2021年阪神C 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ダノンファンタジー >・心肺機能はやや低く、パワーはある、瞬発力は高くない。

・トップスピードの質はやや高い、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”ファンタジーS”外回りではスローバランスを中段から、直線大外から差し切り圧勝、トップスピードの質を見せた。阪神JFでは平均バランスを後方から、L3最速の流れを外から差し切り、トップスピードの質と持続力を見せた。”チューリップ賞”ではスローバランスを最内先行、直線は内に詰まってL1だけでバテ差し、L3、L2で流れたことで差せた。”桜花賞”ではスローバランスを中段のやや前で外からになり掛かってしまう、L3でグランアレグリアの反応にやや遅れながら付いて行き、直線はL1で失速4着。”オークス”では平均バランスを中段の前から、4F戦になり5着まで、距離かも。”ローズS”ではスローバランスを中段から、L2で外に出してから伸びて差し切り。”秋華賞”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年阪神牝馬S”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに5着まで。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びきれず5着。”2020年府中牝馬S”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の先頭から、3,4コーナー中目を回して直線L1標識付近で一杯になり凡走。”2020年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”2021年阪急杯”では平均バランスをスタート遅れて中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが5着まで。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず。”2021年スワンS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。

「阪神Cへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:なし。

桜花賞では掛かってしまい勝負所で反応が悪く、直線でもL1で一杯になってしまったので、折り合いが重要でしょうね。阪神JFでも後方からやや掛かっていたが、この時は前にグレイシアが居たこと、平均バランスで流れたことで我慢できていた。チューリップ賞ではスタート抜群で最内を先行、ここでもやや掛かり気味でコントロールに苦労はしていたので、折り合いがカギになるのは間違いない。阪神JFでビーチサンバ相手にトップスピードと持続力で圧倒しているし、クロノジェネシスとは互角にやれている、もちろんビーチはいつもの福永騎手で追い出しが遅かったが。トップスピードの質はまぁまぁで、阪神JFで長くいい脚を使ってきたので持続力は非常に高い。

秋華賞では距離の不安が出てしまった感じで、2000mでハイペースバランスを、加えて稍重馬場で3番手先行した。これでL1甘くなってしまって8着まで後退した、前半の追走は問題なかったが、3,4コーナー中目に出した分も含めて、直線苦しくなかった感じ。2020年阪神牝馬Sでは平均バランスを中段の前から進めて5着までだった、この時は休み明けでプラス22㎏も影響した感じ、ただし掛かる素振りを見せなかったので、ペースも速かったが今後に向けて懸念材料が減ったかもしれない。2020年ヴィクトリアMでは中段やや前からロスなく進めて完璧な騎乗だったが5着、前走休み明けで大幅に増えていた馬体重も20㎏絞っていたし、道中掛かってもいなかったので完全に力負け。

ここにきて弱点が見えてきた感じで、心肺機能が低い可能性が出てきた。この馬が好走する時はスローバランスを先行して、何とか折り合いをつけた時、これがローズS、チューリップ賞。逆に平均バランス以上でで先行すると、秋華賞や阪神牝馬Sのように凡走する。阪神JFも平均バランスだったが、後方から進めて自身はスローバランスだったので、心肺機能が問われなかったはず。平均バランス以上で先行すると心肺機能が持たない、スローバランスを先行すると折り合いを欠く、結構厄介な状態になっていますね。1400m以下なら心肺機能が持つ可能性もあるので、思い切って距離を短縮した方が良いかも。

2020年府中牝馬Sでは重馬場でハイペースバランスを、離れた追走集団の前からで自身は平均くらいのはず、これで直線一杯になって凡走しているので、心肺機能だけでなく距離適性も出た感じの負け方。2020年阪神Cでは中段の前から、平均バランスで流れたために折り合いも付き、直線入り口で前に居たヤマカツマーメイドが外に膨らんだので、スムースに抜け出し1着、1400mへの適性の高さを見せた。2021年阪急杯ではスタート出遅れ、中段までリカバリーしたが、直線スムースにもかかわらず5着まで。トップスピードの質が高くないので、このクラスで中段からだと苦しい。2021年高松宮記念では重馬場で凡走、道悪適性は低い。2021年ヴィクトリアMでは何を思ったか中段の後ろから、当然トップスピードの質で見劣り届かなかった。2021年スワンSでは中段から差し切り、ハイペースバランスだったが自身は平均バランスだったはずで、心肺機能はまぁまぁの物を見せたし、トップスピードの質はやや高いものを見せた。

好材料はコース適性で、前走のスワンSが同コースで快勝、昨年のこのレースも快勝とコース適性は最高レベル。スワンSでは今回も出走するホウオウアマゾン、ルークズネストに完勝しているので、相手関係を見てもクラス負けの危険はないと思う。悪材料はなし、阪急杯で取りこぼした時が前残りを出遅れなので、このパターンだけかな~。

適性:松

<ホウオウアマゾン>・心肺機能は高い、パワーは高い、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”では稍重で平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線入り口で前が壁になってから粘って2着。”未勝利戦”では重馬場でややハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”野路菊賞(中京)”ではスローバランスを逃げ切り圧勝。”デイリー杯2歳S(阪神)”ではややスローバランスを逃げ体勢から2番手で折り合い、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し2着。”朝日杯FS”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”アーリントンC”では重馬場で平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年スワンS”ではハイペースバランスを逃げて3着。”2021年マイルCS”ではスローバランスを逃げて5着。

「阪神Cへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開。

<心肺機能について>未勝利戦ではややハイペースバランスを2番手先行で押し切っている、L1でもう一伸びと言うか他馬が垂れたところを踏ん張ているので、心肺機能は高いはず。アーリントンCでは重馬場で平均バランスを2番手先行から押し切り、心肺機能は高いものを見せた。2021年スワンSではハイペースバランスを逃げて3着に粘ったので、心肺機能の高さを見せた。

<パワーについて>未勝利戦が阪神でL1部分で後続を突き放しているので、パワーは十分にある。野路菊賞でも中京のL2区間で後続を出し抜いているので、ここでもパワーを見せた。

<瞬発力について>野路菊でスローバランスを逃げてL2最速、この地点は上り坂で後続に2馬身程差を付けているので、出し抜くだけの瞬発力は持っている。

<トップスピードの質について>野路菊Sでスローバランスを逃げてL2最速10.9、この日は6R1勝クラスでL2が11.1なので、まぁまぁの評価で良いと思う。デイリー杯2歳SのL2区間ですぐ後ろに居たレッドベルオーブに並びかけられた、この区間は10.9のラップでこれは自身のもの、レッドベルオーブのラップは目視推定だが10.7くらいなので、トップスピードの質で若干見劣った感じ。朝日FSではスタートでバランスを崩してしまい中段のやや前から、直線スムースだったが全く伸びなかったのでトップスピードの質で見劣った。2021年マイルCSでは逃げてL2の10秒台には対応したので、トップスピードの質はまぁまぁで良いと思う。

<持続力について>未勝利戦がL1の坂部分で後続を突き放したし、野路菊賞でも3F戦でL1までしっかり、デイリー杯2歳Sでも中緩みの無い展開でレッドベルオーブとクビ差同タイム、持続力の高さはかなり高いはず。

<その他について>朝日FSで凡走しながら休み明けのアーリントンCを快勝したので、連続好走しないタイプかもしれない、特に間隔を詰めている時は注意が必要。NHKマイルCでは1カ月弱の間隔で反動が出たような負け方だった。2021年マイルCSでは休み明け2走目で好走の後だったので、スローバランスを逃げる展開だったが粘れず5着だった。

好材料はコース適性で、2走前のスワンSでこのコース3着、GⅡなのでクラス負けの危険もないと思う。悪材料は展開で、朝日杯FS とNHKマイルCが前半600m33秒台で凡走なので、前半速くなると怪しくなる。自身で逃げることもできるので、坂井騎手がこの辺を考えているかどうかですね。この馬は連続好走した経験がないので、疲労に弱い可能性があり休み明け3走目には不安がある。

適性:竹

<ラウダシオン>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・距離変更で好走する。

”新馬戦”ではハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー外を回して直線押し切り。”小倉2歳S”ではハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外から直線も外から伸びて3着。”もみじS”ではややハイペースバランスを中段から、直線外から差し切り1着。”2019年朝日杯FS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが凡走、トップスピードの質で見劣り。”クロッカスS”ではスローバランスを逃げ切り。”ファルコンS”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが差されて2着。”2020年NHKマイルC”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”2020年富士S”ではハイペースバランスを追走集団の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着。”2020年マイルCS(阪神)”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年シルクロードS”ではややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年京王杯SC”では平均バランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”2021年安田記念”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年セントウルS”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年富士S”ではややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。

「阪神Cへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:近走の不振。

新馬戦ではハイペースバランスを先行して3、4コーナー外を回しながら直線差し切ったので心肺機能の高さを見せているし、持続力もまあまあのものを見せた。小倉2歳ステークスが重馬場でハイペースバランスを後方から進め、3、4コーナーで外を回して直線も外から伸びて3着まで、重馬場でのトップスピードの質を見せたがこれを良馬場で出せるかどうかは不明。この時の2着がトリプルエースで後方から同じ位置で直線に入ったが、トリプルエースは3、4コーナーで中目を回した分だけ、距離ロスがなかったので同じコースを通っていた場合はもっと差がなかったと思う。もみじSでは中段からの差し切り1着だったが、この時も不良馬場だったので良馬場でのトップスピードの質は未知数。2019年朝日杯FSではかなりのハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線に入ったが、外から2着タイセイビジョンにあっさり交わされているので、トップスピードの質で見劣った。

トップスピードの質で見劣ったのはファルコンSでも同じで、この時は重馬場だったが馬場は軽く1:21.3の決着、シャインガーネットに差されているので、トップスピードの質を問われると脆い。この時はハイペースバランスだったが、離れた追走集団の中段の前からで、自身は平均かややスローだったはずなので、怖がらずにガンガン先行してしまった方が良さそう。NHKマイルCではミルコが怖がらずに先行させて押し切った、馬場読みと馬の能力をしっかりと把握した素晴らしい騎乗で、高速馬場だったこともあり1F誤魔化せた感じ。2020年富士Sでは追走集団の前からで、L1までしっかり伸びたが差されて2着だった。後ろからヴァンドギャルドに差されているので、トップスピードの質はまぁまぁ。2020年マイルCS(阪神)ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で失速している、負け過ぎの感もあるので距離の可能性が高い。

2021年シルクロードSでは中段の前から進めたが3着、直線入り口では2馬身程後ろに居たシヴァージに、トップスピードの質で完全に見劣ったので、ここでもトップスピードの質が低いことを見せた。2021年高松宮記念では前走から同距離、リアルインパクト産駒で距離変更待ち。2021年京王杯SCでは平均バランスをやや離れた追走集団の前から、L2で11.0くらいを出して差し切ったのでトップスピードの質はまぁまぁの物を見せた。距離変更で好走するパターンが確立、加えて調教のタイムは無視して良い。2021年安田記念では直線早々に失速、疲労の可能性が疑われる。2021年セントウルSでは中段のやや前から凡走、休み明けはピりとしないタイプだが、それにしても負け過ぎの感がある。2021年富士SではL1標識まで踏ん張っていたがここで一杯、距離適性から見ても1400mがベストになっている感じ。

好材料は距離適性で、1400mは京王杯SC1着、ファルコンS2着、もみじS1着好相性。前走の富士Sの負け方を見てもL1標識までは悪くなかった。悪材料は近走の不振で、GⅠ馬らしからぬレースが続いている。安田記念なんかはL2標識過ぎで一杯になっているので、1400mでも長い可能性はある。セントウルSは休み明け、この馬は社台F生産馬なので、これは度外視して良いと思う。富士Sの内容からも1400mはギリギリだと思うが。

適性:竹+

<リレーションシップ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
2勝クラス 1着 ややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。心肺機能と持続力を見せた。
巌流島S 8着 ハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。L1標識で一杯。
志摩S 2着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。
多摩川S 10着 平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。トップスピードの質で見劣り。
戎橋S 1着 ハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースにバテ差し1着。スタートが良く激流に巻き込まれなかった。
2021年スワンS 7着 ハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが7着まで。このクラスではトップスピードの質で見劣った。
総評
2勝クラスでは先行押し切り、ややハイペースバランスだったのでまぁまぁの持続力と、Ⅼ1で一気に突き放したので持続力も見せた。巌流島Sではハイペースバランスを中段のやや前からだったが、L1標識で一杯になっているので、心肺機能の問題のはず。志摩Sでは平均バランスを中段の前からで、押し切り寸前で差されて2着だった。直線ですぐ後ろに居たアクアミラビリスが、進路変更してから差してきたので、L1でのスピードで見劣った感じ。多摩川Sでは平均バランスを中段から凡走、前残りではあるが差を詰めていないのでトップスピードの質では勝負にならない。

戎橋Sはミルコが上手く乗ったレースで、まずスタートが良く逃げ争いが激しくなったことを察知して下げて行った、これで自身はややハイから平均くらいのペースで走っていて、心肺機能はあまり問われていない。直線もスムースにバテ差す格好で快勝したので、まぁまぁの心肺機能と、高い持続力、高いパワーを見せた。2021年スワンSでは中段の前から、スムースだったがいまいち伸びなかったのは、このクラスでトップスピードの質が足りなかったからだと思う。

「阪神Cへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はコース適性で、前走のスワンSでは7着だが0.3差、戎橋Sを勝っているのでこのコースは好相性。悪材料はクラス負けの危険で、前走0.3差だが7着でスムースな割に伸びなかった。差しに回ったルークズネストに差されているのは印象が悪い。

適性:竹-