2021年エリザベス女王杯 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ウインキートス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
九十九里特別 2着 稍重でハイペースバランスを離れたメイン集団の前からで全体の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。
土湯温泉特別 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
グレイトフルS 2着 スローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。
迎春S 2着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず2着。
湾岸S 1着 スローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。
2021年日経賞 15着 スローバランスを中段やや前から、3コーナー入り口で大きな不利を受け後退、そのまま凡走。
2021年目黒記念 1着 スローバランスを離して先行、高速馬場も相まってそのまま押し切り。この時は52㎏だったし、展開的にも恵まれている。
2021年札幌記念 9着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。休み明けでプラス18㎏の影響。
2021年オールカマー 2着 スローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線コースをこじ開けて2着。ステイフーリッシュを外へ張り出す闘志を見せた。
総評
九十九里特別では離れたメイン集団の前からで、自身は平均くらいだったはず、3コーナーから前を追いかけて2着、L4から12.0くらいを連発しているので、持続力の高さを見せた。この時は目標にされたし2着でも高評価で良いと思う。土湯温泉特別では前半がかなりのスローで掛かり気味、3コーナーから一気にペースアップして圧勝、5F戦で高い持続力を見せた。グレイトフルSでは中段から進めて、3,4コーナー最内からコースロス0で中段の前まで上がったが、トップスピードの質が足りずに2着までだった。グレイトフルSでも3F戦で2着と、届かなかったのでトップスピードの質で見劣った。湾岸Sで新たな面を見せたのが瞬発力で、L2最速11.2で0.4の加速を外から先頭に並びかけた、L1の坂で差を開いたのでパワーもある。

2021年日経賞では3コーナー入り口でカレンブーケドールの斜行を受けてしまい後退、これが致命傷になり凡走。2021年目黒記念ではまず斤量が52㎏、その上で展開が嵌った。超高速馬場で後続を離して2番手先行、後続が追いかけなかったので十分なリードを築いて直線に入れたので、かなり展開に恵まれた感じ。2021年札幌記念では3カ月弱の休み明けで凡走、プラス18㎏だったので走れる状態ではなかった感じ。2021年オールカマーではマイナス14㎏で仕上がっていた、休み明け2走目なのでこの辺が厩舎の限界かも。内優位の馬場だったので恵まれたが、直線でステイフーリッシュを外へ張ってコースを確保する闘志はステゴ系産駒ならでは。

この馬は非ノーザンF生産馬だし厩舎も1流ではないので、休み明けは信用できない。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:初輸送、騎手不安。

好材料はコース適性で、阪神2200mは初めてだが、阪神内回りと相関性がある中山コースで好走多数なので、このコースはこなせるはず。前走古馬混合のGⅡで2着しているし、目黒記念を勝っているのでクラス負けの危険はない。悪材料は初輸送で、18戦目にして初めての関西輸送なので大きな不安材料。騎手不安ももちろんあって、重賞は4勝だけだしGⅠでは全く馬券になっていない騎手。前走も内枠で前のウインマリリンを目標に出来たので、並び次第では不安が大きく増減すると思う。

適性:竹

<ウィンマリリン>・心肺機能はやや高い、パワーは高い、瞬発力はやや高い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線押し切り圧勝。”若竹賞”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線外に出したが伸びずに5着。”ミモザ賞”では稍重で平均バランスでやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”フローラS”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”オークス”ではややスローバランスを2番手先行、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出したが2着まで。”秋華賞”では稍重でハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の2番手から、3,4コーナー最内を回して直線一瞬待たされてから伸びたが4着まで。”2021年AJCC”では不良馬場でスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが6着まで。”2021年日経賞”ではスローバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに出し抜き快勝。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線一瞬待たされたがコースが空いて1着。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:特になし。

<心肺機能について>フローラSがハイペースバランスを先行して押し切っている、直線かなりの向かい風でトップスピードの質を問われなかったことも良かったが、L1を12.1で纏めているので、心肺機能は高い。

<パワーについて>新馬戦、ミモザ賞で小回り急坂の中山と阪神内回りを快勝、新馬戦ではL1も12.0で纏めているので、パワーは武器になるほど高い。2021年オールカマーではL1でコースが空いてから抜け出しているので、パワーの高さを見せた。

<瞬発力について>若竹賞でL2の11.6に反応できずに手応えが悪かった、直線入り口でも一瞬待たされてしまい、再加速できずに凡走している。逆に快勝した新馬戦、ミモザ賞、フローラSでは直線スムースだったので、特にミモザ賞ではL2で出し抜いているので、まぁまぁの評価。2020年AJCCでは4コーナーで一瞬待ってしまった、これで6着は休み明けを考えてもやや物足りないので、瞬発力で勝負するべきではない。2021年日経賞では3番手先行からL2最速戦、ここでインから抜け出し快勝したので瞬発力を見せた。

<トップスピードの質について>現状ではまぁまぁの評価しかできないが、良馬場でドスローだった新馬戦でもL2が11.5なので、武器になる程のトップスピードの質はないと思う。オークスでは先行して押し切るところをデアリングタクトに差された、この日は良馬場だが結構かかっていたので、トップスピードの質は問われなかった展開も含めて嵌った印象が強い。2020年エリザベス女王杯では4コーナーで一瞬待たされてしまい、トップスピードの質で見劣った。

<持続力について>快勝したレースはいずれも3F戦になっていて、3Fまでで持続力の高さを見せている。現状では4F以上の持続力については不明だが、血統的にもフローラSの感じからも対応できそう。2021年オールカマーでは4F戦で快勝しているので、持続力は高い。

<その他について>ミモザ賞でも4コーナーで馬群を割ってコースを確保したし、フローラSでも内からこじ開けてきた、かなりの闘志を持っているようで馬群に怯まない。オークスでは2番手先行、やや間隔を空けて絶妙なペースで追走して、4コーナーでミルコが仕掛けたがそこで”待って、直線L2から追い出して2着と横山典騎手が好騎乗を見せた。大外から2番手を取れたしコーナーは終始最内、仕掛けのタイミングもドンピシャでこれ以上の騎乗は出来ない程完璧だったので、同じことをもう一度できるかは微妙。秋華賞では先行したが凡走、この時はオークス以来の休み明けでプラス12㎏、直線も伸びない内を通して全く伸びなかった。更にこの時は初輸送だったことも影響したはず。2021年天皇賞(春)では中段から5着、斤量56㎏と距離は克服している。

この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けは良くない、秋華賞が5カ月弱の間隔で大敗、この時は裂傷の影響も。2021年AJCCでも2カ月強の間隔で6着だった。2021年日経賞では2か月の間隔で快勝、この間隔までが好走条件だと思う。2021年オールカマーでは休み明けで好走、手塚厩舎なので休み明けでも仕上げてきた。

好材料はコース適性で、昨年のこのレースで4着だし、前走のオールカマーも快勝している。牡馬混合の日経賞も勝っているし、クラス負けの危険もないし休み明け2走目で上積みも見込める。悪材料は特になし、絶好調の横山武騎手なので全く不安はないですね。

適性:松

<エアジーン>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は低い。    

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
ユートピアS 7着 ややスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。トップスピードの質で見劣り。
迎春S 4着 スローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。持続力は見せた。
湾岸S 6着 スローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。スローからの3F戦で切れ負け。
シドニーT 5着 稍重でスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線前が壁になり凡走。
2021年新潟牝馬S 7着 稍重でややスローバランスを離した2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。2F戦に対応できず。
総評
ユートピアSでは直線スムースだったが、すぐ後ろからドナアトラエンテにあっさり交わされているので、トップスピードの質で大きく見劣った。迎春Sでは中段のやや後ろから向正面でジリジリ上がって、3コーナーでは中段の前からだった、これで直線4着に粘ったので持続力は見せたが、トップスピードの質では見劣っている。湾岸Sでもスローからの3F戦で切れ負け、トップスピ―ドの質では勝負にならない。シドニーTでは直線で前が壁になり凡走、瞬発力の低さを見せた。2021年新潟牝馬Sでは離した2番手先行だったが、2F戦にしてしまい当然のように凡走した。

「エリザベス女王杯へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で、条件戦だが2000m前後で好走歴があるので、距離は持つはず。悪材料はクラス負けの危険で、この馬は条件戦を勝ち上がっていない馬で、前走の新潟牝馬Sでも勝負にならなかった。トップスピードの質では勝負にならないことはハッキリしているが、スタートが良くないので前に行ける可能性が低いのも悪材料だと思う。

適性:梅