2021年日経賞 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ダンビュライト>・休み明けは良くないが使い減りしない。

・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くなく、持続力は高い。

”2018年AJCC”ではスローペースを2番手追走から4F戦に持ち込み1着。”2018年大阪杯”ではスローバランスを2番手先行、後半の高速ロンスパに対応できずに6着まで、前半が遅く後半57.1では走れなかった。”2018年宝塚記念”ではややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して馬群に詰まってしまい、直線外に出したが、瞬発力とトップスピードの質で見劣り5着まで。”2018年オールカマー”ではスローバランスを中段から、4コーナーで前が壁になり待たされてしまい、直線も進路変更してからバテ差し3着まで。”2018年天皇賞(秋)”では本馬場入場時に暴れて放馬、除外になってしまった、調教からバランスが悪く非常に悪く見えた。”2018年チャレンジC”では平均バランスを中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り4着まで。”2019年AJCC”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナーで最内を回して待ってしまい、外からスムースだった1着シャケトラ、2着フィエールマン、3着メートルダールにトップスピードの質で見劣り6着。”2019年京都記念”ではスローバランスを3番手先行、L2で11.1に反応して持続力を発揮して1着、下り坂を利用出来てL2の11.1を克服できた。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段のやや前、3,4コーナー外を回して直線も外からで伸びなかった、外が伸びない馬場で苦しかった。”2019年京都大賞典”では平均バランスを逃げて2着、終始緩めないペースで心肺機能と持続力勝負に持ち込んだ。”2019年ジャパンC”では重馬場でややハイペースバランスを先行、直線一杯になり凡走、本馬場入場でかなり嫌がり東京への苦手意識を見せた。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを逃げて凡走、去勢後の休み明け。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを中段の前ろから、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。”2020年京都大賞典”では稍重で平均バランスを逃げて凡走。”2021年京都記念”では平均バランスをやや離れた中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し3着。

「日経賞へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

まず2019年大阪杯の後に左第1指骨剥離骨折が判明した。トップスピードの質と瞬発力は高くはないが、持続力が高い馬で好走する時は持続力勝負になった時。皐月賞では平均バランスを中段やや前から、バテ差す形で3着にまで追い込んだ。2018年のAJCCでも先行して持続力を生かせていた。2019年京都記念が意外にもL2で11.1に反応してきたが、京都は3コーナーから下りなので瞬発力は評価すべきではない。それよりも持続力が生きる展開に持ち込めたことが大きかった。

2018年のチャレンジCで平均バランスを中段の後ろからになり、トップスピードの質で見劣った。トップスピードの質では勝負にならないのは2018年の大阪杯でも見せているので、前半からある程度のペースで後続にも足を使わせた方が良いはず。2018年天皇賞(秋)で本馬場入場時に暴れて、放馬してしまい除外になった。この時は調教でもバランスが悪くイヤイヤ走っていたので、調教はよく見た方が良いと思う。ノーザンF生産のルーラーシップ産駒なので休み明けでも走るが、ピリッとしない感じで、神戸新聞杯でも4着だった。使い減りしないので尻上がりに調子を上げて行く。

2019年京都大賞典で骨折休養明けを2着に好走してきた、ここでもノーザンFの外厩力を見せつけた感じで、ルーラーシップ産駒を仕上げる術を見つけたんだと思う。このレースは平均バランスを淡々と12秒台の前半を刻んで4F戦に持ち込んだ、心肺機能と持続力がモロに問われる展開にしたことでの好走で、非常に上手い騎乗だったが同じ騎乗が何度もできるかは未知数、京都記念で良いレースをしたと思ったら、大阪杯でスタートイマイチだったキセキを待ってしまったので、松若騎手に同じ騎乗を求めるのは不安かな~。2019年ジャパンCでは東京への苦手意識が出て凡走、本馬場入場時にかなり嫌がっていた、これは2018年天皇賞(秋)と一緒。この後去勢。

2020年天皇賞(春)が去勢後の休み明けで、逃げたが凡走した。すぐ後ろのスティッフェリオが2着なのでペース自体は楽だったはず、これで凡走したということは去勢の影響か、6歳になりキンカメ系の蓄積疲労が出たか、その両方か。2020年宝塚記念では先行したが、2F目にかなり速いラップを踏むハイペースバランスに巻き込まれて凡走した、体調は戻った感じがしない。2020年京都大賞典では稍重で平均バランスを逃げて凡走、稍重で前半60.4というペース、これは前年の良馬場と0.7しか違わなかったので、このペースでは仕方ない。2021年京都記念では自身ややスローから3F戦になり、直線粘って3着だった、この時はジナンボーが内で詰まっていたので展開の助けもあった。

好材料はコース適性で、2018年になるがオールカマー3着があるし、AJCCも勝っている。前走阪神内回りで3着に粘ったことも、中山コースへの適性を期待できる。去勢後に良くなかったが、前走の3着で復活の兆しが見えたことも好材料。悪材料は特になし、菊花賞5着、京都大賞典2着で距離適性は問題ないし、休み明け2走目はむしろ好材料。キンカメ系で蓄積疲労の不安はあるが、先行出来るのでトップスピードの質で勝負しなくていいので、持続力とパワーが活きるはず。変なペースに巻き込まれることがなければ、再度の好走も期待できる。

適性:竹

<ヒュミドール>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高く、持続力はまぁまぁ。

レース名 着順 内容
信夫山特別 1着 スローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。後半5F戦になっていてまぁまぁの持続力は見せた、L3から12秒台に落ちているので心肺機能はまぁまぁまで。
日本海S 6着 ハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線狭くなってレースにならず。
ノベンバーS 1着 スローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。スローからの3F戦でL3から11.2‐11.2をL2だけで先頭に立ったので、自身はL2が10秒台に入っているのでトップスピードの質は高いものを見せた。
2020年ステイヤーズS 5着 稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。L3から11.4‐11.4で届かなかった。
2021年ダイヤモンドS 5着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。道中すぐ外に居たオーソリティにL2で離されているので、持続力で見劣っている。
総評
日本海Sは直線内でドン詰まりでレースにならなかったので度外視、信夫山特別とノベンバーSが真逆の展開で勝ち切っているが、どちらかというとノベンバーSがこの馬の良さが出ている感じ。3F戦で前半足を溜めてトップスピードの質で差し切った、瞬発力はまぁまぁだがトップスピードの質はやや高いものを見せた。2020年ステイヤーズSと2021年ダイヤモンドSでは、長距離戦でロンスパになりトップスピードの質が鈍った感じなので、展開が合わなかった可能性がある。

「日経賞へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、展開。

好材料はコース適性で、福島の信夫山特別を勝っている、福島だが小回り坂上ゴールと中山との共通点があるので、コース適性は高いはず。距離も2600mだったので、問題ない。悪材料はクラス負けの危険で、近2走が長距離重賞なので、中距離GⅡで通用するかは未知数。展開にも不安があって、この馬は持続力が高いとまでは言えない。このレースは後半ロンスパになることが多く、この馬の持続力で対応できるかどうか。ステイヤーズSは3F戦だったし、ダイヤモンドSは一応5F戦になっているが、高速馬場で実質4F戦だし、坂を上がってパタッと止まった感じだった。いつもの日経賞になると不安が大きくなる。

適性:梅

<ムイトオブリガード>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ高く、持続力も高い。

・軽い高速馬場の方が合うかもしれない。

”2018年青嵐賞”では平均バランスを中段の後ろから、直線スムースに外に出して同着、この時の相手がバリンジェネシス。”2018年アル共”ではハイペースバランスを中段の後ろから追い込み2着、この時が休み明け2走目。”2019年日経新春杯”では超ハイペースバランスを中段の後ろから、直線伸びず、この時が休み明け。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを先行、直線一杯になって7着。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段の後ろから、直線入り口では最後方で外から伸びたが8着まで。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを後方から、直線は内からやや狭くなったが伸びて5着、2か月ぶりの影響もあったかも。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを中段の前から、昨年と同じ展開になり1着、休み明けでも問題なかった。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを中段から、直線はスムースだったが伸びずに凡走。”2020年阪神大賞典”では超々ロンスパ戦を中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに粘って4着。”2021年東海S”では不良馬場でハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線全く伸びずに凡走。

「日経賞へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:初コース。

どうも馬場を選ぶようで軽い高速馬場の方が力を発揮できる感じ、2019年の日経新春杯、金鯱賞、大阪杯が稍重だったり良馬場でも前日雨で重い馬場などでイマイチ、逆にアルゼンチン共和国杯までの東京ではしっかり好走しているからね。間隔空けは良くなくて、ノーザンファーム生産馬なのでルーラー産駒でも問題ないはずだが、これは肉体的な仕上がりで精神的な仕上がりは一叩きされた方が良い。2018年六社特別ではルックトゥワイス相手に圧勝している、この時が4カ月弱の間隔開けだったが条件戦だし、ルックトゥワイスの乗り方にも相当問題があった。2019年アルゼンチン共和国杯で休み明けを勝ち切っているので、外厩先でしっかり乗り込まれた可能性がある、この結果で今後は休み明けを割り引く必要はないと思う。東京でトップスピードと持続力の高さは見せているし、その中でも青嵐賞の平均バランスを1着同着しているので、心肺機能の高さも見せた。

2019年大阪杯をどう見るか、金鯱賞から中2週と間隔は問題なかったし体調の問題ではない。まずスタートが非常に良かったのになぜか中段の後ろまで下げてしまった、3,4コーナーでは最後方まで下がり直線は伸びない外目に進路を取ってジリジリまで。非常にマズい騎乗だなという印象で、馬の力をどうこう言うレースではなかったと思う。上がり3Fはブラストワンピースよりも良かったし、アルアインから0.6差なら騎乗の酷さを差し引いて考えれば悪くないと思う。2019年アルゼンチン共和国杯を勝ち切ったが、前年同様かなりのスローペースでレースレベルは高くない。アルゼンチン共和国杯は毎年低レベルなレースになり、圧勝した馬は別にして好走してもその後活躍する馬は多くない。2019年ジャパンCでは重馬場でややハイペースバランスだったので、中段からだったが心肺機能が限界だった可能性が高い。2020年阪神大賞典では超々ロンスパ戦を中段の前から粘り込み、高速馬場だったが意外な粘りを見せた、心肺機能と持続力見せたので、上がり勝負にならない方が良いと思う。

2021年の始動戦はダートの東海Sを選んできた、脚部不安で10カ月ぶりのレースになったこともあり、大敗してしまった。

好材料は距離適性で、アルゼンチン共和国杯で2500mを2年連続好走している、阪神大賞典でも4着だったので、距離適性は高い。悪材料は初コースで、意外にも中山は初めて。大阪杯が阪神内回りで中山に似ているので、ここで8着というのは印象が悪い。昨年は脚部不安で阪神大賞典のみで、10カ月ぶりの前走はダートに戻して大敗、リズムが悪いというか、良い頃に戻せるかどうかも不安材料ですね。

適性:竹

<ウインキートス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
九十九里特別 2着 稍重でハイペースバランスを離れたメイン集団の前からで全体の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。
土湯温泉特別 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
グレイトフルS 2着 スローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。
迎春S 2着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず2着。
湾岸S 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
総評
九十九里特別では離れたメイン集団の前からで、自身は平均くらいだったはず、3コーナーから前を追いかけて2着、L4から12.0くらいを連発しているので、持続力の高さを見せた。この時は目標にされたし2着でも高評価で良いと思う。土湯温泉特別では前半がかなりのスローで掛かり気味、3コーナーから一気にペースアップして圧勝、5F戦で高い持続力を見せた。グレイトフルSでは中段から進めて、3,4コーナー最内からコースロス0で中段の前まで上がったが、トップスピードの質が足りずに2着までだった。グレイトフルSでも3F戦で2着と、届かなかったのでトップスピードの質で見劣った。湾岸Sで新たな面を見せたのが瞬発力で、L2最速11.2で0.4の加速を外から先頭に並びかけた、L1の坂で差を開いたのでパワーもある。

「日経賞へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、騎手不安。

好材料はコース適性で、中山の2500mは2着が2回、グレイトフルSは中段からの謎騎乗で届かなかったので、先行すればチャンスはあるはず。悪材料はクラス負けの危険で、前走条件戦をクリアして重賞初挑戦、ミモザ賞でウインマリリンに負けてしまたし、ブラックマジックに2度負けているのでこのクラスで勝負になるかどうか。騎手不安は大きく丹内騎手に手が戻る、1-4-0-0と結果は出しているが、グレイトフルSの消極的な騎乗が印象悪い。

適性:竹