2019年有馬記念 予想。ストレスの抜けたサートゥルナーリア。

まずは馬場状態ですが土曜日は良馬場で行われ、11RのグレイトフルSが2:35.6とかなり遅い走破時計でした、前半からかなりのスローペースになっていたので額面通りには受け取れませんが、これでも上がり3Fが35.0もかかっているので、標準やや時時計の掛かる馬場だと思います。12Rが1勝クラスのマイル戦で1:34.0とこの時は前半800m45.4とかなりのハイペースだったので消耗戦になり後方から捲り追い込みが届きました、馬場自体は標準くらいかなという印象ですね、距離を考えれば標準からやや時計がかかるくらいと考えて良いと思います。直線の内と外ですが、11Rでは逃げたロサグラウカがそのまま押し切り、2、3着も内をスムーズに回して中段よりも前にいた馬で決まっているので、内が優位に見えますがこのレースは前半がかなり遅かったために前が優位になっただけだと思います。12Rではハイペースバランスになり後方で脚を溜めていた2頭が、3、4コーナー外を回して捲り追い込みに行って届きました、 なので内と外で有意差はないと思います。

◎スワーヴリチャード

○サートゥルナーリア

▲ワールドプレミア

△アーモンドアイ

★リスグラシュー

☆スカーレットカラー

Xヴェロックス

x フィエールマン
3連複 ②⑩=②⑥⑦⑨⑩=①②⑤⑥⑦⑨⑩⑪ 37点

逃げるのはアエロリット、内からスティッフェリオが2番手、その外にクロコスミア。中段の前を取りそうなのが内からスワーヴリチャード、ワールドプレミア、ヴェロックスという辺り、 その後ろからエタリオウ、アーモンドアイ、キセキまでが中段。中段を見る形になりそうなのが内からフィエールマン、リスグラシュー、サートゥルナーリア。後方からスカーレットカラー、レイデオロ、アルアイン、シュヴァルグランという並びを想定。

距離に不安のあるアエロリットが外枠に入ってしまったために逃げるには前半でかなり足を使うはずです、スティッフェリオはおそらくアエロリットを行かせての二番手を狙うはずなので、前半はそれほど速くならないと思います。前走のジャパンCで内枠から見事なポジション取りを見せたマーフィー騎手のスワーヴリチャードがまたもや内枠に入ったので、すんなりと中段の前を確保できそうな枠の並びです。 前走スタートが良かったワールドプレミアも後方からでは届かない可能性が高くなるので、スタートさえよければ前のポジションを取ってくると思います。外からヴェロックスも中段よりも前に行くはずでその後ろからキセキが続くと思います。キセキはムーア騎手なので逃げることはないと思いますし、道中は前に馬を置きたいはずなので中段かもしくは中段よりも後ろからになると思っています。

注目のアーモンドアイですがスタートは上手な馬なのでポンと出てしまえば中段よりも前を簡単に取ることができると思いますが、この枠だと外からも来られてしまうのでそれを嫌うようだともう少しポジションが後ろになるかもしれません。もう1頭注目の牝馬がリスグラシューで、前走のオーストラリアではあまりスタートが良くなかったので、ここでも出負けしてしまう可能性はあります。 さすがに最後方からということはないと思いますが、中段の後ろからになってしまう可能性は十分にあります。サートゥルナーリアはスミヨン騎手なので当然中段を確保するはず、前に馬を置きたい騎手なのでできれば馬群の中に入れてしまいたいと考えていると思いますが、馬群の切れ目がなければ終始外目を回されることになると思います。

4コーナーから直線入り口です、向こう正面や3コーナー入り口でも特に動きはないと思います、というのもこの枠の並びだと外から動きたい馬としてはサートゥルナーリアやリスグラシューなのですが、スミヨン騎手やレーン騎手は早目の捲りは打たないタイプなので、3コーナーまでは隊列に大きな変化はないと思います。当然3コーナー手前辺りからアエロリットがペースを引き上げるはずで、馬場状態にもよりますがこのあたりから11秒台に入ってくると思います。

直線入り口ではこのようにアエロリットのスピードがやや鈍る可能性があり、スティッフェリオがアエロリットをかわしつつ直線に入って行くと思います。もっともスティッフェリオも11秒台を連発するようなラップは苦手なので、アエロリットを交わしたとしても直線では苦しくなると思います。スティッフェリオに続きそうなのがスワーヴリチャードで、スティッフェリオ~スワーヴリチャードのラインが1頭分外を回すことで、その外にいるクロコスミア以下も内から4頭分くくらいは外に押し出されるはずです。

当然ヴェロックスよりも後ろと外にいるキセキやサートルナーリア、リスグラシューもかなり外を回されてしまうはずで、この距離ロスはかなり影響しそうです。リスグラシューは前走も3、4コーナーで大外から捲り追い込みを決めているので、 前走に引き続きレーン騎手なので同じように捲り追い込みに行くと思います。馬場は内外で有意差がないと思うので大きな不利ではないと思いますが、内からスムーズに抜け出すことができる馬がいれば足元を掬われるかもしれません。

直線L1標識付近です、アエロリットが一杯になり下がって出来たスペースにスワーヴリチャードが入ってくると思います、 これはジャパンカップの直線でも見せた動きなのでスペースさえあればマーフィー騎手はためらわずに突っ込んでくるでしょう。スワーヴリチャードは右回りでは内に刺さる癖があるので、内ラチを頼れるコース取りができればスムーズに伸びてくる可能性があります。

3コーナーから11秒台を連発された時に苦しくなるはずのスティッフェリオが下がってできるスペースがワールドプレミアにとってのビクトリーロードになると思うのですが、豊騎手の行きたい方向とスティッフェリオの下がってくる方向が重なってしまうとブレーキを踏まされることになります。直線の中目から内を狙いそうなのがスカーレットカラーで、ワールドプレミアがブレーキを踏まされてしまうと一緒に減速させられる可能性がありますが、ワールドプレミアがスムーズに抜けてしまえばそこにできたスペースをついてスワーヴリチャードと同じコースを辿りそうです。

外からの組はヴェロックスとクロコスミアがスティッフェリオを交わしに行くところ、この2頭はトップスピードの質はまずまずのものなので一気に交わせるほどではないと思います、その外からサートゥルナーリア、リスグラシュー、アーモンドアイが伸びてくる部分です。サートゥルナーリアはスミヨン騎手なので当然アーモンドアイの動きはチェックしているはず、アーモンドアイのコースを殺しながら伸びるコースを選択するはずでヴェロックスに馬体を寄せていくと思います。リスグラシューは外からどこまで伸びるか。アーモンドアイはサートゥルナーリアとの間、もしくはリスグラシューの後からのスパートになってしまう可能性もあり、コース取りが非常に難しくなりそうな直線部分です。ただし外を回す組には当然コーナーでの距離ロスがあるので、内をスムーズにまわした組と比べるとトップスピードの質と持続力についてかなり高いものを求められるはずです。この3頭についてはサートゥルナーリアの持続力にやや不安がありますが、他の2頭については全く不安がありません。 後は当日の馬場状態で外が極端に伸びないようなことがあれば、外を回す組の不発で内をスムーズに突いた組の上位独占もあるかと。

シュヴァルグランが後方で脚を溜め直線は中目からスカーレットカラーの後ろについていくようなコース取りをしそうなのは非常に怖い部分です、この馬は昨年の有馬記念でも後方から直線馬群を捌いて3着まで伸びてきているので、このこーすとは非常に相性が良いので侮れない1頭だと思います。 

では一頭ずつ見ていきます。

◎スワーヴリチャード 好材料:コース適正。悪材料:右回りの不安。栗東坂路42.3-13.2、単走持ったまま、バランス良い。1週前追い切りはタイム、反応とも良かった。

まず内枠を引けたたことで前走に引き続き中段より前を取れる可能性が高くなりました、この馬は右回りだとどうしても最後の直線で内に刺さる癖があるので、内ラチを頼れる内枠を引けたことは大きなプラス材料です。前走に引き続きマーフィー騎手が騎乗するので同じように中段やや前あたりから進めて、直線がスムーズならば十分チャンスがあると思います。このレースは内枠の方が成績が良いのでコーナーを6回まわる距離ロスもゼロにできるし、前走のジャパンCで久々の勝利を挙げてリズムも良いので1着まで期待しています。

○サートゥルナーリア 好材料:2ヶ月弱の間隔空け、前走凡走したことでストレスが抜けていること、 コース適正。悪材料:特になし。 栗東坂路37.3-12.1、単走持ったまま、バランス良い。1週前追い切りはタイム、反応とも良かった。

前走の天皇賞(秋)では神戸新聞杯激走の反動で直線投げ出すように凡走してしまいました、ロードカナロア産駒なので激走後の反動は当然の結果だと思います。今回は2ヶ月弱の間隔をあけて体調も良いはずだし、前走凡走したことでストレスも抜けている。皐月賞を勝ち切っているようにコース適性は良いし、中段から差す競馬になればスミヨン騎手は非常にうまい、阪神Cでもフィアーノロマーノでしっかりと2着は確保している。この馬は出して行っても掛かるようなことがないのでポジション取りは楽だと思う。ただ枠はどちらかといえば外目なので3、4コーナーで外を回しても伸びる馬場ならばチャンスはあると思う。

▲ワールドプレミア 好材料:斤量55㎏。悪材料:初輸送。 栗東坂路40.4-12.8、単走持ったまま、バランス良い。

このレースと菊花賞馬との相性は非常によくこの馬もディープインパクト産駒の割にキレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、小回りで直線急坂がありパワーの問われる中山コースは合っていると思う。内目の枠に入れたので前走同様中段から進められれば、コースロスなく直線を向けるはずで後は持続力とパワーでどこまで上位に食い込めるかだと思っています。休み明け3走目になるが前走からは2ヶ月の間隔を空けているので、疲労の不安は全くないし、若葉Sを2着に好走しているのでコース適性も問題ないはず。不安は関東圏への輸送が初めてのことで、牡馬なので神経質になることはないが一応不安材料としては挙げておきます。

△アーモンドアイ  好材料:2カ月弱の間隔空け。悪材料:中間の熱発の影響、初コース、初距離。美浦w、持ったまま、バランスは良い。

現役馬の中では絶対女王と言ってもいい存在なので本来ならば本命を打たなければいけないとは思いますが、初めての中山コースで初めての距離で熱発明けという不安材料を払拭できるのか、多分できると思いますが。枠の並びからもすんなり勝ちきれるほど甘くはないと見ています。前走は天皇賞(秋)を圧勝しているので当然激走後の反動はあるはずです、香港へ向けて仕上げていたはずなのでストレスが抜けているかは全く分かりません。熱発はそのストレスによるものかもしれないので調教は良かったのですがいささか不安があります。

★リスグラシュー  好材料:コース適。悪材料:海外帰りの休み明け。栗東坂路37.0-12.3、やや強め併入、バランスは良い。1週前から変わり身が無い。

アーモンドアイ同様初めての中山コース初めての距離になるのがリスグラシューで、この馬の場合はさらに海外帰りという不安材料もプラスされます。宝塚記念では海外帰りで勝ち切っていますが、香港からだったので距離が近く移動時間も短いためにそれほどストレスがかからなかった可能性があります。今回はオーストラリアからなので移動時間は長かったはずで、2ヶ月弱の間隔で体調が万全になったのかどうかは未知数です。調教の動きがあまり良くなく一週前追い切りと当週の追い切りの動きがあまり変わらないように見えました、同じようなタイムだったので徐々に良くなるというよりは現状維持の仕上げだと思います。

やや内目の枠に入ってしまったなというのが正直な印象で、 この枠では宝塚記念のように出して行って先行するというわけにはいかないと思います、中段よりもやや後ろから進めるようならば当然3、4コーナーは外を回されるはずで、距離ロスも大きくなるはず。この不利というかロスを薙ぎ払うだけの力を持っているのかどうか、引退レースですが非常に興味のある点です。

☆スカーレットカラー 好材料:コース適正。悪材料:使い詰めの疲労、距離適正。栗東w37.3-12.0、単走持ったまま、バランス良い。

1番枠と非常に良い枠を引いたなと思ったのがこの馬で、 ヴィクトワールピサの産駒なので府中牝馬Sで見せたように、溜めれば溜めるだけ爆発的な末脚を使ってきます。 前走のエリザベス女王杯では中段よりもやや前からレースを進めたことで、脚がたまらず7着に敗れていますがこの時は馬体重も+14㎏とやや太かった印象があります。この枠ならば岩田騎手も腹をくくって後方からの一発に賭けるはずで、 最後の直線でインコースが空くかどうかだけだと思います。

Xヴェロックス 好材料:斤量55㎏、コース適正。悪材料:特になし。栗東w37.9-11.3、単走やや強め、バランス良い。1週前追い切りはタイム、反応とも良かった。

非常に良くない枠に入ってしまったなと思ったのがヴェロックスで、内枠からすんなり先行できればチャンスがあると思っていただけに枠が決まった時には残念でした。ただ一週前追い切りが非常に良い動きで体調はとても良さそ動きで、あの調教を見て印を回さなければいけないと思いました。皐月賞で2着に好走しているのでコース適性は問題なく当然輸送も経験しています、引き続き川田騎手が騎乗することも好材料で、いかにロスなくレースを進められるかが課題だと思います。

x フィエールマン 好材料:・・・。悪材料:海外帰りの休み明け、騎手弱化、コース適正。美浦w38.3-11.7、強め2馬身先着、バランスは良い。

中山ではAJCCが物足りない内容で1着のシャケトラは仕方ないとしても、3着のメートルダールとの着差はわずかでした。L1の坂で失速したように見えたので坂上ゴールが苦手な可能性があります。ただ枠が非常に良いので終始最内からロスなく進めればチャンスはゼロではないと思います。

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