2022年東京新聞杯 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<アオイクレアトール>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
両国特別 3着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。差せずに差されている。
2勝クラス 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。
佐渡S 16着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で失速凡走。距離適性が出た。
紅葉S 1着 平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。持続力の高さを見せた。
2021年キャピタルS 3着 ややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。トップスピードの質で見劣り。
両国特別ではスローからの3F戦で先行したが3着、前残りの展開だったが差せずに差されているので、トップスピードの質で見劣り。2勝クラスでは少頭数の中段の前から、大きな中緩みのない展開で、L2の11.0は自身の物でまぁまぁのトップスピードの質は見せた。佐渡Sでは外から中段の前、直線L1標識で失速したので、マイルまでの可能性が高い。紅葉Sでは平均バランスを2番手先行で、自身も平均バランスだったはずなので心肺機能を見せた。L1で内から抜け出しているので持続力も高い。

2021年キャピタルSではスタートで若干遅れて中段から、直線ではスムースだったがすぐ後ろに居たプリンスリターンにトップスピードの質で見劣り。ややハイペースバランスだが中緩みで12秒台に入っているので、トップスピードの質が問われてしまった。スタートの遅れは今後に不安、ゲート内でソワソワしているので、奇数馬番の内目の枠は不安が増す。

この馬は社台F生産馬だが休み明けでも走る、これはトップスピードの質で勝負するタイプではないため、休み明けでトップスピードの質が鈍っても問題にならないからだと思う。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、蓄積疲労。

好材料はコース適性で、府中マイルは3-3-1-0とまさに庭と言ってもいいレベルで好相性。悪材料はクラス負けの危険で、前走初のOPで3着、スタートでやや遅れて前に行けなかったので、展開は合わなかったがプリンスリターンにあっさり差されているので、トップスピードの質が問われると苦しいはず。この馬は社台F生産馬だが休み明けでも走るので、2カ月強の間隔だがこの点は不安が無い。キンカメ産駒で5歳なので蓄積疲労の方が不安。

適性:竹

<イルーシヴパンサー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。
アスター賞 2着 稍重で平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線待たされてから伸びて2着まで。
フリージア賞 2着 スローバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線狭い内から抜け出しかかったが差せずに2着。
スプリングS 4着 重馬場でややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。
皐月賞 10着 平均バランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
1勝クラス 1着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。持続力の高さを見せた。
鷹巣山特別 1着 稍重でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。トップスピードの質を見せた。
ノベンバーS 1着 スローバランスを少頭数の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。
総評
アスター賞では稍重で平均バランス、直線で前が壁になり外に出すのに手間取り、L1でジリジリ来たが2着まで、パワーと持続力を見せた。フリージア賞では3番手先行、直線狭い内から抜け出しそうとしたが、逃げ馬を差せずに2着まで、トップスピードの質が低いことを見せた。スプリングSでは重馬場でバテ差す形で4着、パワーと持続力は見せたがクラス負けした感じ。皐月賞では後方からで全く勝負にならず、トップスピードの質が低いことを見せた。1勝クラスではハイペースバランスを中段からで、自身はややスローくらいなので心肺機能は見せていない。中緩みのない展開でL1までしっかり伸びたので、持続力はかなり高いものを見せた。

鷹巣山特別では稍重でスローバランスを中段の後ろから、L3からの11.3で差を詰めているのでやや高いトップスピードの質は見せたし、L1で逃げ馬を捉えたので持続力も見せた。ノベンバーSでは少頭数の中段から、スローからの3F戦でL3の11.1には対応したが、ここでは抜け出していないのでトップスピードの質はやや高いまで。L1で11.7を差しているので持続力は高いものを見せた。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、休み明け。

好材料はコース適性で、府中ワンターンは庭のごとく好走歴多数、3-1-0-0なので好相性ですね。悪材料はクラス負けの危険で、条件戦を勝ち上がったばかりで初の重賞なので対応できるかどうか。前走のノベンバーSでは舌を出しながら勝ち切ったが、相手がシンボで未だに3勝クラスに居る馬、しかも2㎏貰っていたので高評価まではできないかな。この馬は追分F生産なので休み明けは若干不安、4カ月弱の間隔で鷹巣山特別を勝っているが、この時は稍重だったのでL2で10秒台を求められた時に不安が出て来る。リスグラシューが勝った年のような展開では不安だが、近3年の展開ならば期待できる。

適性:竹

<ヴェロックス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”東スポ杯”ではスローバランスを中段から、直線で一発寄られてバランスを崩すがジリジリ伸びて4着まで。”若駒S”では平均バランスを中段から、3F戦を押し切り。”若葉S”ではスローバランスを3番手から3F戦で圧勝、この時の2着がワールドプレミア。皐月賞では平均バランスを中段やや前から、3F戦に持ち込み2着、直線やや接触があった。”ダービー”では離れた追走集団の中段から実質スローバランス、4コーナー外を回してジリジリ伸びたが3着まで。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、直線はトップスピードの質で見劣り2着。”菊花賞”ではスローバランスを中段から、 直線スムースだったが先にワールドプレミアに抜け出され、後ろからサトノルークスに刺されて3着。”2019年有馬記念”では離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線入り口では一杯になってしまい凡走。”2020年小倉大賞典”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。”2020年中日新聞杯”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年日経新春杯(中京)”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年エプソムC”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びたが4着まで。”2021年小倉記念”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2021年毎日王冠”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年キャピタルS”ではややハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年京都金杯”ではややハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「東京新聞杯へ向けて」好材料:なし。 悪材料:近走の不振。

皐月賞、ダービーを見てもトップスピードの質ではサートゥルナーリアに分がある、皐月賞においてサートゥルナーリアは4コーナーでヴェロックスの1頭分外を回しているので、コースロスがあったにもかかわらず差されてしまった、内からダノンキングリーにも来られて、こちらはハナ差抑えたが、ダノンは直線入り口で待たされているので、ダノンにもトップスピードの質では見劣ると思う。これまで6戦して上がり33秒台を使ったことが無いので、キレッキレのトップスピード勝負では分が悪いと思う。

この馬の武器は心肺機能の高さと持続力で、これは若駒Sで見せたし、皐月賞でも見せた、3F戦よりはもう少し長く脚を使ったは方が良いはず。この馬に付き纏う不安は疲労でしょうね、ジャスタウェイ産駒なのでハーツ系ですから、疲労には弱いはず。2カ月の間隔開けだった若葉Sを快勝後に、GⅠで連続好走したが着順は落してしまった。休み明けから走るのは分かっているので、ストレスのないフレッシュな状態でこそ狙い目でしょう。 

改めてトップスピードの質が高くないことを見せてしまったのが神戸新聞杯で、スローバランスを中段から進めてサートルナーリアの末脚に完全に見見劣った。この時は川田騎手もサートゥルナーリアとの力関係を計るような騎乗だった。続く菊花賞ではさすがに距離が長すぎて息がもたなかった感じ、それでも3着には粘っているのでこの世代のトップクラスに入ることは間違いないと思う。2019年有馬記念では離れた追走集団の中段からで自身ややハイペースバランスくらい、L2の手前からスピード負けした感じで凡走してしまった。この時が休み明け3走目で疲労の影響もあったかもしれない。

2020年小倉大賞典では9着に凡走、不利もなく平均バランスを中段からで心肺機能も問われていない、4コーナーで手応えが怪しくなっているので、体調の問題かも。2020年中日新聞杯ではスローバランスを中段やや前から、直線スムースだったが差せずに差されて3着、元々トップスピードの質は評価できなかったが、このメンバーで差せなかったのは印象が悪い。2021年日経新春杯では中段の前からスムースだったが凡走、1着ショウリュウイクゾのすぐ内に居たので、展開を敗因には出来ない。2021年エプソムCでは中段の内からロスなく乗って4着、L2ではトップスピードの質で見劣っている。2021年小倉記念では中段のやや前から、このレースはスローからの5F戦になっていて、L5から11秒台の前半に入った、これで直線入り口L2区間で一杯になってしまったので、持続力も落ちてきた感じがある。2021年毎日王冠では平均バランスを中段のやや後ろから、中緩みからの3F戦でトップスピードの質で見劣り。

2021年キャピタルSでは中段のやや後ろから、ややハイペースバランスでL2から減速する展開にも拘わらず伸びなかった。2022年京都金杯ではL1標識までいい感じで伸びたが、そこから伸びが悪くなっているので、前を抜きたがらないのかもしれない。

2019年有馬記念以降は中日新聞杯で3着がやっとという成績で、3冠レースで全て3着以内に入った馬とは思えない走りっぷり。これは想像だが、この馬はジャスタウェイ産駒でハーツクライ系、ジャスタウェイ自身がそうだったように晩成型の産駒が多い。このことを考えるとヴェロックスは2,3歳時に使い過ぎてしまったのではないか、ダノンキングリーとサートゥルナーリアもGⅠは勝っていないが、2,3着はあるので3歳時の能力から古馬になって通用しないとは思えない。人間でもスーパー中学生などと言われて、高校大学社会人で鳴かず飛ばずというのはあるので、燃え尽きてしまったのかも。

好材料はなし、悪材料は近走の不振で大敗こそしないが勝負にはなっていない。特に不利もなく直線で自分から辞めてしまうような負け方なので、精神的なものだと復活は難しいかも。

適性:梅