2022年ヴィクトリアM 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

メイショウミモザ 特性 ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はやや高い。   

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

   レース名   (ペース) 着順(馬場状態) 内容
道頓堀S(ややスローバランス)
5着(良)
スタート~道中
五分に出て中段のやや前から。
3,4コーナー
内目をスムース。
直線
スムースだったが差せずに差されて5着まで。
知立S(平均バランス) 17着(良) スタート~道中 五分に出て中段の前から。
3,4コーナー 外目をスムース。
直線 スムースだったが伸びずに凡走。
巌流島S(ハイペースバランス)
1着(良)
スタート~道中
五分に出て中段のやや前から。
3,4コーナー
中目をスムース。
直線
スムースに差し切り圧勝。
北九州短距離S(ハイペースバランス) 13着(稍) スタート~道中 五分に出て中段のやや前から、
3,4コーナー 3コーナー入り口で挟まれ中段に下げ、4コーナー外からスムース。
直線 直線で外に張られる動きがあったがその前に勝負が決まっていた。
2022年阪神牝馬S(ややスローバランス)
1着(良)
スタート~道中
スタート良く中段から。
3,4コーナー
内目をスムース。
直線
内からスムースに抜け出し快勝。
道頓堀Sではややスローバランスを中段のやや前からで、スムースだったがトップスピードの質で見劣り。知立Sでは平均バランスを中段の前から、上がり33秒台を求められて対応できず、トップスピードの質が低いことを見せた。巌流島Sではハイペースバランスを中段のやや前から、心肺機能と持続力で快勝した。北九州短距離Sでは3コーナーで狭くなり中段に下げた、これで直線伸びずに凡走したので、トップスピードの質では勝負にならない。2022年阪神牝馬Sではややスローバランスだが、中緩みのない展開で持続力勝負。これを中段の最内をスムースに回して、直線L2で抜け出し快勝、トップスピードの質だけでなく瞬発力も見せた。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、輸送。

好材料は距離適性で、前走の阪神牝馬Sでマイルを快勝、お母さんがメイショウベルーガなので距離は問題ないはず。悪材料はクラス負けの危険でGⅠは初めてだし、前走の阪神牝馬Sでは2着アンドヴァラナウト、3着デゼルが55㎏で1㎏貰っていた。中京までは輸送しているが、関東圏は初めてなので輸送の影響も不安材料。

適性:竹

<レイパパレ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では平均バランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”3歳以上1勝クラス”では平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になったがこじ開け差し切り。”2020年糸魚川特別”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線前をこじ開けて差し切り。”2020年大原S”ではややスローバランスを逃げ切り。”2020年チャレンジC”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り圧勝。”2021年宝塚記念”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で垂れて4着。”2021年エリザベス女王杯”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して4コーナーで一瞬狭くなりバランス崩す、直線はスムースだったがL1で失速。”2021年香港C”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年金鯱賞”ではスローバランスを4番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。“2022年大阪杯”ではややハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:血統。 悪材料:初コース。

<心肺機能について>新馬戦では平均バランスを先行しているが、全体時計が遅くあまり評価できない。3歳1勝クラスも平均バランスだったが中段からで、自身はややスローくらいだが、L1以外全て11秒台なので、まぁまぁの評価で良いと思う。大原SでもスローバランスだったがL1以外すべて11秒台を逃げているので、まぁまぁの評価。2021年大阪杯では重馬場でハイペースバランス逃げ切り圧勝、高い心肺機能を見せた。

<パワーについて>3歳1勝クラスで阪神の坂をものともしないで差し切り、L1手前まで狭かったので、坂での減速率も低く、パワーは十分にある。

<瞬発力について>糸魚川特別でL3から0.5の加速をしている、新潟なので高い評価はできないが、まぁまの評価で良いと思う。

<トップスピードの質について>3歳1勝クラスで直線スムースではなかったが、L2で11.2(推定)を叩き出して先頭に並んでいる。大原Sでは逃げてL2が11.4なのでトップスピードの質はまぁまぁで良いと思う。2020年チャレンジCでは4F戦でL3最速11.1、これは自身のラップなのでトップスピードの質もまぁまぁで良いと思う。2021年宝塚記念ではスローバランスを2番手先行、スムースだったがスローからの4F戦でクロノジェネシスにトップスピードの質で見劣っている。2021年香港Cではスローバランスに巻き込まれて、トップスピードの質で見劣った。

2022年金鯱賞では4番手先行、高速馬場でスローからのロンスパになりトップスピードの質で見劣った。

<持続力について>大原Sで逃げ切っているし、糸魚川特別で4F戦で押し切っているので、持続力は高いはず。2020年チャレンジCではスローバランスからの4F戦、L4過ぎから先頭に並び直線入り口では早目先頭で押し切り、かなり高い持続力を見せた。2022年大阪杯では4コーナーでアフリカンゴールドを中目から交わした分だけ差された、心肺機能と持続力を見せたし、初手のポジション取りは川田騎手のファインプレイ。

<その他について>チャレンジCでは前半行きたがっていたので、気性難が出てきたかも。2021年大阪杯では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り、これだけでも心肺機能の高さを見せたが、驚くべきことにL2最速11.6を叩き出してきた、この0.5の加速は驚異的。チャレンジCで掛かっていた気性難は、重馬場だったからか折り合いが付いていた。単騎でスムースにマイペースだたことで折り合えたのかもしれないので、気性難は今後も注意。

2021年宝塚記念では残り100mでユニコーンライオンに差し返されたので、距離適性は2000mまでだと思う。距離適性がはっきりしたのが2021年オールカマーで、先行したが残り100mから減速率が大きくなり失速して4着。小柄な牝馬で58㎏相当では苦しいかもしれない。2021年エリザベス女王杯では4コーナーで狭くなり一瞬バランス崩したが大きな影響はないと思う、残り100mで失速したので距離適性が出た感じ。

好材料は血統で、このレースと好相性のクロフネが母父だし、ディープインパクト産駒はこのレース得意。もちろんクラス負けの危険はなく、距離も新馬戦、1勝クラスと連勝している。悪材料は初コースだが、新潟の糸魚川特別を勝っているし、2走前の金鯱賞でも中京で2着と左回りも問題はないと思うが。大原Sで稍重の1800mを1:46.3で勝ち切っているし、0.3差2着がサトノウィザード、0.6差3着がクラヴェル、1.2差5着がカイザーミノルなのでレースレベル、走破時計共に優秀なので、マイルのGⅠでも好走が期待できる。

適性:松

<レシステンシア>・心肺機能は高く、パワーは不明、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はやや低い、持続力は高い。

”新馬戦”ではややハイペースバランスを3番手で先行、3,4コーナー中目を回して直線は外目から伸びて1着。”ファンタジーS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線はスムースに伸びて1着、心肺機能、持続力の高さを見せた。”2019年阪神JF”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、レコードタイムで5馬身差、心肺機能と持続力の高さを見せた。”チューリップ賞”ではややスローバランスを逃げて3着、トップスピードの質で見劣り。”桜花賞”では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、直線粘ったが2着まで。”2020年NHKマイルC”では平均バランスを逃げて2着。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを逃げて凡走。”2021年阪急杯”では平均バランスを逃げ切り。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて2着。”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で見劣り6着。”2021年セントウルS”ではハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2021年スプリンターズS”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。”2022年高松宮記念”では重馬場でハイペースバランスを逃げて凡走。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:体調、ペース。

新馬戦では豊騎手が探りながらという感じだったが、それでもややハイペースバランスを先行してしっかり勝ち切った、直線ではズブイ感じも出ていたがやや重であることを考えればタイムも悪くない。ファンタジーSが良い内容で、逃げ争い気味に先行して2,3番手から、直線では1馬身差で勝ち切っているので心肺機能と持続力の高さを見せた。この時は逃げ争いを嫌ったヤマカツマーメイドが、中段の前まで下げたにもかかわらずゴール前では流れ込むだけだったので、終始先頭近くにいたこの馬の持続力の高さが目立った。2019年阪神JFではハイペースバランスを逃げて圧勝、レコードタイムで5馬身差を付けて心肺機能と持続力の高さを見せつけた。チューリップ賞ではなぜかややスローバランスにしてしまい3着、着差は僅差だったがこの馬以外は休み明けの非ノーザンF生産馬だったことからも、かなり印象が悪い。本番の桜花賞へ向けて試したのか、騎手がペース認識を出来ないのか不明だが後者の場合は今後も不安が残る。

桜花賞では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、デアリングタクトには差されたが、しっかりと2着を確保して心肺機能と持続力、パワーの高さを見せた。NHKマイルCでは平均バランスを逃げて2着、馬場を考えるとルメール騎手が大事に乗り過ぎた感じで、ラウダシオンに差されたのはトップスピードの質の差。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスにしてしまい当然のように凡走、騎手のペース認識の悪さが出た。2021年阪急杯では平均バランスを逃げて圧勝、2F目で10秒台のラップを踏んだ時は好走する。2021年高松宮記念では重馬場で中段の前からだったが、2F目が10.7だったので好走、2着だったが外枠だったし重馬場だったので高評価で良いと思う。

2021年ヴィクトリアMでは前半4Fが46.0というスローバランスを容認してしまい、L1でトップスピードの持続力で見劣った。L2では11.0くらいを出しているので一足使ってきたが、L1の11.3には対応できなかった。2021年セントウルSでは先行押し切り、前半32.9でスピードを見せたが、L1で12.3迄落としてピクシーナイトに迫られたのは印象が悪い。中緩みがあればもう一足使ってくるので、消耗戦はイマイチかもしれない、ただしこれはハイレベルな話でのこと。2021年スプリンターズSでは平均バランスを中段の前から、平均バランスで3F目で息が入った感じで1200mらしい展開にならなかった、内前優位の展開と馬場が味方して2着を確保した感じ。2022年高松宮記念では重馬場で前半33.4とかなり速かった、ただプラス18㎏の馬体重の方が影響した感じで、ペースは悪くなかったっと思うが。

好材料はコース適性で、NHKマイルCで2着に好走している。マイルでも阪神JF1着、桜花賞2着と好相性。悪材料は体調面で、前走の高松宮記念で6着、この時は海外帰りの休み明けでプラス18㎏だった。今回も休み明けだが本来は休み明けを苦にするタイプではないので、しっかり仕上げてくれれば不安はないが。ペースも不安材料で、昨年のこのレースは6着、前半の800m46.0でスローバランスにしてしまった、これで直線スピード負けしてしまった。この馬はレースの上り3Fが34秒台で好走するので、前半からガンガン行った方が良いはず。問題は前走重馬場でハイペースにして6着に負けたことで、継続騎乗の横山武騎手が敗因をペースと考えると、今年もペースを押さえてしまいかも。特に逃げたいローザノワールを前に出してしまうと、前半が遅くなってしまうので展開は重要。

適性:竹+

ローザノワール ・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

レース名 着順 内容
2021年谷川岳S 8着 スローバランスをスタートのタイミングが合わず少頭数の中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。トップスピードの質で見劣り。
2021年クイーンS 6着 平均バランスを逃げたがL1で一杯になり6着。トップスピードの質を問われない展開に持ち込めたが、それでも芝ではスピード不足。
2021年府中牝馬S 11着 スローバランスを逃げて凡走。スローに落としてしまったので、スピード負けした。
2021年ディセンバーS 1着 スローバランスを押して押して逃げ切り。
2022年中山牝馬S 13着 スローバランスを押して押して前に行ったが中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
ダートでは平均バランスのフィリピンTでボロ負け、ややスロバランスの内房Sでは逃げ切りと、心肺機能は期待できない。谷川岳Sでは直線入り口ですぐ前に居たミラアイトーンに離されたので、トップスピードの質も期待できない。2021年クイーンSでは逃げたが6着、芝では逃げても苦しいと思う。2021年府中牝馬Sでは逃げたが凡走、前走に比べてペースを押さえたので、このクラスではスピード負けしてしまった。2021年ディセンバーSではスタート五分に出て、押して押して逃げ体勢。中緩みからの3F戦に持ち込み押し切り、この時は54㎏で恵まれた斤量だったし、相手も弱かった。2022年中山牝馬Sではスタート五分から押して押して前に行ったが逃げられず、スローからの5F戦になってL2で一杯になった、持続力はまぁまぁまでだがこの時は休み明け。

「ヴィクトリアMへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、GⅠは初めてだし、GⅡの府中牝馬Sでもボロ負けで勝負になっていない。心肺機能は高くないし持続力も高くないので、逃げたとしても苦しいはず。

適性:梅