2020年中山記念 回顧。ここでソウルスターリングが3着とは。


走破時計 1:46.3  前半800m 47.8  上り3F 35.3

含水率 ゴール前 10.4%  4コーナー 10.0%

まずは馬場状態ですが昨夜ぱらっと雨が降ったようですが、馬場状態には全く影響がなく良馬場で行われました。6Rの3歳1勝クラス1600mで1:33.8が出ているので、やや高速馬場と考えて良いと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青が今回、赤が2017年7中山記念グラフです。

後続をやや離して逃げたマルターズアポジーのラップがこのグラフです、前半800m47.8と理想的なラップタイムで逃げていますが、今回は逃れ粘ることができず6着でした。マルターズアポジーの走破タイムは2017年よりも速い1:47.1なので、今回は単純に相手が悪かったと言うしかありません。 

このグラフから読み取れることとしては、2017年よりも今年の方が馬場は軽く高速化していたということです、後半で加速ラップを踏んでいるのはL2で一緒ですが、今年が11.3のラップを踏んでいるのに対して、2017年は11.9とかなり消耗していることが伺えます。 ダノンキングリーはディープインパクト産駒なので、重い馬場よりも軽い高速馬場で良さが出るので、今日の馬場状態はぴったりはまったという感じがします。

逃げたのはマルターズアポジーでした、やや離れてソウルスターリングが単独の2番手、実質的な追走集団はダノンキングリーを先頭にラッキーライラック、内にインディチャンプ、これら3頭を見る形でウインブライトが続きました。追走集団の後方からエンジニアとペルシアンナイトが追走して、やや離れた最後方からゴールドサーベラスが続きました。

マルターズアポジーは理想的なラップで逃げましたが、ソウルスターリングがそれほど離れなかったこと、軽い高速馬場だったことでこれでも前半のラップタイムとしてはやや遅かったかもしれません。実質的な追走集団の先頭からダノンキングリーが折り合いをつけて追走していきました、グラフの1000mあたりの部分でソウルスターリングとの距離が広がっているので、マルターズアポジーが11.5のラップを踏んでいる時に、ダノンキングリーは11秒台の後半のラップで我慢していたことになります。ここで足を使わなかったことで後半も高いトップスピードを維持できたのだと思いま。

松岡騎手負傷で急遽乗り替わりたミナリク騎手のウインブライトですが、予想通り有力馬を見る中段から進めました、もう少し積極的に乗っても良かったかもしれませんが、休み明けの影響もあったと思うので今回の騎乗に関しては特に注文はありません。ペルシアンナイトも休み明けらしく中段の後ろから進め、様子を窺うような騎乗でした。インディチャンプはダノンキングリーを前に置いて折り合いに専念していました。

4コーナーから直線入り口です、マルターズアポジーが直線に入ってくるところソウルスターリングが並びかけます、この時点でダノンキングリーは加速しながらソウルスターリングの後ろを追走していきます、この部分で11.3のラップを踏んでいるのでかなり速い流れになっています。ここでラッキーライラックの反応が良くありませんでした、これが休み明けで海外帰りの影響だと思います。ペルシアンナイトが外から押し上げるように上がってきますが、この地点は11.3のラップを踏んでいる地点なので外から上がってしまえば、さらに速いラップタイムを要求されてしまいます、休み明けが良くないペルシアンナイトにこれを求めるのは非常に酷なことです。

インディチャンプも最内をロス無く回りましたが反応が良くなくこの地点では動けませんでした、 ウインブライトもダノンキングリーの加速についていけません。そのダノンキングリーですが直線入り口で外に大きくスペースが空いています、ダノンキングリーはここからこのスペースを使って、ソウルスターリングに追いつく勢いで交わして行きます。

直線L1標識付近です、マルターズアポジーとソウルスターリングが並んでいるところを、ダノンキングリーが交わして行きます。後方では反応の悪いインディチャンプ、ラッキーライラックがダノンキングリーを追いかけますがなかなか差が詰まりません、ペルシアンナイトがこのあたりで力尽きるように後退し、ウインブライトもオールカマーを再現するような形で減速していきました。

ゴール前はダノンキングリーがあっさりと抜け出し、反応が悪い中でもミルコが必死に促していたラッキーライラックがなんとかソウルスターリングを捉えて2着を確保しました。インディチャンプはソウルスターリングを捉えきれず4着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はダノンキングリー、スタートもよくマルターズアポジーとソウルスターリングを行かせて、追走集団の先頭で折り合いもついていました、4コーナーからの反応も素晴らしく、あっさりと前を行く2頭を捉えて圧勝と言っていい勝ちっぷりです。有力馬の中では海外遠征をしていないので、その辺りの差が出たのかもしれません、この馬はノーザンF生産馬ではありませんが、外厩はノーザンF天栄を使うので休み明けでも全く不安はありません、今回も休み明けでしっかりと好走してきました。1800mはこれで3勝目、中山コースも2勝3着1回と抜群の距離適性とコース適性を示しました。休み明けを危なげなく勝ち切ったことで、今後はさらに期待が出来ると思います。

2着がラッキーライラック、 4コーナーからの反応が非常に悪く、これが海外帰りの休み明けの影響なのではないかと思います、昨年の府中牝馬ステークスでも休み明けでピリッとしないところがあったので、ひと叩きされた方がさらに上積みが期待できると思います。それでもしっかりと2着を確保したことでコース適性と距離適性を見せましたし、休み明け2走目になる次走はさらに期待が高まります。

3着はソウルスターリングでした、 2度の出走取り消しがあった上に、今回はプラス18キロとかなり体重を増やしていたこともあり軽視してしまいましたが、すんなりと2番手を追走して粘り込んでしまいました。4着が58㎏のインディチャンプなので斤量差を考えると高評価まではできませんが、2018年のクイーンSでも先行して3着に粘っているので、持続力はもともと見せていました、オークスを勝った時も後半のロングスパートで圧勝しているので、今回のように先行した方がこの馬は良さがでます。L2では自身11.5くらいのはずなので、1000mのロンスパでL2でもう一足使ってくるという心肺機能の高さも見せました。スタートが悪いことが多く後方からになってしまい差し競馬で良さがでませんでしたが、スタートさえ安定すればこのクラスでも十分通用するだけのものはあるので、今回の3着でどうも引退が伸びるのではないかと噂されています。

4着がインディチャンプでした、海外帰りの休み明けでプラス16キロと完全にたたき台のレースでした、4コーナーからの反応の悪さ、すぐ前に居たダノンキングリーに全く付いて行けなかったことからも、仕上げ切っていなかったことが伺えます。距離の不安ばかりを書いてきましたが、距離不安以前に海外帰りの休み明けで仕上げが十分ではなかったことのほうが、今回の大きな敗因ではないでしょうか。

5着がペルシアンナイト、最近はスタートが良くなく後方からになることが多いのですが、今回も中段の後ろからになりました。元々休み明けは走らないタイプなので5着は当然の結果だとは思うのですが、池添騎手の4コーナーで外から押し上げていく騎乗には、やや疑問を感じるところもあります。L2最速で11.3を踏んでいる部分で外から押し上げて行けば、当然さらに速いラップを要求されてしまいます、仮にペルシアンナイトが絶好調だったとしても、今回の展開では3着以内に入った可能性は低いと思います。

ウインブライトについてはオールカマーを見ているような負け方で、休み明けの不安が出てしまいました。この馬は非ノーザンF生産馬なのでもともと休み明けはよくありません、その上オールカマーと今回は海外帰りという条件も重なっているので、体調が完璧ではなかった可能性が非常に高いと思います。休み明け2走目になれば好走が期待できるので、 大阪杯に出走するようであればチャンスはあるのではないかと考えています。

馬券の方は絞って買ったにも関わらずソウルスターリングを無印にしてしまい外れてしまいました。阪急杯では手広く買って外れ、中山記念では絞って買って外れるという非常に流れの悪い状況になっているので、 来週は流れを変えるきっかけに出来るように頑張ります。