2021年函館SS 全頭評価。その5。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ビアンフェ>・心肺機能は高く、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”では稍重で平均バランスを中段の前から、直線内目から抜けたが外からオータムレッド(阪神JF11着)に差されて2着。”未勝利戦”では稍重でややハイペースバランスを逃げて1着、心肺機能と持続力の高さはまぁまぁ。”函館2歳S”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、2着タイセイビジョンが直線入り口でやや待たされたし脚色はタイセイの方が良かった。”京王杯2歳S”ではややスローバランスを逃げて2着、1着タイセイビジョンにはトップスピードの質で見劣り。”2019年朝日杯FS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、残り150mまで先頭で踏ん張っていたので距離の可能性が高い。”2020年ファルコンS”では重馬場でハイペースバランスを離れた2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で失速して凡走。”2020年葵S”ではハイペースバランスを逃げ切り。”2020年セントウルS”ではハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー最内を回してここでやや控えて、直線スムースだったが5着まで。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを逃げ争いで凡走。”2021年オーシャンS”ではややハイペースバランスを逃げて3着。

「函館SSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:特になし。

新馬戦では平均バランスを中段から差しに行って抜け出したが、決定的なリードを奪えなかったこともありゴール前で差されてしまった。未勝利戦では逃げて良さを見せてきて、ややハイペースバランスを押し切っているので心肺機能は見せたが、L1で12.0まで落としているので持続力はまぁまぁ。これは続く函館2歳Sでも見せていてL1が12.4とかなり落としている、この時は2秒のハイペースバランスで後続の脚を削いでしまったので圧勝しているが、タイセイビジョンは上記のように力を出し切っていなかった。1F延長の京王杯2歳Sでは何を思ったかややスローバランスにしてしまった、当然直線ではトップスピードの質で勝るタイセイビジョンに圧倒されてしまった、それでも2着は確保したが騎手の判断には大いに不安にさせられる結果。2019年朝日杯FSではかなりのハイペースバランスを逃げて凡走、残り150mまでは先頭で踏ん張れたので1400mで見直し。

2020年ファルコンSでは重馬場で1400m以上の距離適性が求められた感じで、L1で失速して凡走した。休み明けの影響もあったかもしれない。2020年葵Sではハイペースバランスを逃げ切ったので、改めて心肺機能の高さを見せた。ただし2着のレジェ―ロにクビ差まで迫られたので、持続力はまぁまのレベルで良いと思う。2020年セントウルSでは3コーナー過ぎから控えてしまい、逃げたセイウンコウセイから2,3馬身間隔を空けた、これで差しに行ったが伸びずに5着だったので謎騎乗と言う他ない。2020年スプリンターズSではゲート難が出てしまい、レース前に終わっていた。ハイペースバランスを逃げ争いになり大敗、今後もゲート難の不安を残した。2021年オーシャンSでは逃げて3着、去勢の影響で折り合いが付きマイペースで逃げられた。調教が緩かったのでその分差された感じもあるので、余裕残しの感じ。

好材料は距離適性で、1200mでは好走多数。前走は去勢明けで5カ月の間隔だったが3着に好走したので、3カ月強の間隔も問題ないはずだし、前走のオーシャンSがGⅢで3着なのでクラス負けの危険もない。悪材料は特になく、札幌コースが初めてなことくらい。

適性:松

<マイネルアルケミー>・心肺機能はやや高い、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。

レース名 着順
ハッピーエンドC 6着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2勝クラス 5着 ハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。伸びずに後ろからも差されているので、トップスピードの質はやや低く、持続力も高くはない。
周防灘特別 4着 ハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず4着まで。ここでもトップスピードの質が高くないことを見せた。
帆柱山特別 1着 稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。心肺機能はやや高いものを見せたが、L1で差を詰められたので持続力はまぁまぁまで。
バーデンバーデンC 1着 稍重でハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに抜け出し1着。L2で抜け出したがL1で詰められてしまうので持続力がネック。
総評
ハッピーエンドCや2勝クラス、周防灘特別でもトップスピードの質で見劣っている、良馬場だとどうしてもスピード負けする感じで、持続力も相まって差せていない。帆柱山特別とバーデンバーデンCでは稍重でトップスピードの質が問われなかったし、L1での減速から持続力はまぁまぁまで。

「函館SSへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料はなし、1勝クラスでは同コースを勝っているが。距離適性は良いが条件戦まで。悪材料はクラス負けの危険で、前走3勝クラスを勝ったばかりで、圧勝したわけではないのでこのクラスでは苦しいはず。特に良馬場ではスピード負けの危険が高いと思う。

適性:梅

<ミッキーブリランテ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はまぁまぁ。

”シンザン記念”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びたが3着まで。”アーリントンC”ではややスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが6着まで。”2020年彦根S”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線全く伸びずに凡走。”2020年錦S”ではややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに差し切り。”2020年米子S”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースに伸びて3着。”2020年中京記念(阪神)”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが5着まで。”2020年関屋記念では平均バランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線やや前が壁になったが、上手く抜け出して4着まで。”2020年京成杯AH”ではややハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年リゲルS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年阪神C”では平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線早々に一杯になり凡走。”2021年ニューイヤーS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”2021年阪急杯”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し2着。”2021年高松宮記念”では重馬場でややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年京王杯SC”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。

「函館SSへ向けて」好材料:斤量。 悪材料:初コース、距離適性。

<心肺機能について>ややハイペースバランスやハイペースバランスでも悪くはないが、勝ち切れるほどではない。2020年米子Sでは中段の後ろからで自身スローバランスに入っていたはずだし、2020年中京記念では中段やや前で自身ややハイペースバランスくらいだったので、ハイペースバランスに対応できるほどの心肺機能はないと思う。2021年阪急杯では平均バランスを中段やや前から抜け出し2着、後半もしっかり伸びたので心肺機能を見せた。

<パワーについて>2020年米子Sでは自身スローバランスを中段の後ろから差してきた、L1の坂でもシッカリと伸びてきたのでパワーは高いはず。と思っていたが改めて見直すと、坂地点で後ろからラセットに一気に来られている、平均バランスで中緩みもなかったので、他馬がバテタところを差しているように見えて、実はこの馬も坂では加速できていなかった。2020年京成杯AHでもL1の坂で失速しているので、パワーには疑問符が付いた。アーリントンCでも先頭列に並びかけてから、坂で一気に来られれいるし、2019年JRAアニバーサリーでも1400mで先行しながら、L1で失速している。

<瞬発力について>2020年錦SのL2が0.9の加速をしていて、この時は先頭付近に居たのでほぼ自身ラップ、他馬も対応してきたのでややスローバランスと平坦部分であることを考えると、高い評価はできないがまぁまぁの評価で良いと思う。2021年ニューイヤーSでL2最速11.2に対応して差し切り、平均バランスだったのでこの瞬発力はまぁまぁ。

<トップスピードの質について>2020年錦SのL2が11.0でこれは自身のラップとほぼ一緒、この時はややスローバランスだったし他の馬も対応していて、ここで出し抜けなかったので高くは評価できない。トップスピードの質は武器にはならないと思う。2020年関屋記念では中段の後ろからで、トップスピードの質で見劣り4着まで。2021年京王杯SCでは上がり33秒台を求められて4着まで、トップスピードの質を求められると良くない。

<持続力について>2020年錦Sではややスローバランスを中段の前から進めて押し切った、この時は3F戦を押し切っているのでまぁまぁの評価。2020年中京記念ではL1で顕著に落としているので、4F戦以上では苦しくなるかも。2020年関屋記念では中段の後ろからで、直線やや前が壁になったがL1でしっかり伸びて持続力を見せた。

<その他について>ノーザンF生産馬だが休み明けが良くないようで、2020年彦根Sでは4カ月の間隔でプラス8㎏、これで殿負けした。2019年元町Sでも2か月強の休み明けで11着と凡走している。右回りでは直線で左にもたれるシーンがあり、修正していて追いづらそうなシーンがあるので、関屋記念のスムースさを見ると左回りの方が良いのかも。2020年阪神Cでは中段から進めたが、平均バランスで一杯になった感じで、距離適性の悪さを見せた。この馬は57㎏以上を背負うと凡走する。2021年高松宮記念では中段の後ろから伸びなかった、斤量57㎏の影響だと思う。

好材料は斤量で56㎏以下は好材料、57㎏以上では凡走ばかりなので実績のある56㎏は期待できる。和田騎手の継続騎乗だし阪急杯2着でクラス負けの危険もないと思う。悪材料は初コースで札幌は初めてで未知数、距離適性も1200mは重馬場の高松宮記念で10着、この時は57㎏で前に行けなかったので度外視してもいいが、一応実績がないので未知数ですね。

適性:竹+

<リンゴアメ>・心肺機能はやや高い、パワーは不明、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はやや低い、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し1着。”函館2歳S”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”京王杯2歳S”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”阪神JF”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”紅梅S”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったがL2で一杯になり凡走。”マーガレットS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”葵S”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「函館SSへ向けて」好材料:右回り、斤量。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>函館2歳Sでハイペースバランスを中段の前からで、自身もハイペースバランスを押し切っているので、1200mでは高い心肺機能を見せた。

<パワーについて>現状では不明。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>新馬戦が1000mであまり参考にならないが、1200m以下ではまぁまぁの物を見せた。L1が12.8なのでレースレベルには疑問もある。阪神JFがややスローバランスを中段からで、全く伸びなかったのでトップスピードの質はやや低いはず、距離適性もあったと思うがトップスピードの質では勝負しない方が良さそう。マーガレットSでは中段から差しに行ったが、ジリジリしか伸びずに後ろから差されているので、トップスピードの質は高くないことを見せた。

<持続力について>函館2歳Sでハイペースバランスを中段の前から進めて、しっかりとバテ差して来た。

<その他について>京王杯2歳Sが凡走したのは休み明けの可能性もある、この時はプラス16㎏だったしこの馬は非ノーザンF生産でビッグレッドF生産、休み明けで仕上がっていなかった可能性はある。もう一つの可能性は距離適性で、お母さんのマイネデセールやその子供たちはみんな短距離馬、この時期に距離適性が出るかどうかは未知数だが。紅梅Sと葵Sではスムースだったが全く伸びずに凡走している、共に左回りで1400mの京王杯2歳Sでも凡走しているので、左回りは良くないと思う。

好材料は右回りで、この馬はどうも左回りを苦手にしている。右回りでは函館の新馬戦、函館2歳Sと勝ち切っているし、4着だったがマーガレットSでも0.1差だったので、右回りは好材料で良いと思う。斤量も50㎏は大いに恵まれましたね。悪材料はクラス負けの危険で、マーガレットSは好内容で良いと思うが、1着のアスコルターレと2着のロングトレーがが葵賞で10着、14着なのでこのクラスでは苦しいかも。

適性:梅

<ロードアクア>・心肺機能はやや高い、パワーはある、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

レース名 着順 内容
2020年別府特別 1 重馬場でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて押し切り。心肺機能は見せたが、クビ差でL1が12.5まで落ちているので、持続力はまぁまぁまで。
2020年北陸S 1 平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。中緩みがありL2で0.6の加速をしているが出し抜いているわけではないので、瞬発力は評価できない。L1が11.8なのでトップスピードの質とその持続力も高いとは言えない。
2020年京阪杯 7 ややハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、トップスピードの質で見劣り。
2021年淀短距離S 4 平均バランスを逃げて4着。ここでも平均バランスにしてしまいトップスピードの質で見劣っている。
2021年阪急杯 7着 平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年鞍馬S 13着 ハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線で前をカットされて凡走。この時はマイナス10㎏でL2でも手応えが悪かった。
総評
心肺機能と持続力で勝負するタイプで、トップスピードの質が低いことは再三見せている。特にOPに上がってからはややハイペースバランスだった京阪杯でも、中段の前からで差されているので、このクラスでは道悪にならないと苦しいかもしれない。2021年阪急杯では2番手先行、前半のスピードで見劣り、後半も完全にクラス負け。2021年鞍馬Sではやや離れた追走集団の前からで、直線残り150mまではスムースだったが手応えが悪く、マイナス10㎏の影響かもしれない。淀短距離Sと鞍馬Sは走破時計がほぼ一緒だが中身が違う、前半が速くなりすぎると良くない感じ。

「函館SSへ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で1200mは好走多数。悪材料はクラス負けの危険で前半が速くなってしまうと後半苦しくなる。良馬場でこのクラスになると前半33秒台前半になると思うので、この馬のスピード能力では苦しいはず。

適性:梅