2021年毎日王冠 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ラストドラフト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。  

“新馬戦”ではスローバランスを中段の内から、直線前が壁になり抜け出すのに手間取ったが何とか1着、トップスピードの質と瞬発力で見劣り。”京成杯”ではスローバランスを2番手から、出し抜けないが坂で粘って1着。”弥生賞”では重馬場の平均バランスを逃げて凡走、前半消耗した感じ。”皐月賞”では平均バランスを中段から、終始中目を回して直線はジリジリまでで7着、平均バランスだが上位には楽なペースの割に伸びがイマイチ。”2019年オクトーバーS”ではスローバランスを後方から、直線は外からスムースだったが伸びずに凡走、この時が休み明け。”2019年中日新聞杯”ではスローバランスを中段から、直線入り口で一瞬待たされたがL1で抜け出し2着。”2020年AJCC”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外を回してアクシデントの影響は最小限、直線外からスムースだったが3着まで。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びたが5着まで、ポジションが後ろになってトップスピードの質で見劣った。”2020年ケフェウスS”ではややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時休み明け。”アルゼンチン共和国杯”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて3着。”2021年日経賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「毎日王冠へ向けて」好材料:なし。 悪材料:休み明け。

新馬戦では中段から差して1着だが、京成杯では2番手から先行して抜け出し、中山の急坂をしっかり登って一着だった、パワーと持続力の高さを見せているがトップスピードの質はあまり期待できない。 弥生賞では重馬場を逃げたが直線でいっぱいになってしまい凡走、重馬場が合わなかった可能性が高い。皐月賞では平均バランスを中段から進めたが、直線では伸びがイマイチで7着に終わっている。この時は平均バランスだが上位の馬には楽な流れで、同じ位置から直線に入ったサートゥルナーリアにはトップスピードの質、瞬発力、持続力で大きく見劣った。

2019年オクトーバーSではスローバランスを後方からになり全く勝負にならなかった、前残りの展開だったことで 展開が噛み合わなかったこともあるが、そもそもこのクラスで通用しない可能性もある。この時は休み明けで本来の力を出せなかったのかも・・・、この馬は社台F生産馬なので休み明けは良くない。2019年中日新聞杯ではスローバランスを中段から、直線入り口で待たされてしまったが、前が空いてから抜け出しまぁまぁの瞬発力とまぁまぁのトップスピード、高い持続力を見せた。流石にトップスピードの質では見劣ったがマーフィー騎手騎乗で新味を見せた。2020年AJCCでは4コーナーでアクシデントの影響がややあったが、直線外から3着まで、稍重だったこともあるがトップスピードの質では見劣り2着からは離されている。2020年金鯱賞では中段のやや後ろから、内枠でスタートも良かったがなぜか中段の後ろまで下げる謎騎乗、超スローバランスを動かずトップスピードの質で見劣り5着まで。トップスピードの質は低いが持続力の高さは見せた。

2020年ケフェウスSでは中段の前から進め直線スムースだったが伸びなかった、この時は6カ月の休み明けの影響が出た。2020年アルゼンチン共和国杯では中段から、直線しっかり伸びて2着と好走、休み明け2走目で走り頃だった。2021年AJCCでは休み明けで3着、この時は不良馬場でトップスピードの質が問われなかったので、今後も休み明けでもトップスピードの質が問われなければ嫌う必要はない。2021年日経賞ではスタート出たがなぜか下げてしまい後方から、当然伸びずに凡走した。

好材料はなし、悪材料は休み明けで、この馬は社台F生産馬で休み明けだとトップスピードの質が落ちる。オクトーバーSで1番人気を裏切ったし、ケフェウスSでは平均バランスで先行したが、それでも後ろからあっさり交わされてしまったので、休み明けは良くないですね。

適性:梅

<ヴァンドギャルド>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”東スポ杯2歳S”ではスローバランスを中段から、終始中目を回して直線中目からやや前が壁になったが外に出して伸び3着、同じ位置にいたニシノデイジーには瞬発力で見劣り。”2019年ホープフルS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線進路を塞がれて6着まで。”2019年きさらぎ賞”ではややスローバランスを離れた追走集団のやや前から、終始スムースだったが直線は伸びずに凡走、この時休み明け。”毎日杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで、トップスピードの質が足りない。”アーリントンC”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年阪神1勝クラス”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回して直線スムースに抜け出して圧勝、この時は休み明けで前半掛かっていた。”2019年三年坂特別”では稍重で平均バランスを中段やや前から、終始馬群の中から進めて直線はスムースに抜け出し圧勝。”2019年ウェルカムS”では重馬場でハイペースバランスを中段から、終始外を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年東京新聞杯”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段から、終始最内を進めて直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年マイラーズC”ではスローバランスをやや離れた追走集団の後方から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに伸びて3着まで。”2020年安田記念”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年富士S”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて1着。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず6着まで。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。

「毎日王冠へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:休み明け。

2歳時の東スポ杯でまぁまぁのトップスピードの質と持続力の高さを見せたが、1着ニシノデイジーには瞬発力ではっきりと見劣った。ホープフルSでは直線大きな不利があったので度外視て良いと思う。問題はきさらぎ賞でスローバランスを離れた追走集団のやや前からで、直線は1着ダノンチェイサーだけでなく最後方に居たタガノディアマンテにもトップスピードの質と持続力で見劣った、この時が2カ月の間隔開けで非ノーザンF生産馬の弱さが出た。毎日杯ではトップスピードの質で見劣り届かず、続くアーリントンCでは前半かなり掛かってバランスも崩してしまい、ミルコが立て直したがレースにならなかった。

夏を挟んで初の古馬混合戦阪神1勝クラスを圧勝する、この時は休み明けで前半かなり掛かっていたが、レベルの違いを見せつける格好だった。ただ当日は超高速馬場で9R野分特別では1着ゴータイミングが1:44.7、上り3F32.6なので内容的には高評価までは出来ない。2019年三年坂特別では稍重で馬群の中から進めたこともあり掛からなかった、上り3Fも34.3で圧勝しているのでキレッキレのトップスピードの質はないと思う。2019年ウェルカムSでは重馬場でハイペースバランスを中段から、道悪で折り合いが付いたようで掛かってはいなかった。これで外から差し切っているのでパワーと心肺機能、持続力の高さは見せている。良馬場では掛かる可能性がある。

2020年東京新聞杯ではスタートで出遅れてしまいリカバリーして中段から、終始最内を回して直線外に出したが伸びなかった、トップスピードの質で見劣ったことが凡走原因だが、休み明けだったことも一因だと思う。2020年マイラーズCではスタートで出遅れ後方から、前走も出遅れているので改善の兆しが見られない。直線は大外から伸びてはきたが3着までで、相手と展開を考えると今後に大きな不安を残した。2020年安田記念ではスタート決めて中段からだったが、平均バランスだった為か直線での伸びがイマイチだった、クラス負けの可能性もある。

2020年富士Sでは中段から差し切り、良馬場だったが重い馬場で適性がドンピシャだった。この日は9RのアイビーSで1,3着がサドラーズウェルズの血を持っていたので、同じくサドラーズウェルズの血を持つこの馬にぴったりだった。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスを中段のやや後ろから、直線スムースだったが届かず。このペースでは届かないのは仕方ないので、馬場状態も合わなかった。2021年東京新聞杯では中段のやや前から、一本調子のペースで持続力が活きて4着、休み明けの分だけトップスピードの質で見劣った感じで、府中マイルへの適性を見せた。

好材料はコース適性で、府中1800mは重馬場のウェルカムSで1着、東スポ杯2歳S3着、富士Sがマイルだが快勝しているのでコース適性は良い。悪材料は休み明けで、この馬は社台F生産馬なので、休み明けがピリッとしないことがある。2021年東京新聞杯が4着に取りこぼしたし、2020年マイラーズCも3着、2020年東京新聞杯も6着なので、休み明けは大きな不安材料。高速馬場でキレる末脚を使うイメージがない事も不安で、安田記念も10着に敗れているので、良馬場だと不安が増す。前走はドバイで2着だったがメイダンは洋芝なので、トップスピードの質が問われずに、持続力勝負になっていたはず。福永騎手が乗るのは好材料ですね、あとは展開次第かな~。

適性:竹

<ヴェロックス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く持続力は高い。

”東スポ杯”ではスローバランスを中段から、直線で一発寄られてバランスを崩すがジリジリ伸びて4着まで。”若駒S”では平均バランスを中段から、3F戦を押し切り。”若葉S”ではスローバランスを3番手から3F戦で圧勝、この時の2着がワールドプレミア。皐月賞では平均バランスを中段やや前から、3F戦に持ち込み2着、直線やや接触があった。”ダービー”では離れた追走集団の中段から実質スローバランス、4コーナー外を回してジリジリ伸びたが3着まで。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、直線はトップスピードの質で見劣り2着。”菊花賞”ではスローバランスを中段から、 直線スムースだったが先にワールドプレミアに抜け出され、後ろからサトノルークスに刺されて3着。”2019年有馬記念”では離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線入り口では一杯になってしまい凡走。”2020年小倉大賞典”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。”2020年中日新聞杯”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年日経新春杯(中京)”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年エプソムC”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びたが4着まで。”2021年小倉記念”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線入り口で一杯になり凡走。

「毎日王冠へ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

皐月賞、ダービーを見てもトップスピードの質ではサートゥルナーリアに分がある、皐月賞においてサートゥルナーリアは4コーナーでヴェロックスの1頭分外を回しているので、コースロスがあったにもかかわらず差されてしまった、内からダノンキングリーにも来られて、こちらはハナ差抑えたが、ダノンは直線入り口で待たされているので、ダノンにもトップスピードの質では見劣ると思う。これまで6戦して上がり33秒台を使ったことが無いので、キレッキレのトップスピード勝負では分が悪いと思う。

この馬の武器は心肺機能の高さと持続力で、これは若駒Sで見せたし、皐月賞でも見せた、3F戦よりはもう少し長く脚を使ったは方が良いはず。この馬に付き纏う不安は疲労でしょうね、ジャスタウェイ産駒なのでハーツ系ですから、疲労には弱いはず。2カ月の間隔開けだった若葉Sを快勝後に、GⅠで連続好走したが着順は落してしまった。休み明けから走るのは分かっているので、ストレスのないフレッシュな状態でこそ狙い目でしょう。 

改めてトップスピードの質が高くないことを見せてしまったのが神戸新聞杯で、スローバランスを中段から進めてサートルナーリアの末脚に完全に見見劣った。この時は川田騎手もサートゥルナーリアとの力関係を計るような騎乗だった。続く菊花賞ではさすがに距離が長すぎて息がもたなかった感じ、それでも3着には粘っているのでこの世代のトップクラスに入ることは間違いないと思う。2019年有馬記念では離れた追走集団の中段からで自身ややハイペースバランスくらい、L2の手前からスピード負けした感じで凡走してしまった。この時が休み明け3走目で疲労の影響もあったかもしれない。

2020年小倉大賞典では9着に凡走、不利もなく平均バランスを中段からで心肺機能も問われていない、4コーナーで手応えが怪しくなっているので、体調の問題かも。2020年中日新聞杯ではスローバランスを中段やや前から、直線スムースだったが差せずに差されて3着、元々トップスピードの質は評価できなかったが、このメンバーで差せなかったのは印象が悪い。2021年日経新春杯では中段の前からスムースだったが凡走、1着ショウリュウイクゾのすぐ内に居たので、展開を敗因には出来ない。2021年エプソムCでは中段の内からロスなく乗って4着、L2ではトップスピードの質で見劣っている。2021年小倉記念では中段のやや前から、このレースはスローからの5F戦になっていて、L5から11秒台の前半に入った、これで直線入り口L2区間で一杯になってしまったので、持続力も落ちてきた感じがある。

2019年有馬記念以降は中日新聞杯で3着がやっとという成績で、3冠レースで全て3着以内に入った馬とは思えない走りっぷり。これは想像だが、この馬はジャスタウェイ産駒でハーツクライ系、ジャスタウェイ自身がそうだったように晩成型の産駒が多い。このことを考えるとヴェロックスは2,3歳時に使い過ぎてしまったのではないか、ダノンキングリーとサートゥルナーリアもGⅠは勝っていないが、2,3着はあるので3歳時の能力から古馬になって通用しないとは思えない。人間でもスーパー中学生などと言われて、高校大学社会人で鳴かず飛ばずというのはあるので、燃え尽きてしまったのかも。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、前走もローカルGⅢで勝負にならなかった。2走前のエプソムCで4着と復活かと思われたが、このレースはL1が12.4迄落ちているので、バテ差す形で伸びただけ。中段からトップスピードの質で伸びてきたのではなく、持続力で伸びてきただけなのでコース適性は良くないと思う。特に毎日王冠はスローからの3F戦になりやすく、差しに回ればキレッキレのトップスピードの質が問われる、かと言ってここで逃げの手に出るとも思えず、難しいレースになりそう。

適性:梅