走破時計3:07.3 前中後 62.4-63.2-61.7
まずは馬場状態ですが重馬場でした、朝の段階では稍重でしたが、そこから雨が降り続き、芝のレースが始まった5Rには重馬場になりました。ただし走破時計が3分7秒3なのでそこまで悪化していない感じがします。9Rの豊中特別が2勝クラスの1200mで1:09.6なので稍重位で収まっていた可能性がありますね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2020年菊花賞、緑は2021年AJCCのグラフです。
圧倒的な1番人気に押されたアリストテレスは7着でした、菊花賞とは馬場状態が違い過ぎますが、ラップ推移も大きく違って今回はL7からペースアップ、菊花賞ではL4からペースアップしています。アリストテレスについては持続力が若干低い可能性がありました、出雲崎特別、小牧特別、菊花賞と3F戦で良さを見せていて、今回は持続力が足りなくなった可能性があると思います。AJCCでもL5からペースアップしてL1は13.3迄減速しているので、この馬の持続力は4Fまでと考えて良いかも。
逃げたのはツーエムアロンソ、やや離れてシロニイとタイセイモナークが2,3番手。中段の前からメイショウテンゲン、ディープボンド、ショウリュウイクゾ、中段からアリストテレス、中段やや後ろからタイセイトレイル、アドマイヤジャスタ、ゴースト。中段の後ろからダンスディライト、後方からユーキャンスマイルとナムラドノヴァンという並びでした。
逃げたのはツーエムアロンソでした、西宮Sで逃げましたが10着なので、決して逃げが良い馬ではないと思います。他に何が何でも逃げたい馬も居なかったので、一か八か逃げてしまった感じですね。やや離れてシロニイとタイセイモナークが2,3番手、上手くスタートを決めたシロニイは外から絞られなかったので、すんなりと先行出来ました。驚いたのがメイショウテンゲンで、スタート五分に出てやや押して中段を取ってきました。タイセイトレイルは岩田騎手がこのレースへ向けて脚質を変えてきましたね、TVで阪神大賞典を勝つ秘訣として「直線までじっとしている事」と言っていました、正直ブラフだと思っていたので、まさか控えるとは思いませんでした。岩田騎手は正直者ですね。
アリストテレスはディープボンドの後ろから、そのディープボンドが前走の反省を生かして中段の前からでした。ダンスディライトが中段の後ろからで、後方からになったのがユーキャンスマイルとナムラドノヴァンでした。
今回のレースでは縦の位置取りよりも、横の位置取りが重要だったようです。上の画像からも分かる通り、上位3頭は終始外目を走っていました。特にユーキャンスマイルとナムラドノヴァンはディープボンドよりも1頭分外を走っていたので、内は馬場が荒れていて外を通した方が優位だったのかもしれませんね。
最終向正面です、ここでも上位3頭は外目を通していますね、逆に絶好の展開になったメイショウテンゲンは最内をロスなく回していました。この辺りからペースが上がりますが、ディープボンド以下はジリジリと差を詰めていました。なのでグラフのラップ通りのペースを刻んだはずです。アリストテレスとディープボンドはほぼ同じ位置ですから、これはディープボンドの持続力に屈したと言って良いでしょう。
最終4コーナーです、タイセイモナークが力尽きた所、ディープボンドが先頭に追い付く勢い、内からメイショウテンゲンも頑張っていますが、最内を通した割に前に追いついていません。ディープボンドとの内外の差を考えると、馬場差が相当あったかのかもしれませんね。これは中段の後ろから上がってきた、ユーキャンスマイルと、ナムラドノヴァンに対して、ダンスディライトが1頭分内に入っていて、ダンスディライトは直線入り口でユーキャンスマイルとナムラドノヴァンに遅れていたことからも、外の方が優位だった可能性があります。
直線L1標識付近です、ディープボンドがスムースに抜け出し差を広げます、内で頑張っていたシロニイも外から差されて4着まで。ここでも外を通したユーキャンスマイルとナムラドノヴァンが伸びて2,3着。アリストテレスは伸びを欠いて最後は諦めましたね、そこをメイショウテンゲンが差し返してこの2頭が6,7着。ダンスディライトは最後にジリジリ伸びて5着、道悪適性と通したコースのわずかな差が出た感じですね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はディープボンド、前走の反省からかしっかりと中段の前を確保、終始馬群の外目を走らせていたので、馬場の良い部分を見極めていたようですね。内へ入れるチャンスはありましたから、あえて外目を通した和田騎手の好騎乗でしょうね。皐月賞がハイペースバランスで凡走、京都新聞杯も同じくハイペースバランスで凡走している理由を考えると、前走の中山金杯も含めて輸送ではないかと。京都、阪神では福寿草特別以外は、菊花賞4着を含めてすべて好走しているので、輸送の可能性が高いと思います。そう考えると輸送の有ったダービーで5着しているのは、相当な評価をしてあげないといけませんから、今回の圧勝も驚けません。調教も良かったし、パドックも良く見えたのでしっかり仕上がっていましたね。
2着はユーキャンスマイル、昨年の1着馬ですから本領発揮でしょうか。昨日の豊騎手負傷で急遽藤岡佑騎手へ乗り替わりましたが、この馬はやること一つですから迷うことはなかったですね。この馬も道中ずっと外目を回していて、内はがら空きですから意図的に外を通していたようです。重馬場になってトップスピードの質が問われない展開も、この馬には良かったですね。ただナムラドノヴァンと上り3F同タイムで、着差が4分の3馬身というのはこの馬の実績を考えると物足りませんね。ここを叩かれてピりっとするのか、良馬場では切れ負けしてしまうのか今後の注目ですね。
3着はナムラドノヴァン、万葉Sでは51㎏、ダイヤモンドSでは53㎏だったので、56㎏を克服してきたのは今後に繋がりますね。6Fの超ロンスパになったことと、終始外目を回したコース選択の良さでの3着だと思います。もちろん持続力は見せているし、道悪適性も見せているので、条件が揃えば今後も楽しみです。
4着シロニイ、先行して4着に残ったのは立派ですね、なにしろ12番人気ですからね~。前に居て6F戦になってしまうと苦しいですね、それと通したコースも内目だったので、コースロスなく乗ったことは良かったが、馬場読みの差が出た感じですね。別定戦のGⅡで4着なので早くOPに上がって欲しい。条件さえ合えばこのクラスでも勝負になりそうですからね。
5着がダンスディライト、4コーナーで1頭分内を走った分でしょうか、道悪適性には疑問があるので、5着でも高評価で良いと思います。決してバテているわけではないので、長距離適性はあると思うので、天皇賞(春)に出てくれば狙ってみたいですね~。
6着はメイショウテンゲン、重馬場で期待しましたが内を通したこと、中段の前から進めたことが、今回は良くない方に出てしまったかもしれませんね。いつも通り後方から外を回せば、ユーキャンスマイルとナムラドノヴァンが届いているだけに、タラレバを言いたくなります。今後も好走するには特殊な条件が必要になると思うので、その辺の見極めが大事ですね。
7着はアリストテレス、4コーナーですぐ前に居たディープボンドに付いて行けませんでしたね、この辺で苦しくなってしまったんでしょう。天皇賞(春)は例年L2最速戦になるので、この馬の適性には合うはずですが、今年は阪神ですからどうなるか。
馬券の方は軸2頭が飛んでしまい完敗、4コーナーまでは「もしかして」という思いもありましたが、直線に向いて打ち砕かれました。来週は日経賞と高松宮記念の予定です。