<種牡馬研究>ルーラーシップ その2

その1に引き続き、今回はルーラー産駒の弱点である休み明け、瞬発力のなさをふまえてのまとめを書いていきます。
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休み明けは割引

ここでもダンビュライトを見てください、サウジアラビアRCは3か月の休み明けで2着と好走していますが、相手が弱いので好走の内に入るかどうか。このレースを勝ったのはブレスジャーニーなのでその後の2頭の成績を考えると好走の内には入らないでしょう。更に2カ月間隔をあけた朝日杯FSでは2番人気に支持されながら13着に惨敗。年明けきさらぎ賞、弥生賞を3着して挑んだ皐月賞で3着に好走しました。4走目のダービーではドスローになってしまい出る幕なし。

夏を挟んで休み明けの神戸新聞杯は4着とイマイチ、菊花賞は不良馬場と気性難が顔を出して5着。その後2か月ぶりの格下げ戦で圧勝後、中1か月で挑んだアメリカJCCでいきなりGⅡを勝ち切ってしまいました。その後2か月半の休み明けで挑んだ大阪杯では6着と凡走。夏を休んで出走したオールカマーも2番人気3着とイマイチでした。

リリーノーブルのチューリップ賞も見てください、休み明けで負けるはずのないマウレアにあっさり負けて3着。続く桜花賞ではアーモンドアイ、ラッキーライラックに次ぐ3着は、同じ3着でも好走と言っていいでしょう。ついでにサンリヴァルも見てみましょう、休み明けのホープフルS、同じく休み明けの弥生賞で4着とイマイチだったのが、休み明け2走目の皐月賞では2着に好走しました。

このようにルーラー産駒は相手次第ではありますが、休み明けはイマイチです。注意しなければいけないのは外厩、ノーザンファーム信楽や、ノーザンファーム天栄は素晴らしい施設で、ルーラー産駒が休み明けイマイチであることも分かっているはず。社台系の馬は休み明けからある程度のパフォーマンスを出してくる可能性がありますが、それでも休み明けより2走目3走目の方が良いはずです。

瞬発力の無さ

ほとんどの産駒が上がり33秒台の決着で苦戦しています。ムイトオブリガードのアルゼンチン共和国杯を見てください、2着で上がり3F32.5です。ちょっと違和感ありますよね、でもこのレースは全ての馬が上がり3F33秒以下、最も上がり3Fが遅い馬でも33.6という異常な高速馬場だったということです。

リリーノーブルだけでなくダンビュライトもキセキでさえも上がり3F勝負は苦手です。前半からハイペースで飛ばして後続の脚を削いだうえで、上がり3F34秒台で粘り込む、これがルーラー産駒の必勝パターンですね。ダンビュライトのアメリカJCCの乗り方を見ると、ミルコもこの特性に気付いていると思います。

ただし2,3歳までは筋肉が軟らかいので瞬発力勝負にもある程度対応できる馬もいますので、そこは個々の馬を見て判断する必要があります。筋肉は年齢とともに硬くなりますので古馬になってからは瞬発力は確実に下がります、これはほとんどの馬に言えることですが、ルーラー産駒は特に顕著です。こういう瞬発力のない馬と相性が悪いのがムーア、クリスチャン、福永、戸崎騎手です。どうしても溜めて差しに行く競馬をしたがるので、ルーラー産駒とは相性最悪です。

ちょっと脱線しますが、ムーア騎手です、世界のライアン・ムーア騎手ですよ。ムーア騎手は本当に上手な騎手です、ただし好位差しならという条件付きですが。2018年のマイルCSではアエロリットでイヤイヤ逃がされて凡走してしまいました。あれ、アエロリットが悪いわけではなく、ムーア騎手がスローペースに落としたことも敗因の一つです。ムーア騎手が上手いのは好位を楽に取ってしまうポジショニングと、そこからの仕掛けのタイミングです。この2つで彼は世界最高のジョッキーになったのです。

好位で空気抵抗のロスを最小限にしておいて、ドンピシャのタイミングで仕掛ける為に、直線入り口でしっかりとコースを確保する。これは勝利への最短コースだと思います、彼はこれを極めたんですね。逃げたり中段以降からの差・追込では騎手の良さが出ないのでしょう。こういう騎乗を真似しているのか自然とそうなったのかは知りませんが、クリスチャン、福永、戸崎騎手も同じような傾向があります。あ、石川騎手もムーア騎手を目指しているそうですね。

まとめ

相手次第ではあるが休み明けは割引、速い上がりは使えないので前半からハイペースにして他馬の脚を削いだうえで粘り込む。よってこの特性を理解している騎手が必要。川田騎手、ミルコははっきり認識している。使い減りしないので休み明け3,4走目でも嫌う必要はない。

馬券的には先行脚質の馬に川田君やミルコ、豊騎手が乗っていれば軸にして良いと思います。後方からの馬の場合ロング捲りなど工夫が必要になってくるでしょう。パワーが豊富なのでダートでも好走できますが、こちらも先行粘り込みがいいでしょう。キセキの菊花賞勝ちから重馬場もこなせる馬が多いはず。馬券的に危険なのは後方からの追い込みや、差しに回りそうなときですね。騎手との相性は重要で、ムーア、クリスチャンや福永、戸崎騎手の場合は人気でも重い印は打ちにくい組み合わせです。休み明けは相手次第になりますが勝ち切れない可能性は十分に考慮すべきでしょう。

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