2020年菊花賞 全頭評価。その4。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<レクセランス>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”福寿草特別”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”すみれS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”皐月賞”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。”ダービー”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年神戸新聞杯(中京)”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線馬群を縫って伸びたが7着まで。

「菊花賞へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>すみれSで阪神の急坂をものともしなかったので、高いパワーがあるはず。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>福寿草特別では馬場がかなり重く、上り3F35.0でもまぁまぁだと思う。すみれSでも34.8なので、高いとは言えない。

<持続力について>すみれSが4F戦になっていて、これを3,4コーナー外から捲り追い込みで差し切っているので、持続力はまぁまぁのものを見せた。L1で12.3迄落としているので高いとは言い切れない。

<その他について>皐月賞は初輸送の影響が出たのか全く伸びなかった、内目は馬場が悪かったこともあるがそれにしても負け過ぎ。ダービーでは後方からで全く伸びずに凡走、クラス負けの可能性が高い。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、皐月賞、ダービーを大敗しているし、神戸新聞杯でも後方から届かず7着と勝負にならなかった。血統的に長距離で覚醒する感じもないし、ここでは苦しいかな~。

<ロバートソンキー>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はやや高く、持続力はやや高い。

”新馬戦”では不良馬場でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。”未勝利戦”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線馬群を割って差し切り圧勝。”2020年1勝クラス”では重馬場でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2020年神戸新聞杯(中京)”では平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。

「菊花賞へ向けて」好材料:叩き3戦目。 悪材料:騎手不安。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>府中や中京の坂を苦にせず上がっているので、十分なパワーがある。

<瞬発力について>未勝利戦でもL2で前が空いてから瞬時に反応したわけではなく、L1でバテ差す格好だった。神戸新聞杯でも瞬発力ではコントレイルに大きく見劣っているので、やや低いという評価で良いと思う。

<トップスピードの質について>東京の未勝利戦でL3から11.2くらいを連発している、この日は10Rが古馬2勝クラスマイル戦の葉山特別で1:33.3、上り3Fナスノシンフォニーで34.4だから、まぁまぁの評価をしていいと思う。

<持続力について>東京の未勝利戦でL3から11.2くらいを連発しているので、3Fに限っては速いラップを継続できる。

<その他について>

好材料は休み明け3走目で、この馬は非ノーザンF生産のルーラーシップ産駒、休み明けが良くなく使ってよくなるルーラシップ産駒が多いので、叩き3走目で上積みが期待できる。悪材料は騎手不安でこのコンビで好走しているが、伊藤工真騎手は騎手13年目で重賞勝利無しどころか、3着も前走の神戸新聞杯だけなので大きな不安材料。前走一番スムースな競馬をしても、直線で大きく外に出したヴェルトライゼンデに差されているわけで、クラス負けの不安は大いにあるかな~。

<ヴァルコス>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着。”未勝利戦”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”未勝利戦”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線外に進路変更後にしっかり伸びて差し切り。”セントポーリア賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったがジリジリで4着まで。”ゆきやなぎ賞”では稍重で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線早目先頭から押し切り。”青葉賞”ではスローバランスを中段やや後ろから、向正面で押し上げ中段の前で3,4コーナー外目を回して、直線スムースだったが2着まで。”ダービー”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年セントライト記念”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「菊花賞へ向けて」好材料:休み明け2走目。 悪材料:騎手不安。

<心肺機能について>勝ち上がった未勝利戦、稍重だったゆきやなぎ賞で平均バランスを押し切っている、特に未勝利戦では1:47.6と走破時計も優秀。

<パワーについて>阪神の急坂をものともせずに登っている、ゆきやなぎ賞でも早目先頭で後続を寄せ付けなかったので、パワーは十分ある。

<瞬発力について>セントポーリア賞でL4からL3で0.8の加速ラップ、これを外目を回して追走一杯になっている、L2標識では前からやや離されてしまったので、瞬発力で見劣ったんだと思う。

<トップスピードの質について>大きな弱点がトップスピードの質で、11秒台前半のラップは今のところ見せていない。セントポーリア賞のL2は11.2だが、この馬はここで引き離されてしまったので、自身は11.5くらいだと思う。当日は標準やや高速くらいの馬場だったので、この上り3Fは評価できない。

<持続力について>この馬最大の武器が持続力で、勝ち切ったゆきやなぎ賞はL3から11秒台だったが、この時は稍重馬場で平均バランスを押し切っている。さらに驚いたのが青葉賞でこの時はL5から11秒台のロンスパ戦になっている、この馬は三浦騎手が何をトチ狂ったか中段から向正面で上がって行き、これで全体のスイッチが入り11秒台に入る。なのでこの馬自身は5F戦ではなくL6から11秒台に入っていたはず、しかも馬群の外を回してL2から11.5を連発して最終的に、3着のフィリオアレグロを差し返している。2018年アーモンドアイが勝ったジャパンCは8F戦という異様なロンスパで後半1000mを57.2だった、青葉賞は後半1000m57.9なのでこれを外を回して2着に粘った持続力は驚異的だと思う。お父さんノヴェリストがキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで、ハービンジャーが持っていたコースレコードを2秒も縮める5馬身差圧勝、血統的にも中距離の持続力勝負が得意なのだろう。

<その他について>どうも二の足が遅くスタート自体は下手ではないが、中段以降からのレースが多い。特に間隔を空けてしまった時は二の足が遅い傾向がある。ダービーでは間隔が詰まっていたためか二の足が効いて中段のやや前を確保できた。3,4コーナーで外を回したのもあるが、さすがに今年5走目でお釣りが無かった感じ。2020年セントライト記念では良馬場だが重馬場以上に時計が掛かる馬場、前半が超スローになっていたが前に行かずに凡走。休み明けでスタートイマイチはいつも通り、ただ3F目と4F目で12.8、12.9とかなり遅いラップになったが動かず、この辺りに三浦騎手のペース認識の悪さが出た。

好材料は休み明け2走目で、この馬はノーザンF生産馬で休み明けは苦にしないはずだが、スタートが悪くなる傾向があり前走も良くなかった。今回は中1か月なのでスタート出てくれればチャンスはあると思う。悪材料は騎手不安で、前走も動くべきところで動かなかったので、三浦騎手の継続騎乗は大きな不安材料。

<ヴェルトライゼンデ>・心肺機能は不明、パワーは不明、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”では重馬場でややスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナーで捲り追い込み行って直線で突き放して圧勝。”萩S”では稍重でスローバランスを中段から、直線入り口でスムースに外に出して押し切り。”2019年ホープフルS”では平均バランスを中段のから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”スプリングS”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着。”皐月賞”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線内目に切り込み凡走。”ダービー”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに粘って3着。”2020年神戸新聞杯(中京)”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回してL2標識付近で大きく外に進路変更して、スムースに伸びて2着。

「菊花賞へ向けて」好材料:血統。 悪材料:特になし。

新馬戦では重馬場でスローバランスと特性はあまり見せていないが、萩SではL3で12.2から11.2へ一気に加速している、稍重で前半が遅いので高い評価はできないが、一応トップスピードの質と瞬発力は見せている。これを平均やハイペースバランスでも見せられれば相当強いが・・・。2019年ホープフルSでは平均バランスを中段から進めて2着まで、終始1着コントレイルの後ろから進めてスピード負けしているが、心肺機能と持続力、パワーは見せた。

スプリングSではスローバランスを中段やや前から、向正面でミルコの押し上げに釣られて早目に動いたことで、直線一杯になり2着までだった。この時の鞍上がテン乗り池添騎手だったので、仕方ない面もあるが。皐月賞では中段から進めたが、直線は馬場の悪い内目に切り込んでしまい凡走した。ダービーではスムースなレースで3着に粘った、良馬場だがトップスピードの質が問われない重い馬場で、血統が生きた感じ。2020年神戸新聞杯(中京)では中段の後ろから進め、直線入り口で大きく外にサイドチェンジ、かなりロスが大きかったが外からスムースに伸びて2着まで持ってきた。トップスピードの質、瞬発力、持続力を見せた。

この馬はノーザンF生産馬なので休み明けは問題ないはず、ドリームジャーニー産駒なので案外使い減りしないかもしれない。

好材料はズバリ血統で、お兄ちゃんはワールドプレミアで昨年の勝ち馬。こちらはお父さんがドリームジャーニーだが天皇賞(春)で3着があるので、割り引く必要はないと思う。ダービーでも3着があるし、前走の神戸新聞杯でもロスの有る競馬で2着と、クラス負けの危険はない。悪材料は特になく、前走は骨折明けと直前の熱発があったので、順調なら問題ないはず。