2021年高松宮記念 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<セイウンコウセイ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

・2か月半以上の休み明けではトップスピードの質が落ちる。

”2017年淀短距離S”ではほぼ平均バランスを逃げて1着、L2最速11.1で出し抜き圧勝した。”2017年シルクロードS”では平均バランスを3番手先行、L2で11.1で先頭に立ったがダンスディレクターに差されて2着、トップスピードの質で見劣り。”2017年高松宮記念”ではハイペースバランスを先行の後ろから、直線はL1の持続力で圧勝、この時の2着が内枠のレッツゴードンキ、3着がレッドファルクスで高評価。”2017年函館SS”ではハイペースバランスを2番手先行、L1で垂れて4着、前半が32.2とかなり速かったし2か月半強の休み明け。”2017年スプリンターズS”ではほぼ平均バランスを中段のやや前から、直線は全く伸びずに凡走、この時が3カ月半の休み明け。”2017年スワンS”では重馬場でハイペースバランスを中段やや前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2018年シルクロードS”ではほぼ平均バランスを逃げて2着、58㎏で休み明けのファインニードルの2着ならまぁまぁ。”2018年高松宮記念”ではハイペースバランスを、ダイアナヘイローに競られながら逃げて0.3差6着なのでまぁまぁ。”2018年京王杯SC”では平均バランスを3番手先行、L2過ぎから垂れて凡走、距離が長かった。”2018年函館SS”ではハイペースバランスを逃げて1着、ペース、走破タイムも良かった。”2018年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段の前から、直線伸びずに凡走、この時が3カ月強の休み明け。”2019年シルクロードS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、この時が2か月半強の休み明け。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを先行、直線粘って2着。”2019年CBC賞”では不良馬場で平均バランスを逃げて3着、道悪でトップスピードの質を問われない展開が嵌った。”2019年キーンランドC”ではハイペースバランスを3番手先行、4コーナー外を回して6着まで、逃げたナックビーナスとは0.1差なので前半が速過ぎ。”2019年スプリンターズS”ではハイペースバランスを4,5番手追走、直線入り口で詰まって再加速に手間取り凡走。”2019年スワンS”では稍重で平均バランスを2番手先行、トップスピードの質で見劣り凡走。”2020年シルクロードS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線粘れず5着、この時が休み明けで58㎏。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスをやや離れた2番手先行、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2020年京王杯SC”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線は伸びずに5着まで。”2020年安田記念”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年セントウルS”ではハイペースバランスを逃げて凡走。”2021年シルクロードS”では3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。

「高松宮記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:騎手不安。

丸2年以上前の高松宮記念を勝った馬で、その後は安定しない成績だったが、2019年の高松宮記念で2着に激走した。12番人気だったことからも皆さん評価に迷ったんだと思う、私も買えなかった・・・。この馬のはっきりした傾向としては間隔で、2か月半以下の場合7-6-0-10(JBCスプリント含む)、2か月半以上の場合0-1-2-7とかなりはっきりした数字。2019年CBC賞では3カ月の休み明けで逃げて3着に粘った、不良馬場でトップスピードの質を問われなかったことから、2か月半以上間隔を空けるとトップスピードの質が低下するんだと思う、3歳時の東京未勝利戦で3カ月弱の間隔空けの中2着した時もダートで、トップスピードの質が問われていない。持続力と心肺機能には影響がないんだと思う。心肺機能と持続力は2017年高松宮記念、2018年函館SSでハイペースバランスを逃げ切っているので、かなり高い物を持っている。距離に関しては1200がベストだと思う、1400ではスワンSでも京王杯SCでも凡走している、どちらも休み明けではなかったので単純に距離が長かったはず。

好ローテーションで挑んだ2019年スプリンターズSがなんとも勿体ない内容で、終始4,5番手の最内で進めたが、直線入り口で下がってきたファンタジストの影響で大きくブレーキ、再加速をするだけの瞬発力はないので凡走してしまった。それでも前が空いてからジリジリは伸びたので、スムースだったら着は良かったはず。2019年スワンSでは稍重にビビって平均バランスで、トップスピードの質で見劣り。2020年シルクロードSでは休み明けで58㎏、これで0.2差5着は決して悪くなく7歳になったが衰えは見えなかった。酷い騎乗だったのが2020年高松宮記念で、この時は重馬場だったがすでにだいぶ回復していて実質稍重だった、馬場読みが全くできずに2番手だが逃げたモズスーパーフレアから3,4馬身離れて追走したため、直線でトップスピードの質で見劣り凡走。末脚で勝負できないことは何度も乗っていて分かっているはずなのに、差しを狙う謎騎乗だった。2020年京王杯SCでは稍重でスローバランスを容認してしまい5着、馬場読みが全くできていないので仕方ない負け方だし、1F長い。2020年安田記念では中段の前から、平均バランスを容認してしまいトップスピードの質で見劣り。2020年セントウルSではハイペースバランスを前半33.0で逃げたが凡走、レース後に熱中症であったことが発表された。

2021年シルクロードSでは58㎏を背負って5着に粘った、休み明けだったし逃げたモズスーパーフレアと、2番手のクリノガウディ―が大敗していることを考えると、8歳になるがまだまだ老け込んでいない。

好材料はコース適性で、2017年1着、2019年2着とこのレースでは2度の好走歴がある。2018年も0.3差6着だし2020年も0.4差7着なので、高いコース適性を見せている。前走のシルクロードSが58㎏を背負って5着、休み明けで消耗戦を先行してしっかり粘った、8歳になるがまだまだやれそう。悪材料は騎手不安で、2017年1着、2019年2着も幸騎手だったが、2020年の騎乗が印象悪い。2020年は重馬場表記で騎手がビビッてペースを引き上げなかった。レシステンシアとモズスーパーフレアがやり合った時に、一歩引いてしまうとトップスピードの質で見劣ってしまう。

適性:松

<ダイメイフジ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・間隔空けると良くないが使い減りしない。・1200がベスト。

”2018年ラピスラズリS”では平均バランスを中段のインから、直線ではL2最速戦になりトップスピードの質を生かして差し切り。”2018年安土城S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線はL2最速戦で外に出して瞬発力とトップスピードを生かして差し切り、この時の2着がモズアスコット。”2019年阪急杯”では体重が減らずに凡走、1400も良くない。”2019年オーシャンS”ではハイペースバランスを中段から、バテ差しで3着、連闘で馬体がやや絞れた。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段の後ろから、伸びない外を回して凡走、このクラスでは苦しい。”2019年京王杯SCでは0.3のややスローバランスを2番手先行、直線L1標識まで先頭列で粘っていたが、その後に明確に垂れて10着、1F長い。”2019年函館SS”ではほぼ平均バランスを3番手先行、L2でカイザーメランジェに瞬発力で見劣り、直線はトップスピードの質で見劣り4着。”2019年UHB賞”ではハイペースバランスを3,4番手から、直線はやや前に詰まったがジリジリ伸びて3着、1着リナーテにはトップスピードの質で見劣り、この時+10㎏。”2019年オーロカップ”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線ややバランスが悪く、ジリジリで7着まで、この時マイナス16㎏。”2019年京阪杯”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが早々に一杯になり凡走。”2020年大和S”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年名鉄杯”では稍重で平均バランスを逃げて圧勝。”2020年オアシスS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、L1手前で一杯になっている。”2020年栗東S”では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2020年函館SS”ではややハイペースバランスを逃げ、3,4コーナー最内を回して直線スムースに粘って2着。”2020年キーンランドC”では重馬場でややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線入り口で一杯。”2020年カペラS(ダート)”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2020年ギャラクシーS”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年カーバンクルS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着まで。”2021年根岸S”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「高松宮記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

1歳上にダイメイプリンセス居るのだが、とても良く似ている。まず適正距離が1200、馬体重が安定しない、不思議なことに一緒に走ると隣の枠になるなど興味深い兄弟ですね。1400では安土城Sでモズアスコットを破っているが、この時はスローバランスを内目からスムース、対してモズアスコットは後方から大きく外を回されてのもの、加えて連闘で安田記念に挑むローテーで仕上げ切っていなかったはず。1400では良くないことははっきりしていると思う。

1200ではラピスラズリSでモズスーパーフレアを差し切って1着、この時はモズスーパーフレアが北村友一騎手で平均バランスにしてしまったので、モズスーパーフレアのレースにはなっていなかったが、トップスピードの質はまぁまぁの物を見せた。オーシャンSではハイペースバランスを3着、上位2頭にはやや離されたが4着のペイシャフェリシタは押さえ切った、ペイシャフェリシタは内枠を引くとやたら好走する馬なのでこれを抑えきったのは高評価だと思う。この時は持続力は見せたので、体調さえ良ければ重賞でも十分好走できるだけのポテンシャルは持っている。問題はその体調で、馬体重が平気で10kg以上増減してしまう、これはお姉ちゃんのダイメイプリンセスも一緒で、厩舎に問題があって仕上げには不安がある。休み明けが良くないのも厩舎の問題が大きく、これもダイメイプリンセスと一緒。

2019年オーロCでは平均バランスで中段やや前から、トップスピードの質で見劣り凡走した。2019年京阪杯では平均バランスを中段やや前からだったが、直線早々に一杯になり凡走した、敗因がよく分からない負け方で今後が大いに不安になる敗戦だった。2020年大和Sでは初ダートで中段からだったが、重馬場で前が止まらず後ろからトップスピードの質で切れ負けして凡走。この負け方からも中途半端な戦法は合わないと思う。2020年名鉄杯では平均バランスを逃げて圧勝、2着がテーオージーニアスなので高評価。2020年オアシスSではハイペースバランスを逃げて凡走、L1で一杯になったので距離適性の問題だと思う。2020年栗東Sではハイペースバランスを先行して凡走した。

距離適性がはっきりした感じで、芝でもダートでも前半が33秒台のハイペースバランスになると、1200mまでという事なんだと思う。2020年大和Sなんかプラス18㎏だから、距離適性以前に走れる状態ではなかったはず。2020年函館SSではややハイペースバランスを2着、ダートで逃げ・先行をして行き脚が付いた感じでスムースに逃げられたし、2番手のダイアトニック豊騎手がプレッシャーを掛けなかったことも好走理由だと思う、元々これくらいやれれて当然だが仕上げが雑で安定感がない。2020年キーンランドCでは前走から2カ月強の間隔開けでマイナス14㎏、当然のように凡走した。2020年スプリンターズSではスタート出たが出して行かずに中段のやや後ろから、2走続けてマイナス14㎏で走れる状態ではなかった。

2020年カペラSではダートでバテ差し4着まで、スタート出たが前に行く素振りも見せずに、届かず4着という結果は残念。騎手が過去のこの馬のダート成績を見ていないのだろう、前に行かないと3着以内は難しいはず。2020年ギャラクシーSでは中段やや前からで3コーナー入り口で狭くなった、これでリズムを崩したのか直線全く伸びずに凡走、砂を被ると良くないのかもしれない。2021年カーバンクルSでは平均バランスを中段から、直線スムースに伸びて2着だった、この時は57㎏を背負っていて、1着のレジェ―ロが51㎏だったので高評価で良いと思う。2021年根岸Sではスタート出して行ったが中段の前から、直線スムースだったが砂を被った影響か伸びずに凡走した。2021年オーシャンSでは中段の前から進めたが凡走、調教が良くなく厩舎不安が出てしまった。

好材料は距離適性で、カーバンクルS2着、函館SS2着と好相性。悪材料はクラス負けの危険で、GⅠでは2020年スプリンターズS14着、2019年高松宮記念11着と全く勝負になっていない。この厩舎は仕上げが雑なので、当日の状態も要注意。

適性:梅

<ダノンスマッシュ>・心肺機能は高い、パワーはやや低い、瞬発力は高い。

・トップスピードの質は高く持続力はまぁまぁ。

・休み明けでも走る。

”2019年シルクロードS”ではハイペースバランスを中段やや前、直線前が詰まってL1だけで11.1で圧勝。”2018年京阪杯”ではほぼ平均バランスを先行して内から圧勝、L1は11.4で瞬発力抜群。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段の前から、直線追い出しを待った分だけ伸びずに4着、3コーナー入り口で内に切れ込み制裁。”2019年キーンランドC”ではハイペースバランスを中段から、4コーナー外を回して直線スムースで1着、稍重馬場だったことと薬物問題でローテの狂いがあり、イマイチな内容だった。”2019年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線入り口で待たされてしまい3着まで。”2020年オーシャンS”ではハイペースバランスをスタートでやや遅れてリカバリーして中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回したが直線伸びずに凡走。”2020年京王杯SC”ではスローバランスを逃げて押し切り。”2020年安田記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2020年セントウルS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出して1着。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。

「高松宮記念へ向けて」好材料:休み明け、コース適性。 悪材料:特になし。

NHKマイルCや高松宮記念を見ていると、上り坂で苦労している。NHKマイルCでは1列後ろに居たギベオンに、L2の坂部分で一気に抜かれた、ただこれでズルズル下がるわけではなくL1の平坦部分では互角のスピードだった。これは高松宮記念でも上り坂の途中まで追い出しを待ってしまい、この馬にとって一番苦手な坂の途中から「行け!」と言われても・・・。なのでパワー不足の可能性は現状では否定できないと思う。

それ以上に強烈な瞬発力とトップスピードの質を持っていて、シルクロードSや京阪杯で直線詰まりながらも、こじ開けてからの加速は他を圧倒していた。シルクロードSではハイペースバランスを先行しているので自身もハイペースバランスだった、これでⅬ1の強烈な瞬発力とトップスピードの質を見せたのは、高い心肺機能のなせる業だろう。勝ったとはいえやや物足りなかったのが2019年キーンランドCで、この時は稍重だったことと薬物問題でローテーが狂った影響だと思う、2018年のキーンランドCも稍重で2着だったので、稍重では自慢の瞬発力が鈍る可能性はあると思う。

2019年スプリンターズSでは直線内枠で待たされたが、登坂で加速が鈍り3着まで、坂上では再度盛り返したので東京や中京は大丈夫なはず。坂に差し掛かった地点で明確にタワーオブロンドンに引き離されてしまったので、坂はやや割引。2020年オーシャンSではスタートでやや出遅れた、前が開いていたのでリカバリーできたが印象は良くない。中段やや前で進め最内を回して直線スムース、坂上でナックビーナスを交わしているので、坂は苦手なんだろう。2020年高松宮記念では直線全く伸びずに凡走、前走海外帰りの休み明けを勝ってしまった反動の可能性が高い。2020年京王杯SCでは稍重でスローバランスを逃げて押し切り、府中稍重表記の馬場状態を読み切ったレーン騎手の好騎乗。ロードカナロア産駒で5歳になるが、今のところ蓄積疲労は出ていない。2020年安田記念では平均バランスを逃げたが凡走、前走の反動が出て粘り切れなかった。2020年セントウルSでは先行からしっかり押し切り、L2の坂部分ではビアンフェと同じような加速だったので、坂での不安は残した。2020年スプリンターズSではハイペースバランスを中段の前からで、自身もハイペースバランスに入っていた、これで直線スムースに抜け出したが坂でもたついたこともあり2着。反動が心配されたが調教をセーブすることで克服してきたので、今後は反動を気にする必要はない。

2020年香港スプリントを勝ち切った、目視だがハイペースバランスを中段からのバテ差しになっていて、持続力の高さを見せた。

好材料は休み明けで、この馬は非ノーザンF生産馬だが、休み明けでも走るどころか休み明けの方が良い。今回は海外帰りだが、昨年のオーシャンSも香港スプリントからのレースで勝ち切っている。昨年のセントウルSが中京開催で、先行して押し切っているのでコース適性も高い。2年前の高松宮記念も0.2差4着だからね。悪材料は特になく、6歳になっていきなり衰える可能性はあるが、こればかりは前哨戦を使っていないでの未知数。

適性:松

<ダノンファンタジー >・心肺機能はやや低く、パワーはある、瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”ファンタジーS”外回りではスローバランスを中段から、直線大外から差し切り圧勝、トップスピードの質を見せた。阪神JFでは平均バランスを後方から、L3最速の流れを外から差し切り、トップスピードの質と持続力を見せた。”チューリップ賞”ではスローバランスを最内先行、直線は内に詰まってL1だけでバテ差し、L3、L2で流れたことで差せた。”桜花賞”ではスローバランスを中段のやや前で外からになり掛かってしまう、L3でグランアレグリアの反応にやや遅れながら付いて行き、直線はL1で失速4着。”オークス”では平均バランスを中段の前から、4F戦になり5着まで、距離かも。”ローズS”ではスローバランスを中段から、L2で外に出してから伸びて差し切り。”秋華賞”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年阪神牝馬S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに5着まで。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びきれず5着。”2020年府中牝馬S”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の先頭から、3,4コーナー中目を回して直線L1標識付近で一杯になり凡走。”2020年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2021年阪急杯”では平均バランスをスタート遅れて中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。

「高松宮記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

桜花賞では掛かってしまい勝負所で反応が悪く、直線でもL1で一杯になってしまったので、折り合いが重要でしょうね。阪神JFでも後方からやや掛かっていたが、この時は前にグレイシアが居たこと、平均バランスで流れたことで我慢できていた。チューリップ賞ではスタート抜群で最内を先行、ここでもやや掛かり気味でコントロールに苦労はしていたので、折り合いがカギになるのは間違いない。阪神JFでビーチサンバ相手にトップスピードと持続力で圧倒しているし、クロノジェネシスとは互角にやれている、もちろんビーチはいつもの福永騎手で追い出しが遅かったが。トップスピードの質はまぁまぁで、阪神JFで長くいい脚を使ってきたので持続力は非常に高い。

秋華賞では距離の不安が出てしまった感じで、2000mでハイペースバランスを、加えて稍重馬場で3番手先行した。これでL1甘くなってしまって8着まで後退した、前半の追走は問題なかったが、3,4コーナー中目に出した分も含めて、直線苦しくなかった感じ。2020年阪神牝馬Sでは平均バランスを中段の前から進めて5着までだった、この時は休み明けでプラス22㎏も影響した感じ、ただし掛かる素振りを見せなかったので、ペースも速かったが今後に向けて懸念材料が減ったかもしれない。2020年ヴィクトリアMでは中段やや前からロスなく進めて完璧な騎乗だったが5着、前走休み明けで大幅に増えていた馬体重も20㎏絞っていたし、道中掛かってもいなかったので完全に力負け。

ここにきて弱点が見えてきた感じで、心肺機能が低い可能性が出てきた。この馬が好走する時はスローバランスを先行して、何とか折り合いをつけた時、これがローズS、チューリップ賞。逆に平均バランス以上でで先行すると、秋華賞や阪神牝馬Sのように凡走する。阪神JFも平均バランスだったが、後方から進めて自身はスローバランスだったので、心肺機能が問われなかったはず。平均バランス以上で先行すると心肺機能が持たない、スローバランスを先行すると折り合いを欠く、結構厄介な状態になっていますね。1400m以下なら心肺機能が持つ可能性もあるので、思い切って距離を短縮した方が良いかも。2020年府中牝馬Sでは重馬場でハイペースバランスを、離れた追走集団の前からで自身は平均くらいのはず、これで直線一杯になって凡走しているので、心肺機能だけでなく距離適性も出た感じの負け方。2020年阪神Cでは中段の前から、平均バランスで流れたために折り合いも付き、直線入り口で前に居たヤマカツマーメイドが外に膨らんだので、スムースに抜け出し1着、1400mへの適性の高さを見せた。2021年阪急杯ではスタート出遅れ、中段までリカバリーしたが、直線スムースにもかかわらず5着まで。トップスピードの質が高くないので、このクラスで中段からだと苦しい。

好材料は距離適性で、1200mは初めてだが阪神Cのレース内容を見ると、前半からハイペースで流れた方が折り合が付く、前走は出遅れてしまったので度外視して良いと思う。悪材料は特になく、前走は川田騎手で出遅れてしまったが、阪神Cを勝った藤岡佑騎手へ手が戻るのは好材料で良いはず。前走が2か月の間隔だったし疲労の不安はない、初コースで変に入れ込まなければ。

適性:松