2020年天皇賞(秋) 全頭評価 その5。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<ダノンプレミアム>・心肺機能は不明、パワーは高く瞬発力も高い。

・トップスピードの質もまぁまぁで、持続力は高い。

・休み明けでも走る。

”2017年サウジアラビアRC”ではハイペースバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝したが、ステルヴィオに迫られている。”2017年朝日杯FS”ではスローバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝。”2018年弥生賞”ではスローバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝、この時が休み明け。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを中段の前目から、L2の加速で後続を置き去りにして圧勝、稍重でも反応が良かった。”2019年マイラーズC”ではスローバランスを2番手追走、直線は楽に抜け出し圧勝。”2019年安田記念”ではスローバランス、スタートで大きく不利を受け中段から、直線では故障の可能性もあり流れ込んだだけ。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段のやや前からやや行きたがっていた、4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し2着。”2019年マイルCS”ではスローバランスを4番手先行、直線入り口で外に膨れてスペースをインディチャンプにあげてしまい2着まで。”2020年安田記念”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

天皇賞(秋)へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

どうしても気になるのがサウジアラビアRCなんだよね~、2歳の時のことなのでその後の成長を期待してもいいけど、結局サウジアラビアRC以降、平均バランスやハイペースバランスのレースを走っていない、ということで心肺機能は不明なんだよね~。スローバランスからのL3,L2最速戦なら一線級なのは元々分かっていたけど、2019年マイラーズCで再確認させられるほど強かった。平均バランス以上で流れた時に、この馬最大の武器であるL3,L2での瞬発力を発揮できるかどうか。このL3、L2の瞬発力は朝日FS と弥生賞で見せていて圧勝している、金鯱賞でもL2で一気に加速して勝負を決めてしまったので、L2もしくはL3最速にするためにいかに前半無理なく入るか。この馬はケイアイファーム生産馬だが休み明けでも走る、弥生賞や金鯱賞で勝ち切ってしまったので、休み明けは全く不安はない。

アーモンドアイとの比較では、心肺機能は劣る可能性がある、トップスピードはやや劣る、持続力と瞬発力は互角という評価。2019年天皇賞(秋)で持続力の高さを見せたが、L2でアーモンドアイに決定的な差を付けられてしまった、ただ前半やや行きたがった面もあったので、3着アエロリット以下とあまり差が無かったことを悪く見る必要はないと思う。懸念していた心肺機能についてはまたしても試されなかった。2019年マイルCSでは不調の川田騎手の不味い騎乗で2着までだった、能力は見せたがイマイチ一噛み合わないレースで消化不良の感じ。2020年安田記念では海外帰りで全くレースにならず。

好材料はコース適性で、昨年のこのレース2着、1着アーモンドアイには見劣ったが好材料で良いと思う。昨年も安田記念大敗からの巻き返しなので、前走の凡走は不安材料ではないし、引き続き川田騎手の継続騎乗も好材料で良いでしょう。悪材料は特になく、道悪も苦にしないし休み明けもむしろ良いくらい。

<フィエールマン>・心肺機能は高く、パワーはまぁまぁ、瞬発力は高い。

・トップスピードの質は高く、持続力はまぁまぁ。

・休み明けでも走る、疲労はディープ産駒通りと予想。

”ラジオ日経賞”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー大外を回してL1だけで2着まで、強烈な瞬発力を見せた。”菊花賞”では超スローペースを中段から、L2で自身10.5くらいのトップスピードの質と瞬発力を見せて、エタリオウを振り切り1着。”2019年AJCC”ではスローバランスを中段から、加速自体は良かったが坂で鈍って2着まで。”2019年天皇賞(春)”ではスローからのL2 最速戦、瞬発力とトップスピードの質で勝ち切る。”2019年札幌記念”では平均バランスを中段やや後ろから、4コーナー外を回して直線外からスムースだったが3着まで、この時が休み明け。 ”2019年有馬記念”では離れた追走集団の中段やや後ろから、3コーナー外目から早目に動いて直線垂れてしまい4着まで。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。

天皇賞(秋)へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:特になし。

ルメール騎手に変わってスタートは改善。ラジニケ賞、菊花賞、天皇賞(春)で強烈なトップスピードの質と高い瞬発力を見せている、ラジニケ賞ではL1、菊花賞と天皇賞(春)ではL2で10秒台のラップを踏んでいるはずで、ここで勝負を決められるほどの武器になってる。反面持続力にやや難があり、アメリカJCCではL4から11秒台に入る流れでL1で伸びを欠いて、シャケトラを捉えきれなかった、L2の10.9には反応できたがL1でやや鈍ったのは、トップスピードを維持する持続力がやや低いためだと思う、これは菊花賞や天皇賞(春)でも見せていて、菊花賞では先に抜け出したエタリオウをL2だけで一旦交わしたが、L1で再度並び返されてしまい僅差の辛勝だった。天皇賞(春)でもL4から11秒台に入る流れを1頭分外を回したグローリーヴェイズにL2で反応されてしまい、なんとか押し切った感じで、決して持続力は高くないと思う、高くないと言っても並の馬ではないので、最高レベルからはやや落ちるという程度。元々疲れやすいディープ産駒で、ノーザンファーム生産馬なので最高の外厩施設を使って、休み休み使われていながらしっかり結果も出している。

2019年札幌記念では平均バランスを中断やや後ろからすすめ、4コーナーで外を回して直線外からスムーズだったが3着まで、この時の1着がブラストワンピースでブラストワンピースとは4コーナーのコース取りが違った。かなり外を回してしまったので距離ロスがあったのは確かだし、次の凱旋門賞へ向けて叩き台だったので3着でも悪くはないと思う。2019年有馬記念では離れた追走集団の後方からで自身ややハイペースバランスくらいのはず、3コーナーから外目を回し早目に仕掛けたこともあり4着まで、直線では舌を出していたのでかなり苦しかった感じ。この時は凱旋門賞帰りで2か月半の間隔空けだった。2020年天皇賞(春)では中段のやや後ろから進め、向正面でミッキースワローの押上にも動かず、3、4コーナー内目を回して差し切り、高速馬場で4F戦になったことで、自身L2最速戦にして差し切る昨年と同じ展開。札幌記念の負け方からも時計の掛かる馬場は苦手で、軽い高速馬場を得意としている感じ。

好材料は特にないんだけど、2000mが札幌記念で3着なので悪くはないはず。この時は凱旋門賞への前哨戦だったので、余裕残しだった可能性がある。加えて上りも結構かかっていて34.9なので、2000mにしてはかなり重い馬場だったはず。この馬は瞬発力とトップスピードの質で勝負するタイプなので、軽い高速馬場の方が圧倒的に成績が良いので馬場は合わなかったはず。休み明けでも好走できるのは再三見せているので、むしろ好材料でしょうね。悪材料は特にないんだけど、府中2000mに対応できるかどうか、あとは福永騎手と手が合うかどうか。道悪は大幅な割引が必要だと思う。

<ブラストワンピース>・心肺機能はやや高く、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くない、持続力は高い。・休み明けでも走る。

・2000以下の方がいいかも。

”毎日杯”ではスローバランスを先行してL2最速戦を押し切って圧勝、この時の2着がギベオン。”ダービー”ではスローバランスを先行して、直線詰まって外に出したが届かず5着、瞬発力の低さを露呈。”2018年新潟記念”ではスローバランスを後方から、L2最速戦を大外から追い込んで1着、前日の長岡Sが重馬場で上り33.3が出ているので、トップスピードの質は高くない。。”2018年有馬記念”では平均バランスを中段の外から、後半が消耗戦になり外からねじ伏せて1着。”2018年大阪杯”ではスローバランスを中段の後ろから、4コーナー大外を回す大きなロスがあり6着まで、この時の1~3着馬は全て内を回しているので、さすがに展開的に好走は無理。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを中段の外から、直線は外からスムースだったが伸びず、この時が59㎏。”2019年札幌記念”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線は狭くなったが怯まず捌いて差し切り。”2020年AJCC”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外を回して直線は内へスムースに進路を取って差し切り。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線伸びずに凡走。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。

天皇賞(秋)へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

2018年有馬記念の内容から心肺機能はある程度持っている、ただ稍重で中緩みもあったので高いと言えるほどではない。この時は消耗戦になっていて外から力でねじ伏せて高い持続力を見せた、稍重馬場だったこともありトップスピードの質が問われなかったことも大きかった。新潟記念で上がり最速をマークしているが、前日の長岡Sで重馬場の中33.3が出る馬場だったので、トップスピードの質は高くはない。

距離に関してはお母さんのツルマルワンピース、お婆ちゃんのツルマルグラマーが1400m以下でしか好走していないので、2000m辺りまでの可能性があると思う、3歳時は菊花賞でも好走しているがまだ距離適正が固まる前だった可能性があり、古馬になって大阪杯、目黒記念と負け過ぎているのは距離の可能性も考慮した方がいいと思う。

2019年札幌記念で平均バランスを中段やや後ろから進めて差し切り、直線やや狭くなったが怯まずに捌けたのは毎日杯でも見せた特徴ですね。平均バランスで洋芝ということもありトップスピードの質が問われていない、パワーと持続力でねじ伏せたようなレースだった。

2019年大阪杯の凡走がどうしても気になる、距離は札幌記念と同じだし休み明けであるのも一緒、違うのは騎手とハロンラップの違いで、大阪杯ではL4から11秒台に入りL3で11.4、L2で11.6とコーナーで速いラップを要求されている。札幌記念では11秒台のラップを踏んでいるのはL2だけ、それも11.9なので持っているスピード能力は高くないんだと思う。もちろん大阪杯では3,4コーナーで外を回すロスの多い競馬だったし、馬場も内優位だったことは考慮すべきだと思う。2020年のAJCCでは稍重で11秒台のラップを踏んだのはL4だけ、これで上り3F36.1なので時計が掛かった方が良いと思う。

2020年大阪杯では2019年と同じようなレースをしてしまい凡走、スタートで行き脚が付かず後方からになってしまい万事休すだった。この感じからも小回りコースのコーナーで11秒台の前半のラップを踏むと苦しくなるんだと思う、2018年有馬記念、2020年AJCCでは上記の通り稍重で、コーナーで速いラップを踏んでいない。持続力は高いしパワーも高い、そしてそのパワーをトップスピードの質に変換する能力も新潟記念で見せている、直線の長いコース向きで道悪になってコーナーで速いラップを要求されなければ、小回りコースも対応できるという事なんだと思う。2020年宝塚記念ではスタート前のゲート裏で汗びっしょり、鞍上の川田騎手が鞭に付いた汗を振い落す程で、走る前から勝負にならなかった。

好材料はコース適性で、府中は2-0-0-2、ダービーも0.2差5着でこの時は内で詰まっているので、好相性でいいはず。元々コーナーで速いラップを踏まされると脚にきてしまうタイプなので、直線の長いコースは好材料のはず。新潟記念も圧勝だったからね。休み明けも新潟記念、札幌記念を勝っているので問題ない。前走の宝塚記念はゲート裏で汗びっしょりで、走れる状態ではなかったので度外視して良いと思う。悪材料は特になく、今回は久々に池添騎手に手が戻る。有馬記念を勝っているコンビなので、もちろん不安はない。古馬になってからGⅠで結果が出ていないので、クラス負けの不安はあるが、いずれも展開が合わない大阪杯と、レース前に終わっていた宝塚記念なので大きな不安はないと思うが。