2022年AJCC 回顧。消耗戦になり後方勢の出番に。

走破時計2:12.7    前半1000m61.2   上がり3F 35.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、当日の含水率とクッション値を確認できませんでしたが、走破時計からは標準的な良馬場ですね。5Rの3歳未勝利戦のL2が11.7、6Rの新馬戦でもL2が11.6なので、結構軽い馬場になっていますね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年セントライト記念のグラフです。

グラフからも中緩みのない消耗戦になっていますね、これで後方で脚を溜めたキングオブコージとマイネルファンロンに展開が向きました。逃げたのはキャッスルトップの仲野騎手、地方競馬の騎手で馬も芝が初めてなのでペースが速過ぎましたね。前後半1000mで見ると61.2-59.4なのでスローバランスですが、それでもキャッスルトップは3コーナーで一杯でした。おそらくL5から11秒台に入ってスピード負けしたんでしょうね。問題は2番手に居たダンビュライト松若騎手ですね、松若騎手の場合は再三ペース認識の悪さを見せている、昨年の京都大賞典でもとんでもない消耗戦で凡走しているので、松若騎手が前に居る時は展開予想が難解になりますね。

L5から11秒台に入った要因はソッサスブレイの柴田大騎手ですね、内から3頭目を先頭に並びかけました。ここで動く意味が分からないですね、この1つ前のハロンラップは12.1なので決して遅い訳ではない、にも拘らず動いてしまうのは何なんでしょうね。3コーナーでのクレッシェンドラブとボッケリーニの位置を見て欲しいのですが、向正面では並んでいたのですが、ここでボッケリーニは下げて行くんですね。4コーナーではクレッシェンドラブの後ろに居て、ボッケリーニは一旦息を入れているんですね。これが3着に残った大きな理由でしょうね。

1番人気のオーソクレースはL5からのペースアップに付き合っていました、外からスマイルに来られてしまったので、併せる形で上がりましたが苦しくなりましたね。スマイルを先に行かせるにはタイミング的に遅かったので、この判断は責められませんね。オーソクレースのすぐ後ろに居たポタジェは、この地点で下げて行きました、ただ結果的には届かず5着ですからどうにもならない状況でしたね。

逃げたのはキャッスルトップ、2番手にダンビュライト、3番手にソッサスブレイ。中段の前からクレッシェンドラブ、ボッケリーニ、中段のやや前からオーソクレース、ポタジェ。中段からエヒト、ラストドラフト、スマイル、中段のやや後ろからアンティシペイト。中段の後ろからマイネルファンロン、後方からキングオブコージ、ポツンとアサマノイタズラという並びでした。

隊列としてはほぼ予想通りでしたが、キャッスルトップのペースにダンビュライトの松若騎手が付き合いましたね、この2頭は下位に沈んでいるので前半も速かったし、中緩みを作らなかったことはペース認識の悪さですね。キャッスルトップの仲野騎手は地方の騎手ですし、キャッスルトップも初芝なので、松若騎手は速いと思えば行かせて、間隔を空けて第2先行で良いと思うのですが。

スタート決めたオーソクレースが中段のやや前、そのすぐ後ろにポタジェでした。更にその後ろにラストドラフトで、この3頭はここから動く理由がない、良い位置取りでしたね。ボッケリーニは中段の前でスムース、4枠の2頭が下げてくれたので内目に入れたことは大きかったですね。1,2着のキングオブコージとマイネルファンロンは後ろから、キングオブコージはスタートで伸びあがってしまい、最後方からアサマノイタズラを交わして後方2番手。マイネルファンロンは外からスタート良く出て下げて行きました。

4コーナーです、3コーナーでキャッスルトップが一杯になりダンビュライトが先頭、謎な追い出しを掛けたソッサスブレイは、L2標識手前で失速して下げてしまいました。オーソクレースが先頭に並びかけ、その外にスマイルが上がってきます。2列目はクレッシェンドラブ、下がったソッサスブレイ、オーソクレースを追いかけたラストドラフトで、その外に先に動いたマイネルファンロンが並びかけていました。

マイネルファンロンを目標に上がってきたキングオブコージが外からスムース、この内に居たのがポタジェとボッケリーニですね。この2頭は3コーナー手前からジワっと下げてこの位置でした。ボッケリーニはここからクレッシェンドラブの内を通して、直線入り口ではスルッと先頭に並びかけました。アサマノイタズラはキングオブコージのさらに外を回したので、かなりの距離ロスがありましたね。

直線L1標識付近です、ボッケリーニが内から上がって先頭列、オーソクレースが粘りますがここで一杯、マイネルファンロンが外から差してきて、これを目標にキングオブコージが差し切ります。アサマノイタズラはスムースでしたが、初手の位置取りがポツンで後ろ過ぎたうえに、4コーナーで大外を回すロスがあり届かず。ポタジェは3コーナー過ぎから一旦下げてしまったので、再加速に手間取った感じがありましたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はキングオブコージ、骨折休養明け3走目で前走からマイナス8㎏、体調面は準備万端でしたね。前走は外枠から前に行きましたが、今回はスタートで伸びあがったこともあり後方から、これが良かったですね。前走のように前に行っていたらこの好走はなかったはず、なので展開が嵌りましたね。スローからの3F戦や4F戦では当然届かないと思うので、今後は展開待ちになりそうですね。

2着はマイネルファンロン、この馬も初手は後ろからでした。スタートは出ましたがジワジワ下げて行ったので、2F目の速いラップを踏まずに足を溜められましたね。新潟記念を勝った時もL1が12秒台なので、前が苦しくなって出番が回ってきました。毎日王冠で届かなかったことから、福島記念と中日新聞杯ではポジションを取って惨敗、今回は後ろから足を溜めたので展開がドンピシャでしたね。この馬も今後は展開待ちになりそうです。

3着はボッケリーニ、キングカメハメハの産駒で6歳なので、蓄積疲労によるトップスピードの低下はあるはずです。今回は11秒台の前半が問われなかったことで、パワーと持続力を生かせましたし、3コーナー辺りでジワっと下げましたが、4コーナーから直線入り口で内からスムースに抜け出せたことが大きかったですね。

4着はアサマノイタズラ、初手の位置取りだけですね。セントライト記念では最後方ではなかったので、常に前を射程に入れるポジションに居ないと届かない。この辺りが騎手の能力ですよね。4コーナーでもかなり外を回していたので、力は見せていますがこの馬も展開待ちになりそうです。ただ2200mは適性距離になりそうなことは収穫ですね。

5着はポタジェ、ボッケリーニと一緒に3コーナー辺りでジワっと下げましたね、ただそこから外目を回したこともあり、再加速に手間取った感じで届かずでした。マイネルファンロンやキングオブコージ、アサマノイタズラは外からスムースに加速していますから、一旦スピードを落としてしまうと、それに対応できるほどの瞬発力は有りませんね。チョット今回は運がなかった感じでした。

6着はオーソクレース、苦しいレースになりましたね、スタート良く中段のやや前からでしたが、中緩みがない展開で外からも来られてしまい消耗してしまいました。セントライト記念でも3着でしたし、中緩みがないと苦しくなるのかもしれませんね。ラストドラフトはプラス8㎏で過去最高馬体重、前走は騎手批判をしていた調教師ですが、この仕上げでは偉そうなことは言えないのでは?

馬券の方はハズレ、今年のテーマである買い目を減らしましたが、当たらなければ意味がないんですよね。出血が最小限で済んだので良しとします。次回は東京新聞杯の予定です。