走破時計2:32.0 前半1100m65.7 上がり3F 36.7
まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計2:32.0は昨年よりも3秒速いタイムです。なので馬場は軽かったはずですが、上がりタイムだけ異様に掛かっています。これは馬場が重かったからではなく風の影響ですね。当日は北西の風が4m吹いていて、これは直線から4コーナーへ向けて吹いていたので、上がり3Fが遅くなったのはこのためですね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2020年有馬記念のグラフです。
全体的に似ているラップになっていますね、パンサラッサが5,6馬身離して逃げていますが、メイン集団のラップも同じようなものでしょうね。このラップの差が昨年との馬場の差だと思います。なので今年の方が軽い馬場にもかかわらず、後半4Fはほぼ同じようなラップを刻みました。クロノジェネシスの上り3Fで比べると、昨年が36.2で今年が36.0とほぼ同じでした。これは直線から4コーナーへ向けての風の影響でしょう。
ディープボンドが2着に粘ったように上がりが掛かる展開、アリストテレス、アカイイト、モズベッロそしてユーキャンスマイルが6~9着に来ているのも、上がりが掛かったからでしょうね。展開のところで書きますが、シャドウディーヴァは馬群の外で前に馬が居ませんから、1周目のスタンド前からモロに風を受ける展開でした、この影響で12着に凡走したはずです。
逃げたのはパンサラッサ、5馬身程離れてタイトルホルダーがメイン集団の前、中段のやや前からウインキートス、シャドウディーヴァ、ペルシアンナイト、ディープボンド。中段からクロノジェネシス、キセキ、エフフォーリア、メロディーレーン。中段のやや後ろからステラヴェローチェ、アカイイト、中段の後ろからモズベッロ、ユーキャンスマイル、後方からアリストテレス、アサマノイタズラという並びでした。
逃げたのは想定通りパンサラッサ、タイトルホルダーがスタートが良かったことで前に行きましたね。スタートは良かったのですが、ゆる~く曲がりながらスタートするので、前に行くのに相当足を使っていました。ディープボンドもスタートが良く出たなりで中段のやや前、ウインキートスはスタート五分から押して前に行きました。モズベッロが遅れたくらいで、他の馬は出たなりでそれぞれのポジションにすんなり収まりましたね。
エフフォーリアはクロノジェネシスをマークする形、前にキセキが居てくれたので、風除けになってくれましたね。ステラヴェローチェも若干スタート出遅れ、中段のやや後ろでした。後気になったのはアリストテレスが後ろからになったことですね。
向正面です、エフフォーリアが3コーナー手前からジワっと上がり、クロノジェネシスに並びかけました。昨年のクロノジェネシスのような動きでした。クロノジェネシスは動かず、動けなかったのかもしれませんね。ディープボンドはシャドウディーヴァの後ろで動かずスムースでした。タイトルホルダーとウインキートスの間が3馬身ほど空きましたが、ウインキートスが少し離れた感じですね。
4コーナーです、パンサラッサが苦しくなったのがL3標識付近ですが、意外にも粘ってこの辺では先頭で頑張っていました。これにタイトルホルダーが並びかけ、その後ろはウインキートス、ペルシアンナイト、ディープボンド、キセキが4頭並びました。その後ろにクロノジェネシスとエフフォーリアは、空気抵抗最小ですね。ステラヴェローチェはここから1頭分外でしたから、空気抵抗を受けていたはず。シャドウディーヴァはこの辺りで一杯になりましたね。
直線Ⅼ1標識付近です、タイトルホルダーが先頭ですが、ディープボンドが並びかけ、さらに外からエフフォーリア。クロノジェネシスが追走しますが3着まででした。エフフォーリアは府中で10秒台のラップも踏めるトップスピードの質、ダービーで5F戦を僅差2着する持続力、皐月賞で抜け出した瞬発力を持ち合わせ、弱点が少ないですね。クロノジェネシスが3着に留まったのは、やはり凱旋門賞の疲労と衰えもあったのでしょう。
ステラヴェローチェは4コーナーの位置取りがやや強引でしたね、クロノジェネシスから半馬身差なので、内枠を引いていれば2着争いをしていた感じでした。タイトルホルダーは逃げ馬の宿命ですが、今日の中山の風は苦しかったはずです。内枠を引けなかったことも含めて、馬がではなく騎手が持っていない感じでした。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はエフフォーリア、昨年のクロノジェネシスのような動きでしたね。横綱相撲で快勝、横山武史騎手も自信満々でしたね。この馬は全ての能力を高いレベルで持っていて、欠点らしい欠点がないですね。トップスピードの質と瞬発力は全盛時のアーモンドアイには及びませんが、並の馬とは比べ物になりませんし、ペース次第で前に行くこともできるので、力で負けるイメージが湧きません。まだ3歳なので完成していないのか、それとも早熟馬なのか分かりませんが来年が楽しみですね。
2着はディープボンド、調教では良い動きでしたが、いかにもパワーと持続力で勝負するタイプの動きで、今の中山の馬場には合わないと思いましたが、まさに追い風が吹きましたね。実際には向かい風ですが。この向かい風で上がりが掛かり、この馬のパワーと持続力が活きました。良馬場の府中では絶対に買いませんが、道悪なら問答無用で買いですね。
3着はクロノジェネシス、これで3着に負けてしまったのは寂しいですね。調教では悪く見えませんでしたが、凱旋門賞の疲れがあったのでしょう。加えて年明け6歳になりますから、衰えもあったはずです。無事に引退できて良かったです。
4着がステラヴェローチェ、最終の4コーナーで外から上がって行きましたから、モロに風を受けているはずです。外目の枠からでしたし、スタートも良くなかったので、どうしてもこういう強引なレースになるんですよね。菊花賞も似たような感じでしたからね。スタートが改善しないと、同じような形で取りこぼすことが増えそうですね。
5着はタイトルホルダー、大外枠ですからスタート直後の消耗がありましたね、加えて4コーナーでパンサラッサを捕まえに行きましたから、ここでもモロに風を受けているんですよね。こればかりはどうにもならない条件ですから、5着は好走と言って良いと思いますし、来年以降が楽しみになるレースだたっと思います。
馬券の方はディープボンドを無印にしてしまい完敗でした。