これが重馬場激走の反動なら今回も不安が残る。

適性:松