2021年日経賞 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<アールスター>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
2020年小倉記念 1着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。自身も平均バランスには入っていたはずで心肺機能は見せたし、L3から11秒台なのでまぁまぁの持続力を見せた。ただし53㎏の軽ハンデだった。
2020年新潟記念 14着 スローバランスを離れた追走集団のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。トップスピードの質で見劣った。
2020年アルゼンチン共和国杯 8着 ややハイペースバランスをやや離れた中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。L2ですぐ前に居たオーソリティに一気に引き離されてしまったので、トップスピードの質で見劣り。
2021年中山金杯 5着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて5着。パワーは見せたが届かなかった。
2021年小倉大賞典 4着 ややハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。中緩みが無くバテ差しで伸びたが、直線入り口ですぐ外に居たボッケリーニにはトップスピードの質で見劣り。
総評
2020年小倉記念でバテ差し1着、この時は53㎏だったのでその分は考慮すべき。2020年新潟記念や2020年アルゼンチン共和国杯では、トップスピードの質で見劣ったし、11秒台前半を連発すると苦しくなる。2021年中山金杯では4F戦でまぁまぁの持続力を見せたし、坂で一気に差を詰めてきたので、パワーを生かしたバテ差しで良さを見せた。

「日経賞へ向けて」好材料:コース適性。。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性で、中山では金杯で悪くないレースをしていて、スローバランスだった為に得意のバテ差しに行けなかったが、L1では坂でしっかり伸びていたので、ある程度流れて消耗戦になればチャンスはあるはず。悪材料はクラス負けの危険で、小倉記念を勝っているがハンデ戦で53㎏と恵まれた。その後の重賞ではピリッとしていないので、このクラスでは勝負にならないかもしれない。自分でレースを作れるタイプではないので、得意のバテ差しに持ち込めないことが最大の不安材料ですね。

適性:竹

<ウィンマリリン>・心肺機能はやや高い、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線押し切り圧勝。”若竹賞”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線外に出したが伸びずに5着。”ミモザ賞”では稍重で平均バランスでやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”フローラS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”オークス”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の2番手から、3,4コーナー最内を回して直線一瞬待たされてから伸びたが4着まで。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが6着まで。

「日経賞へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:微妙な間隔。

<心肺機能について>フローラSがハイペースバランスを先行して押し切っている、直線かなりの向かい風でトップスピードの質を問われなかったことも良かったが、L1を12.1で纏めているので、心肺機能は高い。

<パワーについて>新馬戦、ミモザ賞で小回り急坂の中山と阪神内回りを快勝、新馬戦ではL1も12.0で纏めているので、パワーは武器になるほど高い。

<瞬発力について>若竹賞でL2の11.6に反応できずに手応えが悪かった、直線入り口でも一瞬待たされてしまい、再加速できずに凡走している。逆に快勝した新馬戦、ミモザ賞、フローラSでは直線スムースだったので、特にミモザ賞ではL2で出し抜いているので、まぁまぁの評価。2020年AJCCでは4コーナーで一瞬待ってしまった、これで6着は休み明けを考えてもやや物足りないので、瞬発力で勝負するべきではない。

<トップスピードの質について>現状ではまぁまぁの評価しかできないが、良馬場でドスローだった新馬戦でもL2が11.5なので、武器になる程のトップスピードの質はないと思う。オークスでは先行して押し切るところをデアリングタクトに差された、この日は良馬場だが結構かかっていたので、トップスピードの質は問われなかった展開も含めて嵌った印象が強い。2020年エリザベス女王杯では4コーナーで一瞬待たされてしまい、トップスピードの質で見劣った。

<持続力について>快勝したレースはいずれも3F戦になっていて、3Fまでで持続力の高さを見せている。現状では4F以上の持続力については不明だが、血統的にもフローラSの感じからも対応できそう。

<その他について>ミモザ賞でも4コーナーで馬群を割ってコースを確保したし、フローラSでも内からこじ開けてきた、かなりの闘志を持っているようで馬群に怯まない。オークスでは2番手先行、やや間隔を空けて絶妙なペースで追走して、4コーナーでミルコが仕掛けたがそこで”待って、直線L2から追い出して2着と横山典騎手が好騎乗を見せた。大外から2番手を取れたしコーナーは終始最内、仕掛けのタイミングもドンピシャでこれ以上の騎乗は出来ない程完璧だったので、同じことをもう一度できるかは微妙。秋華賞では先行したが凡走、この時はオークス以来の休み明けでプラス12㎏、直線も伸びない内を通して全く伸びなかった。更にこの時は初輸送だったことも影響したはず。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くない、秋華賞が5カ月弱の間隔で大敗、この時は裂傷の影響も。2021年AJCCでも2カ月強の間隔で6着だった。

好材料は見つけにくく、コース適性は中山で2-0-0-2で悪くないが、2500mは初めてなので距離適性に不安がある。お母さんコスモチェーロが同コースで2着しているし、半兄のウインヴォラーレが長いところで好走しているので、長いところが合うかもしれない。クラス負けの危険は気にしなくていいと思う、エリザベス女王杯でラヴズオンリーユーから0.3差だし、センテリュオには先着しているので、斤量も含めて勝負になるはず。悪材料は2カ月強の間隔になる点で、ほぼ2カ月なのでギリギリかな~。前走のAJCCは2カ月と10日の間隔だったので、それよりは短いが嫌な間隔であることは確か。ミモザ賞が2カ月と5日で快勝しているので、大きな不安材料ではないが。

適性:竹

<オセアグレイト>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・中緩みのある長距離戦で。

”2019年稲城特別”では不良馬場でスローバランスを追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2019年信夫山特別”では平均バランスを離れた追走集団の前から、3,4コナー中目を回して差し切り圧勝。”セントライト記念”では重馬場で平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2020年迎春S”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”2020年ダイヤモンドS”では平均バランスを3,4番手先行、終始最内を回して直線スムースに抜け出したが3着。”2020年メトロポリタンS”ではややハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して内目を回して直線詰まってからジリジリまでで5着。”目黒記念”では平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで。”2020年七夕賞”では重馬場で平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだたが伸びずに凡走。”2020年アルゼンチン共和国杯”ではややハイペースバランスを離れた2番手から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ステイヤーズS”では稍重でスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2020年有馬記念”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「日経賞へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの危険、休み明け。

野中騎手に替わって好走を続けている、ただセントライト記念でボロが出た。まず稲城特別では不良馬場で超スローバランスを先行して押し切り、信夫山特別では良馬場で平均バランスを先行して押し切った。この2レースは不良馬場と良馬場、スローバランスと平均バランスと違う展開になっているが、どちらも前半は遅い部分が共通点、信夫山特別では平均バランスだが前半1000m61.0とかなり遅い。

そして問題のセントライト記念、重馬場と言っても前年のセントライト記念(良馬場)よりも走破時計が速かったので、そこまで重くなかったはず。これで前半1000m59.8を先行してしまい、直線入り口で一杯になってしまった。前半ユッタリ入った方が良いはずだが、結局騎手がこの特性を理解していないことを露呈したんだと思う、もしくはペース認識が悪過ぎるのか?

意外な良さを見せたのが2020年迎春Sで、この時は前半1000m63.4と理想的な入り、これでL4から11秒台に入れて、驚いたのがL2で更に0.2の加速をして11.4に入れてきた。これにしっかりと対応してきたので、瞬発力とトップスピードの質はまぁまぁという評価をしないといけないし、L4から11秒台に入れてL1も11.8で纏めているので持続力の高さも見せた。

2020年ダイヤモンドSでは平均バランスで、最初の1000mが62.6、次の1000mが61.4、400m挟んで最後の1000mが62.8と速いラップが全くないレース。これで2着から5馬身差とは言え3着に粘ったことから分かるのは、いわゆるAT値(無酸素性作業閾値)があまり高くなく、一度この値を超えてしまうと一気に疲弊してしまうのだろう。この感じはセントライト記念で見せていて、前半が速過ぎて無酸素運動領域に入って、直線入り口で一杯になった。ダイヤモンドSでは速いラップを踏まなかったことで、ず~っと有酸素運動の領域だったのだと思う。ただやっぱり距離は長くて最後に足が上がってしまった、ステイゴールド産駒らしく苦しくなってから踏ん張れたが、最後にもう一足使えるギヤは持っていない感じ。

2020年メトロポリタンSではややハイペースバランスを中段から、このレースはややハイペースバランスになっているが、大きな中緩みが合って消耗戦ではなく3F戦になっている。これで直線内に詰まってしまい、L2から外に出したが5着までだった。直線でのコース取りは酷いが、実はL3から11.0-11.0-11.6と流れているので、詰まってはいるが減速はしていない。なのでこのレースで負けた理由はトップスピードの質で見劣った。2020年目黒記念では平均バランスを中段から、このレースは中緩みの無い淡々としたペースで息が入らなかったことで、L1で一杯になってしまった。2020年ステイヤーズSではスローバランスで中緩みがあり3F戦になった、これを2,3番手追走から押し切り。2020年有馬記念では中段の前から進めたが、L5過ぎに全体のスピードが上がった時に置かれてしまい、スムースだったがバテ差しにならなかった。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けが不安定、2020年迎春Sでは勝ち切ったが、2020年アルゼンチン共和国杯では中緩みが合って得意パターンだったが、全く伸びずに凡走した。これは休み明けの影響だと思う。

好材料はなし、中山では迎春Sを勝っているがこの時は相手が弱い、2着サトノエルドールと3着ヒシヴィクトリーは未だに3勝クラスで苦しんでいる。コース適性は悪くはないが好材料という程でもない。悪材料はクラス負けの危険で、前走の有馬記念では全く勝負にならなかった。GⅡとはいえ斤量の恩恵もないしここでは苦しいはず。休み明けも悪材料ですね、迎春Sで休み明けを勝っているが、アルゼンチン共和国杯では凡走、メトロポリタンSでも2か月半の間隔で1番人気5着なので、休み明けで期待はできない。

適性:梅

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