2019年エプソムC 全頭評価。その4。

<ブレスジャーニー>・心肺機能はやや低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはなく、持続力は高い。

”サウジアラビアRCでは稍重でスローバランスを中段の後ろから、直線はスムースに外に出して差し切り、この時の2着がダンビュライトで持続力を見せた。”東スポ杯2歳S”では稍重でスローバランスをやや離れた追走集団の後方から、直線はやや詰まったがL2で11.2と流れたので不利にはならずに、L1でバテ差し1着、この時の2着がスワ―ヴリチャードでこれを外から差し切った持続力はかなりのもの。”2017年チャレンジC”ではスローバランスだがL6から11秒台に入るロンスパ戦を中段から、4コーナースムースに外に出して消耗戦を3着、この時の1着がサトノクロニクル、2着がデニムアンドルビーだったのでレースレベルはまぁまぁ、トップスピードの質が問われない展開だった。”2018年金鯱賞”ではスローバランスを中段から、サトノダイヤモンドと同じ位置から直線に向かうが、明確にトップスピードの質で見劣り6着。”2018年巴賞”では重馬場でスローバランスを後方から、2F戦になってしまい後方から届かず。”2018年函館記念”ではスローバランスを後方から、L3から外を回して直線で伸びてはきたがハナ差の4着、コーナーで外を回すロスが大きかった。”2019年メイS”ではスローバランスを後方から、直線はやや狭くなったがジリジリ伸びて5着、外からショウナンバッハ54㎏に差されてしまったのは印象悪いが、こちらは56㎏で半年ぶりを考えると悪くはない。

「エプソムCへ向けて」前走のメイSは半年ぶりで56㎏を背負った割には良く走ったな~っと、57㎏のダイワキャグニーに0.5も離されてしまったのは印象悪いが、最後方から良く伸びたと思う。休み明け2走目になるし、前走の状態からも体調には問題なさそう。ただ3歳のチャレンジC以降は馬券に絡んでいない、これは前半のポジションが後ろになってしまい、どうしても届かないレースを繰り返しているからだと思う。

この馬は上がり3F順位は良いが、トップスピードの質は高くないと思う、いわゆる程々のトップスピードを持続する能力が高い、ハクサンルドルフに似ているんだよね~。だからこそ2歳時に稍重で3連勝したりする、稍重の金鯱賞はほとんど良馬場みたいな馬場で、トップスピードの質を問われたので参考にならないが、重馬場の巴賞ではスローからの2F戦で持続力を生かせず届かなかった。持続力勝負の消耗戦になったのはチャレンジC、ここで強烈な持続力を見せた、この時の2着がデニムアンドルビーで、デニムアンドルビーは宝塚記念で4F戦をL1バテ差す持続力の高い馬だった。

週末は雨マークも出ていてもしかしたら馬場が悪化するかもしれない、ただこのレベルになれば稍重でも前が止まらないし、いつも通り後方からになると届かない可能性が高い。ダノンキングダムの三浦騎手が余程早目にスパートしないと、消耗戦にはならないと思うので、かなり展開に左右されそう、上記した通りハクサンルドルフに似ているので、来るなら一緒に来そう。

<プロディガルサン>・心肺機能は高い、パワーはやや低い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

”2017年東京新聞杯”ではスローバランスを中段から、直線はスムースの加速して伸びたが2着まで、上がり3F32.0でL3から目視10.8-10.5-10.7くらいで、トップスピードの質と持続力を見せた。”2017年マイラーズC”ではスローバランスを後方から、直線はスムースで上がり3F32.9だが後方から届かず、トップスピードと持続力は見せたが前が止まらない流れで凡走。”2018年ロードカナロアM”ではハイペースバランスを先行、消耗戦を好位差で1着、心肺機能の高さを見せた。”2018年キャピタルS”ではスローバランスを中段の外から、直線はL2の途中まで追い出しを待ってしまい5着、同じ位置に居たタワーオブロンドンは早目に追い出して2着まで伸びたので、瞬発力の無さを見せた。”2018年ディセンバーS”ではスローバランスを中段から、コーナーで大外を回して直線は一旦先頭に立つが、L1でアドマイヤリードに差されて2着、坂で落としているのでパワーがやや足りないかも。”2019年六甲S”ではスローバランスを中段から、直線は前が壁になり大きなロスがあって2着まで、この時の1着がソーグリッタリングでトップスピードの質では明確に勝っていた。”2019年谷川岳S”ではスローバランスを最後方から、直線は内目を回して伸びたが2着まで、トップスピードと持続力を見せた。

「エプソムCへ向けて」お兄ちゃんがリアルスティール、妹がラブズオンリーユーという超良血で期待されているが、今のところ重賞を勝っていない。妹にお尻を叩かれる格好になったので、国枝厩舎としてもここは面子をかけて仕上げてくるはず。2年前になるが東京新聞杯で強烈なトップスピードの質と持続力を見せた、ブラックスピネルには逃げ切られたが、エアスピネルは相手にしなかったし、この馬の良さが出たレースだった。

甲斐路Sで不良馬場を僅差の2着しているので重馬場でも走る、この時の1着は重馬場適性が異様に高いハクサンルドルフだから高評価。ロードカナロアMでかなりのハイペースバランスをやや離れた3番手を追走して、自身もややハイペースバランスだったはず、これを直線内から押し切ったのは高い心肺機能のなせる技だと思う。問題はキャピタルSで直線でL2の途中まで追い出しを我慢してしまい、L3から勢いを付けたタワーオブロンドンに差されてしまった、この追い出しのタイミングで外から差されているので、瞬発力は低いと見ていいと思う。

近走で言えば六甲Sでは直線で前が壁になる大きなロスで2着、前走の谷川岳Sでは最後方から、上がり最速32.6で追い込んで2着と敗因ははっきりしている。レーン騎手へ乗り替わるので、恐らくある程度のポジションは取ってくると思う、中段が取れればトップスピードの質と持続力で差し切れるだけの能力はあるはず、重賞制覇のチャンスで期待は大きいと思う。

<ミッキースワロー>・心肺機能は低く、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで、持続力は高くはない。

”2017年セントライト記念”ではスローバランスを中段から、直線は外からスムースの加速して、L1最速の11.0で差し切り、この時の2着がアルアインでトップスピードの高さを見せた。”2018年AJCC”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、L4から前を追いかけたがL1で甘くなって2着、この時の3着が逃げたマイネルミラノで半馬身差なので、持続力はやや低い感じ。”2018年大阪杯”ではスローバランスで後半ロンスパを後方から、4コーナー外から押し上げて行ったがL1で甘くなり5着。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、直線は全く伸びず、心肺機能の低さを見せた。”2018年ジャパンC”ではスローバランスで後半ロンスパを後方から、直線外からスムースで上がり3F33.9は最速だが、勝負にはなっていない。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、直線やや狭くなったが馬群を割って伸びて2着、この時は57.5㎏を背負わされていたし、3F戦でしっかり伸びた。

「エプソムCへ向けて」2年前になるがセントライト記念が強い勝ち方で、L1最速11.0という珍しい展開を中段から差し切ったのは驚いた、2Fくらいを11秒を連発するような脚質なのかな~と。それはロンスパになったAJCCや大阪杯で甘くなっているので間違いではないと思うし、札幌記念でハイペースバランスを全く良いところなく凡走しているので、心肺機能は低いはず。ジャパンCでは後半のロンスパで5着にはなっているが、全く勝負にならない位置に居たし、超高速馬場だったことも心肺機能に余裕があった理由ではないかと。

前走はスローバランスから3F戦になって、これをしっかり2着まで差してきた、この時は57.5㎏だったので高評価。持続力は徐々に伸びてきたのかな~、3Fくらいなら高いトップスピードを維持できているし、馬群を割る闘志を見せたのはちょっと意外だった。持続力が上がっていればこのレースへ向けては好材料だが、問題は道中のポジションで近走は全て後方から、届かない可能性は否定できないのでリスクは大きいと思う。雨が降った場合に関してはトニービンの血がある馬は、重馬場でも問題なく走る馬が多いので、この距離ならば不安材料にはならないと思う。

<レイエンダ>・心肺機能は高くはなさそう、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高くなく、持続力は高い。

”夏木立賞”では離れた追走集団の後方からで平均バランスくらい、L2から一気に伸びて先頭を捉えL1も落とさず1着、馬場を考えればタイムは物足りないがこの時は骨折明け。”松前特別”ではやや離れた3,4番手追走でややスローバランス、L3から徐々に掴まえに行って圧勝、L1最速戦という珍しい展開なのでレースレベルは低い。”セントライト記念”では離れた追走集団の後方から、4コーナーも中目を回して伸びたが2着まで、トップスピードの低さを見せてしまった。”2018年チャレンジC”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、コーナーは中目を回してロスが無かったが、直線伸びずに凡走、すぐ前に居たステイフーリッシュにも離されてしまったので、トップスピードの質は低い。”2019年東京新聞杯”ではややハイペースバランスを最後方から、直線は馬群に取り付くまでで凡走、上がり32.8で1番時計だが最後方から全くレースに参加していないので評価はできない。”2019年メイS”ではスローバランスを中段の後方から、直線はスムースだったが伸びずに凡走、同じ位置で直線に入ったショウナンバッハに直線だけで3馬身も離されてしまったのは印象悪い。

「エプソムCへ向けて」言わずと知れたレイデオロの全弟で、デビュー前から期待されていたが新馬戦後の軽度の骨折で1年弱の休養、復帰してからは2連勝でセントライト記念で2着まではマズマズだったが、その後古馬混合の重賞でボロが出ている。まずチャレンジC、初めての関西輸送もあったので当時は大目に見てあげようかと思っていた、ただそれでもステイフーリッシュに直線で離されたのは印象悪い、ステイフーリッシュもトップスピードの高い馬ではないからね~。このトップスピードの低さはセントライト記念でも見せていたので、ここで改めて確認された格好になってしまった。セントライト記念や条件戦にはなるが松前特別で持続力の高さは見せたが、最近はスタート後の行き脚が悪く後方からになり凡走を続けている。

年明けの東京新聞杯で異変があった、ここまで継続騎乗だったルメール騎手が、非ノーザンのゴドルフィン・タワーオブロンドンを選択してきた、ノーザンFxキャロットクラブxルメール騎手の関係を考えれば、この乗り替りは3者が納得したもののはず、ということはルメール騎手はレイエンダに見切りをつけたのか?今回再びルメール騎手が乗るのは余程仕上げに自信があるのか?大きな変わり身を見せたからなのか?

まず単純にルメール騎手が乗る馬が居ないかというと、同じノーザンFならサラキアが池添騎手から丸山騎手へ、ここに割って入れる可能性は大いにあったと思う。ダノンキングダムもノーザンFなので三浦騎手より、ルメール騎手が乗ってくれるなら喜んで乗ってもらうはず。にもかかわらずレイエンダに乗るということは、相当馬が良くなったと勘繰りたくなる、もちろん裏事情は分からないので推測でしかないんだけどね。

その上で現状分かっているのは前走までの成績なので、馬が急成長したと仮定することは危険。現在分かっているのはトップスピードの質が高くないこと、持続力は高いこと、そしてスタートが悪く後方からになってしまうこと。これらを考えると余程条件が変わらない限りは、馬券に絡む可能性は低いはず。そして余程の条件替わりの可能性が1つある、それが雨、お兄ちゃんのレイデオロは稍重の有馬記念で2着、重馬場の新馬戦1着、京都記念で3着。半姉のお姉ちゃんティソーナは重馬場で2,3着と血統的には重馬場は合いそう、重馬場になればトップスピードの質は誤魔化せるので、この馬には恵みの雨が必要でしょうね。