2021年ジャパンC 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<シャドウディーヴァ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・前向き過ぎるところがあって、馬群の外だと掛かる。・輸送はダメ、新潟も。

”11月未勝利戦”ではスローバランスを中段から、直線は詰ったが馬群を割って伸びる、ドスローからのトップスピード戦になり瞬発力とトップスピードの高さを見せた。”フリージア賞”ではスローバランスを馬群の外で進めて掛かり気味、直線もバランスを崩しながらで伸びきれず3着、中盤迄掛かっていた。”フラワーC”ではスローバランスを中段の後ろから、最内を進めて折り合えたが直線は4着まで。”フローラS”ではスローバランスを中段の最内から、直線は詰ってL1でバテ差しハナ差2着、ここでもやや掛かり気味、詰まってから馬群を割る闘志は見せた。”オークス”では平均バランスを中段の最内から、直線はジリジリまで、疲労の影響かも。”ローズS”ではスローバランスを中段の前から、直線全く反応なく凡走、初輸送の影響だと思う。”秋華賞”では平均バランスを中段から、稍重で消耗戦になりバテ差し4着、直線入り口で狭くなり一瞬待たされているので、スムースだったら・・・。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを後方から、直線スムースだったが届かず、この時が休み明け3走目。”2019年常総S”では平均バランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースににけだし押し切り。”2020年東京新聞杯”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段やや後ろから、終始最内を回して直線スムースに伸びて2着まで。”2020年阪神牝馬S”では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線伸びずに凡走。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年クイーンS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。”2020年府中牝馬S”では重馬場でハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年エリザベス女王杯”では平均バランスを離れた追走集団の中段から、4コーナーで詰まってしまい直線でも進路変更があり伸びなかった。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて3着。”2021年中山牝馬S”では不良馬場でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年マーメイドS”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年関屋記念”では平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年府中牝馬S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて差し切り。

「ジャパンCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、距離適性。

馬群割る闘志や瞬発力の高さなど、ハーツクライ産駒らしからぬ馬でヌーヴォレコルトに近い感じかな。フローラSでは内枠から中段の最内を進めたが、それでもやや掛かり気味だったので気持ちが前向き過ぎる感じ。直線詰まってしまい普通のハーツ産駒ならここでレースは終わるはず、ところがここから馬群を割って一気に伸びた、もちろんL1は11.5とバテ差しの形だが自身は11.2くらいは出ているはずで、持続力を発揮している。オークスでは平均バランスを中段やや前からレースをして、まずまずの結果だったので、心肺機能はまずまずのものを持っていると思う。フローラSからもトップスピードの質が高いとまでは言えないと思う、瞬発力はまぁまぁの物を持っているが、スムースに持続力を生かした方が良いと思う。

ローズSは初輸送、初右回りでレースにならなかったが、本番の秋華賞では栗東滞在でしっかり調整してきた。中段から進めたが直線入り口で狭くなり一瞬待たされてしまった、松山騎手の弱い部分が出てしまった感じ。前が空いてからの伸びは良かったのでスムースなら2,3着はあったと思う。2019年エリザベス女王杯では後方から凡走、休み明け3走目で疲労の影響が疑われる。2019年常総Sでは平均バランスを離れた追走集団の前からなので、自身はややスローくらいだと思うのでややロンスパと考えて良いと思う、これを3,4コーナー早目に捲り追い込みで押し切っている、その上L2最速戦で11.5だからまぁまぁのトップスピードの質を見せた。ただ直線入り口で手前を替えたタイミングだと思うが、体がやや左に流れているので右回りにはやや不安がある。2020年東京新聞杯では中段後ろからで最内を回りコースロスなく、直線は内から前がポッカリ空いてスムースに伸びたが2着まで、左回りで非常にスムースだったし2カ月の間隔空けでフレッシュだった。2020年阪神牝馬Sでは中段の後ろから進めて凡走、この時は輸送の影響があった感じ。

2020年ヴィクトリアMでは中段の後ろから、前残りのレースで出番なし。ただし似たような位置から進めたプリモシーンも8着なので、東京新聞杯と着差は同じような物、これを考えるとこの2頭の現状は同じような能力の可能性があり、東京新聞杯のその他の馬を見ると、大したメンバーではない。3着クリノガウディ―はマイルがやや長かった可能性があるし、サトノアーサーも骨折休養明け以降ピリッとしない、ダービー卿CTを勝ったクルーガーも8歳のキンカメ産駒で、相手関係を見ると疑問が出てくる。現段階で結論は出ないがあまり高い評価は禁物だと思う。2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外を回して全く伸びず、クラス負けの危険が露呈したと思う。

2020年クイーンSでは後方かから溜めての競馬で展開は合っていたが、休み明けの影響で伸びずに凡走した。2020年府中牝馬Sでは重馬場で2着、3,4コーナーから馬場の良い外目を通したし、左回りの適性も見せた。2020年エリザベス女王杯では中段の最内から、4コーナーでブレーキした上に直線でも進路変更を強いられて、伸びきれずに凡走。2021年東京新聞杯では中緩みの無い展開を中段から、スムースに伸びたので持続力の高さを見せた。2021年中山牝馬Sでは不良馬場のハイペースバランスを後方から、直線差を詰めて5着だったが、外からホウオウピースフルに差されたところを見ると、1800mの不良馬場で距離適性が出た可能性が高い。2021年マーメイドSではスローバランスを中段のやや前から、終始内で脚が溜まりスムースに差しに行ったが3着までだった、この時はハンデ戦で55㎏だったので高評価で良いと思う、加えて栗東滞在だった。”2021年府中牝馬Sでは中段の後ろから、直線スムースに差し切り、トップスピードの質と持続力の高さを見せた、この時が輸送なし。

この馬はノーザンF生産馬だがどうも休み明けがピリッとしない、フリージア賞では1番人気に支持されながら3着、道中掛かっていたし直線もバランスを崩していた。同じコースで行われたフローラSとは別馬のようだった。ローズSは休み明けだけでなく、初輸送の影響もあったと思う。疲労の影響が顕著に出たのが2019年エリザベス女王杯で全く良いところなく凡走、間隔空けず出走した常総Sを勝ち切っていることを考えると、肉体的な疲労よりも精神的な疲労の影響が大きいと思われる。輸送も懸念材料で、阪神牝馬Sでは2度目の輸送競馬だったが凡走した、輸送に慣れる可能性もああったが淡い期待だったようで、今後は関西圏のレースでは滞在競馬で買い、輸送では見送りで良いと思う。2021年マーメイドSが栗東滞在で3着に好走。2021年関屋記念ではスムースだったが伸びなかった、この時は新潟への輸送があった影響だと思う。

好材料はコース適性で、府中は2-5-2-3と好相性。間隔を詰めると良くない馬で、ハーツ産駒なので疲労に弱いからだと思う、今回は1か月と2週の間隔でその前は2カ月空いているので、疲労の不安はないと思う。55㎏でも好走歴があるので斤量負けの不安もないし、何より輸送がないのがこの馬にとっては好材料。悪材料はクラス負けの危険で、牡馬混合のGⅠは初めてなので果たして通用するかどうか。距離適性も不安と言うか未知数で、オークスは使い詰めで疲労があったので度外視して良いし、2200mのエリザベス女王杯については、2019年は休み明け3走目の疲労、2020年は輸送があったので参考外。血統的にこなせるかどうかは未知数としか言えない。ただ前走府中牝馬Sの勝ち方を見ると、ハーツ産駒の覚醒期に入ったものを感じる勝ち方だったので、あっさり勝ってしまうこともありそう。

適性:竹

<シャフリヤール>・心肺機能はまぁまぁ、パワーある、瞬発力は不明。 

・トップスピードの質はやや高く、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
新馬戦 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線Ⓢムースに差し切り。
共同通信杯 3着 スローバランスを少頭数の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。L2でエフフォーリアの加速には対応できていないので、瞬発力は低くトップスピードの質もやや高いというレベル。。L1でヴィクティファルスとの差を詰めてきたので持続力は見せている。
毎日杯 1着 平均バランスを少頭数の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線一瞬待たされてからスムースに抜け出し1着。平均バランスを前で押し切った格好だが、L1で11.7迄落としているので心肺機能はまぁまぁ。走破時計は良いがこの日は超高速馬場で額面通りには受け取れない。
ダービー 1着 スローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。前半からエフフォーリアをマークしてスムースに差し切れた。
神戸新聞杯 4着 不良馬場でスローバランスを中段のやや前からでやや掛かり気味、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。気性に不安を残した。
総評
共同通信杯でエフフォーリアとの差がはっきりしてしまった、まずL2最速戦で瞬発力で見劣り、トップスピードの質でも見劣っている、L1でヴィクティファルスとの差を詰めたので、4F戦の持続力は見せている。毎日杯ではもの凄い走破時計が出たが、この日は超高速馬場で古馬2勝クラスマイル戦でも1:32.4が出ているので、額面通りには受け取れない。毎日杯のL1が11.7まで落としていて、ここでグレートマジシャンに詰め寄られているのが印象悪い。共同通信杯で瞬発力に疑問符が付いたが、もしかしたら坂が苦手な可能性がありこの点は未知数。ダービーではエフフォーリアをマークする形で、直線ギリギリまで仕掛けを待てたことで差し切れた。トップスピードの質と持続力を見せた。神戸新聞杯では不良馬場だったが、前半やや掛かっていた。これで直線伸びなかったので、不良馬場の影響もあったと思うが、前半掛かった影響もあったはず。

「ジャパンCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:前走の反動。

好材料はコース適性でダービーを勝っているので好相性ですね。そのダービーで下したエフフォーリアが天皇賞(秋)で、コントレイルとグランアレグリアを一蹴しているので、初めての古馬GⅠだがクラス負けの危険はないはず。悪材料は前走の反動で、神戸新聞杯が不良馬場で4着、この疲労で予定していた菊花賞を回避しているので、回復しているかどうかですね。神戸新聞杯に出走していたステラヴェローチェが、菊花賞で4着に取りこぼしたし、レッドジェネシスは1番人気で13着に大敗しているので、疲労は大きな不安材料ですね。

適性:松-

<マカヒキ>・心肺機能特化型で瞬発力は年齢とともに落ちてきた。走りに無駄が無く長距離向き。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2017年天皇賞秋”は不良馬場で持続力を問われる展開になり、高い心肺機能で5着に好走。”2017年ジャパンC”では距離が伸びて4着に好走。 ”2018年札幌記念”では稍重馬場で前半からハイペースになり、消耗戦の持続力勝負を外からねじ伏せて2着。”2017年大阪杯、2018年有馬記念”では坂上ゴールで失速。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は外からジリジリ伸びて3着まで、L1でバテ差して来たので持続力は見せた。”2019年大阪杯”ではスローバランスを後方の最内から、直線中目に出してⅬ1でバテ差し4着まで、前日の雨で良馬場だが時計が掛かっていたのでトップスピードの質を問われなかった。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを最後方から、直線も伸びずに凡走。”2019年天皇賞(秋)”ではスローバランスを後方から、ユーキャンスマイルと同じ位置から直線に入ったが、トップスピードの質で見劣り凡走、この時が休み明け。”2019年ジャパンC”ではややハイペースバランスを最後方から、3,4コーナー最内を回して馬群に取り付き直線半ばで外に出し追い込んだが4着まで。”2020年大阪杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して凡走。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが8着まで。”2021年京都大賞典”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて1着。

「ジャパンCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開。

3年前にダービーを勝ってから3年、GⅠでは掲示板はあるが馬券には絡まないレースが続いている。同じディープ産駒で1歳下のアルアインが大阪杯を勝ち2つ目のGⅠタイトル獲得、ディープ産駒牡馬は2つ目のGⅠ獲得に苦労しているが、アルアインがそれを破ったので、これに続きたいところ。

2019年になって3着、4着と調子を上げているように見えるが、京都記念は相手が弱いし、大阪杯では後方から別のレースをしてのもので好評価をしていいのかどうか・・・。まず京都記念ではスローバランスからL2最速戦、馬場も重くトップスピードのを問われなかった、相手もダンビュライトとステイフーリッシュに負けてしまっていて高評価は出来ない。大阪杯も終始最内の後方からロスなく進めた割には4着までで、4コーナーで外から勝負に行ったブラストワンピースに比べて相当楽をしている。

心肺機能と持続力は元々高いがトップスピードの質は程々、瞬発力は年齢とともに下がってきた感じ。逃げたり先行できればいいのだが、スタートも良くなく中段より後ろからになり届かないというのが現状の評価。道悪で周りが苦しくなった時に台頭したのが、2017年天皇賞(秋)と2018年札幌記念で、心肺機能と持続力が問われるような展開ならばまだまだ好走する可能性はあるが、スタートが悪くなってしまったので展開が向いても届かなくなってしまった。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の後方からで、メイン集団はスローバランス、4コーナーで内目を回して直線スムースだったが凡走、この時が休み明け。2021年天皇賞(春)では中段やや後ろからだったが、直線は流れ込むだけ、休み明けの影響だと思う。

この馬はノーザンF生産馬の割に休み明けがピリッとしない、2018年の札幌記念こそ2着だったが、この時は稍重でトップスピードの質を問われていないし、この時の3着が休み明けは全く走らない非ノーザンF生産のハービンジャー産駒モズカッチャンだった、これで同タイムだから休み明けは全く評価できない。2019年の宝塚記念も11着とその前の大阪杯4着からは見る影もない着順だった。2019年天皇賞(秋)も直線トップスピードの質で見劣り凡走だった。2019年ジャパンCでは2400mへの延長で心肺機能と持続力が生きて最後方から追い込んで4着、重馬場で消耗戦になったことで最後方から追い込めたことと、道悪適性も見せた。2020年大阪杯では後方から3,4コーナー外目を回して当然のように凡走した、この時が休み明けなのでそれも影響しているはず。2021年京都大賞典では8Fの超ロンスパ消耗戦、無駄のない走法が生きてバテ差し1着。

好材料はコース適性で、5年前になってしまうがダービーを勝っているし、2017年2019年のジャパンCで4着と好走している。2400mは前走の京都大賞典で勝っているので、好材料で良いはず。悪材料は展開で、この馬はトップスピードの質で勝負できる状態ではない、なので前走の超消耗戦で勝ち切れたはず。いつも通りのジャパンCならばトップスピードの質で見劣る可能性が高いが、今年は逃げ馬らしい逃げ馬が居ないようだし、前走一緒に好走したキセキが逃げるようだと、前走と同じ展開も期待できる。

適性:梅