2021年マイルCS 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<クリノプレミアム>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。   

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
由比ヶ浜特別 3着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。L2の10.8に対応できず流れ込むだけ。
松島特別 1着 平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り快勝。4F戦で持続力を見せた。
長岡S 1着 スローバランスを逃げ切り。L2で11.0を踏んだがL1の12.7はイマイチだった。
総評
由比ヶ浜特別ではスタート良く中段の前から、直線スムースだったがすぐ前に居たアビッグチアにL2で引き離されたので、トップスピードの質で見劣った。松島特別では平均バランスだが、中段からで自身はスローバランスだったので、心肺機能は見せていない。4F戦になりショート捲りで快勝しているので持続力は見せた。長岡Sでは逃げ切り、ギリギリスローバランスだったので心肺機能は見せていない。L2で11.0を踏んだ後のL1が12.7まで落としているのはイマイチ。由比ヶ浜特別の内容からも速いラップを踏むと、一気に足に来てしまい減速率が大きくなるのだと思う。

「マイルCSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で前走条件戦だがマイルで逃げ切り、マイル戦は2-3-0-3と好相性。悪材料はクラス負けの危険で、条件戦を勝ったばかりでいきなりのGⅠなので苦しい。前走逃げ切ったが新潟の割にタイムも良くなかったし、近2走はローカルの条件戦で勝ち上がっているので、相手が一気に強くなるからね~。

適性:梅

<グランアレグリア>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは程々、瞬発力は高くはない。

・トップスピードの質は高く持続力はとても高い。

・休み明けでも走る。

”新馬戦”ではスローバランスを先行して圧勝、この時の2着がダノンファンタジー。”サウジアラビアRC”ではスローバランスを大きく出遅れるがリカバリーして2番手で先行、直線はL2で抜け出し圧勝、直線では明確に甘くなっているので、リカバリーの為に前半から足を使うと終いが甘くなるのかも。”朝日杯FS”ではスローバランスを先行して、直線アドマイヤマーズに寄られて怯むも踏ん張り3着、坂で苦しくなってクリノガウディ―に差されているので、パワーが足りないかも、この時は初輸送。 ”桜花賞”ではスローバランスを中段の前から、L3の下りで一気に仕掛けて勝負を決めてしまった、レコード決着だがかなりのスローバランスで前半楽をしている。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段の前から、直線では前が壁になり外の出そうとダノンチェイサーにぶつかり、4着入線も5着に降着、ルメール騎手も制裁、前半のハイペースで一杯になっていた可能性は高く、今後のペースが不安になる。”2019年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー最内を回して直線はスムースに裁いてL2で10秒台を叩き出し圧勝。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年安田記念”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線L1まで進路が空かなかったが、空いてから差し切り。 ”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り圧勝。”2021年安田記念”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線馬群を縫って伸びたが2着まで。”2021年天皇賞(秋)”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。

「マイルCSへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

どうしてもサウジアラビアRCの終いの甘さが気になる部分、出遅れてリカバリーしたことでレース自体はスローバランスも自身では平均くらいにはなっているはず、目視だが1秒程度の出遅れで補正すると自身の800m通過は47.3になり、平均バランスになっている感じだった、これで上がり34.0は立派と言えば立派だが・・・。NHKマイルCもハイペースバランスを自身平均くらい、これで直線狭くなって降着になる程だったが、L2からは前が開いていてL1まではまぁまぁの粘りを見せたがL1から明確に落としてしまった。なのでマイルに限っては心肺機能がまぁまぁの評価。

朝日杯FSでは内枠から先行して、直線でアドマイヤマーズにプレッシャーを掛けられて怯んでしまった、この時は初輸送もあったし2歳のこの時期に牡馬との対戦でもあったので可哀想な面はあったが。強かったのが桜花賞で、スローバランスを中段の前から進め、L3の下りで捲り追い込みに行って圧勝してしまった、L3で10.8を出したトップスピードの質とL1も11.5で纏めた持続力はかなり高い。2019年阪神Cでは平均バランスを中段やや前の最内から、直線でスムースに捌いて圧勝した、L2で10秒台を叩き出して他を圧倒している。1400mでも前半やや掛かり気味だったがすぐに折り合っているし、スピードで圧倒してきたので短距離適正の高さを見せた。

2020年高松宮記念ではスタートイマイチで中段の後ろから、直線スムースに伸びて2着までだったのは前半のポジションが後ろ過ぎた。平均バランスでかなり遅かったし、スタートイマイチの後リカバリーしなかったのは騎手の差が出てしまった感じ。それでもL2から10秒台を連発して1頭だけ次元の違う足で差し込んできた、重馬場、初距離をあっさり克服したことも高評価。ディープ産駒は1200mで苦しんでいるが、通常1200mではハイペースバランスで心肺機能と持続力が問われる、ところがこのレースは逃げたモズスーパーフレアでも平均バランス、これを中段の後ろからなので、前半はかなり足を溜める形になった。いわゆる溜めてトップスピードの質で差し切るというディープ産駒の得意パターンに持ち込めた。

2020年安田記念では中段から進め中緩みで取り付き、勢いを殺さずに加速してトップスピードの質と持続力を生かして快勝した、外からスムースだったし展開もばっちり。2020年スプリンターズSでは後方から追い込み1着、ハイペースバランスだったが自身は後方からでスローバランス、これで脚が溜まって後半トップスピードの質で圧倒してきた。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスを中段のやや前から、L3から全体が加速しているので待たされずに自身も加速している、L1まで詰まったように見えるが前が空いていないだけでスムースだった。L1で前が空いてからは他馬と違う持続力を見せた差し切り、トップスピードの質とそれを持続する能力の高さを見せた。2021年大阪杯では重馬場で距離適性がモロに出てしまった、2000m以上の適性を求められたことで苦しくなったし、ハイペースバランスを中段の前からだったので余計に苦しくなった感じ。2021年ヴィクトリアMでは初手で中段の外目を取れて、スムースに差し切り圧勝した。L2で10.5くらいを出していてとんでもないトップスピードの質と持続力の高さを見せた。      

2021年安田記念ではスローバランスを中段の後ろからで展開的に苦しかった、その上でヴィクトリアMから中2週だったことで、調教がいつもより軽く最終追い切りもルメール騎手ではなく杉原騎手、初手の位置取りもいつもよりも後ろになったことを考えると、騎手も陣営も隙があった感じ。2021年天皇賞(秋)ではスタートが良く2番手先行、終始スムースだったが切れ負けした感じで3着だった。この感じから溜めて爆発させた方が良さそう。

好材料はコース適性で、昨年のこのレースが阪神で1着なので好相性。マイルはこの馬にとってベストの距離だと思うので、プラスにこそなれマイナスになることはないと思う。悪材料は特になし、強いてあげれば今年の安田記念や朝日FSを取りこぼした内枠かな~。

適性:松

<グレナディアガーズ>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”中京未勝利戦”ではハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着。”阪神未勝利戦”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”朝日杯FS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し1着。”ファルコンS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず2着。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年京成杯AH”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。

「マイルCSへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

<心肺機能について>中京未勝利戦でハイペースバランスを先行して4着、この時の1着がレッドベルオーブで1.2秒差もつけられている、前半から10秒台を2回踏んでしまって心肺機能で一杯になった感じ。阪神未勝利戦で平均バランスを先行して圧勝なので、心肺機能はまぁまぁまでで良いと思う。朝日杯FSではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前からで、自身もハイペースバランスに入っていたはず、これで直線スムースに抜け出し押し切っているので、高い心肺機能を見せた。

<パワーについて>阪神未勝利戦ではL1でも後続を引き離しているので、パワーは十分にある。朝日杯FSでは阪神のL1をグイグイ上がって押し切り、高いパワーを見せた。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>新馬戦は新潟なので参考にならないが、阪神未勝利戦でL2が11.4、持ったままだったので追えばもう少し速いラップが出そうな分を含めても、まぁまぁの評価で良いと思う。

<持続力について>阪神未勝利戦で平均バランスを先行して押し切り、この時は11秒台のラップを連発しているし、L1でも11.6を持ったまま叩き出しているので、持続力は高い。朝日杯FSでは自身ハイペースバランスで押し切り、L1も12.0で纏めているので持続力の高さを見せた。2021年京成杯AHでは中段から3着、ハイペースバランスで中緩みのない展開だったので持続力の高さを見せた。

<その他について>新馬戦を取りこぼしたが、この時は汗が目立っていたので仕上がっていなかった感じはある。ファルコンSでも汗が目立っていて、休み明けで仕上がっていなかったことが取りこぼした原因だと思う。フランケルの産駒で使いつつ良くなるところは、モズアスコットにも似ている感じがする。ついでにトップスピードの質が高い訳ではないことも似ている。NHKマイルCでは初輸送の影響もあってか、ゲート裏で汗が目立っていた。

好材料はコース適性で、阪神マイルは朝日FSを快勝、心肺機能とパワー、持続力で押し切ったレースなので内容も良かった。前走の京成杯AHでは試したような感じで、意図的に中段まで下げている。これで3着だったので今回は先行してくると思う。悪材料は特になく、前走の3着は古馬相手に56㎏背負っていたので3着でも高評価だし、朝日FSで2着に下したステラヴェローチェがGⅠで好走しているので、クラス負けの危険はないと思う。今回はテン乗りの池添騎手、代打の神様みたいなイメージがあるので大きな不安はないですね。

適性:竹+