2021年安田記念 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ダイワギャクニ―>・心肺機能は高く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはなく、持続力は高い。

”2018年中山金杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったがジリジリと5着まで、後ろからブラックバゴに交わされてしまっているのでトップスピードの質は高くない。”2018年東京新聞杯”ではスローバランスを中段やや前、外から、直線外からスムースだったが3着まで、1着リスグラシュー、2着サトノアレスにはトップスピードの質で見劣った。”2018年メイS”ではハイペースバランスを中段から、直線中目からスムースに加速して押し切り、心肺機能と持続力の高さを見せた。”2018年エプソムC”では重馬場で平均バランスを中段から、4コーナー内から先団に取り付いたが、直線はのめってしまったのか伸びずにL1で諦め凡走。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを中段から、直線中目からスムースだったが伸びずに凡走、2着ステルヴィオに並ぶ間もなく交わされてトップスピードの低さを見せた。”2018年キャピタルS”ではスローバランㇲを中段から、直線やや狭くなったがトップスピードの質で見劣り7着。”2019年白富士S”ではスローバランスを最後方から、直線外からスムースだったが4着まで、この馬のトップスピードの質では届くはずもない。”2019年東風S”ではややスローバランスを中段から、4コーナー外を回して直線バテ差し3着まで。”2019年ダービー卿CT”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、4コーナー外を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年メイS”ではスローバランスを3番手先行、直線外からスムースに加速して押し切り、3F戦で持続力が生きた。”2019年新潟記念”では平均バランスを中段から、直線は伸びずに凡走、この時が休み明け。”2019年オクトーバーS”ではスローバランスを2,3番手先行、直線スムースに伸びて辛勝。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを逃げて6着、心肺機能と持続力、重馬場適性を見せた。”2020年白富士S”では平均バランスを逃げて凡走、この時は58㎏で休み明け。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを逃げて3着、休み明け2走目で好走。”2020年新潟大賞典”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切って1着。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに粘って2着。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年日経新春杯”では2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを逃げて凡走。”2021年マイラーズC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し4着。

「安田記念へ向けて」好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:斤量、蓄積疲労。

2018年のメイSを見てもトップスピードの質は高くはないが、心肺機能と持続力は高いのでハイペースバランスを先行して押し切るのが合っている、ところがスローバランスを容認してしまうレースが続いて、トップスピードの質で見劣り凡走してしまう。特に酷かったのが2018年の白富士Sで、横山典騎手お得意のポツンで届かずだった、東風Sやダービー卿CTでも中段以降からレースをして、東風Sこそ3着にバテ差してきたが、ダービー卿CTは凡走している。2019年のメイSではスローバランスだったが3F戦に持ち込んで圧勝、この時は57㎏のトップハンデだったが相手も弱かった。ここでもトップスピードの質は低く、上り33.5は平凡だった。2019年ジャパンCでは逃げて6着、重馬場の中でややハイペースバランスだったが心肺機能と持続力、道悪適性の高さを見せた。

2020年白富士Sでは逃げて凡走、休み明けで58㎏だったので度外視。2020年金鯱賞では逃げて超スローバランスに持ち込み3着、休み明け2走目で上積みもあり、初の中京コースも左回りであっさり克服。2020年新潟大賞典ではややスローバランス、スタートでやや遅れてリカバリーして中段やや前、こうなると当然トップスピードの質で見劣り凡走した。それだけでなくこの時は57.5㎏だった、2019年新潟記念で57.5㎏16着、2020年白富士Sが58㎏で7着と斤量負けの可能性がある。2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを先行、ジャパンCでも道悪適性を見せていて、ここでもしっかり勝ち切った。キンカメ産駒の蓄積疲労を懸念したが、トップスピードの質と瞬発力が問われなかったことが良かった。2020年毎日王冠では稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の前から、スタート後にペースを読んで間隔を空けた内田騎手の好判断。これでスムースに粘り込んで2着を確保した、この時は去勢明けだったが調教はいつも通りだった。2020年天皇賞(秋)では2番手先行からで直線失速、トップスピードの質が足りないことを見せた。

2021年日経新春杯ではスローロンスパで後半6Fが11秒台という消耗戦、L2過ぎで一杯になっているので、さすがに先行して6F戦では分が悪かった。2021年東京新聞杯では逃げたが、高速馬場でスピード負けして凡走。2021年マイラーズCでは離れた追走集団の中段のやや前から、自身もギリギリ平均バランスに入っていたはずで、トップスピードの質が問われなかったことで4着に粘れた感じ。

好材料はコース適性で府中は8-1-1-10と凡走も多いいが1着多数、距離適性も良くて2017年のキャピタルS1着、2018年東京新聞杯3着、2019年東風S3着とマイルでも結果を出しているし、前走のマイラーズCが0.2差4着と好走している。悪材料は斤量で58㎏では結果が出ていない、天皇賞(秋)が1.2差6着だし、2021年東京新聞杯が1.2差14着、2020年白富士S0.6差7着。更に57.5㎏でも凡走していて2019年新潟記念16着、2020年新潟大賞典14着、2021年日経新春杯12着なので、斤量負けだと思う。今回は58㎏なので苦しいはず。キンカメ産駒なので7歳になり蓄積疲労も不安材料、去勢しているのでこの影響で蓄積疲労が出ない可能性もあるが・・・。

適性:梅

<ダノンキングリー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高く持続力も高い。・58㎏では斤量負けする。

”新馬戦”では4番手からスローのL2最速戦、パワーで坂を上ってL1もしっかり。トップスピードの質でカレンブーケドールにやや見劣る。”ひいらぎ賞”ではスタートでやや遅れリカバリーしつつ中段の外を追走、ハイペースバランスの中で外から捲って圧勝、心肺機能の高さを見せた。”共同通信杯”ではスローバランスを中段やや前から、直線はトップスピードの質と持続力で圧勝、この時の2着がアドマイヤマーズ。”皐月賞”では平均バランスを中段の前から、直線入り口で待たされた分届かず3着。”ダービー”では離れた追走集団の前目から実質スローバランス、直線は伸びたがロジャーバローズを捕まえられず2着。”2019年毎日王冠”ではスローバランスを後方から、直線スムースに外から伸びて圧勝、持続力とトップスピードの質を見せたし、この時が休み明け。”2019年マイルCS”ではスローバランスを中段最内から、直線スムースだったが最内が伸びずに5着まで。”2020年中山記念”ではややスローバランスを中段の前から、3.4コーナー最内を回して直線差し切り1着、この時が休み明け。”2020年大阪杯”ではスローバランスを逃げて3着、逃げ馬不在で押し出されてしまい目標にされた。”2020年安田記念”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがジリジリまでで7着。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線全く伸びずに凡走。

「安田記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:斤量。

共同通信杯で見せたトップスピードの質と持続力はかなりのもので、新馬戦で追い詰められたカレンブーケドールが、オークスで僅差の2着もこの馬の評価を上げる。さらに評価を上げるのがひいらぎ賞で、ハイペースバランスを力でねじ伏せ、高い心肺機能を見せつけた。問題は皐月賞で直線入り口で明らかに待たされている、それでも僅差の3着だったのは高評価。もちろん瞬発力の低さは見せてしまったので、直線詰まったり追い出しを待ってしまうと危険ですね。ダービーではロジャーバローズを捉えきれなかったが、クビ差まで追い詰めたし、持続力の高さを改めて見せた。

2019年毎日王冠で初の古馬混合戦で改めて素質の高さを見せてきた、相手がアエロリットとインディチャンプで、どちらも休み明けを苦にしないしアエロリットのホームコースでもある。これで最後方から1頭だけ次元の違う末脚を繰り出してきたので、今後も古馬相手に十分戦えることは証明した。ただここでも直線外からスムースだったので、瞬発力は見せていない。2019年マイルCSでは直線最内が伸びずに5着までだった。2020年中山記念では離れた追走集団の前から進め、L3からしっかり追い出し圧勝、馬場読み、追い出しのタイミングが抜群で騎手の能力が非常に大きかった。この馬は瞬発力には不安があるのでL4から前を捕まえる勢いで、L3からしっかり追い出してL2で10秒台に入るトップスピードの質も見せた。2020年大阪杯では逃げて3着、元々持続力の高さは持っている馬なので、悪い作戦ではないが風除けもなく目標にされたので仕方ない面もある。懸念された輸送はクリーアしているので、今後は不安視する必要はない。2020年安田記念では中段やや前からで、終始内目を回したし直線もスムースだったが、L2で瞬発力で見劣り7着までだった、トップスピードの質でも見劣っている。2020年天皇賞(秋)では中段からスムースだったが凡走、安田記念でも58㎏で7着なので、斤量負けの可能性が高い。

この馬は三嶋牧場の生産だが、外厩はノーザンF天栄なので休み明けでも不安はない。2019年毎日王冠で休み明けを快勝している、だけだなく相手はアエロリットとインディチャンプなので、休み明けからかなり高いレベルで仕上げてきた。2020年中山記念でも休み明けで圧勝している。

好材料はコース適性で、新馬戦で同コースを勝っているし、1800mの毎日王冠を快勝している。悪材料は斤量で、昨年のこのレースが7着、天皇賞(秋)が12着といずれも58㎏で凡走している。牡馬で450㎏台と小柄な馬なので、恐らく斤量負けしたんだと思う。

適性:梅

<ダノンプレミアム>・心肺機能は不明、パワーは高く瞬発力も高い。

・トップスピードの質もまぁまぁで、持続力は高い。

・休み明けでも走る。

”2017年サウジアラビアRC”ではハイペースバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝したが、ステルヴィオに迫られている。”2017年朝日杯FS”ではスローバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝。”2018年弥生賞”ではスローバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝、この時が休み明け。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを中段の前目から、L2の加速で後続を置き去りにして圧勝、稍重でも反応が良かった。”2019年マイラーズC”ではスローバランスを2番手追走、直線は楽に抜け出し圧勝。”2019年安田記念”ではスローバランス、スタートで大きく不利を受け中段から、直線では故障の可能性もあり流れ込んだだけ。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを中段のやや前からやや行きたがっていた、4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し2着。”2019年マイルCS”ではスローバランスを4番手先行、直線入り口で外に膨れてスペースをインディチャンプにあげてしまい2着まで。”2020年安田記念”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年天皇賞(秋)”ではスローバランスを逃げて4着。

「安田記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開不安。

どうしても気になるのがサウジアラビアRCなんだよね~、2歳の時のことなのでその後の成長を期待してもいいけど、結局サウジアラビアRC以降、平均バランスやハイペースバランスのレースを走っていない、ということで心肺機能は不明なんだよね~。スローバランスからのL3,L2最速戦なら一線級なのは元々分かっていたけど、2019年マイラーズCで再確認させられるほど強かった。平均バランス以上で流れた時に、この馬最大の武器であるL3,L2での瞬発力を発揮できるかどうか。このL3、L2の瞬発力は朝日FS と弥生賞で見せていて圧勝している、金鯱賞でもL2で一気に加速して勝負を決めてしまったので、L2もしくはL3最速にするためにいかに前半無理なく入るか。この馬はケイアイファーム生産馬だが休み明けでも走る、弥生賞や金鯱賞で勝ち切ってしまったので、休み明けは全く不安はない。

アーモンドアイとの比較では、心肺機能は劣る可能性がある、トップスピードはやや劣る、持続力と瞬発力は互角という評価。2019年天皇賞(秋)で持続力の高さを見せたが、L2でアーモンドアイに決定的な差を付けられてしまった、ただ前半やや行きたがった面もあったので、3着アエロリット以下とあまり差が無かったことを悪く見る必要はないと思う。懸念していた心肺機能についてはまたしても試されなかった。2019年マイルCSでは不調の川田騎手の不味い騎乗で2着までだった、能力は見せたがイマイチ一噛み合わないレースで消化不良の感じ。2020年安田記念では海外帰りで全くレースにならず。2020年天皇賞(秋)ではスローバランスを逃げて4F戦にしてしまい見劣り、L3最速戦でスパートも1F早かったので、直線の短いコースの方が適性がありそう。

好材料はコース適性で、2歳時だがサウジアラビアRCを勝っているコースだし、2019年天皇賞(秋)2着、2020年天皇賞(秋)4着と好走している。悪材料は展開不安で、安田記念では2019年はスタートで不利を受け直線やめてしまったが、2020年は完全に力負けした。2019年のマイルCS2着と比べると、前半800mがマイルCSが47.2に対して、2020年安田記念では45.7なので、前半が速くなって後半失速したんだと思う。展開はスタートしてみないと分からないが、例年通りの展開だと苦しいはず。

適性:竹