<種牡馬研究>ディープインパクト その1

日本競馬の至宝ディープインパクト、牡馬は飽きっぽく疲れやすい。その種牡馬としての特徴を研究していきましょう。

ディープインパクトの現役時代

ここでわざわざ説明する必要もなくらいの化け物っぷりでしたよね。無敗で3冠馬になっちゃうわ、日本では2着が1回あるだけで後は全て1着とかね。物が違うって感じでしたね。唯一の2着が3歳時の有馬記念、この時ディープに土を付けたのがハーツクライでした。ハーツクライはそれまで後方からの追い込み一辺倒でしたが、天皇賞秋から3戦続けて騎乗したルメール騎手が、突如先行させる奇策に。この奇策がドンピシャに嵌り半馬身差で2着になってしまいました。ルメール騎手、この頃から神騎乗ですよね。
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種牡馬としての特徴

まずが牡馬から、最大の特徴はG1を2勝以上した産駒が極めて少ない事です。2頭だけ。サトノダイヤモンドとミッキーアイルです。サトノダイヤモンドは菊花賞とその年の有馬記念。ミッキーアイルはNHKマイルC とマイルチャンピオンシップ。少ないですよね、ディープ産駒牡馬はそれだけ実力が拮抗していて、星を食い合っているって理由がもっともらしいですが、イマイチ。サトノダイヤモンドはディープ産駒の獲得賞金順位2位ですよ。意外でしょ、1位はジェンティルドンナね。

サトノダイヤモンドは現役なので今後さらにG1を勝つ可能性もありもありますが、現在スランプ中。菊花賞は3歳限定戦、有馬記念は初めて古馬と対戦したレース。つまりレース条件が違ったんですね。ここが味噌で同じような相手には何度も勝ちたくないっていう飽きっぽさを感じます。ディープ自身が非常に頭の良い馬であったことは有名ですから、能力の高い産駒にも頭の良さが受け継がれ、同じような条件では程々に走っている感じなんですよ。

ミッキーアイルも3歳限定のNHKマイルCを勝った後、惜しいレースが続きました。古馬になって勝ったマイルチャンピオンシップがG1の2勝目になりましたが、あのレースはご存知の通りミッキーアイル自身が逃げて直線大きく斜行、多くの差し馬に迷惑をかけてしまったレースでした。あの斜行が無ければ勝っていなかったでしょう。ちなみにミッキーアイルが勝ってくれたことで馬券は当たりました、ありがとねアイルちゃん。

上記のように牡馬はG1を2つ勝つ可能性は低い。さらに初めてのレース条件で活性化する特徴があります。これは下級条件やG1以外の重賞でも、格上げ戦でいきなり勝ってしまう馬が多いことからも頷けます。格上げ戦でいきなり勝つと書いたけど、実は格下げ戦も得意。自分より弱い相手には問答無用で勝ち切るんだよね~。この辺りはステイゴールド真逆で、ステゴは格下げ戦ではやる気が出ずあっさり負けるからね~。

例えばトーセンレーヴ、言わずと知れた超良血、ブエナビスタの半弟。もちろんデビュー前から大いに期待されたけど、G1は未勝利。この馬は青葉賞で1番人気ながら3着に、次走格下げでプリンシパルSに出走してあっさり1着。後述するけど疲れやすいディープ産駒が、青葉賞の時は使い詰めで4戦目、その前の毎日杯が3戦目でともに3着は納得の結果なんだよね。ところが連闘で挑んだプリンシパルSでは弱い相手にあっさりだからね~。その後も格下げで大活躍してるよ。

サトノノブレスも格下げ戦が大好きなタイプ。相手が弱くなるとやる気出すタイプなんだよね~。詳しくはノブレスの成績見て欲しいんだけど、顕著でしょ。こういう特性を知っておくと意外な人気薄を狙えるんだよ。

次は牝馬ね、牝馬は化け物クラスの馬とその他って感じでかなりメリハリが効いている感じ。好例がジェンティルドンナだね、もう化け物牝馬として最強クラスでしょう。ショウナンパンドラミッキークインも牡馬相手のG1で好走しちゃうからね。そういう化け物レベルの牝馬はとにかくタフ、肉体的にも精神的にもね。

ジェンティルドンナを見てみましょう。まぁ牝馬三冠の後、初古馬戦のジャパンCでオルフェーブルを吹っ飛ばすくらいだからね。この時も初古馬戦でそれまでの3歳戦限定戦からレース条件がガラッと変わったことが大きいよ。更に有馬記念、この時はドバイ遠征後の着がイマイチピリッとしなくて4番人気だったんだけど、初めての中山だったんだよ。この初コースという条件で覚醒して1着だからね~。ちなみにこの時9番人気のトゥザワールド本命でジェンティルが抜けた…。

条件替わりで好走したパターンとしてはデニムアンドルビーのジャパンCもそうだね。前走まで牝馬限定戦から牡馬混合戦で覚醒したパターン。阪神大賞典2着も初めての長距離戦で覚醒したパターンですね。ショウナンパンドラの宝塚記念3着も、前走が牝馬限定のビクトリアMでやる気をなくし、牡馬混合の宝塚記念で覚醒パターン。ミッキークインの初古馬戦だったジャパンCは3番人気で8着だったけど、これはスタートから掛かってしまってレースにならなかったパターン。

牡馬牝馬共通の特徴、これはもう使い減りするってこと。休み明けから好走する馬が多い反面、3戦目以降は顕著に成績を落とす。これは明らかに使い減りしてる証拠、もちろん下級条件で相手が弱かったり、格上げ戦や初古馬戦などのレース条件が変わるとやる気は出すんだけどね。疲労には弱いから狙うなら休み明け2戦目がベストだよ。スピルバークの天皇賞秋とかね。

疲労と言えばもう一つ、海外遠征帰り。特に牡馬は成績悪い、サトノダイヤモンドやマカヒキのフランス遠征後のスランプ。リアルスティールもドバイ帰りで2度の大敗。ジェンティルも2度目のドバイ遠征からの帰国初戦では大敗したからね。

距離は根幹距離が得意。特に1600から2400だね。マリアライトみたいに非根幹距離で勝ちまくった馬も居るけど、あれは例外だね。2200のエリ女でミッキークインが勝てなかったのがいい例。1200は重賞まで、G1では足りない。長距離も悪くないけど、個別に得意不得意が出る距離、サトノダイヤモンドは完全にステイヤーだし、マカヒキも体型的にはステイヤーだと思ってる。

まとめ

疲労に弱い、条件替わりなどのショックで覚醒する、距離は基本根幹距離が得意、牡馬はG1の2勝目が高いハードル。これらを覚えておきましょう。

次回は競争能力について書きます。

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