2019年天皇賞(秋) 全頭評価。その3。サートゥルナーリアは疲労の不安が。

<ゴーフォザサミット>・心肺機能は高くないパワーまぁまぁ、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休みけは割引、疲れやすい。

”青葉賞”ではスローバランスを中段から、直線前が壁になったが、L2で捌いてしっかり伸びた、休み明け3走目。”ダービー”ではスローバランスを中段から、直線はスムースだったが伸びあぐねて7着、この時が休み明け4走目。”2018年札幌記念”では稍重のハイペースバランスを中段から、直線スムースでも伸びず、この時が休み明け。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、直線スムースでも伸びず。”2019年日経賞”ではスローバランスを先行、直線までは粘ったがL1で力尽きて5着、休み明けの影響かも。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを中段の前から、直線はL1まで踏ん張ったが4着、先行した割によく粘った。”2019年札幌記念”では平均バランスを後方から、流れ込むだけで凡走、この時が2か月半の休み明け。”2019年オールカマー”ではスローバランスを2番手先行、L1手前で一杯になり6着まで1F長かった感じ。

「天皇賞(秋)へ向けて」好材料:・・・。悪材料休み明け3走目の疲労、コース適正。

どうも使い減るするタイプでレースでの消耗が激しいのか、コンスタントに使えない。にもかかわらず休み明けはピリッとしないタイプで、これは外厩の影響もあるとは思う、勝ち切った青葉賞は休み明け3走目だったし、百日草特別もデビュー3走目だった。トップスピードの質は高くはないが持続力は持っているので、上がり3Fはまぁまぁのタイムが出る。共同通信杯でハイペースバランスを後方から4着、2019年目黒記念でハイペースの緩まない消耗戦を5着と心肺機能の高さを見せた、この時は先行していた馬がことごとく下位に沈んだ中で、唯一僅差の5着と高評価。古馬になってトップスピードの質が落ちた代わりに、心肺機能が上がった感じで、平均バランスでもまだまだ甘いんだと思う、ハイペースバランスを先行した時の粘りに期待できると思う。2019年オールカマーは悪くない内容で2番手先行、L1手前で一杯になるまで頑張っていたので、1800がベストかもしれない。

好材料はちょっと見つけられなかった、2,3歳時に東京で好走しているが、その後はトップスピードの質が低い事で好走できていない。目黒記念の4着もトップスピードの質を問われていないし、距離も長かった。悪材料はハーツクライ産駒の休み明け3走目の疲労で、1カ月間隔でコンスタントに使われているし、北海道とは言え暑い8月に使われているので疲労の不安は大きい。

<サートゥルナーリア>・心肺機能は高い、パワーは有る。

・瞬発力とトップスピードの質は高いが持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを先行、直線では前が壁になりながら強烈な瞬発力で圧勝。”萩S”ではスローバランスを中段から、直線では1F半位を持ったまま圧勝。”ホープフルS”ではスローバランスを先行、直線前が壁になり残り150m位で瞬発力を生かして圧勝。”皐月賞”では平均バランスを中段から、3F戦で1着、瞬発力は見せられず、直線で苦しくなったのか内にもたれて制裁対象に。”ダービー”では離れた追走集団の中段外から、スタートで出遅れて3,4コーナーも外を回して直線伸びきれず4着。”2019年神戸新聞杯”ではスローバランスを2番手先行、3F戦になり瞬発力とトップスピードの質を見せつけて圧勝。

「天皇賞(秋)へ向けて」好材料:距離適正。悪材料:休み明け2走目。

兄弟に比べて気性が大人しく、レース中に掛かることが無いのは距離適正の幅を広げる、トップスピードの質と瞬発力はこの世代どころか現役でもトップクラス、アーモンドアイはこれに加えて持続力もトップクラスなので比較してしまうと可哀想だが。お母さんのシーザリオから瞬発力を受け継いだ感じで、オークスのL2で見せた強烈な瞬発力には驚きを通り越して、恐ろしさを感じるほどだった。何しろレースのL2が10.9、これを後方から5,6馬身は詰めているので自身は10.5以下のはず、当時の東京馬場は今ほど高速ではなかったので驚異的だった。

やや足りないのが持続力、皐月賞では3F戦を馬群の外を回して、直線で苦しくなったのか内にもたれて制裁対象に。実は皐月賞はL1最速という通常あり得ないラップ推移になっていて、L3から11.7-11.6-11.4とラップごとに加速していく、中山コースはL1が強烈な上り坂なので、これで加速ラップのままゴールするということは、上位の馬は心肺機能に相当余裕があったということ。心肺機能には余裕がありトップスピードは馬場状態の限界まで出ていた状態で、寄れたことをどう評価するかだと思う、ミヤヤは持続力がやや足りないと思う。何しろホープフルSまでは2Fはおろか1F半くらいしかトップスピードで走っていない、それでも圧勝する瞬発力は素晴らしいと思う。ダービーでも残り100mまでヴェロックスよりも前に居たが、そこから逆転されてしまった。ヴェロックスよりも後ろから直線に入って一旦前に出ているので、トップスピードの質はヴェロックスよりも明らかに高い、しかし持続力に関してはゴール前で逆転を許しているので、展開を考えてもヴェロックスよりも上とは言えないと思う。その展開はかなり苦しい物だったので、決して評価を下げる必要なはい。

強烈なトップスピードの質と瞬発力を改めて見せたのが神戸新聞杯で、この時はL4まで超スローのラップを踏んでいてL3で急加速、もちろんこの地点は下り坂だが一気に1秒も上げている、L2が圧巻で10.2というとんでもないラップを踏んできた。今後の課題と言うか不安材料は、前半から厳しいペースで流れた時に、この強烈なトップスピードの質と瞬発力を見せられるかどうか。皐月賞では平均バランスだったがL1最速になっているように、上位の馬には厳しいペースでなかった。なので本当にGⅠらしい厳しい流れは未経験。

好材料は距離適正で、2000mは2戦2勝だし2400mも神戸新聞杯圧勝、ダービーでは出遅れながら4着とコース適正含めて不安はないと思う。このコースは平均バランスぐらいならトップスピードの質を問われるので、展開次第では圧勝までありそう。悪材料は休み明け2走目で、ロードカナロア産駒は疲労に弱い、これはスプリンターズSでイベリスとファンタジストが凡走していることからも明らかだと思う。前走が全く持って楽なレースだったので、疲労があるかどうかは不明だが、とんでもない末脚を発揮してしまったことは事実で、これでストレスが無いとは言い切れない。ダービーが前走の皐月賞激走のストレスで、パドックから入れ込んでいたように精神的なストレスに弱いんだと思う。もう一点はペースで、今回はアエロリットが締まったペースを演出するはずで、GⅠらしい厳しい流れを初めて経験するはず。これで能力全開となるかどうかは未知数。

<スカーレットカラー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまあまあ、持続力はある。

”未勝利戦”では平均バランスを中段の後ろから、L4から押し上げて直線外から差し切り、パワーと持続力を見せた、2着はシャルルマーニュなのでまぁまぁの評価。”アルテミスS”では平均バランスを掛かり気味に中段のやや前から、直線L2ですぐ前に居たラッキーライラックに引き離されたまま流れ込んで5着、トップスピードの低さを見せた。”フェアリーS”ではスローバランスを中段から、L4過ぎから大外を回すロスの大きいコース取で2着まで、すぐ前に居たプリモシーンにはL1まで先頭列で並んでいたので、持続力勝負なら互角の印象。”チューリップ賞”ではスローバランスを離れた追走集団の最後方から、トップスピードの質で見劣り凡走。”桜花賞”では平均バランスを中段から、終始馬群に包まれてしまい凡走、瞬発力低さを見せた。”ローズS”ではスローバランスを中段の後ろから、L2で前が壁になり挟まれる不利を受けて凡走。”2018年逆瀬川S”ではスローバランスを中段やや後ろから、L2まで追い出さず狭くもなって4着まで。”2019年愛知杯”ではスローバランスを中段から、直線はやや挟まれてスムースさを欠き凡走。”2019年関門橋S”ではスローバランスを中段の後ろから、向正面で2,3番手に上がり直線粘ったが4着まで、L3まで12秒台のラップを踏む展開を待ってしまった。”2019年パールS”ではスローバランスをやや離れた2,3番手追走から、L4から11秒台に入るロンスパで1着。”2019年マーメイドS”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、L2で前が壁になりトップスピードまで乗らなかった感じで3着まで、まぁまぁの心肺機能は見せた。”2019年クイーンS”ではスローバランスを中段やや後ろから、終始最内を回してL2過ぎからまぁまぁの瞬発力とトップスピードの質を見せて2着まで、L2ですぐ後ろに居たサトノガーネットには瞬発力が上回っていた。”2019年府中牝馬”では稍重表記だが高速馬場、ややスローバランスを後方から、直線スムースに伸びて差し切り、まぁまぁのトップスピードの質と高い持続力を見せた。

「天皇賞(秋)へ向けて」好材料:・・・。悪材料:中1週、距離適正、初の56㎏。

心肺機能、持続力、パワーは高いのでパールSみたいな展開がベストだと思う。この時はスローバランスをやや離れた2,3番手からで、L4から11秒台のラップだった。やや離れて追走していたのでL4は11秒台の前半に入っていた可能性はある、これをL1でも11.6までしか落としていないし、2着のクィーンズベスト、4着のゴージャスランチを相手にもしなかったから展開が合えば重賞でも通用するはず。実際2歳時だけどフェアリーSでプリモシーンの2着がある馬で、この時も3,4コーナーで大外を回すコースロスがあったからね。

その後もトップスピードがまぁまぁレベル馬(スカーレットカラーのことね)を後方からレースをさせて凡走の山を築き、ローズS、逆瀬川S、愛知杯と不利を受ける。関門橋Sでは前半のドスローを生かして2番手まで上がるが、なぜかL2最速戦に付き合い4着とチグハグな競馬だった。パールSでは良い競馬をしたと思ったら、マーメイドSでは中段から直線も前が壁になり3着まで、L1が12.8まで落としているので直線入り口で前が壁にならなければ、勝っていた可能性は高いと思う。継続騎乗の岩田騎手だっただけにパールSが偶々だったと思うとガッカリな結果。意外なトップスピードの質と瞬発力見せたのが2019年クイーンSで、中段から鋭い末脚で2着まで持ってきた、ただスローバランスを終始最内を通して、直線も馬群が開いてスムースだったことが大きいので、馬群を割って伸びるほどの闘志はないと思う。

2019年府中牝馬Sが稍重表記だが実は高速馬場といういつもの府中で、スローバランスを最後方から溜めに溜めて直線勝負で爆発させてきた。ヴィクトワールピサの産駒らしい伸びで、同じ産駒のジュエラーみたいな感じですね。この感じからもとにかく溜めて直線スムースにコースを取れば、トップスピードを持続する能力が非常に高いと思う。

好材料は府中牝馬Sを勝っているのでコース適正は良いと思うが、悪材料でもある距離適正が不安になる、2000mは0-0-1-1と53㎏のマーメイドSでも3着までだった。なのでコース適正はプラスの評価はしにくい。悪材料は中1週のローテーでこの間隔で2度の輸送は不安材料。愛知杯から中1週で格下げ戦の関門橋Sを走って4着、まぁこの時はまずい騎乗もあったがそれでも物足りない。斤量も初めての56㎏、55㎏でも走ったことがないので斤量負けの可能性はあると思う。