2019年プロキオンS 全頭評価。その5。

過去5年複数回3着以内に来ている種牡馬はシニスターミニスター3回(2頭)、マジェスティックウォーリア2回(1頭)、キングカメハメハ2回(1頭)です。リピーターが多いレースで過去5年では3頭(キングズガード、ベストウォーリア、キョウワダッフィー)が、過去10年でも6頭(上記に加えてアドマイヤロイヤル、ダノンカモン、ケイアイガーベラ)出ています。ペースは全てハイペースバランスです、ローカル開催とは言え1400mダートの重賞ですからね、前半600mは遅くとも34秒台ですから、心肺機能に不安の有る馬は苦しいですね。

<ミッキーワイルド>・心肺期のは高く、パワーもある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”3歳500万条件芝”ではややハイペースバランスを2,3番手先行、直線L1でエントシャイデン3着を振り切って1着、心肺機能と持続力は見せたが2着の二コルハイウェイにハナ差まで差し込まれたのは印象悪い。”葵S”芝ではほぼ平均バランスを後方から、直線はスムースだったが伸びずに凡走、すぐ後ろに居たアサクサゲンキに明確にトップスピードの質で見劣り。”2018年10月東京1000万条件ダート”ではハイペースバランスを2番手から先行、直線粘って2着、初ダートで結果は出したが、ハイペースバランスから中緩みで12秒後半に落としているので、レースレベルは高くない。”2018年11月東京1000万条件”ではほぼ平均バランスをスタート悪くリカバリーして中段のやや前から、すぐ前のヴォ―ガを捉えきれず後ろからドリュウに差されてトップスピードの低さを見せた。”2019年1月京都1000万条件”ではハイペースバランスを2,3番手先行、直線は差が詰まらずに2着。”2019年鈴鹿特別”ではハイペースバランスを中段から、直線入り口でやや内に刺さったが、その後はスムースに加速してクビ差まで迫り2着、上り37.0でトップスピードの質が足りない。”2019年4月東京1000万条件”ではハイペースバランスを中段やや前外から、直線はL2半ばまで馬なりで先頭列に並びかけ、L1から追い出して持たせてしまい1着、この時がミルコ。”2019年麦秋S”ではハイペースバランスを中段から、L2で先頭列に並びかけL1でバテ差し気味に突き放して圧勝、トップスピードの質と持続力だけでなく、L2で0.5位の加速を見せて瞬発力もまぁまぁ。

「プロキオンSへ向けて」好材料:1400m。コース適正。前走圧勝の勢い。悪材料:高速馬場への対応が未知数。使い詰めの疲労。

まず前走の勝ち方は圧巻だった、L2で11.8に0.3程加速するレースラップを3,4馬身後ろから先頭列に並びかけてきた、目視だがこの馬自身は0.5以上の加速をしているはずで、瞬発力の高さを見せた。更にL1でも12.2とさほど落としていないので持続力も見せているし、上がり3Fで見ても良馬場で35.5とまぁまぁのものを見せた。2走前にミルコが乗ったことで、完全に馬が変わった印象で2着続きだったころとは別馬になっている。ミルコが乗った時の間隔が1か月なので運動能力が変わったと言うよりも、精神的なもので勝つということを覚えたんだと思う。前走条件戦とはいえは0.7で圧勝しているので、格上げ戦でいきなり重賞になるがこの勢いは好材料だと思う。1400mは前走圧勝した距離なのでプラス材料だし、中京コースも芝で1着が1回、ダートでも2着が1回あるコースなので問題ないはず。

悪材料と言うか未知の不安としては高速馬場への対応で、芝でも後方からでは全く伸びなかったし、川田君が1400の芝で勝たせた時も後方から詰め寄られてハナ差だった。前走良馬場で1:23.5と悪くないタイムだったが、雨予報も出ているので昨年並みのタイムになった時に対応できるのかどうか。もう一つ気になるのは使い詰めで、昨年の10月以降コンスタントに使われて今回が8走目、もちろん短期放牧は挟んでいると思うし、ノーザンファーム生産馬なのでケアの面では心配ないと思う。ただ目に見えない疲労が前走の大差勝ちで一気に顕在化する可能性はあると思う。こればかりは走ってみないと分からないし、条件戦ばかりだったので疲労の少ない可能性もあるので、これを理由に無印と言うわけにはいきませんね。

<ワンダーサジェス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くはなく、持続力は高い。

”2017年銀蹄S”ではハイペースバランスを中段やや前から、直線は内からジリジリ伸びて3着、持続力は見せた。”2017年BSイレブン賞”ではややスローバランスを逃げて凡走、重馬場で前半が遅くトップスピードの質で完全に見劣り。”2018年2月京都1000万条件”ではハイペースバランスを中段から、直線は外に出してバテ差し3着まで、持続力は見せた。”2018年2月阪神1000万条件”ではハイペースバランスを中段から、直線は内目の狭いところを通してバテ差し1着、心肺機能とパワー、持続力を見せた。”2018年桶狭間S”ではハイペースバランスを中段から、直線L2で先頭に取り付いたがL1でアードラーのトップスピードに屈して2着。”2018年貴船S”ではハイペースバランスを中段から、直線入り口で前がポッカリ空いてスムースの加速して1着、2着シヴァージを差し切ったので高評価だが、この時は自身53㎏だったし4着のヤマニンアンプリメは55㎏だった。”2018年ギャラクシーS”ではハイペースバランスを中段から、直線は同じ位置に居たナムラミラクルにも劣って凡走、稍重で1:21.5のレースタイムでは苦しい。”2019年ポタリスS”ではハイペースバランスを中段から、直線は内目から前が壁になって追えずに凡走。

「プロキオンSへ向けて」好材料:1400mの実績。コース適正。54㎏。悪材料:限界スピードが低いので重馬場ではスピード負けの危険。

昨年の秋嶺Sでマイルを使ったが明らかに長かった、直線がスムースでなかったこともあるがL1ではハッキリと落としているので、1F長かったんだと思う。コース適正も同じ中京1400mの桶狭間Sで2着があるし、東京の銀蹄Sで3着があるので左回りも問題ない。54㎏は今までも好走しているし、他の馬は56㎏以上を背負うのでありがたい斤量ですね。

2走前のギャラクシーSが印象悪くて、稍重の高速馬場で中段からになった、スタート自体は悪くなかったが二の足で遅れた感じ、直線もスムースだったが伸びなかった、恐らくペースが速過ぎたんだと思う。トップスピードの質が低い馬なので平均やスローバランスでは勝負にならないが、前半3F34秒台前半よりも速くなってしまうと、この馬自身が苦しくなってしまうんだと思う。2017年の1000万条件1400m稍重で前半34.2で入って勝ち切っているが、後半3Fが37.8も掛かるレースだった、自身の上り3Fが37.2なのでここまで落ちてしまう。このクラスになると馬場が悪化すれば前半3F33秒台に入ってくる可能性が高く、後半も36秒台で纏めないと勝負にならない。かといって最後方から末脚勝負ができる程、トップスピードの質を持っているわけではない。前走は直線詰まってしまったので可哀想な面もあるが、乗り替りもないのでまた詰まる可能性もあるし、ギャラクシーSの内容からもここでは買いにくいですね。

<ヴェンジェンス>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2018年花のみちS”ではハイペースバランスを中段から、直線入り口でスムースの外に出してバテ差し2着まで、1着はマテラスカイで3馬身半離されたが持続力は見せた。”2018年大阪スポーツ杯”ではハイペースバランスを中段やや前から、L4で馬なりに2,3番手まで上がり、直線L2の後半で後続を突き放して圧勝、重馬場だが前半33秒台で後半の持続力を見せた。”2018年室町S”ではハイペースバランスを中段から、4コーナー外を回してⅬ1で先頭に並ぶもオールドベイリーに差され2着、トップスピードの質はやや低い感じ。”2018年カペラS”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、4コーナー外を回して直線バテ差すが4着まで、1着コパノキッキングには明確にトップスピードの質で見劣り。”2019年すばるS”ではハイペースバランスを押して押して先頭列で逃げ体勢、直線では早々に一杯になり凡走、並走して逃げたサクセスエナジーが圧勝しているので心肺機能は高くない。”2019年大和S”ではハイペースバランスをやや離れた中段の後ろから、4コーナー最内を回して馬群に取り付き直線は中目を通してバテ差し3着、同じ位置に居たヤマニンアンプリメには瞬発力とトップスピードの質で見劣り。”2019年ポラリスS”ではハイペースバランスを中段から、4コーナーL3付近から追い出して直線バテ差しで1着、動き出しが鈍い感じで早目に追い出すのが良さそう。”2019年天保山S”ではハイペースバランスをやや離れた4,5番手から、3,4コーナー外を回してバテ差し1着、後方からスマートアヴァロンに迫られたが1馬身半振り切った持続力はなかなか、重馬場の高速馬場が合うのかもしれない。

「プロキオンSへ向けて」好材料:休み明け2走目。1400mの適性。幸騎手。重馬場適性。悪材料:特になし。

1400mの距離は前走前々走と連勝してきた距離で特に前走は強かった。1200mでも好走しているが大和Sを見ても、1200ではトップスピードの質で見劣ってしまう、ヤマニンアンプリメに完敗だったし、カペラSでも後ろからコパノキッキングに並ぶ間もなく交わされてしまった。中京は寒椿賞で2着があるし、左回りのオキザリス賞で3着があるのでこなせるはず。継続騎乗の幸騎手については能力的に疑問符は付くが、ポラリスSで4コーナーから早目に追い出した騎乗が良かった、どうもエンジンの掛かりが悪いようで、追い出しを我慢してしまうのは良くないと思う。もう一点ルメール騎手が乗った時のすばるSが大敗していて、スタートから押して押して逃げた結果直線入り口で早々にバテてしまった、心肺機能が高くないと思うので前半はゆったり入った方が良いのだろう。この辺りを分かっているような騎乗をしているので、幸騎手の継続騎乗はプラスに取りたい。重馬場では連を外していない。

悪材料は特にないですね、休み明け2走目で疲労の心配はないし、上記したように幸騎手でも不安材料になりません。大阪スポーツ杯で重馬場の中1:21.6で圧勝しているので、マテラスカイ相手でもスピード負けするとは思えないし、今回は56㎏ですから、総合的に見て不安材料はほぼ無いかな。後は相手関係だけでしょう。