2019年CBC賞 全頭評価。その1。長い直線でディープ産駒が好走。

過去5年複数回3着以内に来ている種牡馬は、ディープインパクトだけです、トワイニングは2回連絡みがありますがいずれもセカンドテーブルのものです。1200mの重賞でディープ産駒が好走するのも珍しいのに、複数回3着以内に来ているのがディープ産駒だけというのも珍しいですね。これはコース形態が影響している可能性があります、中京1200mは直線が長いですからトップスピードと持続力が問われるのでしょう。他場の1200mのコースは内回りで直線が短いですし、中山は元々短いですからね~。

1番人気は2回、2番人気は3回、3番人気は3回の連絡み。3連単は16万、41万、13万、9千円、11万と荒れるか堅いかの両極端。ハンデ戦なので斤量を見ると50~57㎏までまんべんなく好走しているので、斤量は気にする必要はないかも。セカンドテーブルが2年連続で連絡みして、人気薄で大穴を空けました。今年のリピーター候補はアレスバローズですね、昨年1着なので人気になりそうですが。

ペースバランスは平均1回、ややスロー1回、ハイペースバランス3回です。位置取りは後方からでも結構届く印象で、2年前には4コーナー15番手からシャイニングレイが追い込みを決めて1着、直線が長いのでトップスピードの質と持続力が高ければ、位置は気にしなくて良さそうですね。そうかと思うと逃げ・先行勢も成績が良く、過去5年で6回も3着以内に来ています。斤量含めてどこからでも狙えそうですね。

では1頭ずつ見ていきます。

<アウィルアウェイ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。・疲労には弱いはず。

”新馬戦”ではスローバランスだが大きく出遅れて最後方から、3F目までに中段までリカバリーしているので、自身は平均バランスくらいにはなっている、直線は外から圧勝していて高評価。”京王杯2歳S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は内が空きスムースに加速して32.8で2着、この時の1着がファンタジストで休み明け。”フィリーズレビュー”ではハイペースバランスを逃げ争い気味に先行して、直線一杯で凡走だが0.3差で心肺機能は見せた。”桜花賞”ではスローバランスを中段から、L2で一杯になり10着と見せ場なし、距離が長い可能性が高い。”葵S”では平均バランスを中段やや前から、4コーナーで一瞬待たされるような格好になり追い出しが遅れた感じで3着、この時の1着がディアンドルで0.2差ならまぁまぁ。

「CBC賞へ向けて」京王杯はドスローになったのであまり参考にならないが、それでもトップスピードの質は評価できるし持続力も見せた。フィリーズレビューでは逃げ争い気味に先行したが意外に粘った、稍重の中でほぼほぼ平均バランスとは言え1着同着がプールヴィルで心肺機能を見せた。桜花賞では中段は取れたが、外からスムースなのに全く伸びなかった、これは距離だと思う、L2で明確に伸びが無くなったしね。葵Sでは平均バランスを中段から、4コーナーでやや狭くなって一瞬待たされて直線伸びあぐねて3着、瞬発力の無さを見せてしまった。この時の1着がディアンドルでこの世代の1200では1番手の評価をしている馬、2着が外からスムースだったアスターペガサスで函館SSでも古馬相手に2着だったので、相手関係は評価できる。京王杯の走りからも瞬発力勝負よりも、トップスピードの質と持続力で勝負したいタイプ、心肺機能も持っているのでハイペースバランスでも問題はないはず、実際新馬戦でも心肺機能とトップスピードの質、持続力を見せたからね。そういう意味では直線の長い中京は良いと思う。

不安材料は浜中騎手への乗り替りでNHKマイルCでも、逃げて中緩みを作るレースメイク、瞬発力の低いこの馬と手が合うかは不安、ダービーみたいに乗っちゃえばいいんだけどね。逃げ馬じゃないしハイペースバランスになりやすいレースでもあるので、この辺りは大きな不安ではない。大きな不安はジャスタウェイ産駒で休み明け4走目の疲労、ハーツクライ産駒が疲労に弱いようにジャスタウェイ産駒も疲労に弱い可能性がある、ヴェロックスなんかも2か月の間隔空けだった若葉Sから1,2,3着と着を落としていて、ダービーでは動き出しがややもたついた感じだった。尻上がりに調子を上げて行くというよりも、疲労が溜まっていくタイプかも。

<アレスバローズ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

・休み明けは割引、疲れやすい。重でも走る血統。

”2018年CBC賞”ではハイペースバランスを中段から、直線スムースに外に出して1着。”2018年北九州記念”ではハイペースバランスを中段から、直線内が空いて突き抜け。”2018年スプリンターズS”では稍重ハイペースバランスを中段のやや前から凡走、この時が休み明け3走目。右回りの直線入り口で内に刺さることがある。”2018年京阪杯”ではほぼ平均バランスを4,5番手で外から先行、直線はL1標識まで先頭列だったがゴール前垂れて凡走、直線に入るまで追い出しを待ってしまいトップスピードに入らなかった感じ。”2019年シルクロードS”ではハイペースバランスを中段の外から、4コーナーで早目に押し上げて直線は先頭に立つも、L1で垂れて5着まで、この時は57.5㎏だった。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段から、3コーナー入り口でダノンスマッシュに切れ込まれて大きな不利、直線も前が壁になって追い出せずに9着まで。

「CBC賞へ向けて」ディープ産駒らしくトップっスピードの質が高く持続力も高い、CBC賞でハイペースバランスを中段の外から進めて、4コーナーでスムースに外に出して減速戦を持続力を生かして差し切り。ただ瞬発力が低いので直線が短いコースでスロー・平均バランスだとトップスピードに乗せることが難しくなる。右回りもあまり良くなく直線入り口で内に切れ込んでしまう癖がある、この癖が顕著に出たのが北九州記念とシルクロードSだった。左回りは2-1-1-2で着外の2回は高松宮記念と新潟1600mだったので、これを除くと全て3着以内と明らかに左回り巧者。中京は4コーナーがスパイラルカーブで速度を乗せたまま回りやすく、外目を回しても不利にならない、昨年のCBC賞でも外目を回してスムースだったし、脚質、コース適正、左回りと期待できる要素は多い。

不安要素もあってそれが休み明け、3ヵ月以上の休み明けでは1-0-0-2で1着は未勝利戦だけ。2~3カ月以下の休み明けでは2-0-2-3でこちらは安定した成績なので大きな不安要素になる。もう一点気になるのが勝ち切ったCBC賞と北九州記念のレースレベル、CBC賞では2着がナガラフラワーだし、北九州記念では2着がダイメイプリンセスでこの2頭はローカル重賞でたまに好走するというレベルの馬、北九州記念3着のラブカンプーはスプリンターズS2着の馬だが、この時はハイペースバランスを外目を先行していた、この時のアレスバローズは最内の中段から終始内々の経済コースを通せたのはかなりアドヴァンテージになったはず。

アレスバローズの成績を見るとローカル重賞のCBC賞と北九州記念以外はOP特別でも連絡みすらない、CBC賞が54㎏で3着のセカンドテーブルが56㎏だったことを考えても、現状では1200m路線でトップクラスの評価はできない。今の段階では斤量がどの程度か不明だが、自身は斤量負けするようなことはないと思う、もちろん軽ハンデの馬がスピードを発揮してしまうと対応できない可能性はある。期待できる要素も多いが同じくらい不安要素もある馬と言う印象です。