2023年阪神C 回顧。

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走破時計 1:19.3    前半 33.1  上がり3F 35.0

まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計1:19.3はコースレコードと0.1秒差ですから、高速馬場でした。含水率は4コーナーで上がっていますが、これは夜露と風向きの影響でしょうね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2023年京王杯SC、緑は2022年スプリンターズS、黒は2022年阪神Cのグラフです。

まずは勝ったウインマーベルですが、青の今回、赤の今年の京王杯SC2着、そして緑の2022年スプリンターズS2着のグラフを比較すると、今回とスプリンターズSはハイペースの消耗戦、京王杯SCはスローから3F戦と、関連性はなさそうですが、この3レースは中段よりも前に居て持続力で好走しています。

この馬はトップスピードの質が高くなく、スタートで遅れることもあり差しに回ると届きません。京王杯SCで上がり3F33.2を出していますが、このレースは4着のアヴェラーレが上がり最速32.5、ウインマーベルの33.2は上り順位11位タイです。なのでトップスピードの質が問われる展開になった時点で勝負権無し、出遅れることもあり成績が安定しないんですね。前走辺りからスタートが改善しているので、今後も前に居れば展開不問で好走しそうですね。

黒のグラフは昨年の阪神Cで、グレナディアガーズが2着に好走したレースです。今年とよく似たラップ推移で、この展開がグレナディアガーズにはベストで、今回上がり3F33.8で1番時計でしたが、前半は中段よりも後ろに居たので脚が溜まりました。

逃げたのはウイングレイテスト、2番手にピクシーナイト、3番手にエエヤンでここまでが先行勢。中段の前からダノンスコーピオン、ママコチャ。中段のやや前からウインマーベル、ミッキーブリランテ、ホウオウアマゾン。中段からダディーズビビッド、ララクリスティーヌ。中段のやや後ろからアグリ、ロータスランド。中段の後ろからグレイイングリーン、グレナディアガーズで、ここまではスタート五分に出ていました。そして中段の後ろにエイシンスポッター、後方からアサヒ、ルプリュフォールで、この3頭はスタートで遅れていました。

スタートでエエヤンが内から主張、外からウイングレイテストが上がってきて、中目からピクシーナイトも前に来たことで、前半がハイペースになりました。2F目が10.2、3F目が10.6で隊列が決まっても松岡騎手は緩めませんでした。これで消耗戦になってしまいました。

このペースで勝ったウインマーベルは中段のやや前、当然自身はハイペースで心肺機能の高さと持続力の高さ、そしてパワーの高さを見せましたね。アグリはスタート五分に出ましたが、ジリジリ下げて中段やや後ろでした。ちょっと中途半端な位置取りになりましたね、これならもう少し下げてセントウルSのような追い込み勝負もありでしたね。グレナディアガーズもスタート五分に出ましたが、二の足が遅かった感じで中段の後ろ、今回はこれが良い方に出ましたね。

4コーナーです、中緩みのない展開でL3区間でも11.4のラップなので、縦長のままでした。グレナディアガーズがジワっと上がって、アグリは最内に入れてコースロスを消し、ジワっとポジションを上げてきました。ララクリスティーヌは追走に苦労している感じで、前半が速くなると脆さが出るようですね。

直線L1標識付近です、ウイングレイテストが先頭で、2列目に内からエエヤン、ピクシーナイト、アグリ、ママコチャ、ウインマーベルがスムース。3列目からエイシンスポッター、グレイイングリーン、ダノンスコーピオン、ダディーズビビッド、ララクリスティーヌ、グレナディアガーズ。ララクリスティーヌとダディーズビビッドにミッキーブリランテが挟まれて後退。

ここからウインマーベルが抜け出し、内からアグリが一旦前に出ますが、ウインマーベルが差し返して1着でした。外からグレナディアガーズが追い込んできて3着でした。4着争いが僅差で、グレイイングリーン、ママコチャ、ロータスランド、ララクリスティーヌ、ウイングレイテスト、ダディーズビビッドが0.1秒差でした。

脚色良かったのはロータスランドで、直線入り口で内目に進路変更してから猛然と伸びてきました。3,4コーナーで追走で苦労していたララクリスティーヌも伸びてきたので、パワーと持続力は見せましたね。逆にママコチャは減速率が大きくなったので、心肺機能で苦しくなった感じですね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はウインマーベル、この馬は中段よりも前に居れば展開不問ですね。ただスタートが不安定だし、騎手もこの馬の良さを引き出す騎乗が少ない。なので展開待ちになりますね。

2着はグレナディアガーズ、ムーア騎手が乗ったからか展開が向きましたね。この馬もトップスピードの質で勝負するタイプではなく、パワーと持続力で勝負するタイプですから、昨年に引き続き展開がドンピシャでした。無事に引退できて良かったです。

3着はアグリ、ちょっとポジションが中途半端になりましたね、セントウルSのように追い込みズドンでも勝負になった感じです。最内に行ってコースロスなくスムースだったので、その辺りはさすがルメール騎手ですね。

4着はグレイイングリーン、グレナディアガーズと同じ位置に居て0.1秒差、内目を回せたこともありますが、この馬はレースレベルが上がった方がいいんですよね。今後もOPに行くよりも、格上挑戦で重賞で勝負した方がいいと思います。

5着はママコチャ、安土城Sの内容から前半はユッタリ入った方がいいのかもしれませんね。スプリンターズSは前半33.3で、中山はスタートから下り坂なので、時計以上に楽だったんでしょうね。適性の幅が少し狭いのかもしれません。

馬券の方はハズレ、ここまでハイペースになるとは全く予想できず、箸にも棒にも掛かりませんでした。