2019年チューリップ賞 回顧。


走破時計1:34.1 前半800m47.8 上り3F34.2

馬場状態は標準的な馬場でしたね、9Rの千里山特別で2:00.1ですから高速まではいかないと思います。雨の影響がややあったかもしれませんが、それは騎手の意識の問題で、前半スローにしてしまった松若騎手が馬場を読めていなかったという事でしょう。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります

青は今年、赤は2018年阪神JFのラップタイムです。

ラップタイムの比較では今回L3で引き上げた後に更にL2で0.3加速していますね。L2のラップは半分がドナウデルタのラップですから、そこからドナウが明確に落としている事が分かります。このラップからドナウデルタは瞬発力は有ってもトップスピードを持続することがやや苦手と分かりますね。2018年阪神JFではL2から落としているので、今回は持続力を問われた展開でしたね。

展開はオーパキャマラードが逃げ体勢、内にダノンファンタジー、外がアフランシール、ブランノワール、ブリッツアウェイ、マルモネオフォース、メイショウショウブは手綱を引っ張りこの位置まで下げました。ハニーウィル、ノーブルスコア、シェーングランツは外目に出していましたね。後方からサムシングジャスト、シゲルピンクダイヤという並びでした。

ダノンファンタジーはスタート抜群で抑えて2番手、これでほぼ勝ちは決まりましたね。メイショウショウブは全く行く気を見せなかったので、逃げる気が無かったのでしょうね、このペースで中段では掛かりやすいダイワメジャー産駒にとっては苦しかったですね。シェーングランツは最初から直線は外に出すための位置取りをしていたので、本番でも同じようなレースをしてくるでしょう。

4コーナーで早目にドナウデルタが仕掛けて直線の半ばで早々に先頭、その内でダノンファンタジーは前が壁になりひっやとしました。L1の標識時点でドナウとダノンは2馬身差、これを捕まえて1馬身差をつけていますので余裕がありましたね。川田君も全く慌てる素振りもなく、馬を信頼していた感じ。見ているこっちが冷や冷やでした。シゲルピンクダイヤは最後方で全く別の競馬をさせたことで、今まで隠していたギヤを引き出してきました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はダノンファンタジー、スタート良く2番手に収まって折り合いもしっかり、直線で前が壁になりましたが、慌てず騒がず外に出してあっさり差し切り。内回りコースとの合流点のスペースを使ってよかったはずですが、そこは前哨戦ですし、内を突いて他馬に迷惑をかけて騎乗停止ではシャレになりませんからね。安全策を取ってきたなという感じ。もちろん本番ではもっと厳しいコース取りをしないと取りこぼす可能性もありますが、極端に内に入らない限り好走できそうですね。

2着はシゲルピンクダイヤ、最後方から全く別の競馬をしているので評価は難しいのですが、決して高速馬場ではないレースで上がり33.6の1番時計は、新たな一面を見せてきたことも含めての評価は必要ですね。13頭立てでL1が11.9まで落としている展開も味方しているので、本番で期待できるかは…。

3着はノーブルスコア、福永騎手らしい騎乗でしたね、いい意味で。4コーナーまでロスなく回ってダノン目標に伸びてくる、もちろんこの競馬ではダノンに先着できるはずもないのですが、3着でしっかり優先出走権獲得。この馬も明確に伸びたのはL1なのでバテ差しタイプですね。

4着にドナウデルタ、う~ん・・・、普段は溜め差しばかりの北村友騎手なので、いつも通り乗ってくれることを期待したらこれですよ…。なんであんなに早く仕掛けてしまうのか。これで瞬発力がありトップスピードの質は高いが持続力が低いという特性が明確になりましたね。脚の使いどころが難しいタイプで、1400の方が合うかもしれませんね。

5着にシェーングランツ、阪神JFほど迫れなかったのは前の馬が垂れなかったからですね。調教も悪かったし本番もちょっと心配になりました。L1の坂に差し掛かったところであっという間にシゲルに行かれてしまっているので、坂が苦手な可能性もありますね。

9着にメイショウショウブ、逃げる気が全くなく手綱を引いて下げた時点で勝負権はありませんね。ダイワメジャー産駒の特性を理解していない騎乗で、この9着は当然でしょう。ここまで負ける馬ではないので、次走乗り方次第では十分挽回できると思います。
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