2019年中日新聞杯 全頭評価。その4。

<パリンジェネシス>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。

”サンシャインS”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、馬場が軽くL2で11.2に入る程だった。”江坂特別”ではスローバランスを後方から緩んだところを2番手に押し上げて押し切り、稍重だがL3で11.0が出る馬場。”2018年11月京都1000万条件”ではスローバランスを逃げたが直線一杯、上り1番時計ですら35.0も掛かる重い馬場だった。”青嵐賞”では平均バランスを最内2列目で先行、直線は最内からジリジリ伸びたが、L1でやや落としたところを差されて同着、この時の相手がムイトオブリガードだった。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを2番手先行、直線は早々に苦しくなり凡走、かなりのハイペースだった、もう少しゆったり入った方が良いのかもしれない。”2019年京都大賞典”では平均バランスをスタート出遅れて後方から、緩まない流れでリカバリーできずに凡走。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを2番手先行、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。

「中日新聞杯へ向けて」好材料:・・・。悪材料:2000mへの短縮。

1000万条件になるが青嵐賞が東京2400でなかなかいいレースをした、平均バランスを2番手から突つきながら息の入らない厳しい流れ、終始最内を進めてロスが無かったとはいえ、直線でも持続力を見せたし同着相手がムイトオブリガードだから評価しないといけない。その後2200でイマイチなレースが続いたところを見ると、距離が足りなかった可能性が高く、2400以上にして連勝してきた。

同じタートルボール産駒ではトリオンフに似ているが、トリオンフは母系にサンデーが入ってスピード能力がやや高い感じ。こちらはパワーと持続力で上回る感じで距離が伸びて良いのはバリンジェネシスの方かな~、母系はコテコテのメジロ血統であることも長距離適正の高さを示唆していますね。で、このコテコテのメジロ血統から分かる通り、生産はレイクヴィラファームで旧メジロ牧場です。メジロ牧場閉場後に事業を引き継いだのがレイクヴィラFで、ノーザンファームの支援を受けていますので、外厩もNFしがらきや天栄を使っています。

展開はスローバランスでもハイペースバランスでも対応できるが、トップスピードの質を問われる展開は苦手、この辺りは江坂特別でスタートイマイチで後方からになってしまったが、スローと見るやすかさず押し上げて先団に取り付きL4から勝負に行った、トップスピードの質を問われない展開に持ち込めたことが大きかった。

2019年目黒記念では前半1000mが100m分補正をして約58.6、さすがにこのペースは苦しかったようで、先行した馬はことごとく大敗している。この感じからも前半は無理をしない方が良い、後半のロンスパこそこの馬の真骨頂だと思う。高速馬場でスピード負けしたように、サンデーが入っていないことが影響した可能性があり、軽い高速馬場は合わない可能性が高い。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを2番手で先行したが、トップスピードの質で完全に見劣り凡走、時計の掛かる時の方が良さそう。

好材料はなし、悪材料は2000mへの短縮でスピード負けの危険がある、トップスピードの質が低いのでスローペースでも切れ負けすると思うし、2000mで先行すると心肺機能が持たないのは条件戦で見せている。

<マイネルサーパス>・心肺機能は高く、パワーもある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”きんもくせい特別”では平均バランスを後方から、3,4コーナー外を回して捲り追い込みに行き、先に抜け出していたダノンチェイサーを差し切り1着。”朝日FS”ではスローバランスを中段やや後ろから、直線内からスムースだったが伸びずに凡走。”プリンシパルS”ではスローバランスを中段から、直線はやや狭くなったがトップスピードの質で見劣り凡走。”ダービー”では ハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、終始最内を回して直線内からスムースだったがL2で一杯になり凡走した、2400mは長い。”ラジオ日経賞”では不良馬場で平均バランスを3番手先行、 終始最内を回して 直線スムーズに抜け出したところを差されて2着。 ”2019年オクトーバーS”ではスローバランスを中段から、すぐ前に居たダイワキャグニーにL2で引き離されてしまいトップスピードの質が低いことを見せて5着、この時が休み明け。”2019年アンドロメダS”ではややスローバランスを中段から、3。4コーナー中目を回して直線スムーズに抜け出して1着、この時は53kg。 

「中日新聞杯へ向けて」好材料:・・・。悪材料:斤量2㎏増、 騎手。

2歳のキンモクセイ特別が非常に良い内容で平均バランスを後方から捲り追い込みに行って1着、この時の2着がダノンチェイサーで僅差、直線では騎手が目測を誤り楽に差せると思い込んで手綱を緩めている。ダノンチェイサーに併されてから慌てて再度追い出しなんとか差し切ったので、騎手の能力が低いことを露呈したレースだった。このレースでは後方からだったので心配機能の高さは見せていないが、持続力の高さは見せた。朝日FS、プリンシパルSではスローバランスになりトップスピードの質が低いことを見せた、特にプリンシパルSではすぐ後ろにいたヒシゲッコウに交わされているので、トップスピードの質がかなり低いことを見せている。ダービーでは離れた追走集団の中段から終始最内を回したが、L2で一杯になっているので距離が長かった可能性が高い。 ラジオ日経賞では不良馬場で平均バランスになりトップスピードの質が問われなかったことで、先行してしっかりと粘り切った。 アンドロメダSではややスローバランスを中段から進め、直線スムースに加速して押し切った、この時の京都はかなり重い馬場で良馬場でも時計がかかっていたので、トップスピードの質が問われていなかったしパワーと持続力が生きた形になった。

この馬はビッグレッドファームの生産で非ノーザンF生産馬ではないので休み明けは良くない、2019年オクトーバーSで休み明けを5着とピリッとしなかった。プリンシパルSでもトップスピードの質が問われたとは言え9着に負けている。

好材料はなし、悪材料は前走から斤量が2kg増えることで55kgと恩恵がないこと。騎手が丹内騎手に乗り替わりことで不安は増す、キンモクセイ特別でダノンチェイサーとの間合いを見誤りあわや差し切れないところがあった、その後も朝日FS、プリンシパルSではトップスピードの質が低いこの馬でスローバランスを容認した上に、差しに行って凡走している。国分騎手からの乗り替わりなのでマイナスではないが、決してプラスではない。

<ミスマンマミーア>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2019年阪神500万条件”では平均バランスを離れた追走集団の中段から、稍重の中直線スムースのバテ差して1着、消耗戦で持続力を見せた。”2019年三田特別”ではややハイペースバランスを離れた第二集団のやや後ろから、L3から捲り追い込みに乗って3着まで、すぐ前に居た1着サトノガーネットにトップスピードの質で明確に見劣り。”2019年木曽川特別”では重馬場で平均バランスを中段の後ろから、4コーナーを外から押し上げてバテ差し1着、持続力を見せた。”2019年六社S”ではスローバランスを中段から、4コーナー外を回して直線スムース、ジリジリ伸びて3着まで、この時は53㎏。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを最後方から、スタート出たが全くポジションを取りに行かずに凡走、ドスローの展開でバテ差しにならなかった。

「中日新聞杯へ向けて」好材料:軽ハンデ。悪材料:騎手、クラス負けの危険。

元々は地方所属だったが2019年に栗東の寺島厩舎に移籍して本格的に中央競馬に参戦してきた、2,3歳時に札幌2歳SやアルテミスSに挑戦してはね返されてしまったし、中央では結果が出なかった。

木曽川特別ではまぁまぁの心肺機能と持続力の高さを見せてきた、重馬場だったこともありトップスピードの質は問われていないし、平均バランスで前は相当苦しくなっていた中でバテ差す競馬だった。この展開は500万条件を勝った時と同じで、こういう展開が合っている感じはする。評価が難しいのが六社Sで1着アフリカンゴールドが次の格上げ戦でアルゼンチン共和国杯を3着して見せた、超高速馬場の割にスローペースだたのであまり評価はできないが、六社Sの3着はまぁまぁの評価をしないといけないかな~。ただ上がり2番時計で33.5を出したが当日は超高速馬場だったので、トップスピードの質は評価できないと思う。これは三田特別でもすぐ前に居たサトノガーネットに大きく見劣ったので、高速馬場でトップスピードの質を問われるのは良くないと思う。2019年エリザベス女王杯でこの特徴が出ていて、ドスローの展開で最後方から当然のように届かず凡走した。

最大の武器は持続力で500万条件も木曽川特別も息の長い末脚でバテ差して来た、決して速い上がりではないがバテないというか、自身のスピードの範囲内ならばどこまでも伸びる感じで、道悪でこその馬だと思う。もちろんこれは高いレベルでの話で、低レベルなスローからのロンスパなら十分通用しそう。非ノーザンF生産馬の割に六社Sで3着しているように、休み明けでもまぁまぁの仕上がりにはなる。

好材料は50kgの軽ハンデで出走できることでこれは裸同然と言ってもいいと思う、六社Sで53㎏の恩恵で3着に突っ込んできた、三田特別でも53㎏で3着と軽ハンデで好走する傾向がある。悪材料は藤田菜七子騎手に乗り替わりことでテン乗りでどこまでこの馬の特徴をつかめるか微妙、女性騎手で人気があるが未だ100勝に達していないし、中央の重賞も勝っていないので大きな期待はできない。前走はエリザベス女王杯だが17着に大敗しているようにこのクラスでは勝負にならない可能性が高い。そもそもこの馬は2勝クラスを勝っただけの条件馬で、3勝クラスでは軽ハンデによる恩恵で3着に来たのが一回だけ、斤量50kgは魅力的だが能力的には条件馬であり期待はしにくい。