2019年ダービー 全頭評価 その1。

過去5年複数回3着以内に来ている種牡馬はディープインパクト5回、キングカメハメハ3回、ハーツクライ2回です。2014年がエキマエの大逃げがありましたが、実質的にはスローバランスでした、ですのでスローバランス4回、ややハイペースバランス1回です。注目はややハイペースバランスになった2015年で勝ち馬はドゥラメンテ、ご存知のように気性に難のある馬で新馬戦から共同通信杯迄掛かりまくっていました、それがダービーではややハイペースで流れたことで中段で折り合えた、これが運ですよね~。ダービーは運の良い馬が勝つと言いますが、今年運の良い馬はどの馬なんでしょうね。

<アドマイヤジャスタ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・スタートで遅れることがある。・トップスピードの質は低く持続力は高い。

”2018年ホープフルS”ではではスローバランスを先行して2着、サートゥルナーリアの瞬発力に明確に見劣り。”2019年すみれS”ではスローバランスを中段から、L2最速戦の瞬発力勝負で見劣り2着。”皐月賞”では平均バランスを後方から、インコースに入れて直線もコースが狭くなり凡走。

「ダービーへ向けて」前走皐月賞はスタートイマイチで大外枠からすぐに内に入れてしまった、これは岩田騎手らしい乗り方でこれが嵌ることもあるので何とも言い難いが、内に入れてしまうとスローペースになった時に押し上げられないし、動くに動けなくなって結果的に展開待ちになってしまう。皐月賞では全くの平均バランスになったが、上位3頭はL1で最速タイムを出しているように実は余力十分なスローペースだった、これを後方待機で直線勝負しても届くはずはない、元々トップスピードの質は低いからね。

さらに物足りないのがすみれSでサトノルークスを捉えきれず、この時は休み明けだが、ホープフルSも2か月以上間隔を空けていたので言い訳にならない、中段から3,4コーナーも手応えが悪く直線もジリジリ伸びただけ、L2最速10.9で離されずに対応はしているが、下り坂で瞬発力は問われていない。スタートが悪かったが少頭数で中段を取れても動き出しの反応は悪いし、直線でも伸びないとなるとこれ以上の上積みは難しそう。出ムチをくれてでも逃げるつもりで出して行くなりして、ホープフルSのようなレースになればチャンスはありそう、脚質的にも距離延長でステイヤー的なレースの方が合うと思う。ミルコへの乗り替りはプラスだけど、それは岩田騎手に比べてのもので、ホープフルSでルメール騎手がしたような最高の騎乗が出来るかは半信半疑、特にミルコはスタート良くないからね。

<エメラルファイト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・バテ差し型。

”スプリングS”では平均バランスを中段から、L2最速戦を持続力で押し切る。”白梅賞”ではややハイペースバランスを中段のインコースでコースロスなく進めて、直線外からバテ差し1着。”朝日杯FS”ではややスローバランスを後方から、バテ差しで6着まで。”アイビーS”ではスローバランスを3番手先行して3着、直線は上がり33.1だがクロノジェネシスには明確に見劣り、コスモカレンドゥラにもやや劣る、高速馬場でへの適性の低さ、トップスピードの質、瞬発力の低さを見せた。

「ダービーへ向けて」白梅賞、スプリングSと流れた中で好走してきたのは、一定の評価をしないといけないと思います。アイビーSで高速馬場への適性の低さを露呈しているように、良馬場でスローバランスになれば出番はないと思いますが、ハイペースバランスや重馬場になれば可能性は高まると思う。予定していた皐月賞を捻挫で回避し、在厩のまま調整されていますので調子は未知数ですね。石川騎手が乗った時もスタートが不安定で後方からになったり、先行したりで位置取りも未知数です、脚質的には先行してある程度前を突いて、平均バランスくらいでどこまで粘れるかというレースが理想ですが、石川騎手にそれが出来るかどうか。

<クラージュゲリエ>・キンカメ産駒で休み明けでも走る。

・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

”札幌2歳S”ではかなり重い馬場で中段やや後ろから掛かり気味、コーナーで外から加速したがジリジリで届かず3着。”京都2歳S”では中段で折り合いに専念、L3から目視11.0→11.2→11.6と長くいい脚を使って1着。軽い馬場で本領を発揮した感じだが、タイム自体は平凡で2着のブレイキングドーンもホープフルSで5着とレースレベルには疑問も。”共同通信杯”ではスローペースバランスを中段から、直線は瞬発力で見劣りバテ差し3着。”皐月賞”では平均バランスを中段から、直線は流れ込んで5着。

「ダービーへ向けて」結論から書くと、複数の上位馬に何かあれば台頭してくる1番手だと思っています。この馬は好走した時と凡走した時で条件がはっきりしていて、それがコーナーの数。好走凡走の定義がややこしいので、ここで定義しておくと、好走は皐月賞(5着)、ラジニケ賞(1着)、新馬戦(1着)、凡走は共同通信杯(3着)、札幌2歳S(3着)。コーナーが4つあることでペースが緩んだ皐月賞、ラジニケ賞で好走しているようにコーナーで息を入れられることが好走要因かなと。もちろんコーナー2回でも前半緩めば問題はないけど、距離も1800までになってしまうので緩むことは少ないはず。東京2400はコーナー4つでダービーはスローバランスになりやすことを考えても、適性的には合いそう。トップスピードの質が高くないことは間違いないので、内枠引いて道中楽をしながら、直線前がポッカリ空くような展開なら、もちろん上位馬に何かあったらだけど。

<サートゥルナーリア>・心肺機能は高い、パワーは有る。

・瞬発力とトップスピードの質は高いが持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではスローバランスを先行、直線では前が壁になりながら強烈な瞬発力で圧勝。”萩S”ではスローバランスを中段から、直線では1F半位を持ったまま圧勝。”ホープフルS”ではスローバランスを先行、直線前が壁になり残り150m位で瞬発力を生かして圧勝。”皐月賞”では平均バランスを中段から、3F戦で1着、瞬発力は見せられず、直線で苦しくなったのか内にもたれて制裁対象に。

「ダービーへ向けて」兄弟に比べて気性が大人しく、レース中の掛かることが無いのは2400へ向けて好材料、トップスピードの質と瞬発力はこの世代どころか現役でもトップクラス、アーモンドアイはこれに加えて持続力もトップクラスなので比較してしまうと可哀想だが。レーン騎手への乗り替わりも脚質的には不安なし、自分でレースを作る馬ではないので直線勝負ならトップクラスの実力を持っている騎手。

不安材料としてはやはり持続力、皐月賞では3F戦を馬群の外を回して、直線で苦しくなったのか内にもたれて制裁対象に。ホープフルSまでは2Fはおろか1F半くらいしかトップスピードで走っていない、それでも圧勝する瞬発力は素晴らしいが、東京では瞬発力よりもトップスピードの質と持続力を問われるので大きな武器にはならない。外枠を引いてしまうとまた距離ロスも考えられるし、馬場もCコースに替わって内優位になってしまうと意外と苦戦もあるかな~。

<サトノルークス>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。

”すみれS”ではスローバランスを先行、L2最速戦にして押し切り、後半58.9でまぁまぁ。”500万条件”では平均バランスを中段から、直線前が壁になるがバテ差しで1着。”皐月賞”では平均バランスを後方からになり凡走。

「ダービーへ向けて」心肺機能とパワー、持続力は結構高い物を見せていて、すみれSではL4から11秒台に入れて押し切っているし、500万条件でも平均バランスを中段の前から押し切っている、さすがにL2以降12秒台に落としているが、息の入らない流れを押し切った心肺機能は高く評価しないと。もちろんトップスピードの質が低いのは隠しようもないので、このレースでは厳しい、重馬場とかL5辺りから11秒台に入るロンスパの消耗戦にでもなれば台頭する可能性はあるが、良馬場でスローバランスでは苦しいと思う。

<シュヴァルツリーゼ >・持続力は高い、瞬発力はまぁまぁ。トップスピードの質は高く持続力も高い。

・走りのバランスが悪くかなりロスをしている。

”新馬戦”ではスローバランスを掛かりながら中段から、直線はL1でのバテ差しで1着。”弥生賞”は重馬場、平均バランスを最後方から、4コーナーからのバテ差しで2着まで。”皐月賞”では平均バランスを中段の後ろ最内から、直線は前が壁になるシーンもあったがバランス崩して追えなくなり自滅。

「ダービーへ向けて」近2走が直線でバランスが悪く、持続力を見せた弥生賞こそ大外を回せたので伸びたが、皐月賞では馬群の中から直線を迎えて全く追えなかった。新馬戦は東京でこの時もフラフラしていたが、右回りよりはよっぽどましだったし、ここでトップスピードの質が高いことを見せた。左回りに替わるのははっきりプラスだと思う、枠は特に重要になりそうな1頭で外枠が欲しい馬、前走も5枠10番と外目の枠だったが、騎手が何を狂ったか最内に入れてしまったことで、直線バランスを崩し追えなかった。

弥生賞が重馬場で平均バランス、これを後方から直線入り口でバランスを崩しながら回って、ブレイキングドーンに対してL1では⒉馬身あった差を3/4馬身差し切った持続力は高評価。左回り替わりとコース適正を考えると、ジャイアントキリングがあるとすればこの馬かも。