2019年中日新聞杯 全頭評価。その5。

<ラストドラフト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。  

“新馬戦”ではスローバランスを中段の内から、直線前が壁になり抜け出すのに手間取ったが何とか1着、トップスピードの質と瞬発力で見劣り。”京成杯”ではスローバランスを2番手から、出し抜けないが坂で粘って1着。”弥生賞”では重馬場の平均バランスを逃げて凡走、前半消耗した感じ。”皐月賞”では平均バランスを中段から、終始中目を回して直線はジリジリまでで7着、平均バランスだが上位には楽なペースの割に伸びがイマイチ。”2019年オクトーバーS”ではスローバランスを後方から、直線は外からスムースだったが伸びずに凡走、この時が休み明け。

「中日新聞杯へ向けて」好材料:休み明け2走目。悪材料:クラス負けの危険。

新馬戦では中段から差して1着だが、京成杯では2番手から先行して抜け出し、中山の急坂をしっかり登って一着だった、パワーと持続力の高さを見せているがトップスピードの質はあまり期待できない。 弥生賞では重馬場を逃げたが直線でいっぱいになってしまい凡走、重馬場が合わなかった可能性が高い。皐月賞では平均バランスを中段から進めたが、直線では伸びがイマイチで7着に終わっている。この時は平均バランスだが上位の馬には楽な流れで、同じ位置から直線に入ったサートゥルナーリアにはトップスピードの質、瞬発力、持続力で大きく見劣った。

2019年オクトーバーSではスローバランスを後方からになり全く勝負にならなかった、前残りの展開だったことで 展開が噛み合わなかったこともあるが、そもそもこのクラスで通用しない可能性もある。この時は休み明けで本来の力を出せなかったのかも・・・、この馬は社台F生産馬なので休み明けは良くない。

好材料は休み明け2走目になることで、この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くなく上積みは期待できる。悪材料はクラス負けの危険で古馬混合重賞は初めてになる。前走が古馬のOPで休み明けとはいえ後方から全く伸びずに8着に大敗してしまったのは印象が良くない。ノヴェリストの産駒もこれといった活躍馬が出ていないので大きな期待はできないし、中京コースも初めての経験になるので輸送も含めて不安が大きい。

<ランドネ>・心肺機能は低くパワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・休み明けでも走る。

・1000m通過60秒以上のスローで好走傾向。

”2018年修学院S”ではスローバランスのL2最速戦を逃げ切り。”2018年秋華賞”ではややスローバランスを先行して、ロンスパに対応できず6着。”2019年愛知杯”ではスローバランスを逃げてL2最速戦で3着。”2019年中山牝馬S”ではスローバランスを3番手最内先行、直線で最内が狭くなり全く追えずに凡走。”2019年福島牝馬S”ではスローバランスを中段のやや前から、直線でまたも狭くなって凡走。”2019年マーメイドS”ではややハイペースバランスをやや離れた追走集団の2番手から、直線早々に一杯になり凡走、この時は54㎏で上位は軽ハンデばかり。”2019年府中牝馬S”では稍重でほぼ平均バランスを中段から、終始外目を回し直線では早々に力尽きて凡走した、この時の1000m通過が58.3秒でこの馬の限界を超えている。

 「中日新聞杯へ向けて」好材料:休み明け2走目、スローペースが予想できる展開。悪材料:クラス負けの危険。

スローバランスを得意としているので心肺機能は低い、紫苑Sや修学院S、愛知杯で前半1000m60秒以上かかる展開で好走しているし、秋華賞も6着とは言え先着した馬はかなり強いので高評価。中山牝馬Sと福島牝馬Sは2走続けて直線で大きな不利を受けているので、度外視していいと思う。逃げ・先行でスローペースに落とす展開で狙いたい馬かな。休み明けでも走るのはちょっと意外だけど、紫苑S3着があるので仕上がりは早いのだろう。 

好材料は休み明け2走目で上積みが期待できる点、斤量は52kgだが前走も54kgで走っているためさほど恩恵はないと思う。今回展開の鍵を握るのはタニノフランケルになる可能性が高く、前走同様松若騎手が手綱を取るので前半1000mが60秒以上かかりそう、この展開はランドネにとっては非常に良い展開なのでハマれば人気薄で好走するかもしれない。悪材料はクラス負けの危険で、ローカル重賞とはいえ牡馬混合では苦しいかもしれない。当然前半から流れてしまえば失速するリスクは多分に含んでいるので大きな期待はできない。

<ロードヴァンドール>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・休み明けは良くない。

”2017年中日新聞杯”ではスローバランスを逃げて3着、スローからの3F戦で粘り込み。”2018年日経新春杯”ではスローバランスを逃げて2着、スローからの3F戦で粘り込み。”2018年チャレンジC”ではスローバランスを最後方から、ポツンでレースにならず、この時長休明け。”2019年日経新春杯”では超ハイペースバランスを先行して13着、先団が総崩れの展開でレースにならず。”2019年阪神大賞典”では前半から飛ばして、後半は粘り込み3着、稍重馬場で後続も脚を使う特殊なレースだった。”2019年七夕賞”では稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の2番手から、3,4コーナー中目を回して直線粘って3着、持続力を生かした。”2019年札幌日経OP”ではスローバランスを2番手から、3コーナーで捲られL3で一杯になり凡走、前走稍重でハイペースバランスを先行した反動と、前半やや掛かっていた影響もあると思う。”2019年札幌記念”では平均バランスを離れた追走集団の中段から、終始最内を回したがL3で一杯になり凡走。”2019年アンドロメダS”ではややスローバランスをやや離れた追走集団の中段から、 3、4コーナー外目を回して直線外からスムーズに早めに先頭に立ったがトップスピードの質と持続力で見劣り4着まで、1kg重いトリコロールブルーに後ろから差されているのは印象が悪い。

「中日新聞杯へ向けて」好材料:レース適正。悪材料:近走のリズムの悪さ。 

ダイワメジャー産駒にしては異端ともいえる距離適性を見せている馬で、3000mの阪神大賞典で3着がある、稍重馬場でトップスピードの質を問われなかったとはいえ、長距離戦で3着に粘ったのは驚きだった。2018年の日経新春杯や日経賞でも好走しているが、阪神大賞典も含めて逃げてトップスピードの質を問われない展開に持ち込んだことが好走要因だと思う。心肺機能の高さは2019年の七夕賞で見せた、稍重でハイペースバランスを先行して3着に粘ったのは高く評価できる。休み明けは良くなくて骨折明けのチャレンジC,2017年の札幌記念も良くなかった、この辺りは外厩の差だと思う。ダイワメジャー産駒なので基本的には先頭に立ちたい気性を前面に出してしまう、稍重などで気を取られれば折り合えるようだが、良馬場ではすんなり逃げられないと掛かって自滅してしまうことが多い。

2019年札幌記念では平均バランスを追走集団の中断から進めてL3で一杯になっている、 この時は休み明け3走目になり疲労の影響もあったはずで大敗したことは度外視してしても良いと思う。休み明けのアンドロメダSではややスローバランスを追走集団の中段やや前あたりから進めて、3、4コーナー外を回すややロスの多い競馬になってしまった、ただ直線では一旦先頭に立ったものの1kg重いトリコロールブルーに後ろから交わされているので、持続力で見劣っている。スタートも押している割に進んでいかない感じで、6歳になりズブくなってきた感じがするのですんなり逃げ・先行できなくなっている可能性が高い。

好材料はレース適正で2017年金鯱賞2着、2017年中日新聞杯3着とコース適性を含めて相性が良い、どちらのレースもスローバランスを逃げて粘り混んでいるので同じように逃げられるかどうかが鍵になりそう。悪材料は近走のリズムの悪さで、前走は3、4コーナーで外を回すロスが大きかったが、展開的には噛み合っているので後ろから1kg重いトリコロールブルーに差されてしまったのは印象が良くない。現状ではトップスピードの質、持続力、ともに落ちてきた感じがあるのでローカル重賞でも苦戦するかもしれない。実際札幌日経OPでも先行していながら9着と大敗しているので6歳になり衰えてききた可能性がある。