2020年京都牝馬S 全頭評価。その1。

<アマルフィコースト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質は低く前半から飛ばして消耗戦に持ち込むのが好走条件。

・持続力は高いがマイルではやや長い。

”2019年石清水S”ではスタート良く3番手追走から、稍重でかなり馬場が重く前半800m46.4のペースで直線失速、逃げ・先行勢が総崩れなのでペースが速過ぎ。”2018年渡月橋S”では3番手から前半800m46.9でスローバランス、直線ではトップっスピードの質で見劣り2着まで。”2018年みちのくS”では3番手追走から前半600mを33.3で入って後半34.4で纏めたところをカルヴァリオに33.2で差し切られる。”2019年京都牝馬S”では平均バランスのスローペースを先行して、L2最速戦を粘り込んで3着、L3が緩むL2最速戦で先行して上手く出し抜けた。”2019年阪神牝馬S”ではスローバランスを2番手から、直線も楽をして粘り込み、超高速馬場のスローバランスという幸運で。”2019年ヴィクトリアM”ではハイペースバランスをやや離れた2番手先行、、直線は一杯で失速。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り3着まで、この時休み明けで、終いやや甘くなっている。”2019年スワンS”では平均バランスを中段のやや前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2019年タンザナイトS”では平均バランスを2番手先行、終始1頭分外を回して直線伸びずに4着。

「京都牝馬Sへ向けて」好材料:コース適正。 悪材料:乗り替わり、2カ月強の間隔。

OP入りしていきなり重賞で3着、2着と人気薄で激走してきたのは正直ビックリ、ダイワメジャー産駒に合う競馬をしているな~というのが印象で、展開的に恵まれた感じもあるんだよね~。京都牝馬Sの騎乗を見てもL4,L3で緩めてしまうのは良くないので、騎手が上手く乗っているというよりも展開がかみ合ったと考える方がしっくりきます、阪神牝馬SではL3からの持続力勝負に持ち込めたが、これは展開を作ったのが豊騎手なので坂井騎手が同じことを出来るわけではない。平均バランスの京都牝馬Sで粘っているが上記したように中緩みのもので上り34.7と、トップスピードの質は当然低いし瞬発力も低い。2019年ポートアイランドSが休み明けでハイペースバランスを、やや離れた追走集団の前から進めて3着、サトノアーサーにはトップスピード質で見劣った。2019年ヴィクトリアMでは前半33.7と完全にオーバーペースだったようで、L2で一杯になっている。

トップスピードの質で勝負しようとすると凡走するのは2019年スワンSで改めて見せてしまっていて、この時は稍重で平均バランスから上がり33秒台を要求されるレースだった。阪神牝馬Sで上り33.6で2着になっているが、この時はかなりのスローバランスを先行しているので、展開が噛み合っただけ。2019年タンザナイトSで久々の1200mを走ったが4着だった、この時はナックビーナスを行かせて2番手からだったが、なぜかナックビーナスの斜め後方で1頭分外を回す謎騎乗で、直線では一杯になってしまった。それでも4着に粘っているので、ロスなく進めれば1200のOPでも勝負になると思う。

この馬は社台F生産馬なので休み明けはピリッとしない、2カ月以上間隔空けると0-1-3-2と勝ち切れない。ダイワメジャー産駒の割に道悪が良くないようで0-0-1-2とこちらも割引。

好材料はコース適正で昨年のこのレースで3着している、1400mがベストだと思うので距離適正も良い。悪材料は幸騎手への乗り替りで、坂井騎手からなので大きな不安はないが期待はできない。2カ月強の間隔空けは良くないのでこの辺りは割引、昨年は中1か月で出走しているので不安はありますね。

<アルーシャ >・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。。

・3歳時は掛かることもあった。    

”2018年豊栄特別”では強烈な前傾ラップを2番手追走から直線ではさすがにやや落としたが後続の強襲をしのいで1着。東京500万条件ではスタートイマイチで出遅れたが、3コーナーまでに外からリカバリーして2番手、直線では馬なりで先頭からL2で追い出し圧勝。”2018年ユートピアS”では3,4番手追走から直線やや壁になったが抜け出してからシッカリとトップスピードに乗せてL1もさほど落とさずしのぎ切った。この時の2着がリカビトスでトップスピードの質は高いので高評価。”2019年京都牝馬S”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線L2過ぎまで前が壁になり、追い出しが遅れて3着まで。”2019年谷川岳S”ではスローバランスを中段から、終始外目を回して直線伸びずに凡走。”2019年信越S”ではハイペースバランスを中段の後ろから、4コーナーから外に出し直線外からスムースに差し切り1着。”2020年ニューイヤーS”では稍重でややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。

「京都牝馬Sへ向けて」好材料:コース適正。 悪材料:特になし。

2018年ユートピアSで古馬相手に54㎏で勝ち切ったのは高評価、中段の前で最内から進めてロスがなかったが、併せて伸びてきたのがリカビトスだからトップスピードの質も見せた。L2まで前が壁になって詰まったように見えるが、L3は11.8から11.5に加速ラップを踏んでいるので詰ったわけではない、なので瞬発力自体は評価するほど高くはないと思う。その瞬発力で届かなかったのが2019年京都牝馬Sで、L2過ぎまで前が壁になり待たされてしまった、コースが空いてからジリジリ伸びたが4着と届かず、このレースはL2最速戦で11.0のラップになっているが、外から伸びたリナーテはL2で10.5くらいは踏んでいるはず。この遅れが決定的になったので直線はスムースな方が良いはず。

心肺機能と持続力の高さを見せたのが2019年信越Sで、この時は1400mでハイペースバランスを中段の後ろから、4コーナーから外に出して差し切った、相手も2着プールビル、3着デアレガーロなので高評価。ユートピアSでもほぼ平均バランスだったしバテ差しで良さが出そう。パワーの高さを見せたのが2020年ニューイヤーSで稍重でややハイペースバランスを終始外目を回して3着、坂でもしっかりと走れていたのでパワーは十分にある。この時は後ろからシャイニービームに差されているので、トップスピードの質が高くはない事は見せたし、稍重もあまり良くないのかもしれない。

好材料はコース適正で昨年のこのレース4着、上記したように直線で詰まっているのでスムースなら好走できたと思うので、コース適正は良いと思う。マーフィー騎手からルメール騎手へ乗り替りは大きなプラスではないが、テン乗りでないことも含めて好材料でしょ。悪材料は特にないが、スローバランスからのトップスピード戦では差し届かずの危険はある、これは展開次第。

<サウンドキアラ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、心肺機能はまぁまぁ。

”2019年六波羅S”ではスローバランスを中段から、終始外を回して直線外からスムースに差し切り、トップスピードの質と持続力の高さを見せた。”2019年ヴィクトリアM”ではややハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段やや後ろから、外枠から終始外を回して直線スムースだったが7着まで。”2019年長岡京S”ではスローバランスを2番手先行、終始内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2019年リゲルS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースに抜け出したが、ゴール前差されて3着。”2020年京都金杯”では平均バランスを中段やや前から、終始内目を回して直線スムースに中目に出し押し切り、この時53㎏。

「京都牝馬Sへ向けて」好材料:コース適正、1400mへの短縮。 悪材料:距離適正。

2019年六波羅Sではスローバランスを中段から、終始外を回したが折り合いは付いている、L4で11.4を踏む2段階加速の展開になったが、L2で自身10.8くらいを踏んで圧勝した。2019年ヴィクトリアMではややハイペースバランスを中段の後ろから、超高速馬場で前半800m44.8だったがこれでもやや掛かっているので、持っているスピード能力の高さは相当なものがある。直線はさすがに伸びなかったので、このクラスになるとトップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い、心肺機能はまぁまぁだと思う。道中掛かり気味であったことから1400mの方が合うかもしれない。

マイルでやや長い可能性を見せたのが2019年リゲルSで、ややハイペースバランスを中段の後ろからで終始外から、直線一旦先頭に立ったがゴール前で差されて3着だった。この時はかなり重い馬場だったので余計に距離適正が目立って出た可能性が高く、L1で12.4はこの馬のラップなのでさすがに落とし過ぎの感がある。ただこの時は2カ月の間隔空けであることも一因の可能性があり、これら複数の要因が差された原因だと思う。

逆にマイルで強かったのが2020年京都金杯で平均バランスを中段やや目から進め押し切り、終始スムースだったことと、この時は53㎏だったことは大きい、2着のダイアトニックが57㎏なので恵まれた感はある。それでもマイルでしっかりと距離をこなせたことは、前走からの間隔が1カ月だったことが大きいのだと思う。この感じから間隔空けると心肺機能が低下する傾向なのだと思う、その結果マイルではラスト1Fで甘くなっているのではないか。2019年の天神橋特別では直線L2で詰まって大きくブレーキ、その後前の馬を交わしているので坂が苦手ではないと思う、パワーも十分あるのは2019年ヴィクトリアMでもL2シッカリしていたので問題はないはず。ただコースが空いてからの伸びは鋭くなかったので、瞬発力は高くないと思う。

この馬は社台F生産馬で休み明けがピリッとしない、2019年長岡京Sは勝ち切っているが物足りない内容だったし、2019年リゲルSは牡馬混合のOPだったが、一旦抜け出しながらゴール前でかわされてしまった。逆に使い減りの心配は無く、条件戦だが2019年1月からコンスタントに使われて好走を続け、5走目で勝ち切っているし続くヴィクトリアMも7着と大きく負けていない。

好材料はコース適正で京都コースは前走京都金杯を勝っている、1400mでも外回りなので問題ないと思う。休み明け3走目になるがこの馬は母系にアグネスデジタルが入っているので、使い減りの懸念は少ない。悪材料は前走からの間隔が1カ月と2週の間隔になることだが、このくらいの間隔なら問題ないと思う。斤量は増えるはずだが55㎏までならこなせるはず。松山君の継続騎乗予定なので先行もしくは中段やや前あたりから進める可能性が高く、キレッキレのトップスピードの質を持っていないこの馬には良い展開に出来そう。1400mなら極端なスローバランスになることはないと思うからね。

問題はその1400mの距離で過去3走して1-0-1-1、全て条件戦なので実績的な評価は意味が無い。前半が33秒台に入るようなハイペースバランスの時が未知数で、2019年ヴィクトリアMでは前半600m33.7だったが、中段やや後ろからになり自身は34秒台の後半で入っているので、前後半のラップで見ても平均バランスくらいのは0.7差7着。リゲルSもややハイペースバランスを中段の後ろからで自身はややスローくらいのはず、前走みたいに先行したうえでハイペースバランスになった時には不安が出てくる。