2021年京都大賞典 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ムイトオブリガード>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ高く、持続力も高い。

・軽い高速馬場の方が合うかもしれない。

”2018年青嵐賞”では平均バランスを中段の後ろから、直線スムースに外に出して同着、この時の相手がバリンジェネシス。”2018年アル共”ではハイペースバランスを中段の後ろから追い込み2着、この時が休み明け2走目。”2019年日経新春杯”では超ハイペースバランスを中段の後ろから、直線伸びず、この時が休み明け。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを先行、直線一杯になって7着。”2019年大阪杯”ではスローバランスを中段の後ろから、直線入り口では最後方で外から伸びたが8着まで。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを後方から、直線は内からやや狭くなったが伸びて5着、2か月ぶりの影響もあったかも。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを中段の前から、昨年と同じ展開になり1着、休み明けでも問題なかった。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを中段から、直線はスムースだったが伸びずに凡走。”2020年阪神大賞典”では超々ロンスパ戦を中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに粘って4着。”2021年東海S”では不良馬場でハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線全く伸びずに凡走。”2021年日経賞”ではスローバランスを中段の後ろから、、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが7着まで。”2021年新潟大賞典”ではハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず。”2021年目黒記念”ではスローバランスを離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「京都大賞典へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:近走の不振。

どうも馬場を選ぶようで軽い高速馬場の方が力を発揮できる感じ、2019年の日経新春杯、金鯱賞、大阪杯が稍重だったり良馬場でも前日雨で重い馬場などでイマイチ、逆にアルゼンチン共和国杯までの東京ではしっかり好走しているからね。間隔空けは良くなくて、ノーザンファーム生産馬なのでルーラー産駒でも問題ないはずだが、これは肉体的な仕上がりで精神的な仕上がりは一叩きされた方が良い。2018年六社特別ではルックトゥワイス相手に圧勝している、この時が4カ月弱の間隔開けだったが条件戦だし、ルックトゥワイスの乗り方にも相当問題があった。2019年アルゼンチン共和国杯で休み明けを勝ち切っているので、外厩先でしっかり乗り込まれた可能性がある、この結果で今後は休み明けを割り引く必要はないと思う。東京でトップスピードと持続力の高さは見せているし、その中でも青嵐賞の平均バランスを1着同着しているので、心肺機能の高さも見せた。

2019年大阪杯をどう見るか、金鯱賞から中2週と間隔は問題なかったし体調の問題ではない。まずスタートが非常に良かったのになぜか中段の後ろまで下げてしまった、3,4コーナーでは最後方まで下がり直線は伸びない外目に進路を取ってジリジリまで。非常にマズい騎乗だなという印象で、馬の力をどうこう言うレースではなかったと思う。上がり3Fはブラストワンピースよりも良かったし、アルアインから0.6差なら騎乗の酷さを差し引いて考えれば悪くないと思う。2019年アルゼンチン共和国杯を勝ち切ったが、前年同様かなりのスローペースでレースレベルは高くない。アルゼンチン共和国杯は毎年低レベルなレースになり、圧勝した馬は別にして好走してもその後活躍する馬は多くない。2019年ジャパンCでは重馬場でややハイペースバランスだったので、中段からだったが心肺機能が限界だった可能性が高い。2020年阪神大賞典では超々ロンスパ戦を中段の前から粘り込み、高速馬場だったが意外な粘りを見せた、心肺機能と持続力見せたので、上がり勝負にならない方が良いと思う。

2021年の始動戦はダートの東海Sを選んできた、脚部不安で10カ月ぶりのレースになったこともあり、大敗してしまった。2021年日経賞では中段の後ろから、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り。2021年新潟大賞典ではスタート出たが押しても進んで行かずに後方から、直線スムースだったが届かなかったのはトップスピードの質が足りないからだと思う。2021年目黒記念では超スローで、離れた追走集団のやや前を取れた。スムースだったが直線入り口ですぐ前に居たヒートオンビートに引き離されて凡走。L2の10.6に対応できていないので、トップスピードの質で大きく見劣った。

好材料は距離適性くらいで、2年前のアルゼンチン共和国杯を勝っているので、2400mは問題ないはず。悪材料は近走の不振でトップスピードの質が下がった感じで、先行するわけではないので噛み合わないレースが続いている。二の足も遅いので、ここで逃げ、先行できるとは思えず展開も合いそうにない。

適性:梅

<モズベッロ>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”若葉S”では稍重でスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず5着。”京都新聞杯”ではややスローバランスを中段から、向正面で2番手に上がり3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが凡走。”白百合S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線外目から2着。”セントライト記念”では重馬場で平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回したが全く手応えが無く凡走、この時が休み明け。”2019年高雄特別”ではハイペースバランスを大きく離れた中段から、自身ややスローバランスくらいで3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2019年グレイトフルS”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線入り口でやや狭くなったがバテ差し4着まで。”2020年日経新春杯”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線外目からスムースに差し切り、この時が52㎏。”2020年日経賞”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線外からバテ差し2着、直線でミッキーに寄られる不利。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて3着。”2020年有馬記念”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して早々に一杯になり凡走。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線ジリジリまでで5着。”2021年京都記念”では平均バランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年大阪杯”では重馬場でハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースにバテ差し2着。”2021年宝塚記念”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず凡走。

「京都大賞典へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:コース適性。

<心肺機能について>京都新聞杯では0.5秒のややスローバランスを中段から、何を思ったのか向正面で2番手まで上がり、直線では早々に後退して凡走した。これは心肺機能だけでなく持続力も低いためだと思う。 

<パワーについて>2019年グレイトフルSでバテ差し4着まで来ているので、坂は苦にしていない。 2020年日経賞でもバテ差しで2着だったので高いパワーを見せた。

<瞬発力について>グレイトフルSで直線入り口でやや狭くなった、そこで一瞬減速している感じはあるので、あまり高くはないと思う。 

<トップスピードの質について>若葉Sで後方から進めて届かなかったので、トップスピードの質は低い、これは白百合Sでも2着だったが直線後ろからレッドアネモスに差されている。2019年グレイトフルSでも中段の後ろからになり、直線入り口でやや狭くなったが届かなかった。 2021年宝塚記念ではスローバランスを中段のやや後ろからで、3,4コーナー外目を回したが直線スムースでも届かずなので、良馬場ではトップスピードの質で勝負にならない。

<持続力について>京都新聞杯ではL2過ぎから明確に垂れてしまった、2019年高雄特別では3F戦でシッカリと押し切っているので、4Fになってしまうとやや長いんだと思う。2020年日経新春杯では3Fをスムースに押し切って1着だった、平坦コースで上手くスピードに載せられた。2020年日経賞ではL5から11秒台に入るロンスパ戦を外から2着しているので、持続力の高さを見せた。2020年天皇賞(春)ではL4から11秒台に入る4F戦で凡走、特にL2からスピードで見劣った。 2021年AJCCではL1までジリジリ伸びているので持続力は見せている。2021年大阪杯では重馬場で3コーナー手前でコントレイルに続き上がって行き、直線スムースにバテ差しを極めて2着と持続力の高さを見せた。

<そのほかについて>この馬は非ノーザンF生産馬で休み明けは良くない、セントライト記念では後方から全く反応しなかった。2020年日経賞では直線でミッキースワローに寄られる不利があったが、パワーと持続力の高さを見せて2着を確保した。2020年の天皇賞(春)でL4からの4F戦を凡走した、L2の手前まですぐ前のスティッフェリオに付いて行ったが、L2で明確にトップスピードで見劣り差されている。L1でバテたのではなくL2からのトップスピードを持続する能力で見劣っているので、4F戦は1F長いはずだし軽い高速馬場も合わない可能性が高い。道悪適性を見せたのが2020年宝塚記念で、稍重表記だが重馬場並みの馬場で消耗戦、これを中段やや後ろで溜めて溜めて3着だった。4コーナーでクロノジェネシスとキセキの上昇に対応できなかったのは印象悪いが、直線でサートゥルナーリアを競り落としたのは持続力の高さだと思う。

2020年有馬記念では後方から凡走、この時は裂傷の影響で休み明け、仕上がっていなかった。2021年AJCCでは5着、馬場状態と展開的には良かったが、調教タイムからも完調ではなったはず。2021年京都記念では後方から伸びずに凡走、良馬場ではトップスピードの質が決定的に足りないことを見せた。加えて向正面でジナンボーが上がったのを、見送って動かなかったことは三浦騎手の大きなミスだと思う。2021年大阪杯では重馬場で11秒台前半のラップを求められなかったことで、持続力を生かせた。3コーナー手前で上がって行った池添騎手の好判断。

好材料は距離適性で、2400mは日経新春杯1着、高雄特別1着と好相性。悪材料はコース適性で、阪神外回りは良馬場だと上がり33秒台が普通に出る、しかも開幕週なのでトップスピードの質で見劣る可能性が高い。

適性:梅

<ロードマイウェイ>・心肺機能は低く、パワーはも高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年国分寺特別”ではスローバランスを3番手で中段の前から、直線中目からスムースに伸びて1着、まぁまぁのトップスピードの質と高い持続力を見せた。”2019年八ヶ岳特別”では平均バランスを逃げて圧勝、3F戦に持ち込んで折り合いもしっかり。”2019年長岡S”ではスローバランスを3番手先行、直線中目からスムースに伸びて圧勝、ただトップスピードの質はまぁまぁのレベル。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、自身ややハイペースバランスくらい、追い出しがやや遅くサトノアーサーに迫られたが押し切って1着。”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線外からスムースに伸びて1着、トップスピードの質と持続力の高さを見せた。”2020年金鯱賞”ではスローバランスをスタート出遅れて後方から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が休み明け。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年大阪城S”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2021年福島民報杯”では不良馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線早々に一杯になり凡走。”2021年メイS”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年関越S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「京都大賞典へ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険、距離適性。

若駒Sで大きく負けてしまいクラシック路線には乗れなかったが、2019年の春を休んだことで成長した感じ。国分寺特別から3連勝でOP入りしたその足でOPもあっさりと勝ってしまった、この時の2着がサトノアーサーなので重賞でも目途を立てたと見て良いと思う。

スタートが安定したことで先行出来るようになり、しっかり勝ち切れるようになった。国分寺特別で3番手先行から圧勝、八ヶ岳特別では逃げて圧勝と折り合いもしっかりと付いたので、展開の幅が広がったのは1着以上の収穫だったと思う。ただ2019年長岡Sを勝ったが直線のトップスピードの質ではまぁまぁの部類であることを見せたので、トップスピードの質を問われる展開では凡走の危険は常にはらんでいる。走っている時の体の使い方、特に前脚が非常に柔らかいので距離延長はむしろ歓迎だと思う。2019年チャレンジCではスローバランスを中段の後ろから進めて、3,4コーナー外を回しての捲り追い込みに行き1着、トップスピードの質と持続力の高さを見せたし、直線スムースだったことが好走要因。2020年金鯱賞ではスタート出遅れて後方から、超スローバランスになり伸びずに凡走、この時が休み明け。2020年大阪杯ではスタート自体は出たが2歩目でバランスを崩してしまい後方から、これで勝負権が無くなり凡走した。ゲート内でもソワソワしていたのでスタート不安は解消されていない。

2020年ポートアイランドSでは6カ月ぶりで凡走、直線全く伸びなかったので休み明けは良くない。2020年キャピタルSではややハイペースバランスを後方からバテ差し2着、中緩みの無い展開だったが自身は中段の後ろからでスローバランスだったはず、スパッと切れる瞬発力は見せていないが、L1まで減速率の低い持続力の高さを見せた。2020年京都金杯(中京)ではスタートで躓いたし、向う正面でスマートオーディンに内に切れ込まれて大きくブレーキするなど、チグハグな競馬だった。加えてプラス10kgと過去最高馬体重だったことも影響したはず。

2021年東京新聞杯ではスムースだったが凡走、この時は調教で舌を出していて体調の問題かも。2021年大阪城Sではスタート良かったがなぜか下げてしまい中段のやや後ろから、スローバランスにもかかわらず下げてしまった騎手のペース認識の悪さに足を引っ張られた。L1までジリジリ着たので持続力は見せたが、キレッキレのトップスピードの質は持っていない。2021年福島民報杯では不良馬場でハイペースバラン、出ムチを入れて先行したが直線入り口で一杯になった。不良馬場の影響もあったとは思うが、心肺機能が低下している可能性が高い。2021年メイSでは中段の後ろから、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走した。2021年関越Sでは中段の後ろから、スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。

この馬はケイアイファーム生産馬で休み明けが良くない、2020年金鯱賞、2020年ポートアイランドSが休み明けで凡走している。杉山厩舎所属で、仕上げの不安は付き纏う、そもそも休み明けで仕上げ切れないことは外厩の責任も大きいが、1流厩舎なら早目に入厩させて仕上げるはずだし、京都金杯でプラス10kgだったことも仕上げ不安を感じさせる。大阪杯でもスタートでバランスを崩したし、スムースなレースが出来ないと脆い。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、チャレンジCを勝って以降はOPで2着があるだけ、不運なところもあるが後方からだと届かないレースが続いている。距離適性も不安材料で、曾祖母がシンコウラブリーで近親にも長いところで良い馬が居ない。

適性:梅