2019年オークス 全頭評価 その1。

過去5年複数回3着以内に来ている種牡馬はディープインパクト5回、ハーツクライ2回です。2013,2012年も2頭のディープ産駒が来ているので相性は良いはずですが、直近の2年はディープ産駒が3着以内に来ていませんね。ペースですが、昨年はサヤカチャンが離して逃げましたが、追走集団は実質スローバランスでこれを含めてスローバランスが4回、2016年だけが0.4のややハイペースバランスでした。ほとんどの馬が未知の距離なのでスローバランスになりやすいレースですね、今年はコントラチェックのレーン騎手がペースのカギを握りそう。

では1頭ずつ見ていきます。

<アクアミラビリス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力が非常に高い。

・トップスピードの質は高く持続力はまぁまぁ。・掛かるので内枠で。  

”新馬戦”ではスローバランスを掛かるも前に馬を置いて折り合わせ先行、L3,L2で2段階の加速で圧勝、L2の10.6は異様な加速力。”フェアリーS”ではややスローバランスを掛かりながら先行して凡走。”エルフィンS”ではスローバランスを最後方から、L2で驚異的な瞬発力で一気にトップスピードに上げると纏めて交わして1着。

「オークスへ向けて」前走の桜花賞はマイナス10㎏で走れる体ではなかった、1か月半の間隔でどこまで立て直せるかがポイントでしょう。この馬の武器は強烈な瞬発力、一気にトップスピードに引き上げることができる。持続力は現状2Fくらいまでで、3Fをトップスピードで持続する能力は見せていない。新馬戦はスロー過ぎて参考にはならないけど、それでも一気にトップスピードに引き上げる瞬発力は見せたし、エルフィンSでもL2で驚異的な瞬発力を見せた、L2は10.3くらいのトップスピードでL1もさほど落としていない。2Fなら強烈なトップスピードを持続できることは見せている。しかし3F戦になることが多いオークスでは持続力が足りなくなる可能性はあると思う、もちろんスローからのL2最速戦ならチャンスはあると思うが、乗り替わりだし体調も含めて苦しいと思う。

<ウィクトーリア>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力はある。

・スタート悪く出遅れることが多い。

”赤松賞”ではスローバランスを中段の後ろから、直線詰まって凡走、瞬発力の無さを見せた。”中山500万条件”ではスタートイマイチも出して行って逃げ、スローバランスにして逃げ切り。”フローラS”ではスローバランスを出遅れ中段の後ろから、直線はL1標識まで詰まったがバテ差しで僅差の1着、詰まったがL2最速で流れていたのでブレーキせずに済んでいる。

「オークスへ向けて」前走のフローラSは伸びたように見えて実はバテ差し、L2最速で流れていたので詰まってもブレーキせずに済み、加速しながらL1のバテ差しが出来た。タイムは高速馬場だったので大したことはないが、持続力は見せたので直線でスムースなら可能性はある。大きな不安はスタートで前走も大きく出遅れ、500万条件でも逃げてはいるがスタートは良くなかったので、内枠だとフローラSのような位置になる可能性が高く、GⅠでは致命的な位置取りになりそう。

<ウィンゼノビア>心肺機能はまぁまぁ、パワーは有りそう、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力もそこそこ。

”アルテミスS”ではハイペースバランスを中段のやや前から、4コーナーでは外目を回したが直線になって内に切り込んでしまう、トップスピードの質で見劣り4着。”阪神JF”では平均バランスを中段から、直線一杯になり早々に後退、平均バランスでの心肺機能の低さかも。”フローラS”ではスローバランスを先行、L2までは踏ん張っていたがL1で後退、スローバランスからの持続力は一定の評価はできるが、重賞でどうこうではない。

「オークスへ向けて」ここでどうこうなる馬ではないかな~。アルテミスSでトップスピードが低いこと、フローラSで持続力もそこそこだということが露見してしまった、この感じだと重馬場にでもならないと苦しい。

<エールヴォア>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・休み明けでも走る。

・”エリカ賞”ではスローバランスを逃げて押し切り。”アルテミスS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、バテ差しで3着まで、シェーングランツにはトップスピードの質ではっきり見劣り。”フラワーC”ではスローバランスを中段の前から、直線はバテ差しで2着まで。”桜花賞”ではスローバランスを後方から、直線最内を突いて伸びたが7着、上がり32.9だがロスなく最内を回ったもので評価はできない。

「オークスへ向けて」桜花賞では上がり3F32.9で2位だが最内をロスなく回ったもので、同じようなコースを通たシゲルピンクダイヤに見劣っているので、トップスピードの質は評価できない。アルテミスSでは持続力は見せたがここでもトップスピードの質で見劣っているので、コース適正を考えると高い評価はできない。エリカ賞で逃げ切っているように、スローバランスからの持続力ならば勝負は出来るが、良馬場でトップスピードの質を問われてしまうと苦しいと思う。

<カレンブーケドール>・心肺機能特化型でパワーは少ない。・瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質は高く持続力は高い。 

新馬戦”では中段から長くいい脚を使って良く伸びたが、前に居たダノンキングリーを捉えきれず2着。”東京未勝利戦”では中段の馬群の中で進め、直線で前が壁になり再三進路変更してL1だけ伸びて3着。”中山未勝利戦”では先行勢の直後で進め直線で抜け出して辛勝、坂では苦しくなった。”クイーンC”ではL2まで待ってしまい瞬発力が足りずに4着。”スイトピーS”ではスローバランスを中段から、3コーナーで前に取り付き直線はL2まで待ってから追い出し僅差の1着、瞬発力の無さを見せてしまった。

「オークスへ向けて」新馬戦で同タイムのアタマ差で負けたのがダノンキングリーで、この時は先に抜け出したダノンを追い詰めた、直線入り口から追い出していたがなかなかエンジンが掛からない感じで、トップスピードに乗せるのに時間がかかる感じだった。その後は勝ってもL2からの追い出しで辛勝まで、早目に追い出さないといけない馬を溜めてしまうので、この馬の良さが出ていない。前走から乗り替りもないので、馬の能力は高いが大きな期待はできない。

<クロノジェネシス>・バゴ産駒でかなり掛かる、外枠は危険。

・強烈な瞬発力がありトップスピードの質は高く持続力も高い。

・パワーも有り坂でも加速できる。

”アイビーS”では内枠から中段の前で何とか折り合って直線、コースを取り切るのにやや手間取るが坂から一気に加速して圧勝。”阪神JF”ではスタートで出遅れ最後方から折り合いに専念、4コーナーでダノンファンタジーの外を回された分2着に。”クイーンC”ではスローバランスを外枠から掛かりながら中段から、直線はビーチサンバが来てからL2で追い出し圧勝。”桜花賞”ではスローバランスをインコースの中段から、序盤掛かっていたが中盤で折り合う、直線は前が壁になり外に出してから瞬発力とバテ差しで3着。

「オークスへ向けて」馬のポテンシャルだけならグランアレグリアを凌ぐ可能性がある、強烈な瞬発力、高いトップスピード、高い持続力と非の打ち所がないっように見えて、実は大きな弱点を抱えている、それが気性でとにかく掛かる。アイビーSなんかは内枠で折り合ってから強烈な瞬発力で圧勝している、クイーンCでは外枠で行きたがったがマイルで何とか勝ち切った、この時も掛かっていて上り33.1だがやや物足りない。当然2400で掛かればレースにならないはずで内枠は欲しい、だが北村騎手の制裁点数を考えると内枠ももろ手を挙げて歓迎できないのは、ヴィクトリアMのレッドオルガで見せてしまった。レッドの予想と同じで内枠を引いて直線が奇跡的に空けば勝負は出来るはず。