2020年オークス 予想。女傑誕生の予感。


今回は馬場状態の前にこのレースの気になる点を書いていきます、それはレーン騎手が当初の短期免許の予定を変更してまでオークスに参戦してきたことです。スイートピーSで騎乗したデゼルをよほど気に入ったのか、オークスを勝てるという確信を持てたのかわかりませんが、一線級との対戦がないデゼルにそこまでの信用は置けないと考えるのが普通です。例えば昨年の阪神JFできわどいレースをしていたならば、実績的にもこの時期の成長力を加味して期待ができたかもしれませんが、スイートピーSの勝ち方だけで予定を変更したというのは解せません。

そこで考えられるのがレーン騎手の焦りではないかと思っています、2019年は重賞に14回騎乗して7-0-1-6、2020年は6回騎乗して1-2-1-2です。馬券を買う側からすると2020年の方が安定しているので評価できるのですが、勝利数だけを見ると圧倒的に2019年の方が多くなっています、もちろん2019年は通年でのことなので騎乗機会も勝利数も多くて当然なのですが、昨年の今頃には新潟大賞典、京王杯SC、ヴィクトリアMとGⅠを含めて3勝しています。レーン騎手本人が今年の成績に大いに不満を持ち、また危機感を感じているとすれば、早目にGⅠを勝ちたいと焦る気持ちがあってもおかしくありません。何しろレーン君はまだ26歳です、昨年短期免許で来日してあっという間にトップジョッキーの地位を確立しましたが、26歳という年齢はまだまだ経験が足りないはずです、騎乗技術やレース戦略など競馬に必要な能力は非常に高いものを持っていますが、精神面ではどこにでもいる26歳の青年であっても全くおかしくありません。

今回短期免許の予定を変更してまでオークスに参戦している以上、大事に大事に騎乗する可能性が非常に高いと思っています。スイートピーSの内容からも末脚に賭ける騎乗が合うと思いますが、キズナが勝ったダービーのように、最後方まで下げて全馬を直線で交わせば良いという、大胆な騎乗ができるのかどうかかなり不安です。 大事に大事に騎乗してしまえば馬群の中で進めて、直線で待たされるシーンもあるかもしれません。

馬場状態ですが土曜日は良馬場でした、金曜日にぱらっと雨が降りましたが土曜日は1日晴れで、11RのメイSでは1:44.3、勝ち馬の上り3F33.3と超高速馬場と見て良いと思います。1着のアイスストームは直線内目を、3着のザダルは外目を通して伸びてきましたから、内外に差はない馬場状態で極端な前残りということもないと思います。 

◎デアリングタクト

○スマイルカナ

▲クラヴァシュドール

△デゼル 

3連複 ④=①②➇=①②➇ 3 点

3連単 ④ー①②➇ー①②➇ 6点

逃げるのはスマイルカナ、2番手にアブレイズで外からウィンマイティー、中段の前からクラヴァシュドール、インターミッション、ウインマリリン、中段からホウオウピースフル、リリーピュアハート、サンクテュエール。中段のやや後ろからリアアメリア、デアリングタクト、マジックキャッスル、中段の後ろからデゼル、ミヤマザクラ、マルターズディオサ。後方からフィオリキアリ、ウーマンズハート、チェーンオブラブとという並びを想定。

人気の2頭が内枠に入ったことで序盤は下げて外に出す位置取りをしてくると思います、この2頭はスタートが良くないので前に行くことはないはずで、下げながら外に出せる馬群の切れ目を探るような動きをしてくると思います。デアリングタクトは前に行きたい馬を行かせた後に、中団やや後ろ辺りの切れ目を狙ってくるのではないでしょうか。逆にデゼルは徹底的に内でロスなく進めるコース取りをしてくるかもしれません、デアリングタクトの前走の強烈な末脚を見れば、レーン騎手も真っ向勝負は避けたいと考えるのではないかと思います。

スマイルカナの逃げは出遅れなければかなり確率の高いものだと思います、 この馬は赤松賞やチューリップ賞で見せているように先頭に立たないと掛かってレースになりません、その辺りの事を柴田大知騎手は分かったようで、前走の桜花賞ではレシステンシア相手に逃げ体制を築きました。ここでスマイルカナのオーナーを確認すると岡田繁幸さんです、ご存知マイネル軍団の総帥なのでウインマイティーやウインマリリンはいわば身内です、内からアブレイズが二番手を伺うと思いますが、外からウィンマイティーがアブレイズを抑えるようなポジション取りをしてくるのではないでしょうか。さらにその後方でウインマリリンが中段勢を抑えるようなポジション取りをしてくると、スマイルカナのマイペース先行というのも十分に考えられます。

スタート次第でクラヴァシュドールが中段の前あたり、 スタートが良いリリーピュアハートが中段あたりを確保すると思います。 大外のサンクテュエールですがデアリングタクトを封じるような位置取りをしてくるのではないかと思います。豊騎手に乗り替わりミヤマザクラはクイーンCの福永騎手のコメント、桜花賞で中段あたりから進めて5着だったことから、後ろで脚を溜める作戦に出るかもしれません。同じく桜花賞で中団やや前から進めたマルターズディオサも、距離不安もありますが後方で脚を溜める可能性が高いと思います。

4コーナーから直線入り口です、馬群が非常に凝縮しています、これはスマイルカナが中緩みを作り後方に居た各馬が中段に取り付いてきたという部分です。スマイルカナはフェアリーS、ひいらぎ賞でL2最速戦にして勝ち切っています、距離不安もあると思いますがここでもL4までは速いラップを踏まずに、L3からじわっとスペースを引き上げL2最速戦に持ち込みたいのではないかと予想します。ここでサンクテュエールはルメール騎手なので中緩みを利用して押上、ウインマリリンの外辺りまで進出してきそうです。当然ウインマリリンはサンクテュエールに合わせるようにペースを引き上げるはずで、サンクテュエールは外を回された上にペースも引き上げなければならないという、非常に苦しいレースを強いられそうです。サンクテュエールに釣られる形で上がって行きそうなのがマルターズディオサの田辺騎手です、非常にペース認識の悪い騎手なので、サンクテュエールが動けば当然のように付いて行くでしょう。

馬群が凝縮するので当然内を回す馬はかなりタイトなスペースになると思います、ホウオウピースフルやリアアメリア、クラヴァシュドールなどはここで不利を受ける可能性は考えられます。逆に中段の後ろや後方にいた組で外を回す馬は、中緩みを利用して中段に取り付く勢いを殺さず直線に入っていけば、瞬発力を問われずにトップスピードまで引き上げられるはずです。

直線L2標識付近です、スマイルカナがこのあたりから出し抜きにかかると思います、アブレイズが続きますがウィンマイティーがやや遅れるのではないかと考えています。 この馬はゴールドシップの産駒で瞬発力は期待できませんし、前走の忘れな草賞でもL2で0.4の加速ラップしか踏めていません、この地点は下り坂なので0.4の加速ラップは物足りない印象です。

ここではウインマリリンやサンクテュエール、マルターズディオサなどはまだまだ頑張っていると思います、なので馬群はかなり外に広がるはずです。中段の後ろから勢いをつけて直線入り口に入ってくるデアリングタクトが中段あたりまで上がり、デゼルやチェーンオブラブがそれにどこまで食い下がることができるか、クラヴァシュドール、ホウオウピースフル、リアアメリアあたりはコースが空くのを待たされる可能性があります。

直線L1標識付近です、スマイルカナが出し抜きを図ったL2区間で、これに対応できるのはアブレイズ、クラヴァシュドールぐらいではないかと思います、 アブレイズはフラワーCでL2最速11.8を叩き出しているようにまあまあの瞬発力を持っています。クラヴァシュドールの方が瞬発力で見劣る可能性はありますが、持続力を生かしてアブレイズを逆転してくる可能性が高いと思います。4コーナーで外を回してしまうウインマリリン、サンクテュエール、マルターズディオサがこの辺りで苦しくなりそう。 前走トップスピードの質で見劣ったリリーピュアハートも、スマイルカナの出し抜けには対応できないと思います。

瞬発力とトップスピードの質さらに持続力で勝ると思うデアリングタクトがこの辺りでスマイルカナに並びかけ、デゼルがどこまで迫れるか。内から来そうなのはホウオウピースフル、マジックキャッスル辺りはスムースなら怖い存在です。

では1頭ずつ見ていきます。

◎デアリングタクト ・心肺機能は不明、パワーはは不明、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。好材料:・・・。 悪材料:初輸送。栗東坂路40.1-12.8、単走持ったまま、バランス良い。

前走の桜花賞は重馬場だったので圧勝でしたが評価は難しいと思います、しかし2走前のエルフィンSが圧巻の内容で、ややハイペースバランスを後方から一頭だけ違う脚色でさしきり圧勝でした。この内容は非常に高く評価しなくてはいけないので、距離延長、初輸送など不安材料も多数ありますが、それらをまとめて捻り潰してしまうだけのポテンシャルを有していると思います。 

○スマイルカナ ・心肺機能まぁまぁ、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質は低く、持続力は高い。好材料:・・・。 悪材料:・・・。美浦w40.2-11.6、単走持ったまま、バランス良い。

前走の桜花賞では重馬場だったことで3着に逃げ粘ったと思われていますが、この馬は先頭に立てば折り合いがついて非常に強いレースをします。フェアリーSが圧巻の内容で平均バランスを逃げてL2最速戦に持ち込み圧勝しています、 L2で出し抜く瞬発力も見せましたし、L1でも12.0と持続力の高さも見せました。 今回のメンバーでは何が何でも逃げたいという馬が居ませんし、場合によってはマイネル軍団のウィンマイティー、ウインマリリンが援護に回るような位置取りをする可能性も十分にあります、この2頭が中段勢を抑えるような形になればスマイルカナにとって得意な、中緩みからのL2最速戦に持ち込みやすいと思います。 桜花賞では終始レシステンシアにマークされる形になり、息を入れられずに苦しいレースでしたが、それでも3着に粘り込む持続力の高さを見せているので、自分の形に持ち込めると思う今回は前走以上にチャンスがあるのではないかと思います。

▲クラヴァシュドール ・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は低い。・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。好材料:コース適性。 悪材料:特になし。栗東w39.8-11.7、単走持ったまま、バランス良い。

東京コースはサウジアラビアRCでサリオスの0.2差2着と好走している相性の良いコースで、L2 部分ではサリオスと互角以上に戦えていました。サリオスがこの世代の牡馬ではトップクラスに入ることは間違いなく、この馬の評価を大いに上げる要素になりました。阪神JF、チューリップ賞と好走していることもクラス負けの不安はありませんし、前走の桜花賞では3コーナー入り口で大きな不利がありながら、4着まで挽回してきた能力はかなりのものです。ハーツクライ産駒なので距離延長はむしろ期待が持てますし、内枠を引いたことでスタートさえ決めてしまえば、中段の前を取れることは大きなアドヴァンテージだと思います。

△デゼル  ・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質は高く、持続力は高い。好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。栗東坂路39.4-12.6、単走やや強め、バランス良い。

前走のスイートピーSでは上り3F32.5と数字だけ見ると非常に速い上がりを使ってきたように見えますが、高速馬場でスローバランスだったことを考えると額面通り受け取ってよいのか迷うところです。実はこの馬の評価はスイートピーSではなく、デビュー戦で豊騎手が乗った時の方が内容が充実しています、平均バランスを後方からでしたが、3、4コーナー中目を回して直線も馬群を縫うように伸びて圧勝しています、馬群に怯まない勝負根性や後方からでしたが平均バランスでも対応できる心肺機能、 稍重馬場への対応と直線での操縦性など非常に見所のあるレースだったと思います。今回は1枠と言ことで、レーン騎手がどこまで大胆に乗れるのか、もしくは大事にいすぎて取りこぼしてしまうのか、この辺りがポイントになりそうです。

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コメント

  1. ションボリルドルフ より:

    いつも楽しく読ませていただいております。
    今回は仕事の都合により予想を待たず今日の夕方に投票を済ませてしまいました。

    3連複 ④=②⑧=①②⑤⑧⑩16・18
    各500円の11点です。

    結構かぶりましたねw
    明日、一緒に万歳できるといいですね!
    楽しみです!

    • みやや より:

      ションボリルドルフさん、こんばんは~。
      クラヴァシュドールとスマイルカナは共倒れでしたね、ウィンマリリン押さえておられるので馬連は買われましたか?
      ユーチューブの方にコメントいただいた方も、ウィンマイティ―が抜けていて残念でしたが、お二人とも馬連買っておられると良いのですが。
      いつか一緒に万歳できるよう、精進していきます。