2022年阪急杯 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<グルーヴィット>・トップスピードの質は高くはない、持続力はある。

・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではハイペースバランスを中段の後ろからバテ差しで1着、芝スタートで行き脚が付かなかった。トップスピードの質が低くバテ差しタイプ、持続力はある。”500万条件”ダートではハイペースバランスを中段やや前からバテ差し1着、中緩みのできる展開でL3の13.0からL2で12.1へ引き上げる、13秒台のラップを2F踏んで息が入ったことで、瞬発力を見せたが流れた中ではどうか。”ファルコンS”ではハイペースバランスを中段から、外々を回してスムースだったが、4コーナーから手が動きズブさを見せた、直線はバテ差しで差のない2着までは来たが、後ろから差してきたハッピーアワーにはトップスピードの質で見劣り。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段から、直線は詰ってしまい追えずに凡走。”2019年中京記念”では稍重で平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2019年京成杯AH”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー中目を回してL3で一杯になり凡走。”2019年武蔵野S”ではハイペースバランスを3,4番手先行、3,4コーナー最内を回して直線一瞬前が壁になったが反応悪く凡走。”2020年ニューイヤーS”では稍重でややハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線はスムースだったが伸びずに凡走。”2020年高松宮記念”では重馬場で平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り6着。”2020年京王杯SC”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが3着まで。”2020年関屋記念では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年北九州短距離S”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”2021年春雷S”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年京王杯SC”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが凡走。”2022年淀短距離S”ではややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。

「阪急杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

NHKマイルCは直線グランアレグリアの後ろに居て終始前が壁になったし、再三レーン騎手の手が止まっていた、なので凡走の要因を距離に求めるのは早計だと思う。母系を辿るとエアグルーヴが居るので距離はもう少し長くても問題ないともうし、再三見せている心肺機能の高さはフレンチデピュティから来ているのでしょう。良馬場で前半33秒台で流れるようなら、心肺機能と持続力を生かせるはずで、それはファルコンSで見せてきたしダート戦だったが新馬、500万条件でも見せた。

スローバランスでトップスピードの質をモロに問われれば、スピード負けする危険はある。ファルコンSが上がり2番時計だが34.4で、勝ったハッピーアワーは後ろから34.0で差し切っているので、トップスピードの質が高い訳ではないが低くもない、なので結構展開に左右されそうですね。2019年中京記念では稍重で平均バランスを中段から、4コーナーから鞭を入れていたので相当ズブイんだと思う、これでL1が12.3まで落ちる消耗戦になっているので、持続力は相当なもの。2019年京成杯AHでは超高速馬場で離れた追走集団の中段やや前から、4コーナーL3辺りでいつも通り手応えが悪くなり、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。

このトップスピードの質が低いことを受けてダートに矛先を向けたのが2019年武蔵野S、ハイペースバランスを3,4番手先行、直線入り口で一瞬前が詰まったがいつも通り手応えが悪く、これで一杯になたっとスミヨン騎手が勘違いした感じでL2で追うのをやめている、ところがL1標識手前でジリジリ伸び始めて再度追い出したが、当然瞬発力には見劣るので流れ込むだけだった。2020年ニューイヤーSは稍重だったが直線伸びなかった。

現状では左回りの方が良さそうで、NHKマイルCでは直線で前が壁になったし、武蔵野Sでは直線入り口で前が壁になった後、反応の悪さにスミヨン騎手が諦めてしまった、その後ジリジリ伸びているので、左回りの方が圧倒的に内容が良い。2020年高松宮記念では直線スムースだったがトップスピードの質で見劣った、重馬場だったがグランアレグリアが上り3F33.1を出す程なので、限りなく良馬場に近い重馬場だったは、これではトップスピードの質で見劣っても仕方なかった。そもそも岩田康誠騎手がスタートから全く出して行かなかったことは、大きな疑問で騎手が馬場を気にし過ぎたのかもしれない。2020年京王杯SCでは稍重でスローバランスになり、直線トップスピードの質で見劣り3着だった。2020年関屋記念ではL1標識付近で一杯、距離適性が短くなってきたかもしれない。

2021年北九州短距離Sでは中段から一旦抜け出したが、ゴール前で差されている、L2で勝負を決めてしまう程のトップスピードの質がないことで、ゴール前で差されてしまった感じ。2021年春雷Sでも中段からで、4コーナーですぐ前に居たジャンダルムに引き離されたし、内を回したマリアズハートに差されているので、トップスピードの質では見劣っている。ただしゴール前では差を詰めているので、心肺機能と持続力は見せている。2021年京王杯SCでは平均バランスをやや離れた追走集団の中段やや後ろからで、トップスピードの質で見劣り。

好材料は距離適性で、1400mは京王杯SCで3着、ファルコンS2着と好相性。右回りも小倉の北九州短距離Sを2着しているので問題ないはず。悪材料は特になく古馬になって勝ち切れていないことくらいかな。

適性:竹+

<グレイイングリーン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。  

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 平均バランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
12月1勝クラス 3着 ハイペースバランスを少頭数の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが差されて3着まで。出遅れて後方からリカバリーしたが中段の後ろまで、自身は超ロンスパ5F戦くらいになっていて、L1で差されてしまったのは仕方ない。
2月1勝クラス 1着 ややハイペースバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。スタートがイマイチで初手は中段の後ろから、終始最内を回してロスなく直線も最内が空いたので、持続力は見せたが。
アーリントンC 17着 重馬場で平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。重馬場で道悪適性もあるが、L2で一杯になっているので距離適性の可能性が高い。
NHKマイルC 17着 ハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。前半が速過ぎて心肺機能が持たなかった。
豊栄特別 1着 平均バランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。持続力を見せた。
奥多摩S 2着 スローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。トップスピードの質で見劣り。
六甲アイランドS 3着 平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。トップスピードの質で見劣った。
新春S 1着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。持続力の高さを見せた。
総評
お母さんがリトルゲルダで個人的に思い入れが強い血統なのですが、お母さんの距離適性が出ているようで、アーリントンCではL2で一杯になっている、もちろん道悪適性の可能性もあるが。心肺機能はまぁまぁまでで持続力もやや高いというレベル、トップスピードの質は見せていない。豊栄特別では平均バランスを3番手先行、自身も平均バランスだったはずなのでまぁまぁの心肺機能は見せた。L2の11.1では差を詰めていないので、トップスピードの質はまぁまぁで持続力で差し切った。

奥多摩Sではスローバランスを後方から、直線スムースだったが届かず2着、1着ヴィジュネルに0.2秒離されているので、トップスピードの質で見劣った。六甲アイランドSでは中段から、平均バランスだったのでバテ差しにならずに届かず。新春Sではハイペースバランスを中段から、直線内がポッカリあいて差し切った。バテ差しの形なのでトップスピードの質はまぁまぁまでで良いと思う。

「阪急杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性で、2走前の六甲アイランドSで同コース3着、新馬戦から1,3,1着も同コースなので好相性。1400mは前走だけでなく、豊栄特別の勝ち方を見ても好相性。悪材料はクラス負けの危険で、前走条件戦を勝ち上がったばかりでいきなりの重賞、通用するかどうか未知数。それ以上に不安なのが前走の勝ち方で、中段からバテ差しに行って差し切ている。この馬はキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、差しに回ると届かない可能性がある。

適性:竹-

<コントラチェック>・心肺機能は高く、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁ。・左回りは良くない。

”サフラン賞”ではスローバランスを2番手から、上り33.8で届かず2着。”菜の花賞”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、1:33.8は超優秀。”フラワーC”ではスローバランスを3馬身程離して逃げ、L2の下りで出し抜いて圧勝、かなり楽をしたレースで好評価までは出来ない。”オークス”では平均バランスを2番手から、ジョディ―の無謀なペースを追いかけてしまい、直線は一杯になってしまった。”2019年秋華賞”では稍重でハイペースバランスを逃げ争い気味に先行、L2で一杯になり凡走、L2標識までは踏ん張っていたので距離の可能性が高い。”2019年ターコイズS”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、L2最速戦に持ち込みまぁまぁの瞬発力と高い心肺機能を見せた。”2020年中山牝馬S”では不良馬場で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを2番手先行、スムースだったが直線一杯になり凡走。”2020年クイーンS”ではハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、直線L1で失速して凡走。”2020年ラピスラズリS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線詰まってしまい凡走。”2021年シルクロードS”ではややハイペースバランスをスタートやや遅れて中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを2,3番手先行から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2021年函館SS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年京成杯AH”ではハイペースバランスを逃げて2着。”2021年福島記念”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。

「阪急杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

サフラン賞ではスローバランスを2番手から、L2最速戦に対応はしたがレッドアネモスを捉えきれずにトップスピードで見劣り、終始インコースで楽をしていた割にはL1での減速が大きかった。良かったのが菜の花賞で前後半1.6秒のハイペースバランスを逃げて圧勝している、相手が弱いので高評価は出来ないが、L2で出し抜き決定的な差をつけている。この感じからも現状では、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁという結構中途半端な感じ。瞬発力も中山の坂で加速しているため低いはずで、未勝利戦の札幌がL2で0.9加速しているが、前半が遅過ぎて瞬発力として評価するのは無理がある。

フラワーCもスローバランスからのL2最速戦で新しい面を見せたわけではない、翌日のスプリングSでも1:47.8が出ている馬場だし、2着のエールヴォアもオークスで11着だったのであまり評価はできないかな。秋華賞で距離適正を見せてしまった感じ、稍重でかなりのハイペースバランスを逃げ争い気味に先行して、L2標識で一杯になってしまった。2F長い感じの止まり方でマイルがベストで、高速馬場なら1800mでも勝負できると思う。2019年ターコイズSではハイペースバランスを逃げて圧勝、マイルで距離適正の高さを見せ高い心肺機能と持続力、L2で11.8から11.1へのまぁまぁの瞬発力を見せた。

2020年中山牝馬Sは不良馬場で平均バランスを中段やや前から、自身はややスローバランスに入っていた可能性があった。それ以上に積もってはいなかったが大雪で視界は非常に悪かった。L2過ぎには一杯なっているので距離の可能性も高い、これは秋華賞でも見せているので距離適性は高速馬場なら1800mまでだと思う。2020年ヴィクトリアMでは2番手先行したが、中緩みが作れずに凡走した、中緩みが無いとマイルでは心肺機能が維持できないことを見せてしまった。2020年クイーンSでもハイペースバランスを3番手先行、中緩みもなくL1で一杯になって凡走した。逃げたナルハヤよりも下の着順であることを考えると、距離を短縮するよりも伸ばした方が良いかもしれない。2020年毎日王冠では稍重でかなりのハイペースバランス、逃げたトーラスジェミニも酷いペースだったがそれに付き合ったし、仕方ない凡走だと思う。前半このペースでもやや掛かっていたので、距離は短い方が良いかもしれない。

2020年ラピスラズリSでは1200mへ矛先を変えててきた、ところが何を思ったかスタート五分に出ながら中段に控える謎騎乗、直線でも内に詰まって脚を余して凡走した。4コーナーでも馬の行き脚に対して騎手が手綱を引っ張っていて、直線でも一瞬鋭い加速をしながらコースが無くなりブレーキ、直線の手応えを考えると勿体ないレースだった。2021年シルクロードSではスタートでやや遅れて中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回してスムースだったが伸びなかった。この時は右にだけチークピーシーズを付けていたので、左回りに対する不安があったはず。これが的中して直線でも伸びなかったので、左回りは良くなかったはず。

2021年オーシャンSでは2,3番手先行からスムースに抜け出し、叩き合いを制して差し切り、1200mで折り合いも付いたし持続力を生かせた。2021年函館SSではスタートで出して行かずに凡走、騎手不安は付き纏う。2021年京成杯AHではハイペースバランスを逃げて2着、中緩みのない展開に持ち込み、心肺機能と持続力の高さを見せた。2021年福島記念ではハイペースバランスを2番手先行、自身もかなりのハイペースバランスでスムースだったが、L2標識で一杯になったので距離適性が出た感じ。

血統的には母系にサドラーズウェルズの全兄弟フェアリーキングが居るので、トップスピードの質は高くはないはず。その代わり持続力の高さは期待できるので、差しに回るよりも逃げてしまった方が良いはず。

好材料は距離適性で、1400mは初めてだが1200mと1600mで強い競馬をしているので、間の1400mは適性ど真ん中だと思う。前走の福島記念でもL2で一杯になっているので、マイルまでだと思うので1400mへの短縮は好材料。悪材料は特になく、現在の阪神の馬場は内・前優位なので、逃げ、もしくは先行してしまえば止まらないはず。

適性:松