2019年阪神C 全頭評価。その3。

<ノーワン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く持続力はある。

”未勝利戦”ではスローバランスを中段から、直線は外から差し切り。”フィリーズレビュー”ではややハイペースバランスを中段の内から、直線で馬群を割って伸びて1着同着。”桜花賞”ではスローバランスを中段から、直線外からスムースだったが伸びずに凡走、休み明け4走目で疲労の可能性大。”オークス”では平均バランスを中段やや後ろから、直線中目からスムースだったが伸びずに凡走、ここでも疲労の可能性大。”2019年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、4コーナー外を回して直線はタワーオブロンドンのすぐ後ろから、トップスピードの質で見劣り8着、この時が休み明け。”2019年スワンS”ではほぼ平均バランスを中段の後ろから、直線伸びずに凡走、馬場は合うはずだがプラス16㎏で走れる状態ではなかった。

「阪神Cへ向けて」好材料:コース適正。悪材料:騎手、厩舎。

フィリーズレビューの勝ち方はあまり評価できない勝ち方だった、ややハイペースバランスを中段の最内で相当楽をしている、直線も内から他馬に迷惑をかけるコース取で嵌った感が強い、それでも心肺機能と持続力、パワーは評価すべきだと思う。過去のレース内容からもトップスピードの質が低いことははっきりしていて、桜花賞では直線隣りに居たクロノジェネシスに一気に引き離された。もちろんこの時は疲労の影響が大きいと思うが、トップスピードの質は見せていない。ハーツクライの産駒なので疲労には弱く、桜花賞が休み明け4走目、オークスが休み明け5走目で全くレースにならなかった。血統的に短距離の方が合いそう。この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くないと思う、2019年スプリンターズSがオークス以来で8着だった。2019年スワンSではプラス16キロと全く走れる状態ではなかった、これが厩舎力で一流厩舎ならばしっかり仕上げてくるところを、休み明け2走目にもかかわらず仕上げ切れていない。

好材料はコース適正でフィリーズレビューを1着同着で勝っている、 稍重馬場でハイエースバランスを終始最内を回して他馬に迷惑をかけながらなので高い評価は禁物かもしれない。悪材料はそのフィリーズレビューで騎乗していた坂井騎手なので、大きな期待はできない。前走は休み明け2走目で絶好の走り頃にも関わらずプラス16キロと仕上げきれずに凡走してしまった、笹田厩舎が低迷しているのは周知の事実でこちらも大きな期待はできない。 

<フィアーノロマーノ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。・休み明けでも走る。

・左回りは良くない可能性がある。

”2018年渡月橋S”では平均バランスを出遅れ最後方から、上がり32.9で追い込むも4着まで。”2018年ファイナルS”ではハイペースバランスを先行して押し切り。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを先行、4コーナー中目を回して早目先頭から押し切り。”2019年安田記念”ではスローバランスを中段から、直線は全く伸びず、左回りの影響だと思う。”2019年マイルCS”ではスローバランスを2番手先行、直線L2まで踏ん張ったがL1で力尽きた、休み明けでプラス8㎏だったので仕上げ切れていない。

「阪神Cへ向けて」好材料:休み明け2走目、コース適正、右回り、騎手強化。悪材料: 特になし。

左回りが苦手なようで、新潟含めて10、5、10、14着と全く良いところが無い、左回り以外の原因を探しても見つからないんだよね~。ダービー卿CTでハイペースバランスを先行してしっかり勝ち切った、ハンデ戦で2着のプリモシーンとは同斤量だったが、プリモシーンが次のヴィクトリアMでスーパーレコードをタイム差なしの2着だったので高評価でいい。ハイペースを先行して消耗戦を3,4コーナーで2頭分外から上がって行ってるし、強い勝ち方だったと思う。渡月橋Sでは出遅れてしまったが、1頭だけ強烈なトップスピードの質と持続力見せたので、どこで脚を使うかは重要ですね。消耗戦にも対応できるし、足を溜めれば高いトップスピードの質も見せられる。

お父さんのファストネットロックはオーストラリアの名スプリンターで、最優秀3歳馬、最優秀スプリンターを受賞している。日本ではメラグラーナ、ブラヴィッシモが重賞で活躍しているので、日本の馬場にも適応できている。ダービー卿CTを休み明けで勝ち切ったように休み明けを苦にしない、それもそのはずでこの馬は隠れノーザンなので、外厩でしっかりと仕上げられる。2019年マイルCSでは休み明けでプラス8㎏、さすがに苦しくなってL1で一杯になってしまったが、L2までは勝負になっていた。

好材料は休み明け2走目で前走マイルCSではプラス8キロとさすがに太め残りだった、なので今回は上積みも期待できる。2018年ファイナルSを勝ち切っているのでコース適性はとても良い、この馬は右回りと左回りで成績が極端に違うので今回の右回りは条件的にはとても良い。スミヨン騎手に乗り替わりこともプラスの評価で、前走は休み明けでプラス8キロだったので藤岡康太騎手が悪かったわけではないが、先行して差す競馬ならばスミヨン騎手の手腕は信用できる。悪材料は特になくダービー卿CTでノームコア相手に勝ち切っているのでクラス負けの不安はない。若干不安なのはスミヨン騎手に乗り替わりことで中段からの溜め差しに拘ると、極端なスローバランスになり切れ負けする可能性もあること、馬に合わせるのではなく自分の騎乗スタイルに合わせたい騎手なのでこの点はやや不安ではある。

<マイスタイル>・心肺機能は高く、パワーもある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

“弥生賞”ではスローバランスを逃げて2着、L2で0.5秒加速する瞬発力と、L1でのパワーと持続力を見せた。”ダービー”ではスローバランスを逃げて4着、L2で0.6の加速ラップを踏んでいて、これはレイデオロと互角の瞬発力、L1では持続力の差で落としたが4着は立派。”2018年福島民報杯”ではハイペースバランスを後続を離して2番手先行、L2最速だが消耗戦気味になり持続力を生かして2着。”2018年新潟大賞典”ではスローバランスを中段から、直線外からスムースだったがトップスピードの質で見劣り6着。”2018年洞爺湖特別”ではややスローバランスを逃げて圧勝、L2で0.5の加速をして出し抜き後続に差を付けた。”2018年五稜郭S”ではややスローバランスを逃げて圧勝、L2で0.6の加速ラップを踏み出し抜き、2着スティッフェリオ、3着ドレッドノータスには決定的な差を付けた。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを4番手で先行、L4でペースが上がったところを外から捲って凡走。”2018年福島記念”ではハイペースバランスを2頭で離して逃げ体勢から、L3で一旦息を入れてL2で出し抜きに掛かるも思ったほど伸びずに2着。”2018年中日新聞杯”ではハイペースバランスを後続を離して逃げて凡走、ペースが速過ぎて自滅。”2019年京都金杯”では平均バランスを3,4番手先行、L2で自身0.7位の瞬発力を見せて内から抜けてきたグァンチャーレを振り切って2着、1着パクスアメリカーナにはトップスピードの質と持続力で見劣り。”2019年小倉大賞典”ではほぼ平均バランスを離れた追走集団の中段から、追走集団もL5から11秒台に入ったことで、息が持たずに凡走。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段やや前から、消耗戦になり馬場の良い外から粘って3着、トップスピードの質を問われなかった。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを3,4番手先行、4コーナーで前が下がってきて大きく不利を受け凡走。”2019年函館記念”では平均バランスを逃げ切り、L2最速戦で得意の展開に持ち込めた。”2019年スワンS”ではほぼ平均バランスを中段から、直線入り口で瞬発力を生かして抜け出したがゴール前差されて3着、この時が休み明け。”2019年マイルCS”ではスローバランスを逃げて4着、スローに落としたうえに直線も上がりの掛かる馬場でトップスピードの質を問われなかった。

「阪神Cへ向けて」好材料: ・・・。悪材料:距離適正、休み明け3走目。

改めてこの馬のレースを見直してみて驚いたのが、スローバランスからのL2で見せる瞬発力。これを見せたのが弥生賞、ダービー、洞爺湖特別、五稜郭S、京都金杯でいずれも好走している。この馬は意外に脚質と言うか能力の幅が広い馬で、トップスピードが低い以外は結構まとまったポテンシャルを持っている。心肺機能の高さはダービー卿CTや京都金杯で見せているし、持続力の高さは上記のレースで見せている。キタサンブラックを弱くしたような馬と言う印象で、特にスローペースからのL2で出し抜く様はよく似ているし、キタサンブラックが不良馬場の天皇賞秋で見せた心肺機能と持続力の高さも、レベルの差こそあれ持っている、豊騎手が乗ったら重賞の1つや2つ勝ちそうな気がする。

中日新聞杯では完全にオーバーペースで自滅している、その前の福島記念が高速馬場のなかハイペースバランスで2着なので、同じイメージで乗ったんだと思う。つまり馬場読みが出来ていないんだよね、小倉大賞典でもサイモンラムセスが3着に残っているので、あのペースで正解なんだけど、何を考えているのか中段に控えてL5から11秒台に入るロンスパで凡走したからね。そうそうロンスパで凡走する辺りもキタサンブラックと似ていますね、宝塚記念でミルコに追い出しを掛けられて、ロンスパになって凡走したのを思い出した。

2019年函館記念を快勝したが、平均バランスを離した逃げに持ち込んでL2最速戦という、勝ってくださいのレース展開だった。もちろんこんな展開はめったにない。2019年マイルCSではスローバランスをマイペースの逃げで4着、良馬場だが重い馬場でトップスピードの質を問われなかった。非ノーザンF生産馬だが休み明けでもまぁまぁ、この辺りは逃げ馬らしい部分。2018年福島民報杯2着、2018年福島記念2着、2019年スワンS3着と下級条件から上級条件でも力を出せる。2019年巴賞は中段からになり直線で詰まってレースにならなかったので度外視。2019年マイルCSでは逃げてスローバランスに落としたことで4着に粘った、他に行く馬がいなかったので自分の形に持ち込めたことが大きかった。 

好材料は見つけにくくクラス負けの不安がないことぐらい。悪材料は距離適正でスワンSで1400mを3着しているがこの時は平均バランスでペースが遅かったので、1400mのトップレベルのレースになるとマイル適正よりも1200mの適正が問われるはず、 ダービー卿CTで超ハイペースバランスを経験しているがそれでも前半800m45.1、良馬場ならば前半800m44秒台に入ることもあるので、このペースは全くの未知数。今回は休み明け3走目になる、ハーツクライ産駒なので疲労の不安は大きい。 前走初古馬GⅠで4着に好走しているので激走の反動もあるはず、 使い詰めになると好走と凡走を繰り返す癖があるので、今回は疲労とストレスも含めて不安が大きい。

<メイショウケイメイ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。

”500万条件”ではスローバランスを2番手から、直線トップスピード戦で1着。”阪神JF”では平均バランスを中段から、トップスピードの質で見劣り凡走。”紅梅S”ではハイペースバランスを中段から、2F戦になり1着、この時の2着がプールヴィルで1400で良さが出た感じ。”フィリーズレビュー”では平均バランスを先行、直線狭くなって追えず5着。”桜花賞”ではスローバランスを先行、L2で一杯になり凡走、距離の可能性が高い。”葵S”では平均バランスを出遅れ中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り9着、スタートで大きく寄れた。”2019年CBC賞”では不良馬場で平均バランスを中段の前から、直線入り口では一杯になってしまい凡走、不良馬場でもスピード負けしてしまった。 

「阪神Cへ向けて」好材料:コース適正。悪材料:休み明け、クラス負けの危険。

2019年葵Sではスタートで大きく寄れてバランスを崩してしまい、中段の後方からトップスピードの質で見劣り凡走した、なのでこの1戦で見限る必要はないと思う。1200mは新馬、500万条件で連勝しているが、いずれもスローバランスで参考にはならない。フィリーズレビューが5着だがいい内容で、稍重の平均バランスを先行したが、直線で前が壁になり追えなかったが持続力も見せた。同じ位置に居たプールヴィルが、外に出してからバテ差しで1着同着なのでなんとも勿体ない敗戦だった。

阪神JFと桜花賞は距離だが、フィリーズレビューと葵Sは騎手の責任が大きい騎乗だった。ワークフォース産駒なので重馬場は合うはずで、フィリーズレビューが稍重で好内容だったので道悪は歓迎。デビュー4走目の紅梅Sを勝ち切っているし、ワークフォースの産駒は使い減りしないので疲労には強いと思う。

2019年CBC賞では不良馬場で平均バランスを中段やや前から進めたが、直線入り口では一杯になってしまい凡走している、 初めての古馬混合重賞で完全にクラス負けしてしまったような負け方で、古馬混合の重賞では苦しくなりそう。

好材料はフィリーズレビューで0.2秒差の5着があるのでコース適性は良いと思う。悪材料は休み明けになる点で、この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けはには不安がある。前走がローカル重賞のCBC賞で初の古馬混合重賞で不良馬場だったことなど 厳しい条件ではあったが、全く勝負にならなかったのでクラス負けの危険は十分にある。

<メイショウショウブ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力もそこそこ。

・トップスピードの質はやや低い、持続力は高い。

・休み明けは不明、疲れやすい。

”デイリー杯”ではスローバランスを先行、L4が12.0の4F戦になり持続力を発揮して2着、この時の1着がアドマイヤマーズでL2で瞬発力も見せている。”阪神JF”では平均バランスを先行、直線苦しくなって内に切れ込んでしまい6着まで、この時はデビュー後コンスタントに使われた5走目で、明らかに疲労の影響。”チューリップ賞”ではスローバランスを中段から、L2最速戦に対応できずに凡走、この時は休み明けだがスタート後に中段まで下げる謎騎乗で、この馬の良さを生かせなかった。”ニュージーランドT”ではスローバランスを先行、直線はしっかり粘って2着、3F戦で良さを見せた。”オークス”では平均バランスを中段やや後ろから、直線入り口で一杯になり凡走。”2019年クイーンS”ではスローバランスを3番手先行、4コーナー中目を回して直線入り口で先頭列に並ぶもL1で失速凡走、休み明けと1F長い可能性はあるが、L2で11.1を出しながらトップスピードの質で見劣っている、スローバランスでは良さが出ない。”ローズS”ではスローバランスを中段から、L1で一杯になり5着まで、1F長かった。

「阪神Cへ向けて」好材料: 距離適正。悪材料:前走取り消しの影響。

ニュージーランドTで改めてダイワメジャー産駒らしさを見せましたね、持続力こそのこの馬の武器でデイリー杯でも見せています、デイリー杯では後のNHKマイルC勝ち馬アドマイヤマーズと半馬身差ですから、展開次第ではGⅠでも好走できる能力はあると思います。デイリー杯ではL2で瞬発力も見せていてマイルまでなら意外に幅が広い能力を持っている、もちろん流れた中での加速なので高い瞬発力とは言えませんが、L3,L4辺りから流れてしまえば加速にも十分対応できる馬ですね。ダイワメジャー産駒らしく疲労には弱いところを見せたのが阪神JFで、デビュー後コンスタントに使われて5戦目だったので、走れる状態ではなかったんだと思う。その上で持続力の高さはデイリー杯やニュージーランドTで見せていて、かなり高い物を持っている。心肺機能は高い方だと思う、未勝利戦でも前後半1.4秒のハイペースバランスを先行して3着なので、決して低くはない。トップスピードの質はやや低い感じなので、中段辺りからでは差し切れない。初の古馬戦になったクイーンSでは休み明けとスローバランス、更に1F長かった感じで良さが出なかった。トップスピードの質が問われない展開を作ってもらうか、自分で作らないと持続力の良さが出ない馬ですね。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くない可能性があるが、これまでの休み明けでは展開や条件が合わず、チューリップ賞では好スタートを切っていながらなぜか中断まで下げ、クイーンステークスでは1F長かった感じで負けているので、現状では休み明けが良くないとは言い切れない。

好材料は距離適性でダートの1400mをややハイペースバランスで押し切っている、ダイワメジャーの産駒なのでマイル以下で好走する可能性が高いと思う。松山騎手への乗り替わりは逃げに関してはプラスの評価、ただし差し追い込みに回るようなら±ゼロの評価。悪材料は前走秋華賞をザセキで出走取り消しになっていることで、どこまで回復しているか不明な点。血統的にはコース適性も良いと思うので、怖がらずにハイペースバランスで逃げ、もしくは他の馬がペースを引き上げてくれる展開で先行できればチャンスはあると思う。