<パリンジェネシス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力低い。
・トップスピードの質は低く持続力は高い。
”サンシャインS”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、馬場が軽くL2で11.2に入る程だった。”江坂特別”ではスローバランスを後方から緩んだところを2番手に押し上げて押し切り、稍重だがL3で11.0が出る馬場。”2018年11月京都1000万条件”ではスローバランスを逃げたが直線一杯、上り1番時計ですら35.0も掛かる重い馬場だった。”青嵐賞”では平均バランスを最内2列目で先行、直線は最内からジリジリ伸びたが、L1でやや落としたところを差されて同着、この時の相手がムイトオブリガードだった。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを2番手先行、直線は早々に苦しくなり凡走、かなりのハイペースだった、もう少しゆったり入った方が良いのかもしれない。
「京都大賞典へ向けて」好材料:休み明けでフレッシュ、コース適正。悪材料:クラス負けの危険。
1000万条件になるが青嵐賞が東京2400でなかなかいいレースをした、平均バランスを2番手から突つきながら息の入らない厳しい流れ、終始最内を進めてロスが無かったとはいえ、直線でも持続力を見せたし同着相手がムイトオブリガードだから評価しないといけない。その後2200でイマイチなレースが続いたところを見ると、距離が足りなかった可能性が高く、2400以上にして連勝してきた。
同じタートルボール産駒ではトリオンフに似ているが、トリオンフは母系にサンデーが入ってスピード能力がやや高い感じ。こちらはパワーと持続力で上回る感じで距離が伸びて良いのはバリンジェネシスの方かな~、母系はコテコテのメジロ血統であることも長距離適正の高さを示唆していますね。で、このコテコテのメジロ血統から分かる通り、生産はレイクヴィラファームで旧メジロ牧場です。メジロ牧場閉場後に事業を引き継いだのがレイクヴィラFで、ノーザンファームの支援を受けていますので、外厩もNFしがらきや天栄を使っています。
展開はスローバランスでもハイペースバランスでも対応できるが、トップスピードの質を問われる展開は苦手、この辺りは江坂特別でスタートイマイチで後方からになってしまったが、スローと見るやすかさず押し上げて先団に取り付きL4から勝負に行った、トップスピードの質を問われない展開に持ち込めたことが大きかった。
2019年目黒記念では前半1000mが100m分補正をして約58.6、さすがにこのペースは苦しかったようで、先行した馬はことごとく大敗している。この感じからも前半は無理をしない方が良い、後半のロンスパこそこの馬の真骨頂だと思う。
好材料は休み明けでフレッシュな点、ノーザンFしがらきで仕上げられるので全く不安はない。コース適正も2200mの1000万条件で3着があるので、不安は少ない。川田騎手不在で松山騎手へ乗り替りだが、松山君は逃げ・先行のレースは非常に上手い、昨年の神戸新聞杯メイショウテッコンのような感じで乗れば期待できる。悪材料は重賞で結果が出ていないことかな~、まぁ重賞は1戦だけなので大きな不安ではない。
<メートルダール>・心肺機能は低くパワーはある、瞬発力は低い。
・トップスピードの質は高くないが持続力は高い。
・ハイペースバランスやロンスパで上がりが掛かる時が狙い目。
・中段より前を取りそうな時は注意。
”2017年中日新聞杯”ではスローバランスを中段のやや後ろから、L3からしっかり追いだしてエンジンをかけて抜け出し1着。”2018年金鯱賞”ではスローバランスを中段のやや後ろから、直線はすぐ前に居たサトノダイヤモンドにトップスピードの質で見劣り8着に凡走。”2018年大阪杯”ではスローバランスを中段馬群のやや後ろから、向正面で上がって行ったスワ―ヴリチャードの仕掛けに反応できず、ロンスパに対応できずに凡走。”2018年新潟記念”ではスローバランスを後方から、後半ロンスパでバテ差し2着、この時休み明け。”2018年中日新聞杯”ではスローバランスを中段から、3F戦を1着。”2019年AJCC”ではスローバランスを中段から、L4からのロンスパになり3着、マーフィー騎手で中段を取れたことが好走要因。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを後方から、直線は伸びずに凡走、稍重の影響だと思う。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを中段から、直線中目からスムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。”2019年函館記念”では平均バランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、上がり最速だがトップスピードの質が足りずに凡走。
「京都大賞典へ向けて」好材料:コース適正。悪材料:近走の成績の悪さ。
トップスピードの質が足りない馬で持続力勝負でのバテ差しが好走パターン、AJCCの時は中段から持続力を生かして3着、1着はシャケトラだし2着はフィエールマンだから0.1差は立派だった。4コーナーで早目に追い出したのが良かったはずで、それが出来るマーフィー騎手の好騎乗だと思う。2018年新潟記念でも後方から、直線大外を持続力を生かして2着まで、この時の1着がブラストワンピースなので高評価。心肺期のは高くないので、ハイペースバランスを中段よりも前でレースをしてしまうと凡走するはず。ペースを読んで位置取りを替えられるかどうかが大事になる。
好材料はコース適正で白百合Sで2着があるので悪くないと思う、ただ距離2400mは青葉賞5着以来、この時は1.1秒差も離されているので不安は大きいかな。悪材料は近走の成績の悪さで、近3走はトップスピードの質で見劣るレースが続いている、AJCCの時みたいに前半スローからの4F戦に持ち込むのが良いんだけど、最近は後方からのレースばかりだし、多頭数でポジションが取れるかどうかは不安材料。
<リッジマン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。
・トップスピードの質は低く持続力は高い。
・完全なステイヤーで長ければ長いほど良く、前半に11秒台に入れると息切れしてしまう。
・休み明けでも走る。
”2018年丹頂S”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、早目に押し上げて押し切り。”2018年有馬記念”では平均バランスを後方から、全く伸びずに凡走、前半に11秒台に入っていた。”2018年ステイヤーズS”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナーで取り付き直線バテ差しで1着。”2019年阪神大賞典”では前半11秒台に入る流れで凡走。”2019年天皇賞(春)ではスローからの4F戦を中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り8着。
「京都大賞典へ向けて」好材料:無し。悪材料:スピード負けの危険。
ステイヤーとしての能力に特化している感じで、心肺機能とパワーは十分あるがトップスピードの質では大きく見劣ってしまう、それが2019年天皇賞(春)で4コーナー出口までは悪くなかったが、L2の11.0には全く対応できなかった。2018年ステイヤーズSでは終盤11秒台後半を連発したことで勝ち切った、この時はアルバートが居なかったがステイヤーとしての能力の高さを見せた。休み明けでも走るのは2018年丹頂S、2018年ステイヤーズSを勝っている。2019年阪神大賞典が稍重馬場でピリッとしなかったので、軽い馬場の方が良いのかもしれない。
好材料は特になく、休み明けでフレッシュなことくらい。悪材料は開幕週の高速馬場になった時にはスピードが足りないこと。
<レノヴァール>・心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力は低い。
・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。
”2019年1000万条件”ではスローバランスを中段の前から、直線外からスムースに加速して差し切り、4F戦をバテ差す形で持続力を見せた。”2019年関門橋S”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回してL2最速戦を待ってしまい凡走、瞬発力の低さを見せた。”2019年湾岸S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線ジリジリで4着まで、トップスピードが足りなかった。”2019年烏丸S”ではスローバランスを中段の前から、直線スムースに抜け出し1着、先行して持続力が生きた形。”2019年札幌日経OP”ではスローバランスを中段のやや前から、4コーナーからL1標識まで前が壁になり追い出せずに5着、この時は休み明けでマイナス10㎏だったが、内容は良かった。
「京都大賞典へ向けて」コース適正。悪材料:高速馬場適性、騎手。
烏丸Sがこの馬の特性をよく表していると思う、スローバランスを先行して、直線スムースに抜け出し押し切った。この直線がスムースというのが重要で、瞬発力の低さは関門橋Sで見せてしまった。トップスピードの質が低いのは湾岸Sで見せているので、トップスピードの質が問われる展開、特に自身が後方からになると届かない。ノーザンF生産馬なので休み明けでも走るが、ハーツクライ産駒なので疲労には弱いはず。
OPに上がって最初のレースが札幌日経OPだったが、休み明けでマイナス10㎏と体調を心配したが、レース内容は悪くなかった。岩田騎手が内に拘ってしまい、4コーナーから前が壁で瞬発力の低いこの馬には最悪の騎乗だった、L1だけでバテ差し4着まで来たのは評価していいと思うので、体調は良かったんだと思う。
好材料は烏丸Sを勝っているコース適正の良さ、スローからの4F戦でトップスピードの質は問われなかったし、単純に持続力で勝負できたのであまり大きな期待はできないかな。悪材料は高速馬場適性で、開幕週で高速馬場になっているとスピード負けする危険がある。また騎手も藤岡康騎手へ乗り替わり、関門橋Sで後方からになりL2最速戦を待ってしまって凡走したのは印象悪い、同じように乗ってくる可能性はあるので、不安材料だと思う。