<メイショウテンゲン>・心肺機能はやや低い、パワーは有る、瞬発力は低い。
・トップスピードの質は低く持続力は高い。・ディープ産駒らしくなくバテ差し型。
・阪神など下り坂を利用できれば。
”未勝利戦”ではハイペースバランスを中段の後ろから、長くいい脚を使ってバテ差し、トップスピードの質は低いが下り坂を利用できたことで伸びた。”きさらぎ賞”ではスローバランスを中段から、L2最速戦で凡走、瞬発力とトップスピードの質で見劣り。”弥生賞”では平均バランスを中段の後ろから、重馬場で消耗戦になり長くいい脚を使ってバテ差し1着。”ダービー”では離れた追走集団の後方から実質スローバランス、直線は伸びず。”セントライト記念”では重馬場で平均バランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが、ジリジリで11着まで。”2019年菊花賞”ではスローバランスを中段の前から、2周目の3コーナーで力尽き凡走。
「ステイヤーズSへ向けて」好材料:・・・。悪材料:クラス負けの危険。
皐月賞では後方からまったく良いところがなった、実は皐月賞は平均バランスだがL1で最速タイムが出ているように、上位の馬にはペースが緩かった可能性があり、中段より前の馬が止まらないレースだった。これを後方からL3で置かれてしまっている、ペースが上がった地点で置かれているので、トップスピードの質と瞬発力は低いと言わざるおえない。
未勝利戦では阪神の下り坂を利用して、L3の11.5を克服しているように瞬発力も低い。弥生賞では重馬場の消耗戦になりトップスピードの質を問われなかったので、バテ差しで差し切ってしまった。重馬場の中山コースで消耗戦をバテ差しているので、パワーも十分にある。セントライト記念で重馬場を凡走している、この時は休み明けだったし、重馬場表記だが走破時計は良馬場だった前年よりも良いタイムで、スピードの無いこの馬には出番がなかった。改めて11秒台のラップを要求されないことがこの馬が好走する条件なんだと思う、結局これが母系に入っているサドラーズウェルズの血なんだと思う、キレッキレのトップスピードの質はないが、持続力が異様に高く時計が掛かれば追い込みが決まるんだよね。加えてフレンチデピュティまで持っているから持続力の固まりみたいな馬になってしまって、ディープインパクトのスピードが発揮できていないんだと思う。
この11秒台のラップを踏めないという特性を見せてしまったのが菊花賞で、中段やや前からのレースをしたのは良かったが、勝負どころのL4から12.0のラップを踏まれてズルズル後退してしまった。
好材料はなし、悪材料は初の古馬重賞でクラス負けの危険。それとステイヤーズSは例年超スローペースからのロンスパ、具体的には後半1000mで11秒台を連発するレースになる。今年も同じような展開になると12.0以下のラップを踏めないこの馬には厳しくなると思う。
<リッジマン>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。
・トップスピードの質は低く持続力は高い。
・完全なステイヤーで長ければ長いほど良く、前半に11秒台に入れると息切れしてしまう。
・休み明けでも走る。
”2018年丹頂S”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、早目に押し上げて押し切り。”2018年有馬記念”では平均バランスを後方から、全く伸びずに凡走、前半に11秒台に入っていた。”2018年ステイヤーズS”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナーで取り付き直線バテ差しで1着。”2019年阪神大賞典”では前半11秒台に入る流れで凡走。”2019年天皇賞(春)ではスローからの4F戦を中段の後ろから、トップスピードの質で見劣り8着。”2019年京都大賞典”では平均バランスを中段の後ろから、直線入り口では諦めて凡走。
「ステイヤーズSへ向けて」好材料:レース適性、休み明け2走目。悪材料:特になし。
ステイヤーとしての能力に特化している感じで、心肺機能とパワーは十分あるがトップスピードの質では大きく見劣ってしまう、それが2019年天皇賞(春)で4コーナー出口までは悪くなかったが、L2の11.0には全く対応できなかった。2018年ステイヤーズSでは終盤11秒台後半を連発したことで勝ち切った、この時はアルバートが居なかったがステイヤーとしての能力の高さを見せた。休み明けでも走るのは2018年丹頂S、2018年ステイヤーズSを勝っているので証明されている。2019年阪神大賞典が稍重馬場でピリッとしなかったので、軽い馬場の方が良いのかもしれない。
ステイヤーとして開花したような書き方をしてしまったが、どうも阪神大賞典を見直すと単にAT値(無酸素性作業閾値)が低い馬と見た方がしっくりくる、阪神大賞典は稍重で1000m通過が59.3、離れた追走集団の中段に居て自身の1000m通過が62秒台に入っていた可能性がある、これで後半全く伸びないかった理由がはっきりした。ステイヤーズSと比べて入りの1000mが馬場を考慮して速過ぎるし、後半の1000mが63.6も掛かっている、全馬が前半のうちにかなり消耗したレースになっていて、こういうレースこそ真のステイヤー決着レースなんだよね。この馬って最後の1000mで勝負したい馬なんですね。
好材料はレース適性で、昨年のこのレースで勝っている、まぁ絶対王者のアルバートが居なかったので今回は相手が強力にはなる。他にも万葉S、ダイヤモンドSで2着があるので、この馬の適性に合えば再度の好走は十分可能。休み明けでも走るが非ノーザンF生産馬なので上積みは期待できる。悪材料は特にないが、阪神大賞典のような展開に持ち込まれると苦しくなると思う。
<ヴァントシルㇺ>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。
・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。
”2019年御堂筋S”ではハイペースバランスを大きく離れた追走集団の前から、直線入り口で前が壁になりやや追い出しが遅れたが、コースが空いてからはしっかり伸びて2着、この時の1着がシルヴァンシャー。”2019年緑風S”ではスローバランスを離れた中段を単独で、直線スムースに伸びて1着、この時の2着がタイセイトレイル。”2019年札幌日経OP”ではスローバランスをスタートで遅れて後方から、向正面ペースが上がり始めたところで先頭まで上がって行って、直線は先頭に立ったが差されて4着、先に動いて目標にされたこの時が休み明け。”2019年丹頂S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外から上がったが直線は伸びずに凡走。
「ステイヤーズSへ向けて」好材料:コース適正。悪材料:クラス負けの危険。
2019年御堂筋Sでは直線入り口で前が壁になりながらも、コースが空いてからしっかり加速できたので、瞬発力はまぁまぁの物を持っている、1着シルヴァンシャーとはクビ差だったしシルヴァンシャーは外からスムースだったので、トップスピードの質もまぁまぁで持続力は高いものを見せている。さらに良かったのが2019年緑風Sでスローバランスにも拘わらず前3頭が後続を離していた、これを離れた中段から単独で追走して自身は当然スローバランス、自身の1000m通過が63秒くらいだったはずで、これを4コーナーからジワっと差を詰めて直線捉えて1着、まぁまぁのトップスピードの質と持続力の高さを見せたレースだったし、2,3,4着は前に行った3頭、特に2着がタイセイトレイルなのは高評価でいいと思う。
休みを挟んで北海道シリーズに参戦したが、ここでは騎手の酷い騎乗で2度凡走してしまった。まず札幌日経OPだがスタートが良くなかったこともあり後方から、これで焦れたのか向正面でペースが上がり始めた部分で捲りに行ってしまった、4コーナーでは内から2頭目をキープしたが早いラップを踏んでいる中で、外から動いたツケが直線に回ってきて、ゴール前垂れてしまった。この捲りを見て続く丹頂Sでは1番人気に指示されたが、中段の後ろから今度は全く動かずに2Fになり凡走した。動く必要のない時に動き、動くべき時に動かない騎乗ではさすがに馬も好走は出来ないと思う。ただ札幌日経OPで先着されたのは、カフジプリンス、ハッピーグリン、タイセイトレイルと重賞でもそれなりに結果を出している馬なので、ヴァントシルㇺの能力を悲観することはないと思う。
この馬はレイクヴィラFの生産馬なので、当然外厩はノーザンFの外厩が使える。休み明けでも走るのは札幌日経OPで0.2差4着が示しているので、休み明けを不安視する必要はない。
好材料は1000万条件になるがグッドラックハンデを勝っているので、中山コースとは相性が良さそう。田辺騎手への乗り替りも中山であることを考えれば、好材料と見て良いと思う。悪材料はクラス負けの危険で、初めての重賞挑戦であり3000m以上のレースも初めてなので未知の部分はある。緑風Sでタイセイトレイルに勝ち切っているので、大きな不安はないと思うが。