2022年中山記念 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ソッサスブレイ>・心肺機能は不明、パワーは不明、瞬発力は低い。  

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
2021年AJCC 16着 不良馬場でスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。この時は休み明けでプラス16㎏。
2021年メイS 13着 ややスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。この時は休み明けでマイナス16㎏。
2021年巴賞 6着 スローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線若干狭くなり伸びずに凡走。
2021年関越S 3着 スローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて3着。4F戦になって持続力の高さを見せた。
2021年関屋記念 13着 平均バランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年オールカマー 12着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年ディセンバーS 3着 スローバランスを3,4番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。前残りで恵まれた。
2022年AJCC 13着 スローバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。先捲りに行く謎騎乗。
総評
2021年AJCCでは3コーナー手前で12秒台前半に対応できなかった。続くメイSも休み明けで、今度はマイナス16㎏、これで先行してL2で一杯になっているので、レース内容ではなく厩舎の能力不足を見せている。2021年巴賞では直線若干狭くなってからの再加速で見劣ったので、瞬発力は低そう。2021年関越Sではスローからの4F戦、これを中段から3着に伸びてきたので持続力の高さは見せたが、外からサトノウィザードに差されているので、トップスピードの質はやや高いというレベル。

2021年関屋記念では後方から伸びずに凡走、トップスピードの質で見劣り。2021年オールカマーでは中段の後ろから、全く伸びなかったのでクラス負け。2021年ディセンバーSではスローバランスを先行、内・前優位で先行したことで3着に好走したが、直線スムースの割に差せずに差されているので、先行するとトップスピードの質が鈍ってしまう。2022年AJCCでは先行から先捲りに行って凡走、中緩みのない消耗戦を先に動く謎騎乗だった。

「中山記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性でディセンバーSで同コース3着、ただ相手がやや弱い。関越Sでも3着に激走しているので、距離適性は良いはず。悪材料はクラス負けの危険で、GⅡでは全くレースになっていないし、関屋記念も凡走なのでこのクラスでは苦しい。

適性:梅

<ダノンザキッド>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力はやや高い。

・トップスピードの質は高い、持続力はやや高い。

”新馬戦”では稍重でややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”東スポ杯2歳S”ではスローバランスをやや離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”ホープフルS”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに抜け出し1着。”弥生賞”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”皐月賞”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線早々に一杯になって凡走。”2021年富士S”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。”2021年マイルCS”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線一瞬狭くなったが伸びて3着。

「中山記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:休み明け。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>新馬戦では阪神のL1でもしっかり粘って圧勝したし、東スポ杯2歳SでもL2の坂で恐らく10秒台に入っているので、パワーは十分にある。ホープフルSではL1の坂でしっかり伸びているのでパワーは十分にある。

<瞬発力について>東スポ杯2歳SでL2が10秒台のはず、1秒くらいの加速をしているので瞬発力はやや高い。

<トップスピードの質について>新馬戦でも中段のやや前からで直線圧勝、稍重でL2が自身11.0くらいのはず、かなりのトップスピードの質を見せた。東スポ杯2歳SでもL2は10秒台に入っているはずで、ここでもトップスピードの質は見せた。2021年マイルCSではL2の10秒台にしっかり対応しているので、トップスピードの質は見せた。

<持続力について>新馬戦では稍重で3F戦、L1が12.0だがここでは既に勝負が決まっていて流しているので、まともに追っていれば11秒台は楽に出ていたはず。東スポ杯2歳SでもL1でタイトルホルダーを引き離しているので、やや高いと思う。ホープフルSではL1の坂上でオーソクレースを突き放し、高い持続力を見せた。

<その他について>まず新馬戦で2着に下したワンダフルタウンが、京都2歳Sを快勝したので、新馬戦としてはレベルが高いと思う、これを圧勝しているのでこの馬のポテンシャルは相当だと思う。1点気になったのが直線入り口で内へ切り込んでしまったこと、制裁は受けなかったが内のダンツテリオスが内ラチに激突しているので、これは印象が悪いし右回りの不安は残る。2走目のレース選択が好印象で、東スポ杯2歳Sを選択してきた。当然皐月賞やダービーを見据えての輸送経験が目的で、休み明けプラス24㎏だったが負ける気はなかったはず。この辺りの厩舎の使い方には相当な期待を感じる。

弥生賞では休み明けで3着に取りこぼし、この時はゼッケンの下に汗が目立っていたので、前哨戦で仕上げ切っていなかった可能性がある。皐月賞ではパドックでも落ち着きがなく、ゲート裏では汗びっしょりで走れる状態ではなかった。2021年富士Sでは骨折休養明けでプラス22㎏、4着なのでマイル適性は見せたが、さすがに絞り切れていなかった。折り合いはついていたので外枠でも不安はない。

ダービー前に骨折。

好材料はコース適性で、ホープフルS1着、弥生賞3着と中山コース相性が良い。悪材料は休み明けで、この馬はノーザンF生産馬なので意外だが、弥生賞では汗びっしょりで仕上がっていなかった感じだし、富士Sでは骨折明けだがプラス22㎏で、ここでも仕上げていない感じだった。これは厩舎の方針なのか分からないが、本番はここではないので仕上げてくるかどうかが大きな不安材料。

適性:竹+

<トーラスジェミニ>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2020年中山2勝クラス”ではややハイペースバランスを逃げて押し切り。”2020年節分S”ではスローバランスを逃げて凡走。”2020年但馬S”ではスローバランスを2番手から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着。”2020年幕張S”ではハイペースバランスを逃げて押し切り。”2020年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを逃げて3着。”2020年巴賞”ではスローバランスを逃げ切り。”2020年函館記念”では平均バランスを逃げて4着。”2020年札幌記念”ではスローバランスを逃げて凡走。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを逃げて凡走、良馬場並みのハイペースで自滅した。”2020年福島記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線早々に一杯になり凡走。”2020年ディセンバーS”ではスローバランスを逃げ切り。”2021年小倉大賞典”ではややハイペースバランスを逃げて凡走。”2021年東風S”では重馬場でハイペースバランスを逃げ切り。”2021年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年安田記念”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”2021年札幌記念”では平均バランスを逃げて凡走。”2021年毎日王冠”では平均バランスを逃げて凡走。”2022年京都金杯”ではややハイペースバランスをやや離れた中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。“2022年東京新聞杯”では平均バランスを逃げて凡走。

「中山記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:近走の不振。

<心肺機能について>勝った2019年中山2勝クラスがややハイペースバランス、現状でこの馬のベストレースと言ってよい幕張Sがハイペースバランスで押し切っている。かなり高い心肺機能を見せていて、十分武器になると思う。2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを逃げて3着、改めて心肺機能の高さを見せた。2020年函館記念でも平均バランスを逃げて4着、先行馬の中では唯一掲示板に残っているので、ここでも心肺機能の高さを見せた。2020年毎日王冠では稍重にもかかわらず、良馬場並みのハイペースで逃げてしまいさすがに凡走した。2021年ディセンバーSではスローからの後半5F戦に持ち込み逃げ切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。2021年七夕賞では稍重でハイペースバランスを2番手先行で押し切り、心肺機能の高さを見せた。

<パワーについて>中山2勝クラス、幕張Sと中山の坂をものともしないで押し切っているので、高いパワーを見せた。2021年東風Sではハイペースバランスを逃げ切り、この時は58㎏のトップハンデで1㎏軽いボンセルヴィーソをクビ差抑えたのは好印象。

<瞬発力について>2021年毎日王冠では中緩みを作ってしまい凡走、一旦緩めると再加速をしてくれない感じ。

<トップスピードの質について>ハッキリ低い、スローバランスで逃げた節分S、スローバランスを容認して2番手から進めた但馬Sで凡走している。トップスピードの質で勝負する馬ではない。面白いのが2020年巴賞で、この時は前半800m49.1、後半800m46.9とかなりのスローバランスを逃げ切り、この展開ならば通常ならばトップスピードの質で見劣るはずだが、L5から11秒台に入れてL1まで11秒台で踏ん張っている、トップスピードの質を補うにはこれが正解かもしれない。2021年小倉大賞典ではややハイペースバランスを逃げて凡走、この時は高速馬場だったが4F目、5F目で11.3を踏んでしまったので、トップスピードの質と言うかAT値を超えてしまった感じ。2021年毎日王冠では平均バランスを逃げて凡走、中緩みを作ってしまい3F戦にした騎手が大問題。

<持続力について>幕張Sが非常に良い内容でL1で12.7まで落しているが、2着アラガスをしっかりと押さえ切ったし、中山2勝クラスでもL1が12.4だが終始11秒台のラップを踏んで押し切るなど、高い持続力を見せている。2020年巴賞で5F戦を11秒台連発で逃げ切っているので、改めて持続力の高さを見せた。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の前からで自身スローバランス、L5から11秒台に入っていて直線早々に一杯になっているので、距離の可能性が高い。2021年安田記念ではスローバランスを2番手から、持続力は見せたがトップスピードの質では見劣り。

<その他について>まずダービー卿CTの敗因だが、恐らく使い詰めの疲労だと思う。何しろ使い方がめちゃくちゃで動物愛護団体に糾弾されそう。2歳7月にデビューして6カ月で9戦も走らせ、これが祟ったか1年の休養を余儀なくされる、まぁこの間にもダービーに登録していたようなので、馬のことなど全く考えていない感じ。復帰したのが2019年秋で、ここからまたもや懲りずに使い続ける。5カ月で7走も使ってダービー卿CTで凡走と、まぁ当然と言えば当然の凡走だった。2020年エプソムCで不良馬場をハイペースにして3着に粘った、心肺機能は見せていたが道悪適性も見せた。

2020年函館記念ではL1で失速しているので、平均バランスでは2000mは1F長いかもしれない。2020年札幌記念ではスローからの4F戦を逃げたが、L1で一杯になっている、決して苦手な展開ではなかったが、ここまで失速したのは使い詰めの影響だと思う。2020年福島記念でも休みなく使われて逃げて凡走、一緒に逃げていたテリトーリアルが3着なので、疲労の影響は大きいはず。2021年ダービー卿CTではトップハンデの57㎏で凡走。2021年札幌記念ではL4で反応が悪く凡走した、使い詰めの反動が出た感じ。

2022年京都金杯の負け方から、前半が速くなると苦しくなる傾向が見られる。前後半のバランスでハイペースバランスが悪い訳ではなく、単純に前半800mを46秒台前半よりも速いと苦しくなる感じ。なので前半ゆったり入って、後半も時計の掛かる時に激走しそう。2022年東京新聞杯では前半46.4で凡走。

好材料はコース適性で、ディセンバーSで1着、東風Sも勝っているので中山は好相性で良いと思う。悪材料は近走の不振で、昨年の札幌記念から二桁着順で、全く勝負になっていない。展開的にもパンサラッサが居るので、前半が遅くなることはないと思うので、道悪待ちですね。

適性:梅