2021年高松宮記念 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<アストラエンブレム>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はあまり高くなく、持続力は高い。

・マイルがベストで1800までなら何とか。

”2017年京都金杯”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー最内を回して馬群に取り付き、直線スムースに外目に出しだが届かず4着まで、持続力は見せた。”2017年大阪城S”ではスローバランスを中段の後ろから、L4から11秒台に入る流れをL1でバテ差し1着、パワーと持続力見せた。”2017年メイS”ではスローバランスを中段の前から、直線ミルコが余裕を見過ぎて追い出しが遅れて、前のタイセイサミットを差せず2着、トップスピードの質は高くはない。”2017年エプソムC”ではスローバランスを3,4番手先行、直線スムースだったが2着まで、持続力は見せた。”2017年新潟記念”ではスローバランスを中段の前から、直線は外からスムースだったが2着まで、トップスピードの質が高くない。”2017年毎日王冠”ではスローバランスを最後方から、全くレースにならずに凡走、休み明け4走目の疲労かも。”2018年大阪城S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線スムースだったが全く伸びず、この時が去勢手術明け。”2018年メイS”ではハイペースバランスを中段から、直線やや待たされたがジワジワ伸びて5着、心肺機能の高さはまぁまぁ。”2018年巴賞”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びたが、すぐ後ろに居たナイツオブナイツに刺されて2着。”2018年札幌記念”では稍重でハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走、すぐ前に居たサングレーザーに対してⅬ1で明確に見劣ったので、距離だと思う。”2018年ディセンバーS”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線はL1まで前が壁、L1で進路が空いてからバテ差しで3着まで。”2019年東風S”ではややスローバランスを中段やや前から、4コーナーから外に出してバテ差し2着まで、持続力とパワーは見せた。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスをやや離れた追走集団の先頭から、L1で失速して凡走、明らかに距離の影響。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナーで中目を回して直線バテ差し4着まで、心肺機能と持続力を見せた。”2019年ディセンバーS”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線一杯になり凡走。”2020年洛陽Sでは稍重で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが、差せずに差されて3着。”2020年東風S”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年谷川岳S”ではスローバランスをやや離れた中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2020年関屋記念では平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年京成杯AH”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ラピスラズリS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「高松宮記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

2017年の毎日王冠後に去勢手術を受けて、トップスピードの質が更に落ちた感じを受ける。元々トップスピードは高くはなかった、2017年の大阪城Sでは上り32.8で差し切っているが、スローからの4F戦でトップスピードの質というよりも持続力で勝ち切った感じだった。元々持続力は高かったし、2017年のエプソムC、新潟記念でも見せていた。持続力に関しては今も健在で、2018年ディセンバーS、2019年東風S、2019年巴賞でも見せてきた。ただ2019年新潟記念でL1明確に失速しているように、適性距離は1800まで、ベストはおそらくマイルだと思う。ダイワメジャー産駒なので、2000m以上はどうしたって長かったはず、それを馬場とミルコの腕で持たせたようなレースもあった。ダイワメジャー産駒らしいところは疲れやすい点もあって、毎日王冠が休み明け4走目で走る気を失くしていた感じ、この凡走が原因で去勢されたのかどうかは定かではないが。

2019年ディセンバーSではスローバランスを中段からで、3,4コーナー外から早目に上がって直線入り口では中段の前だったが、そこで一杯になり凡走、この時が休み明け。2020年洛陽Sでは稍重で平均バランスを中段のやや前から、前々の競馬で持続力を生かしたが、トップスピードの質で見劣り。2020年東風Sでは稍重で中段の前から、ハイペースバランスで自身もハイペースバランスに入っていたはずで心肺機能は見せた。直線でもしっかり持続力を生かしていたので、馬場も味方したが心肺機能と持続力、パワーを高いレベルで見せてきた。2020年谷川岳Sではスローバランスを中段やや前から差し切り、この時は3F戦で持続力が活きたし、直線ですぐ後ろに居たエントシャイデンのコースを殺してのものなので、あまり高く評価すべきではないと思う。

2020年関屋記念ではギリギリ平均バランスでかなり速かった、これで中段から全く伸びなかったので、心肺機能の低さを見せてしまった。2020年京成杯AHでは中段やや前から、このレースは上位5頭が全て前に行った組で、この馬のトップスピードの質では差せなかった。ただしL2辺りから手応えが悪くなっていたので、距離適性が短くなっている可能性はある。2020年ラピスラズリSではハイペースバランスを後方から、バテ差しが決まって1着だったが、この時は騸馬8歳のニシオボヌールが2着だったので、レースレベルも含めて嵌った感が強い。2021年オーシャンSでは中段やや後ろから伸びずに凡走、前残りの馬場でバテ差しの展開にならなかった。

好材料は距離適性で、2走前のラピスラズリSで58㎏を背負って1着、初めての1200mだったがバテ差しが決まって良さを見せた。悪材料はクラス負けの危険で、前走のオーシャンSが9着、ラピスラズリSと同じコースで稍重だったが、レースの上り3FはオーシャンSの方が速く34.2、前半は1秒遅かったのでバテ差しが効かなかった。問題は高松宮記念で、重馬場に悪化した昨年でも後半3Fは34.5、良馬場だと前半33秒台でも後半は34秒台で纏めてしまうのがGⅠ、この馬のトップスピードの質では届かない可能性が高い。

適性:梅

<インディチャンプ>・ステゴ産駒で掛かりやす。

・休み明けでも走る。・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・下り坂で加速できれば瞬発力は補えるが、L3が平坦だと加速に手間取る。

・トップスピードの質は高く持続力も高いが、グランアレグリアには劣る。

”有松特別”では内枠から掛かり気味に中段まで下げ直線はスムースに外に、坂で一気に前を捉えて1着。”元町S”でも内枠からドスローで掛かりながら中段の後ろに、直線はスムースに外に出し坂で周りが苦しくなったところを纏めて面倒見た。目視でL3から11.0,11.0,11.2位で長くいい脚を使ってきた。”東京新聞杯”では実質ややスローバランスを出遅れたが中段にリカバリー、直線はバテ差しの形で1着。”2019年マイラーズC”ではスローバランスを4番手で掛かり気味に追走、10秒台のラップに心肺機能が持たずにゴール前差し返されて4着。。”2019年安田記念”ではスローバランスを中段のやや前から、L5辺りでロジクライを前に入れて自身で中緩みを作り、直線ではやや強引に外に出してから伸びて1着。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを2,3番手先行、直線L2で一旦先頭に立ったがL1でアエロリットの差し返された上にゴールでは1馬身差を付けられ3着、1F長かった。2019年マイルCSではスローバランスを中段の前から、直線入り口で外にスペースが出来てスムースに加速して1着。”2020年中山記念”ではややスローバランスをやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー最内を回してL2過ぎまで追い出しを待ち4着、この時が海外帰りの休み明け。”2020年マイラーズC”ではスローバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに差し切り圧勝。”2020年安田記念”では平均バランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー最内を回し直線待たされてしまい3着まで。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年阪神C”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず3着まで。”2021年阪急杯”では平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。

「高松宮記念へ向けて」好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:騎手不安。

2019年マイラーズCは超高速馬場の中でスローバランス、それもかなりのスローバランスでかなり掛かっていた、これで後半の持続力が削がれてしまった感じ。瞬発力とトップスピードの質はまぁまぁ見せていたが、掛かってしまっては厳しくなる、この時は2か月半の間隔開けだったことが影響した可能性はある。東京新聞杯では出負けしてからリカバリーしたので掛かることもなかったし、しっかり持続力を発揮してきた。有松特別では稍重の中平均バランスを中段から圧勝しているので、心肺機能は問題ないと思う。

特に高評価は東京新聞杯で 前半45.7で2018年安田記念と大差ないし、馬場を考えれば走破時計も優秀だと思う。相手もサトノアレスが3着に来ているので、結構レベルが高い1戦、これを出負けしながらリカバリーして、中段から直線は馬群を割って伸びた闘志は多頭数でこそ生きる。この闘志がステゴ産駒の特徴だが、掛かりやすい気性も併せて持っている。2019年の安田記念で超高速馬場への適正も見せてきたし、持っているスピード能力も高い。

2019年毎日王冠で距離適正がはっきりした、アエロリットの2,3番手で先行して直線L2で一旦先頭に立ったが、L1でアエロリットに差し返されゴールでは逆に1馬身の差を付けられてしまった。L1で明確に落としているので、1800mは1F長いんだと思う、お母さんがウィルパワー、お婆ちゃんがトキオリアリティーと短距離で活躍した馬なので、マイルがベストで1800mは高速馬場でも一線級相手では苦しくなるという感じだと思う。2019年マイルCSではスローバランスを中段の前からでL2最速戦、安田記念と全く違うレースで勝ち切る能力を見せた、ただダノンプレミアムの川田騎手が絶不調で直線入り口でコースを貰えたことが大きかった。2020年中山記念では離れた追走集団の中段から、終始最内を回してスムースだったが、L2過ぎまで追い出しを待ついつもの福永競馬で届かず4着、この時は海外帰りの休み明けだったのでピリッとしなかったが、追い出しが遅れたことも大きな要因だと思う。

2020年マイラーズCではやや離れた追走集団の前からで、しっかり折り合いがついていた。これで3,4コーナー最内を回して圧勝、58㎏だったが役者が違った感じ。2020年安田記念は中段のやや後ろから、アーモンドアイがスタートで遅れたために意識し過ぎたのか、いつもよりも後ろからになった。直線でも前に詰まって福永騎手らしいコース取りで3着まで。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスを中段のやや前から、直線L1までグランアレグリアを内に閉じ込めていたが、トップスピードの質を持続する能力でグランアレグリアに見劣り2着まで。2020年阪神Cでは平均バランスを中段の後ろから、高速馬場で前残りにも拘わらずスタートで控えてしまい届かず、騎手の馬場読み、ペース認識の不味さが出た。2021年阪急杯では中段から4着まで、高松宮記念への前哨戦で仕上げて来なかった。

好材料はコース適性で中京は有松特別でマイル戦だったが勝っている、ほぼワンターンのコースだし、左回りの府中で安田記念を勝っているのでコース適性は高いはず。今回は休み明け2走目、前走の阪急杯で2か月の間隔を空け4着、前哨戦でしっかり仕上げて来なかったはずで、上積みを期待できる。悪材料は騎手不安で、近2走を見ると出して行かないんだよね、3冠ジョッキーの福永騎手に対して騎手不安というのは失礼だけど、元々掛かるところのある馬なので、出して行って折り合いを欠くことを怖がっている感じがする。これで差し届かずは印象が悪く、外枠を引いてしまうと再度中段よりも後ろになって届かない可能性が出てくる。距離適性は何度も書くが問題ないと考えている、母系を辿ればウィルパワーとトキオリアリティーなので、短距離適性は高いと思う。

適性:松

<エイティーンガール>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年桂川S”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2019年浜松S”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線前が壁になり凡走。”2019年ファイナルS”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに差し切り。”2020年シルクロードS”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年鞍馬S”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースだったが3着まで。”2020年函館SS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが届かず凡走。”2020年UHB賞”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年キーンランドC”では重馬場でややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線外から差し切り。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線詰まって凡走。”2021年シルクロードS(中京)”では後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「高松宮記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>桂川Sで平均バランスを中段から進め、スムースだったがアイラブテーラーに差し切られてしまった、葵Sでも平均バランスで良くなかったし、前半ペースが上がると後半は失速してしまうんだと思う。2020年UHB賞ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナーもロスなく回った割に直線スムースだったが伸びなかった、改めて心肺機能の低さを見せつぃまった。

<パワーについて>ファイナルSが良い内容で、レースラップはL2が11.7にも拘わらず、L1で11.5に上げている、このL1ラップはこの馬のラップなので、坂でも失速せずしっかりと踏ん張った。

<瞬発力について>浜松Sで直線詰まってしまい、再加速に手間取り凡走したので、瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>ハイペースバランスをバテ差す形で良さを見せているように、トップスピードの質は高くはないが、まぁまぁの評価はできる。鞍馬Sですぐ前に居たタイセイアベニールを捉えきれなかった。2020年函館SSでも後方からで、コース取りも良くなかったし、馬場を考えると届かなくても仕方ないが、シヴァージに見劣っているのでトップスピードの質は高くない。2021年オーシャンSでは中段の後ろからで、5枠9番から外に出していない。これで直線入り口でスムースさを欠き、前残りもあって届かなかった、スムースなバテ差しが出来ないとダメ。

<持続力について>バテ差しになれば高い持続力を発揮するのは、ファイナルS、シルクロードS、鞍馬Sで見せている。2020年キーンランドCで後方から差し切り、重馬場で前半スローで入って後方から足を溜め、上りも馬場が悪く掛かっているために差し切れた。

<その他について>心肺機能が低いので、後方からのバテ差しが得意パターンになっているが、当然展開待ちになり馬場状態次第では届かず凡走の危険を孕んでいる。2020年函館SSでも後方になり届かず、スタートも良くないし、今後も展開待ちになる。2020年スプリンターズSでは直線詰まって凡走、良馬場でもかなり重い馬場でハイペースバランスになりバテ差しが効く展開だっただけに、モッタイナイレースだった。非ノーザンF生産馬だが休み明けは良くないことがある、2020年鞍馬Sでは上がり最速で3着だったが、2021年シルクロードSでは全く伸びずに凡走している。

好材料は距離適性で、1200mは5-3-1-9と複勝率5割。中京コースは2戦して共に凡走しているが、シルクロードSは休み明けだったし、浜松Sは中段やや前から直線前が壁になってしまったので、この2戦は度外視して良いと思う。悪材料はクラス負けの危険で、スプリンターズSは直線詰まったので度外視して良いが、前が止まらない流れでは届かないことを再三見せている。それが顕著に出たのが前走のオーシャンSで、レースの上り34.7では届かなかった。鞍馬Sなんかは自身の上り32.4を叩き出して3着だったが、レース内容と相手を考えると高評価までは出来ない。

適性:梅