2019年ローズS 全頭評価。その2。

<シャドウディーヴァ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・前向き過ぎるところがあって、馬群の外だと掛かる。

”11月未勝利戦”ではスローバランスを中段から、直線は詰ったが馬群を割って伸びる、ドスローからのトップスピード戦になり瞬発力とトップスピードの高さを見せた。”フリージア賞”ではスローバランスを馬群の外で進めて掛かり気味、直線もバランスを崩しながらで伸びきれず3着、中盤迄掛かっていた。”フラワーC”ではスローバランスを中段の後ろから、最内を進めて折り合えたが直線は4着まで。”フローラS”ではスローバランスを中段の最内から、直線は詰ってL1でバテ差しハナ差2着、ここでもやや掛かり気味、詰まってから馬群を割る闘志は見せた。”オークス”では平均バランスを中段の最内から、直線はジリジリまで、疲労の影響かも。

「ローズSへ向けて」好材料:休み明けでフレッシュ。悪材料:右回りの不安、初の関西輸送。

馬群割る闘志や瞬発力の高さなど、ハーツクライ産駒らしからぬ馬でヌーヴォレコルトに近い感じかな。フローラSでは内枠から中段の最内を進めたが、それでもやや掛かり気味だったので気持ちが前向き過ぎる感じ。直線詰まってしまい普通のハーツ産駒ならここでレースは終わるはず、ところがここから馬群を割って一気に伸びた、もちろんL1は11.5とバテ差しの形だが自身は11.2くらいは出ているはずで、持続力を発揮している。オークスでは平均バランスを中段やや前からレースをして、まずまずの結果だったので、心肺機能はまずまずのものを持っていると思う。

好材料は休み明けでフレッシュな点、ハーツ産駒は疲れやすいので休み明け4走目になったオークスでもL1で明確に落としていた。ノーザンF生産馬なので休み明けの不安は全くない。悪材料はハーツ産駒なので右回りが不安になる、フラワーCでも4着とは言え、コーナーで置かれてしまったので、右回りのコーナーで速いラップを要求されると良くないかもしれない。初の関西輸送になる点も不安が大きい点で、特に牝馬なのでナーバスにならなければいいが。

<スイープセレリタス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーも高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”未勝利戦”ではほぼ平均バランスを中段の前から、直線中目からスムースに加速して1着、持続力の高さを見せた。”こうやまき賞”ではスローバランスを中段の前から、直線スムースだったが1着ダノンチェイサーに僅差の3着、マイネルウィルトスにはトップスピードの質で見劣った。”春奈賞”ではスローバランスを中段の最内から、直線はL2まで前が壁になり、コースが空いてから追い出したが届かず3着まで、瞬発力の低さを見せた。”2019年東京500万条件”ではハイペースバランスを最後方から、直線外からスムースに伸びて圧勝。”2019年月岡温泉特別”では平均バランスを中段のやや前から、直線スムースに加速して1着、持続力の高さを見せた。

「ローズSへ向けて」好材料:ルメール騎手への乗り替り、ハーツクライ産駒で延長は合うはず。悪材料:ハーツクライ産駒で右回りが苦手な可能性、初の関西圏への輸送。

トップスピードの質はまぁまぁだが持続力がかなり高い、これは月岡温泉特別だけでなく東京500万条件でも見せている、こうやまき賞もダノンチェイサー相手に僅差だったし、長くいい脚を使えるのは間違いない。瞬発力の低さを見せたのが春奈賞で直線L2まで前が壁になってしまったことで、トップスピードに入るのに時間がかかっていた、それでも最後は3着まで来たのでエンジンが掛かってしまえば止まらないタイプですね。ノーザンF生産馬ということもあり間隔空けても走る、休み明けを割り引く必要のない馬ですね。現状ではすべて左回りのレースなので、右回りへの対応が今後のカギ。

好材料はルメール騎手への乗り替りで、前走は戸崎騎手だったので一応プラスに評価。東京で2レース乗って3着、1着の実績もあるし、特に500万条件では春奈賞の反省を生かした乗り方で圧勝しているのも、この馬のことをよく分かっているので好材料になる。距離延長もハーツクライ産駒は延長を苦にしないし、お母さんがスイープトウショウなので1800mも不安はない。悪材料はこれまでのレースがすべて左回りなので、右回りでも同じように走れるかどうか。ハーツクライ産駒は右回りよりも左回りが得意な産駒が多いので、この点はやや不安。それ以上に不安なのが関西圏への初輸送で、中京への輸送経験でクリアーできるかどうか。

<ダノンファンタジー >・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”ファンタジーS”外回りではスローバランスを中段から、直線大外から差し切り圧勝、トップスピードの質を見せた。阪神JFでは平均バランスを後方から、L3最速の流れを外から差し切り、トップスピードの質と持続力を見せた。”チューリップ賞”ではスローバランスを最内先行、直線は内に詰まってL1だけでバテ差し、L3、L2で流れたことで差せた。”桜花賞”ではスローバランスを中段のやや前で外からになり掛かってしまう、L3でグランアレグリアの反応にやや遅れながら付いて行き、直線はL1で失速4着。”オークス”では平均バランスを中段の前から、4F戦になり5着まで、距離かも。

「ローズSへ向けて」好材料:休み明けでフレッシュ、コース適正、川田騎手の継続騎乗。悪材料:掛かるので外枠だと不安。

桜花賞では掛かってしまい勝負所で反応が悪く、直線でもL1で一杯になってしまったので、折り合いが重要でしょうね。阪神JFでも後方からやや掛かっていたが、この時は前にグレイシアが居たこと、平均バランスで流れたことで我慢できていた。チューリップ賞ではスタート抜群で最内を先行、ここでもやや掛かり気味でコントロールに苦労はしていたので、折り合いがカギになるのは間違いない。阪神JFでビーチサンバ相手にトップスピードと持続力で圧倒しているし、クロノジェネシスとは互角にやれている、もちろんビーチはいつもの福永騎手で追い出しが遅かったが。トップスピードの質はまぁまぁで、阪神JFで長くいい脚を使ってきたので持続力は非常に高い。

好材料は休み明けでフレッシュな点で、チューリップ賞で休み明けを快勝しているし、ノーザンF生産馬なので不安はない。コース適正も阪神外回りは4戦3勝と好相性ですね。川田騎手の継続騎乗ももちろんプラスでしょう。悪材料は再三見せている気性の荒さで、外枠に入ってしまうと掛かってしまう。これは桜花賞で見せているので、川田君も対策をしてくるかもしれないが、内枠を引けることに越したことはない。