2023年鳴尾記念 回顧。

走破時計1:59.1    前半1000m 59.6  上がり3F 35.6

まずは馬場状態ですが良馬場でした、金曜日1日の雨量が114.5㎜と大雨でしたが、土曜日朝の時点で重馬場に回復、4Rには稍重、9Rには良馬場に回復しました。改めて阪神芝コースの排水性の良さに驚きました。もちろんパンパンの良馬場ではなく時計からも、やや力の要る良馬場という感じでした。レースの上り3Fが35.6で、最速はヒンドゥタイムズの35.0。L3最速でL2の方が掛かっているので、直線の方が乾きが遅かった可能性がありますね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年チャレンジC、緑は2023年中山金杯のグラフです。

まずソーヴァリアントから、12着と1番人気を裏切る凡走でした。スタートも悪くなくいつものポジションでしたが、直線に入って全く反応がなくズルズル後退。4コーナーの出口まではルメール騎手は持ったままで、L3の11.5にはしっかり対応しています。ルメール騎手は距離を敗因に挙げていましたが、前走は1800mだったし、半年前のチャレンジCを圧勝していますから、これは納得いきませんね。

赤のグラフが昨年のチャレンジCで、今回の青のグラフと比べるとラップ推移の形は似ていますね。もちろん馬場状態が違うので、チャレンジCの方が速いラップでしたが、これは全馬一緒なのでこれも敗因としてはイマイチ。なので無理やり敗因を求めると、精神的なものではないかと。直線に入って自分から辞めている感じだったので、この負け方は今後に大きな不安を残しましたね。

緑のグラフはフェーングロッテンが3着に好走した今年の中山金杯、スローからの5F戦を逃げて3着に粘りました。今回との共通点としては上りが掛かっていることですね。この馬はトップスピードの質で勝負するタイプではないので、パンパンの良馬場にならなかったことも含めて、全てが噛み合った感じですね。

逃げたのはフェーングロッテンでしたが、スタート五分くらいで二の足がやや遅かった感じ。松若騎手が押して押して先手を取っているので、今後はすんなり逃げられないこともありそうですね。中段の前からマリアエレーナ、ソーヴァリアント、カラテ、中段のやや前からアドマイヤハダル、グラティアス、サトノルークスでこの6頭はスタート五分からすんなり前に行きました。中段にはスタート五分から控えたワンダフルタウン、ボッケリーニ。

スタートは五分からやや遅い位のモズベッロ、インプレス、マイネルファンロンと、スタートが遅かったスカーフェイスが中段のやや後ろ。スタート五分に出たが進んで行かなかった感じのヒンドゥタイムズが中段の後ろから。スタート遅かったディアマンミノルが後方からでした。

4コーナーです、フェーングロッテンが先頭で、マリアエレーナが半馬身位に並びかけます。その外にソーヴァリアントとボッケリーニで、この2頭も先頭列に並んできました。その後ろからカラテとアドマイヤハダル、カラテは動けない位置取りでした。中緩みが小さかったので、中段よりも後ろからの押上はなし。前でフェーングロッテンに並びかけたマリアエレーナ、ソーヴァリアント、ボッケリーニはかなりの持続力を求められましたね。特にボッケリーニは外を回していたので、距離ロスも大きかったはずです。

直線L1標識付近です、先頭から中段のやや前までの馬が団子状態のままゴールへ。カラテは前が壁になり、ソーヴァリアントは手応えが悪くなりこの辺りで脱落。これに替わってアドマイヤハダルがジワジワ上がって来ます。この辺りではマリアエレーナに前に出られたフェーングロッテンが、上り坂区間で盛り返して2着、ボッケリーニが押し切り、アドマイヤハダルが外からジリジリ伸びて3着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はボッケリーニ、初手は中段からで3コーナー過ぎから捲り追い込みでしたね、外からで距離ロスもありましたが、押し切ったのでパワーと持続力の高さを見せました。パンパンの良馬場にならなかったことと、フェーングロッテンが中緩みの小さい展開にしたことが嵌りましたね。

2着フェーングロッテン、逃げて厳しいラップにしてしっかり粘りましたね。これがこの馬の良さで、中緩みを作らなかったことが勝因でした。これで2着だとGⅠになるとやや厳しい印象です。

3着はアドマイヤハダル、3走前に長休明けから復帰して徐々に良くなってきましたね。前走OPですが2着に好走したし、今回も中段からしっかり持続力を見せました。この馬もトップスピードの質で勝負するタイプではないので、馬場状態含めて展開が嵌りましたね。

4着はワンダフルタウン、この馬は近走良くなくて二桁着順ばかり、パワーと持続力は持っているので、中段から前を交わせずに流れ込みました。後ろからの馬が速い上がりを使えない馬場でしたから、展開が嵌った印象ですね。

5着はマリアエレーナ、着差は僅差ですが印象の悪い負け方ですね。得意パターンでしたがこれで5着だと、衰えを感じるので今後は不安が大きくなります。

カラテは9着、勝負処の4コーナーから直線で前が壁になっていますね、自分のペースで走れなかったことと、前走不良馬場で激走した反動もあったかもしれません。

馬券の方はハズレ、盤石だと思ったソーヴァリアントがああいうことになり驚きました。